ブレーカーの増設ってどんな時に必要なの?
2022年の夏は、今後も猛暑が続いていくと予想されるので、エアコンの増設を希望されている方も多くいらっしゃるでしょう。せっかく、エアコンを買ったのに、「どうやらブレーカーに空きがなくて、電気工事ができない」という場合は、ブレーカーを増設することで、新しくエアコンを設置できます。
そもそも、分電盤(ブレーカー)は住宅に取り込んだ電気を、それぞれの部屋や用途ごとに分岐するための装置です。分岐することで1つの線でトラブルが起きても、他の線に接続された電気機器を守ることができます。例えば、コンセントと照明を別系統に分岐しておくと、ドライヤーなどを使ってブレーカーが落ちたとしても、照明は消えずにすみます。
ブレーカーは使用する電化製品によって、標準回路と専用回路を使うものに分かれます。通常のコンセントに差し込んで使う製品は標準回路からの電気を使用しますが、エアコン、電子レンジ、IHコンロ、食洗機などの消費電力1000Wを超える電化製品は、専用回路を使用します。
この専用回路はブレーカーによって数が決まっているため、電化製品を増設したいのに回路が埋まっている場合には、専用回路の増設工事を行う必要があります。
増設するスペースがまったくない、200Vのコンセントを増設する、分電盤が寿命を迎えているなど場合によっては、ブレーカーを増設できないこともあります。この場合は分電盤の交換が必要になります。分電盤の交換については、下の記事が詳しいのでご参照ください。
(参考)
分電盤の交換の目安や実際にかかる費用とは?プロに頼むべき交換のポイントもご紹介
ブレーカーの専用回路を増設することは、「電気工事士」という国家資格を持ったプロにお願いしないとできないので、もちろんDIYで行うことはできません。
ブレーカーを増設したときにかかる費用
ブレーカーの増設交換費用相場 | |
---|---|
分岐ブレーカーの増設(分電盤内で増設) | 4千円 |
分岐ブレーカーの増設(新規BOX増設 ) | 8千~1万円 |
分岐ブレーカーの電圧切替 | 2千~3千円 |
アンペアブレーカーの交換 | 6千~8千円 |
思ったよりも安いと感じたかもしれませんが、これらは工事費用だけの金額です。上記の費用とは別に機器本体の費用、出張費などが追加でかかります。
さらに新設するコンセントがある場合は、配線工事に1万~3万円程が必要になります。分電盤からコンセントまでの距離や、作業の難易度によって費用が変わりますので、正確な金額が知りたい場合は、電気工事業者に現場を見てもらって見積もりを出してもらいましょう。
ブレーカーを増設する場合の注意点!
ブレーカーを増設するときに注意すべきポイントは下記の3点です。
①ブレーカーを増設しすぎないようにする
「自宅に家電製品が多いので、専用回路を増やすためにブレーカーを増設したい」となっても、ブレーカーには使用量が定められています。配電盤の容量を超えてしまうと、漏電する可能性が高くなるため、むやみにブレーカーを増設するのは危険です。
②契約電力の見直しをする
ブレーカーのほとんどが、左側に50Aなどと記載されたアンペアブレーカー、真ん中に漏電ブレーカー(漏電遮断器)、右側は多くのスイッチがある分岐ブレーカー(安全ブレーカー)という構造になっています。最初にお伝えした通り、ブレーカーには使用可能な電気容量というものがあります。
分岐ブレーカーそのものは、ほとんどが15Aか20Aになっていますので問題ありませんが、漏電ブレーカーやアンペアブレーカーが増設に耐えられない可能性がありますので、契約電力の見直しを検討してください。
③ブレーカーはしっかりと固定してもらう
分岐ブレーカーに空きがない場合に、追加で分岐ブレーカーを設置することになります。業者によっては設置する空間がないからといって、追加ブレーカーを空中に浮かしたまま設置することがありますが、火災の原因になりますのでそうならないようにしっかりプロに相談しましょう。
ブレーカー工事を業者に依頼するときのポイント
工事にかかる費用相場が把握できたら、次に気になるのは工事業者選びではないでしょうか。電気工事は危険性の高い工事ですので、どこに依頼するのかはとても重要です。ここでは、業者選びで失敗しないために知っておくべき、3つのポイントをご紹介します。
①きちんと資格を有している
国家資格を保有していないとそもそも電気工事を行うことができません。工事を依頼する業者のチェックポイントとしても、電気工事士の資格を持っているかどうかを確認してください。
電気屋を営んでいる業者で電気工事士の資格を保有していない、ということはまず考えられませんが、少しでも安く施工するために便利屋さんのようなところに依頼するときは、きちんと資格を持っているか確認することが大切です。
②損害保険に加入している
工事業者が損害保険に加入していることも確認してください。電気工事は配線を1本間違えただけで、接続している家電を壊してしまう可能性があります。意図していなくても発生しますので、それらの保証を行ってくれる損害保険への加入が必須です。
③見積書が詳細に書いてある
工事を依頼する前に、必ず書面で見積書を出してもらってください。口頭だけのやり取りですと、言った言わないのトラブルにもつながります。見積書は工事総額だけでなく、作業の詳細が書かれているものを出してくれた業者を選びましょう。きちんと説明を受けて納得できるのであれば、安い業者でも問題ないのですが、安い理由が曖昧な業者は後からトラブルになるかもしれませんので、避けるようにしてください。
5.信頼できる業者を見つけるならリフォマにおまかせ!
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渡邊 一伸(ナベさん)