2023年3月24日

水道工事にかかる費用相場|不安を解消する水道工事の基礎知識

住宅を建てる場合や、リフォームで水回りの移動を行った場合に必要になる水道工事。水道工事には浄水施設から一般家庭までの「上水道」と、一般家庭から下水処理場までの「下水道」の2種類があります。給水管の引き込み工事だと約30万~50万円、室内配管工事だと約10万~20万円が費用相場です。この記事では、水道工事を行う前に備える基礎的な知識と工事の種類別の費用相場ついて詳しく解説します。

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水道工事とは何か

水道工事とは

水道の解釈は様々ありますが、水道工事は浄水施設から一般家庭までの「上水道」と、一般家庭から下水処理場までの「下水道」の2種類に分かれます。

水道に関する工事はすべて水道工事に分類されますが、自宅の建築や修繕で意識するのは、家の近くまで来ている水道管分岐部から蛇口、排水口から公共ますまでの間です。
各家庭から排出される汚水を公共の下水道に流すため、それぞれの敷地に市区町村では「公共汚水ます」というものを設置します。

公共ます以降の道路側の水道工事は自治体が行い、自宅の敷地内の工事は自身で業者に依頼して行います。

水漏れ・詰まりでお困りなら
・蛇口(水栓)の水漏れを修理する費用相場
・【排水管・下水の詰まり】修理費用を台所や浴室など場所ごとに解説

水道工事の費用相場

水道工事の費用相場

水道工事の費用相場を種類別に紹介します。

水道工事にかかる費用

給水管の引き込み

30万~50万円

室内配管

10万~20万円

水回りの水漏れと詰まり

5千~4万円

下水道排水工事

20万~50万円

浄化槽設置工事

90万~100万円

給水管の引き込み工事は、公共の水道管からの引き込み距離が長かったり、アスファルトが分厚かったりする場合、こちらの相場よりも価格があがります。また、下水道工事も公共ますまでの距離や、浄化槽の有無によって金額が変わりますので注意しましょう。
ここでの金額はあくまで相場で、地域やご自宅の状況によって上下が生じます。
業者の見積もりが相場よりも高いと感じた場合は、しっかりと担当者に確認しましょう。

水道工事の種類

水道工事の種類

水道工事は大きく分けて3種類の工事があります。
業者によってはそれぞれの工事に対して得意不得意がありますので、工事の種類を把握して最適な業者を選ぶようにしましょう。

・給水管の引き込み工事
・室内の配管工事
・下水道排水工事

給水管の引き込み工事

家を建てるときに行うのが、給水管の引き込み工事です。
道路の下などに埋まっている水道管から敷地内の水道メーターまで、配管を引き込む工事です。
「水道取り出し工事」と呼ばれることもあり、自治体の指定を受けた水道工事業者しか行うことができません。

新築のとき以外にも、給水管の径を大きなものに取り替える工事や、水道管の素材を変えるような工事も給水管の引き込み工事に含まれます。
この工事の管轄は自治体が行っていますので、工事の際には自治体の許可が必要です。ただし、発生する費用は工事を依頼した方の負担になります。

新築で家を建てる時には、水道引き込み費用もきちんと予算に組み込んでおきましょう。

給水管の引き込み工事をもっと詳しく
・水道引き込み工事の費用相場と失敗しない業者の選びのポイント

室内の配管工事

水道メーターから各水道設備の蛇口までの工事が、室内の配管工事です。
新築で家を建てる時だけでなく、リフォームでキッチンの場所を変える場合や、2階にも洗面台を追加で設置するような場合に、室内を張り巡らせる配管の設置工事を行います。

この工事は屋内配管工事とも呼ばれ、原則として自治体の指定を受けた水道工事業者が行う必要があります。

敷地内で発生した水に関するトラブル対応も、水道工事になります。
パッキンやカートリッジの交換、排水口やトイレの詰まりなどの修理も水道工事業者が行います。これらの対応はDIYでも一部は対応可能ですので、簡単な部品交換だけで工事を終わらせることもできます。

下水道排水工事

水道工事は上水道に関する工事だけで、下水道排水工事は水道工事に含まれないとしているサイトがありますが、下水道の工事も水道工事のひとつです。
上水道と下水道は必ずワンセットになっており、蛇口の位置を変えたのに排水口の位置がそのままということはありません。

下水道排水工事は、排水口から公共ます(汚水ます)までの配管工事を行います。
建物によっては臭いの逆流を防ぐために、台所やトイレなどの排水口の先に汚水ますを設置するケースや、浄化槽の設置が義務付けられているケースもありますが、これらも下水道工事に含まれています。

集合住宅での水道工事の費用

集合住宅の水道工事

冒頭でご紹介したのは一軒家で行う水道工事の費用相場です。
「マンションで水道管の工事なんてできるの?」と疑問に感じるかもしれませんが、次の2つの条件を満たしていれば工事ができます。

・専有部分であること

・管理規約で認められていること

重要なのは、専有部分にある配管でないと工事ができないということです。
専有部分というのは、所有者が単独で所有している住戸部分のことです。室内の床や壁、天井といった境界線の内側のことですが、正確には目に見えている床や壁ではなく、その裏側にあるコンクリートの仕切りの内側が専有部分になります。

一般的に集合住宅の配管は、目に見えている床とその下のコンクリートの間を通っていますので、その部分のリフォームは行えます。
賃貸の場合に問題になるのは、給水管ではなく排水管であることがほとんどです。古いマンションは排水管が下階の天井を通過していることもあり、この場合は他人の専有部分になるため工事ができません。

また、マンションの管理規約でリフォームが禁止されている場合は、専有部分であっても水道工事はできません。工事音が発生することでNGとされていることもありますので、リフォームする前に必ず確認しましょう。

マンションで水道設備の移動リフォームを行うのであれば、40万円前後が費用相場です。
配管の改修を行うのであれば70万円前後と考えておきましょう。

水道工事の費用が高くなる要因

水道工事の費用が高くなる要因

水道工事の費用が同じ工事でも金額に開きがあるのは「なぜ」でしょうか。
水道工事の費用に差が出るポイント、高くなる要因は2つあります。

・家の前まで水道管が来ていない

・床や壁を壊す必要がある

家の前まで水道管が来ていない

引き込み工事の費用が高くなる要因は、道路の下の水道管から宅地内の水道メーターの距離が長いことにあります。
例えば家の目の前まで水道管が来ていれば、引き込み工事は2mくらいで終わります。ところが、家が通りから奥まった場所にある場合、10m以上も地面を掘って配管しなくてはいけません。

目の前の道路に水道管があっても、大きな幹線道路で水道管は反対側にあるようなケースでは、道路を横切る形で水道管を引き込みますので、工事が大掛かりになり警備員を依頼するなどの費用も発生します。

土地を購入する際は、水道管の位置も調べておきましょう。
すでに購入済みの場合で水道管が近くまで来ていない場合には、高額な費用が発生することを頭に入れておいてください。

床や壁を壊す必要がある

家を建てる時には壁などがない状態で配管工事をするので、それほど手間はかからないのですが、一度配管したものを、リフォームなどで移動させるとなると、床や壁を取り外す必要があります。
表面的に取り外すだけなら良いのですが、コンクリートの梁に穴を開ける必要がある場合、工事が大掛かりになり費用が高くなります。

コンクリートの基礎よりも下に配管があり、この配管を取り除いたり交換したりする工事が大掛かりになります。
基礎でなくても土間の下など、取り出すのに手間がかかる場合には、どうしても費用が上がってしまいます。

水漏れなども、単純に劣化したパッキンやカートリッジを替えるだけなら安くできますが、配管に亀裂が入っている場合になどには、配管そのものを替えなくてはいけませんので、こちらも高額な費用が発生します。

水道工事の工事期間

水道工事の工事期間

水道管の補修:1時間
水道管の交換:1日
下水管の清掃:90分
室内の水道管引き換え:1日

水道管は目に見えない場所を通しているため、工事には時間がかかる傾向にあります。
露出している部分の補修程度なら1時間もあれば終わりますが、水道管を交換したり、蛇口の位置を変えるリフォームをしたりすると、水道工事だけでも1日かかります。

引き込み工事の場合には手続きなどが必要になりますので、水道管が近くに来ているときでも申し込みから2週間はかかり、水道管が家のそばまで来ていない場合には、かなりの長い距離を工事することになるため、4ヶ月程度かかります。

引き込み工事は想定以上に時間がかかることもありますので、新築の場合にはできるだけスケジュールに余裕を見ておきましょう。

水道工事でDIYできる箇所

水道工事のDIY

水道工事は工事内容によっては高額になるため、DIY慣れしている方なら「自分でやりたい」と思ってしまいますよね。しかし、水道工事はDIYで行ってもいい箇所と出来ない箇所があります。
DIYで行えるのは、蛇口やパッキン、カートリッジの交換程度です。

給水管の引き込み工事は先で説明したように、自治体の指定を受けた水道工事業者しか行うことができません。
上水工事には「給水装置主任技術者」、下水工事には「排水設備主任技術者」の資格も必要ですので、有資格者でないならDIYでの水道工事はできません。

インターネットを調べると、DIYで工事したという例もいくつか出てきますが、本来は認められていない作業を誤ってやってしまったというケースがあります。
配管の接続ひとつとっても、水漏れさせないためには知識と経験が必要になりますので、見えない部分の工事をDIYで行うのは止めましょう。

水道工事を依頼する業者のポイント

水道工事の業者選び

DIYで工事をしない方が良いとなると、考えなくてはいけないのが「どこにお願いするか」ということです。ここでは質の高い工事をトラブルなく行ってくれる業者を選ぶポイントを紹介します。

水道局の指定工事店であること

絶対条件となるのが水道局の指定工事店であることです。
指定工事店でない業者でも腕のいい業者もありますので、安いならそっちのほうがいいじゃないかと思うかもしれませんが、指定工事店になっていない業者に依頼してトラブルになった例はいくつもあります。

追加工事で高額な請求をされたり、工事後に水漏れが発生したけど補修してもらえなかったり...
そもそも腕が良くない業者も多く紛れていますので、指定されていない業者は不安要素がかなり高くなります。それよりも国がきちんと指定している業者を利用する方が安心です。

業者はトラブルを繰り返すと指定を取り消されるリスクがあります。
そのため丁寧な応対をしてくれる業者が多いので、まずは指定工事店であることをチェックしましょう。

上水道と下水道のどちらに対応しているか

工事業者の中には上水道しか対応できない業者と、下水道しか対応できない業者があります。
どこを工事するかによって使い分けるという方法もありますが、実際には片方を工事するときには、もう一方も工事が必要になることがよくあります。

キッチンなどの水回りの移動はもちろんそうですし、排水管からの水漏れだと思って依頼したら、上水側からの水漏れだったというようなケースも考えられます。その場合は、業者を再選定しなくてはいけなくなります。
このような手間を省くためにも、最初から上下水道ともに対応できる業者にお願いしましょう。

アフターフォローをしてくれる業者にする

水道工事を依頼する上で忘れてはいけないのが、アフターフォローの有無です。
水道工事はどれだけ経験を積んでいる人が作業をしても、配管の接続部での水漏れを100%防ぐことはできません。このため、優良な業者は最初から◯年保証といった感じで、保証期間を設定しています。

逆にこのようなアフターフォローを設定していない業者は、トラブルが起きることを想定できていない経験の浅い業者か、もしくはトラブルがあるのを分かっていて設定していない不誠実な業者のいずれかです。いずれにしても、積極的には利用したくないですね。

業者を選ぶときには、必ずアフターフォローの有無について確認をして、納得のできる対応をしてくれる業者に工事依頼をしてください。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。