2018年2月14日

店舗、オフィスの内装工事における設計施工と分離発注の特徴

店舗やオフィスの内装工事は、「設計施工」と「分離発注」のどちらかの方法で行います。 ここでは、内装工事を依頼できる会社や各依頼方法のメリット・デメリットについてご紹介します。 これらは、内装工事を依頼する際に必要な知識ですので、しっかりと把握して業者選定などに役立てて下さい。

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内装工事には、「設計施工」と「分離発注」の2通りがある

店舗やオフィスを新しく構えたり、リフォームをするときには、必ず内装工事が必要です。内装工事とは建物内部の床、天井、壁の仕上げ工事を指します。 具体的には、壁面、天井のクロス貼りや塗装、床面のフローリング貼り、造作家具や建具、また電気、水道、空調工事なども含まれます。

内装工事は、設計、デザイン、施工の各分野を専門とする業者が行いますが、たとえ依頼先が一社であっても、完成までに関わってくる業者は複数になることが通常です。 まずは内装工事を行う会社にはどのような会社があるのか、その依頼方法についても理解しておきましょう。

内装工事を依頼できる会社

内装工事を行う会社は大きく3つに分かれます。それぞれの会社がどのような業務を行うのかを正しく理解しておくと依頼先の選定に困ることもなくなり、工事の依頼もスムーズに進めることができます。

  1. デザイン設計会社
    設計やデザインのみを手掛け、工事は行いません。しかし設計や施工スケジュールなどの設計監理業務を行ってくれるところもあります。
  2. 設計施工会社
    設計から工事まですべて行います。(元請けが自社の職人を使うこともありますが、下請け業者が入ることもあります)
  3. 専門業者:内装業者
    デザイン設計会社が作成した設計図を基に工事のみを行います。

設計施工と分離発注とは?

また内装工事を依頼する際は、「設計施工」と「分離発注」の2通りの方法から選ぶことになります。 設計施工は「設計・デザイン」から「工事」まですべてを一括して行ってくれる設計施工会社に依頼します。

一方、分離発注は「設計・デザイン」と「工事」をそれぞれ別々の会社に依頼します。 つまり、設計・デザインはデザイン設計会社に、そして工事は工務店やリフォーム専門店などの内装業者に依頼します。 どちらの方法で依頼すべきか迷ってしまうかもしれませんが、次にご紹介する各依頼方法のメリットやデメリットを参考にして判断して下さい。

設計施工のメリット・デメリット

発注者が直接関わる業者は、設計施工会社一社のみですが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット

  • 連絡、相談窓口が一つで済み、打ち合わせなどの手間が省ける
  • 施工管理能力に長けているので、安心してすべての工事を任せることができる
  • 工事期間を短縮できる
  • トラブル時の責任の所在を明確にすることができる
  • 設計と施工内容にずれが生じることが少ない

「設計施工」は一つの会社(元請)が設計から工事までを一括して行うため、発注者は連絡、相談窓口が一つで済みます。なおかつ、元請がしっかりとした施工管理を行ってくれますので、工期に遅れが出ることも少なく、全ての工事を安心して任せることができます。

そして何かトラブルが発生した時も、責任の所在も明らかにでき、業者間で責任をなすりつけ合うような事態も避けることができます。 よほどの変更がない限りは最低限の打ち合わせで済み、発注者が複数の業者に連絡をしなければならないなどの面倒な手間もかかりません。 その他、施工内容を変更してほしい時なども、早い段階で連絡がつきやすいです。

また設計・デザイン部門と工事部門の各担当者が同じ会社に在籍、または協力会社(下請業者)と提携していることが多いため、担当者同士も打ち合わせがしやすい環境にあります。従って、設計と施工内容にずれが生じてしまうなどのトラブルも少なくなるでしょう。

デメリット

  • 設計や施工において、高度な設計力や技術力を伴っていない場合がある
  • 見積書には専門用語が多く記載されているため、図面と照らし合わせて、工事内容や金額をしっかりと確認する必要がある

設計施工会社は、設計と施工の各分野において高い技術力を併せ持つことが必要です。 しかし、中にはどちらかの技術力が欠けている設計施工会社も存在します。 特にデザインや設計に関しては、デザイン設計会社には劣ってしまうことが多いかもしれません。 そのため、デザイン性にこだわった空間作りを希望する場合は、思い描いている設計やデザインを提案してもらえず、物足りなく感じることもあるでしょう。

基本的に施工業者は設計施工会社の職人、またはその下請業者などが行いますが、自分が希望する業者に入ってもらうことが可能なこともあります。 もし特定の業者を希望する場合は、元請の設計施工会社に相談してみると良いでしょう。

また内装工事などの見積書には、素人では分かりにくい専門用語がたくさん記載されています。 図面と見積書をよく照らし合わせて、施工内容や金額に不明な点がある場合は、納得のいくまでしっかりと説明をしてもらうことが大切です。

分離発注のメリット・デメリット

発注者が分離発注で関わる業者は、デザイン設計会社と専門業者(内装業者)ですが、作業内容(工種)によって複数の業者とやり取りする必要があります。 分離発注のメリットとデメリットについても見ていきましょう。

メリット

  • 設計図をもとに複数の業者から相見積りを取ることで、金額はもちろん、工事内容などの整合性を比較できるため、納得のいく業者を選定できる
  • デザイン設計会社に第三者的な立場から工事内容や進捗状況のチェック、現場との打ち合わせや指示などを行ってもらえる

冒頭でもご紹介したように内装工事には様々な種類があり、複数の工務店やリフォーム会社を選定しなければなりません。 その際、相見積りを取り施工内容や金額を比較検討することで、工事費用を抑えることが期待でき、工事の妥当性や適切な業者を見極めることもできます。 そして最終的に自分が納得のいく業者を選ぶことが可能です。

またデザイン設計会社にもよりますが、第三者的な立場から工事内容や、進捗状況などのチェック、現場との打ち合わせや指示まで行ってもらうこともできます。 素人には、難しい設計監理業務を代行してもらえると、発注者の負担はかなり軽減されます。

デメリット

  • 見積書の比較検討や業者選びに時間がかかる
  • 発注者自ら各業者に工事を発注しなければならない
  • 各業者との意思疎通を図り、綿密な打ち合せが必要
  • 工事期間が長くなる

分離発注は、デザイン設計会社から紹介を受けた施工業者に依頼、もしくは、自分が選定した業者の場合は、発注者が直接依頼をします。 デザイン設計会社からの紹介であれば、業者選びにかかる時間は短縮することができます。 しかし、自分で最初から業者選びをする場合は、選定に時間がかかることは避けられません。 そして複数の業者とやり取りするため、連絡、相談窓口が複数になり発注者自身の負担も多くなります。

またデザイン設計会社が管理業務まで行ってくれるところであれば心配ないですが、そうではない場合、業者間のスケジュール調整などが上手くいかず、工事期間が延びてしまうことも懸念されます。

従って、分離発注はできるだけ各業者との意思疎通を図り綿密な打ち合わせを行うことが大切です。 そうすることで、設計と施工にずれが生じることも少なくなり、業者同士、または発注者と業者間で起こるトラブルを回避できます。

工事費・設計費からみた設計施工、分離発注の特徴

内装工事を依頼する際、発注者が最も気になるのが、工事に一体どれくらいの工事費や設計費がかかるのかということではないでしょうか。 ここまで「設計施工」と「分離発注」のメリットやデメリットについて触れてきましたが、費用についても理解しておく必要があります。

設計施工、分離発注どちらの方法で依頼をしても工事費設計費は必ず発生する費用です。 一般的に、設計施工の方が分離発注よりも費用が高いというイメージが浸透していますが、実は、両者の設計費にはそれほど差はありません。

そこで注目すべき費用が、工事費設計監理費です。 各依頼方法において、これらの費用が大きく影響する理由を簡単に説明します。

設計施工

設計施工の場合は、工事費の中に各下請業者への経費が含まれますが、その部分が不明瞭である点が懸念されます。 しかし業者の数が少なければその分経費も削減され、費用も抑えることができます。 そのため、工事に関わる下請業者の数がポイントになります。

分離発注

一方、分離発注の場合は、相見積りにより工事費のコストダウンが期待できます。 しかし、工事全体をとりまとめるための設計監理費が発生します。 この設計管理費は設計費の約10%が相場となっています。

つまり、工事費は削減できたとしても、設計施工で発生する下請け業者の経費と同じくらいの設計管理費が発生することも考えられます。 かといって、素人がすべての工事を監理するのはとても難しいため、分離発注で設計監理費が発生するのはやむを得ないでしょう。

従って、「設計施工」と「分離発注」では、どちらがお得になるのかははっきりと断言できないのが実情です。 もちろん、依頼する施工会社や設計デザイン会社によっては、工事費や設計費を削減できることもあります。

まずはどちらの方法で工事を依頼するのかを決めた上で、費用面でメリットが大きいと判断できる業者を選定することが重要です。

まとめ

店舗やオフィスの内装工事を行う時は、まず、工事を依頼できる会社やその依頼方法についてきちんと理解をしておく必要があります。

ご紹介した「設計施工」と「分離発注」は、発注者にとってのメリットやデメリット、発生する費用も異なります。

内装工事はデザイン、設計、施工の3つのバランスがとれていることが望ましいですが、時にはどれか一つを妥協しなければならないこともあるかもしれません。 工事に求めることや優先したいものを明確にすることで、どんな会社に依頼すべきか、また依頼方法もおのずと見えてきます。

理想の内装に仕上げてもらうのは重視すべき点ですが、金銭面においても納得がいくように、業者や依頼方法を検討して下さい。

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