トイレでタイルリフォームを行うメリットとデメリット
タイルリフォームには大きく分けて下記の2種類があります。
- 他の素材からタイルにする
- タイルから他の素材にする
これからタイルにリフォームする方もいれば、タイルをやめる方もいるでしょう。これは、トイレの床や壁をタイルにすることがメリットだけでなく、使用環境などによってはデメリットもあるからです。
そこで最初に、上記2つのリフォームについて、それぞれのメリットやデメリットをご説明します。他の素材からタイルにする、タイルから他の素材にすることで、どのような変化があるのかを見ていきましょう。
他の素材からタイルにする場合
まずは、床や壁を他の素材からタイルにする場合から説明していきます。床材はクッションフロアやフローリング、壁は壁紙を使っていると思いますが、これをタイルにすることで、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
- デザインが豊富で高級感がある
- 耐久性が上がる
- 水に強くお手入れしやすい
タイルにするメリットは3つあります。一番はデザイン性がとても高いということです。壁紙を使うと、どうしても壁一面同じ色、同じ柄になってしまいます。一方、タイルはブロックごとに色を変えることもできますし、ブロックのサイズを変えることもできます。見た目が美しく、高級感が出るというメリットもあります。
さらに、タイルは硬い素材で作られていますので、クッションフロアやフローリングのように傷がついたり、凹みができたりしません。強い衝撃を与えると割れてしまうこともありますが、トイレですので重いものを落とすことは早々ないですし、仮に割れたとしても部分的な補修で対処できます。
実用面では、お手入れが楽になるという点がメリットとして挙げられます。トイレは水ハネしやすく、壁や床がどうしても水にさらされてしまいます。壁紙は防水処理をしてないと、ハネた水が仕込んでカビの原因になります。しかし、タイルは水を弾きますので、軽く拭き取るだけで汚れを落とすことができます。
デメリット
- リフォーム費用が高額になる
- 床材に使うと冬場に冷たくなる
- 硬いため転倒すると危ない
とても魅力的なタイルですが、メリットだけでなくデメリットもあります。これからタイルにリフォームする方は、デメリットもきちんと把握しておきましょう。
一番大きなデメリットは、リフォーム費用が高くなるということです。タイル自体の価格が安くないというのもありますが、手作業でブロックを1つずつ貼り付けていきますので、どうしても時間がかかり作業費が高くなってしまいます。
他にも、タイルを床材に使うと床が冷たくなります。夏場はメリットになりますが、冬場には耐えられないくらい冷えることもあります。このため、スリッパが必要なのは言うまでもありませんが、暖房などと組み合わせないとトイレの居心地が悪くなるかもしれません。
タイルは硬くて傷つきにくいとメリットでお伝えしましたが、トイレ内で転倒した場合には、その硬さが仇になってしまいます。クッションフロアであれば衝撃を吸収してくれますが、タイルは衝撃を和らげるものがないため、足腰に不安のある高齢者が使うにはあまり適していません。
タイルから他の素材にする場合
次に、既存のトイレでタイルを使用していて、他の素材にした場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
- クッション性がありケガ予防になる
- トイレの雰囲気を大きく変えることができる
- 機能性を持たせることができる
タイルからのリフォームをする場合、床に石材を使わない限り、ほとんどの素材でクッション性が上がりますので、転倒したときのケガ予防になります。このため、高齢者や小さいお子さんがいるご家庭でも安心して利用できます。
タイルから他の素材にすることで、見た目が劇的に変わります。これまでとまったく違った印象に仕上げることができ、素材によっては防臭効果や防汚効果などの機能性が高い素材もあるため、トイレ内の環境改善やお手入れがしやすくなるというメリットがあります。
デメリット
- タイルを取り除く作業があるため工事が高額になる
- フローリングにするとお手入れの頻度が増える
- タイルよりも劣化しやすい
タイルから他の素材にする場合、原則としてタイルをすべて取り除きます。このためリフォーム工事が大掛かりになってしまい、工事費用が高くなるというデメリットがあります。タイルは取付けるのも取り除くのも大変な素材、ということを覚えておきましょう。
見た目重視でフローリングにリフォームをすると、日々のお手入れが大変になります。木材は変色しやすく、水ハネなどはすぐに拭き取らなくてはいけません。ただし、高機能なフローリングを選ぶことで、掃除の手間を減らすなどの工夫をすれば、それほど大きなデメリットとはいえないでしょう。
タイルはとても寿命が長い素材ですが、その他の素材はいずれも寿命がそれほど長くありません。
- タイル:10~15年
- フローリング:10~15年
- クッションフロア:5~10年
さらに、タイルは接着剤が劣化して寿命を迎えるので、見た目はほとんど変わりませんが、フローリングは水ハネなどにより見た目が悪くなり、しかも傷や凹みも発生するため、同じ期間使用するとフローリングのほうが劣化を感じことになります。
トイレのタイルリフォームにかかる費用
トイレの壁や床のリフォームをする際に気になるのが、どれくらいの費用で工事できるかということですよね。
正確な金額は実際にトイレの状況を確認しないと分からないため、あくまで目安の費用となりますが、他の素材からタイルにする場合と、タイルから他の素材にする場合に分けてご紹介します。
他の素材からタイルにする場合
床をタイルにする費用相場:5万~12万円
壁をタイルにする費用相場:1万~2.5万円/㎡
トイレの床をタイルにする場合の費用は5万~12万円です。金額に幅があるのは、タイルの種類によって価格に差があるためです。高機能タイルを使用すると、10万円を超えることもありますが、安価なタイルであれば5万円程度に抑えることも可能です。
壁もタイル仕上げにすると、1㎡あたり1万~2.5万円かかります。腰の高さ程度まで3面をタイルであれば、トイレのサイズにもよりますが2万~5万円程度の追加費用がかかる、と考えておきましょう。
タイルから他の素材にする場合
タイルを撤去する費用相場:約1.5万円
他の素材にする費用相場:2万~6万円
追加で壁を壁紙(クロス)で仕上げる費用相場:0.5万~2万円
タイルのトイレから他の素材にする場合は、まずトイレのタイルを撤去しなくてはいけません。タイルを撤去する費用は約1.5万円ですが、壁面にもタイルを使っているのであれば、解体費用が更に必要になります。
床材の種類によってリフォーム費用に開きがありますが、2万~6万円とタイルへのリフォームと比べるとリーズナブルです。一般的にはクッションフロアが安価で、フローリングが高価に設定されています。
ちなみに、タイル床を取り除かずにクッションフロアを上に敷くというリフォーム方法もあります。費用を少しでも抑えたい場合には、リフォーム会社に相談してみましょう。
タイルを選ぶときのポイント
タイルリフォームといっても、タイルにはいくつもの種類があり、トイレに向いているものと向いていないものがあります。ここでは、トイレのリフォームに適しているタイルをご紹介します。
タイルの生地
タイルは生地の違いによって「陶器質・せっ器質・磁器質」の3つに分けられ、それぞれ吸水率に違いがあります。
陶器質:吸水率22%以下
せっ器質:吸水率5%以下
磁器質:吸水率1%以下
水ハネや尿ハネの心配があるため、吸水率が低いものを選ぶとよいでしょう。磁器質タイルは吸水率の低いですが、吸水しないような加工がされていれば、陶器質タイルでも問題ありません。
形成方法の違い
タイルは「押出成形」と「プレス成形」の2つの成形方法があります。それぞれの特徴と選び方について見ていきましょう。
押出し成形(湿式成形)
押出し成形は練った土状の原料を押出して成形します。水分が多い素材を使うため乾燥までに時間がかかり、寸法精度もそれほど高くありません。それでも陶器らしい温かみや味わいを出すことができる、という魅力があります。
プレス成形(乾式成形)
乾燥させた粉状の原料を金型に充填し、高圧プレス機を使って押し固めて成形するのがプレス成形です。短時間で多くのタイルを作ることができ、寸法精度が高いというメリットがあるため、現在使われているタイルの主流はこちらになります。
風合いで押出し成形に劣りますが、最近は釉薬の乗せ方などによって、押出し成形に近いデザイン性の優れたタイルも増えています。トイレに利用するなら、入手性が高く価格も安いプレス成形タイルがおすすめです。
釉薬(ゆうやく)の有無
タイルは成形後に釉薬をかけることがあります。釉薬をかけることで、タイルの表面に風合いを出したり、デザイン性を持たせたりすることができます。釉薬はコーティングと同じような効果もあるため、釉薬をかけることでタイルの吸水率を下がり、陶器質のような吸水率が高い生地でもトイレの床材に使えるようになります。
ただし、釉薬を使うことで滑りやすくなるというデメリットもあります。釉薬を使ったタイルを選ぶときには、手すりを付けたり、滑りにくいスリッパを使ったりして、転倒防止対策を行っておきましょう。
タイル以外でトイレにおススメの床材
次はタイルから他の素材にリフォームするときの床材について、詳しくご紹介していきます。トイレに使われる床材の種類としては、「クッションフロア・フローリング・フロアタイル」があります。
それでは、それぞれの特徴について詳しく説明していきましょう。
クッションフロア
クッションフロアは新築のトイレで使われることの多い床材です。 メリットとしては、価格が安いこととお手入れしやすいという2点が挙げられます。表面がビニールになっているため、水や尿が染み込むこともなく、臭いがつくこともありません。このため、掃除の手間がかからないのでトイレに広く使われている素材です。
デメリットは耐久性が低いということと、見た目がチープであるということです。すでにお伝えしましたように、クッションフロアは5~10年程度で寿命を迎えます。このため、トータルコストで考えたときにはそれほど安くないですし、他の素材と比べると安っぽく見えるため、高級感のあるタイルからリフォームする方は気になってしまうかもしれません。
フローリング
木材を使うフローリングはナチュラルな雰囲気に仕上げることができるため、とても人気の高い床材のひとつです。見た目が美しいこともあり、以前はトイレの床材としても採用されていました。ただし、フローリングは水分を吸いやすく汚れやすいというデメリットがあります。さらに傷がつきやすくて、劣化が目立つという問題もあります。
コーティングや塗装などで吸水率を下げることもできますが、こまめなお手入れが必要な素材であることを頭に入れておきましょう。しっかりとお手入れができるのであれば、寿命も長いためトイレの床材としては魅力的な素材です。
フロアタイル
フロアタイルは塩ビ素材で作られた床材です。クッションフロアよりも本物の質感に近いという特徴があり、本物と見分けがつかないほどリアルな床材もあります。フロアタイルはクッションフロアのよりも硬いため、感触も本物に近いというメリットもあります。
それでいてフローリングよりも価格が安く、メンテナンス性はクッションフロアと同等という優れものです。どうしても本物にこだわりたいならフローリングがおすすめですが、使い勝手と見た目の良さにこだわるなら、フロアタイルがおすすめです。
DIYでトイレのタイルリフォームをする時の注意点
タイルリフォームでタイルを貼る場合や、他の素材に張り替える場合でも、多少はまとまった費用が必要になります。このため、DIY慣れしている方は自分でリフォームしたくなるかもしれません。そんな方のために、DIYでタイルリフォームをするときの注意点についてご説明します。
- 下地づくりに時間を掛ける
- トイレが古い場合には床の状態を確認する
DIYでタイルリフォームをする際に、とても重要になるのが下地づくりです。他の素材にリフォームをする場合でも、しっかりと下地づくりをしていないと、きれいに仕上げることができません。妥協することなく時間をかけて平らに仕上げたところで、タイルやか壁紙を貼り付けましょう。
また、トイレが古いと床材が老朽化していることがあります。それを確認せずにリフォームを行うと、床が抜けてしまうこともあります。これは専門的な知識がないと判断がつかない部分ですので、古いトイレでタイルリフォームをするときは、点検も含めて業者に依頼することをおすすめします。
もちろん、仕上がりも業者に依頼したほうが格段に美しくなります。DIYに必要な道具などを揃えると、費用面でもそれほどお得ではなくなるケースもあります。コストダウンのためだけにDIYを考えている方は、まず業者に見積もりを出してもらい、DIYでの費用と比較してみましょう。
まとめ
他の素材からタイルにするケースと、タイルから他の素材にするケースに分けて説明しましたが、いずれのケースでもリフォーム工事の手間がかかるため、どうしてもコストが高くなりがちです。しかし、雰囲気も使い勝手も大きく変わるため、満足度が得られやすいリフォームのひとつです。
それぞれのメリットとデメリットをきちんと把握していないと、リフォーム後に不満が出てくることもありますので、ご家庭のライフスタイルや用途に合っているのかをしっかりと考えた上で、トイレリフォームを行ってください。
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