普段使いの節水から防災までできる!雨水タンク
皆さんは雨水タンク(雨水貯留槽)というものをご存じでしょうか?庭仕事やガーデニングを趣味にされている方でしたら、聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
どんなものかと単純に言うと、その名の通り、雨水を溜めておくためのタンクです。仕組みとして簡単で、屋根についた雨どいの一部から管を通して地面に設置したタンクに水を溜めるというものです。。
雨水タンクで家計にも環境にも優しく
- ガーデニングなどの庭仕事
- 洗車などの掃除
- 打ち水
代表的には、雨水タンクは上の3つのことに活用することができます。日本の上水は飲用に耐えられる水質の基準で供給されていますが、実際のところ、上の3点に関しては、雨水でも十分に代用可能です。
一回の洗車に使われる水の量は約250Lと言われています。お風呂一杯分のきれいな水を掃除に使うのは実にもったいないですよね。雨水タンクを活用すれば、この大部分を雨水で賄うことができるので、お財布にも環境にも優しくなります。
これまで、雨水を庭仕事やガーデニング、庭の打ち水などに使うために設置されてきた雨水タンクですが、近年は地震や台風などが発生して、断水してしまうような場合に使える防災グッズとして注目されています
災害が起きたときのための雨水タンクって?
毎年のように地震や台風によって各地で大きな被害が起こっています。地震や台風によってよく起こりうるのが 断水 です。
水道は皆さんの家に送られるまで、「河川~貯水池(ダム)~取水場~浄水場~配水場~上水管」と様々な場所を通っています。自然災害が発生すると、水道管が破裂したり、浄水場自体の浸水、停電による送水設備の停止など、この過程の一部、または全部の機能が停止してしまうことが起きることがあります。すると、水道の蛇口をひねっても水が出てこないということになります。
飲用水は基本的に「成人一人当たり一日2Lから2.5L」が生命維持に必要な最低限の水の量と言われているので、ご家族の人数に合わせて数日分用意しておけば、水道の回復、もしくは行政による支援に間に合うでしょう。
しかしながら、水は手洗い、食器洗い、洗濯、トイレでの流浄など様々な用途で使う場面があるので、そのための生活用水の確保も断水時には重要になります。
そのような時に、大変役に立つのが雨水タンクです。
雨水タンクは「ミニダム」とも呼ばれています。というのも、ものにもよりますが、家庭用に広く設置されている雨水タンクには約200Lの雨水が溜めれられる分の容量があります。タンクに溜めた雨水を断水時に生活用水として活用できれば、災害が起きたときでも生活用水の心配はかなり減ります。
また、雨水タンクを設置すること自体が災害の被害を減らす(減災の)ためにも役立ちます。
減災ための雨水タンクとは?
災害時などの「いざ」という時に利用できる雨水タンクですが、雨水タンクを設置すること自体が災害による被害をおさえるのに役立つというふうに言われています。
先ほどもご紹介した通り、雨水タンクは「ミニダム」とも言われています。というのも、ダムは河川の水量が減ったときに放水する機能とともに、大雨が降ったときに河川が増水して周囲の街を飲み込まないように雨水を溜める役割も担っています。それと同じ役割、すなわち、雨水を溜めることで街を水害から防ぐ機能も「ミニダム」である雨水タンクは担うことができると期待されています。
もちろん、皆さんのご自宅の一軒に雨水タンクを設置したところで減災にはなりませんが、雨水タンクを設置する家や事業者が増えていけば、確実に台風や豪雨などの被害をおさえることが可能になります。
自治体によっては、水害による被害を最小に抑えることを目的として、雨水タンク設置に補助金を出しているところもあり、行政としても積極的に雨水タンクを減災に活用しようとする動きがあります。
雨水タンク設置で気を付けること
防災や節水など様々なメリットがある雨水タンクですが、気を付けておかなければならないことが何点かあります。
①雨どいがない家には設置できない
基本的に、雨水タンクの水は雨どいからタンクに流すことによって溜められるので、雨どいがない家には設置できません。
②定期的に掃除をしなくてならない
雨水タンクには泥や砂やホコリが溜まりやすいです。これらを一掃するために、3か月から半年に一回ぐらいは、雨水タンクの水を流してきれいに掃除する必要があります。
また、雨どいに落ち葉などが溜まっていると水を溜めにくくなるので、雨どいの掃除もした方が安心です。
③設置はプロにお願いする方が安全
ネットなどで気軽に購入できる雨水タンクですが、雨どいを加工して設置するので、素人がDIYで設置しようとすると、雨どいを壊してしまったり、うまく配管できないということも考えられます。
ですので、設置はプロの業者に任せた方が安心です。また、プロにお願いすると自宅に合った雨水タンクの容量や形、設置場所を提案してもらえます。
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