店舗における外装・ファサードの役割
ファサードとはフランス語が語源で、店舗の外観全体を指す言葉です。具体的には、看板、サイン、植栽など店舗の第一印象となり得る要素を指します。 例えば外壁の劣化を放置し、ひび割れだらけで土汚れで真っ黒になっている場合、お客様の印象は良いものとは言えませんよね。 しかし外壁のデザインにこだわり、掃除も行き届いているようなお店であれば、清潔感を与えると共にお店のコンセプトなども伝わりやすくなります。
人はお店の外観から中の様子や雰囲気などを想像しますので、外観は集客に直接影響を及ぼすとも言えます。例えばインパクトがあり、個性的な外装は、通行人が興味を持ちやすく「どんなお店なのだろうか」と想像を膨らますこともできますし、清潔感があって雰囲気の良い外装であれば「入ってみたい」と思わせることもできます。
外装のデザインに迷った際は、建築士やデザイナーに依頼するという選択があります。依頼をすればもちろん費用はかかりますが、経験や事例が豊富な業者に依頼することで、プロの視点から要素を組み込んだデザインをしてもらうことができます。また、施工までトータルで依頼できると、擦り合わせがしやすいため大きく着想がずれることなく、理想の外装を実現することができるというメリットもあります。
飲食店・居酒屋の外装デザインの考え方
居酒屋の外装で必要な考え方はどんなものなのでしょうか。居酒屋は基本的にランチ営業もしていても、メインの営業は夕方から夜にかけてです。そんな居酒屋の外装でのポイントをご紹介します。
居酒屋だとわかることが前提
外装を考えるときにもっとも重要なことが、なんのお店なのかが一目見てわかることです。和食がメインなのか洋食メインなのかすら分からなければ、居酒屋なのかもわからない…という店舗ではお客様は気軽に入ることができません。こだわり抜いた外装デザインも大切ですが、どんなお店なのかを伝えられるよう工夫しましょう。 方法はいくつかありますが、もっとも簡単な方法は「看板サイン」を用いることです。例えば、直接文字で「海鮮居酒屋〇〇」「アジアン居酒屋〇〇」などと入れたり、イタリアの国旗をモチーフにする・和テイストな書体を用いるなど、デザインで表現することもできます。 非常にシンプルな表現ですが、誰が見てもわかるようにするためにはシンプル、かつストレートな表現が一番です。
また、覚えてもらう・印象付けることも大切ですので、ロゴマークを考案してみたり、チャンネルサインと呼ばれる照明を用いた看板サインを作成しても良いでしょう。
入店まで促せる工夫をする
お客様がその居酒屋に入るかのどうか判断する際、どこを見ているでしょうか。一般的に、入店を決断するプロセスには3段階あると言われています。
- 外装が目に留まる
- メニュー看板でメニューと価格を見る
- 店内の様子がわかる
まず重要となるのが、やはりお店の外装です。まず目に入る部分となりますので、お客様の興味を引けるかどうかがかかってきます。「どんなお店なんろう」と思って興味を持ってもらうことが重要です。 そこにメニュー看板があり料理の内容や価格がわかると、より具体的に入ってみようかどうか検討に入ります。さらに店内の様子が見えると、より雰囲気が掴みやすく決断がしやすくなります。
また、ランチ営業でも店舗の存在を認知してもらうのもひとつです。看板や旗でリーズナブルな価格でランチ営業をアピールし、入店を促しておけば、夜間営業時にも「夜も来てみよう」と思ってもらえる可能性が高くなります。
照明を活用する
居酒屋の営業時間は夕方からがメインとなるため、照明選びは重要です。明かり一つもない外装ではお店があるのかないのか、また営業しているのかしていないのかすら分かりませんよね。 外装に必須となる照明ですが、照明の種類や光の当て方によって外観の雰囲気はかなり大きく変わってきますので、種類や配置なども重要な要素として捉えましょう。
照明の使い方は主に2パターンあります。 1つ目は看板に直接照明を当てるパターンです。例えばスポットライトを地面に設置し上部の看板に向かって当てると、浮かび上がるように立体的に看板を照らしますし、上部から当てればよりインパクトを持たせ強調することができます。
2つ目はチャンネルサインを用いるパターンです。チャンネルサインとは立体文字とも呼ばれ、LEDライト等で店名の文字をかたどった照明です。日中はライトを消していても文字がはっきり見え、夜間はライトを点灯させることで目立たせます。 ネオン街と呼ばれる町並みで多く使用されているスタイルです。価格は素材や照明の種類によって前後しますが、安価なものは1文字10,000円程度、高価なものだと1文字30,000円程度となります。
清潔感のある外装にする
居酒屋は飲食店の一種でもあるため、清潔感は重要です。 食品を取り扱う以上、衛生面は必ず配慮しなくてはなりませんよね。厨房周りや内部に関しては掃除を欠かさず、いつも清潔にしているというお店が多いですが、外部はどうでしょうか?
入店を決める際外観から内部を想像しますが、外観が既に汚れていて掃除が行き届いていない様子だった場合、お客様はもちろん不衛生な印象を持つでしょう。 普段からの清掃で外部まで衛生面に気を遣うと共に、安心して入店できるよう信頼が持てるようなデザインだと好感が持ちやすくなります。
暖かみのある木目調の素材を用いたり、植栽を取り入れるのもおすすめです。 ナチュラル感のある木目調の素材は、暖かさ、安心感、癒しなどを連想させます。外壁の素材を塗装で塗り替えたり、サイディングボードと呼ばれる外壁材を用いて木材感を演出することができます。
提灯やのれんなど小物で雰囲気を演出する
提灯は居酒屋の外装に非常によく用いられます。昔から親しまれているものでもあり、和の雰囲気はもちろんですが、お祭りのように活気のある印象を与えたり、柔らかい明かりで温かみを感じさせます。 独特の柔らかい明かりは、LEDライトのような白みがなく強いインパクトはないものの、外観の雰囲気を演出してくれます。
のれんも古くから日本の店前に欠かせないアイテムです。営業開始から店前に掲げ、営業終了と共に店内へ下げて使うもので、営業時間を記載せずとも伝えることができます。文字を入れれば看板のようにも使えますし、程よく目隠しにもなるのが特徴です。
外装・ファサード工事のポイント
居酒屋で外装・ファサード工事をする上では、いくつか注意しておくべき点があります。ここからは注意するポイントを見ていきましょう。
外壁塗装時は屋根も一緒に考える
外装の大部分を占めるのは建物の外壁です。外壁は雨水などの汚れがあったり、ひび割れなどがあるとお客様は良い印象を持ちません。
外壁は塗装やサイディングボードなどでデザインを施せますが、外壁のリフォームを行う場合は屋根の状態も一緒に確認しましょう。
外壁塗装の工程は足場の仮設、高圧洗浄から始まります。この工程は屋根塗装と同じであるため、外壁と屋根を別々に依頼するとそれぞれで足場の仮設、高圧洗浄が必要になります。
するとそのたびに足場仮設費用などが発生するので、コストパフォーマンスは悪いと言えます。屋根にリフォームが必要な状態であれば、外壁塗装と一緒に依頼してしまうことをお勧めします。
植栽は造園業者に依頼する
植栽は穏やかな雰囲気を作り出せる、効果的な外装の要素です。大衆居酒屋ではなく、女性も気軽に入れるようなアジアン居酒屋などをコンセプトにする場合、植栽を用いると雰囲気が出ます。
業者の中には外装部分のリフォームを一括で行う場合もあります。ひとつの業者に一括して行う方が諸経費などを抑えられ、費用は安くなります。しかし、植栽には細やかな技術と知識が必要です。
一括で外装工事を行う業者が造園業の知識を持っていれば問題ないですが、ない場合は注意が必要です。
造園業者はただ木を植えるだけでなく、木の特徴に沿った土や環境の選定を行ったり、地震などで地盤が歪んでも木が倒れないようにするなどの計算もしています。
費用を抑えることも大切ですが、リフォーム後に木が倒れたり枯れてしまっては意味がありません。植栽を検討する際は、造園業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
居酒屋における外装工事でまず留意すべき点は「看板」です。看板には、どんなお店かがわかるような工夫を施しましょう。居酒屋ということはもちろんですが、どんな料理を出す居酒屋なのかがわかるようデザインを工夫する必要があります。 また、店前にメニューや価格を掲載することで、より入るかどうかが検討しやすくなります。
居酒屋を含む飲食店全般では、食品を扱うことから食事に対する信頼感が重要です。 内部の衛生面には気を遣っていても、外部の掃除が行き届かず汚らしい印象を与えてしまっては客足は遠のきます。
居酒屋の店舗外装において重要なことは、清潔感と、興味を持たせることです。普段の清掃はもちろん、清潔感の感じられる外装デザインを検討すると共に、お客様が「入ってみたい」と思えるような外装を目指しましょう。
今回は居酒屋の外装工事についてお伝えしました。しかし店舗は内装を充実させることも大事になってきます。 店舗全般に関することを紹介していますのでこちらのページも参考にしてください。
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