2019年7月9日

タンクレストイレにするとトイレが広くなる? 費用相場や注意点をご紹介

トイレメーカーのカタログを見ると、どの大手メーカーもタンクレストイレをメインに紹介しています。いずれもコンパクトでスッキリとした見た目をしており、タンクレストイレの人気は年々高まっています。この記事では、タンクレストイレの特徴を紹介しつつ、工事費用や注意点を解説していきます。

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タンクレストイレを設置するメリット

タンクレストイレ

タンクレストイレを設置するメリットは以下の4点です。

  • トイレのスペースが広くなる
  • タンクに水を貯めなくても使える
  • デザイン性に優れている
  • トイレ掃除が簡単

それぞれのメリットについて詳しく説明していきます。

トイレのスペースが広くなる

タンクレストイレにすることで、奥行きが10cm程度広くなります。たった10cmと感じるかもしれませんが、実際に体感してみると思った以上にゆとりが生まれます。タンクもないのでさらに広々として見えます。

レイアウトの都合で、トイレに広いスペースを確保できなかったケースでも、タンクレストイレにリフォームするだけで、スッキリとした見た目になります。

タンクに水を貯めなくても使える

タンクレストイレは通常のトイレのように、タンクで貯めた水で排泄物を流すのではなく、すでに便器に貯まっている水の吸引力と水道水の水圧で排泄物を流します。このため、連続して流す際にタンクに水が貯まるのを待つ必要がありません。

ただし、そのような構造により水道水の水圧が高くないと設置できません。それについては後ほど詳しく説明します。

デザイン性に優れている

タンクレストイレは、とてもスタイリッシュでデザイン性に優れています。どのトイレメーカーも美しさを追求しており、そのフォルムには無駄なものが一切ありません。このように、シンプルで美しいというのがタンクレストイレの魅力でもあります。

トイレメーカーの主力製品ですので、もちろん見えないところにも最新技術が詰まっています。デザイン面だけでなく実用性も高いため、タンクレストイレを選ぶ方が増えています。

トイレ掃除が簡単

タンクレストイレは形状がシンプルですので、お手入れも非常に簡単です。タンクがあるトイレでは、タンクと便器の隙間部分を掃除するのが手間でしたが、タンクレスは隙間がないためトイレ掃除も短時間で終わるでしょう。

さらに、便器の洗浄機能も向上しており、汚れが付着しにくい表面素材を採用し、水ハネなどの汚れが付きにくい構造になっています。このように高い清潔機能を備えたタンクレストイレにすることで、トイレの掃除がだいぶ楽になります。

タンクレストイレを設置した際のデメリット

タンクレストイレ

タンクレストイレには様々なメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。

  • 停電に弱い
  • ウォッシュレットが一体型なので交換できない

それぞれのデメリットについても、詳しく見ていきましょう。

停電に弱い

通常のトイレは、断水さえしていなければ停電時にも使用可能です。ところが、タンクレストイレは電気を使って排水するため、停電時には通常動作での排水ができません。もちろん、停電時のことも考えて作られているタンクレストイレもあります。

メーカーによって対策は違いますが、乾電池で動作するものや、停電用ハンドルで排水できるものなども販売されています。排水ができないわけではありませんが、停電時には何かと不便な思いをすることになるでしょう。

ウォッシュレットが一体型なので交換できない

ほとんどのタンクレストイレは、ウォッシュレットと一体型で作られています。このため、ウォッシュレットだけを交換することができません。さらに、ウォッシュレットだけが壊れたときも、修理業者に依頼することになります。

ウォッシュレットはトイレ本体よりも寿命が短く、7~10年くらいで壊れることがあります。修理して使えるようになれば問題ないのですが、交換する部品の在庫がないなど、本体ごと交換することになると高額な費用が発生します。

タンクレストイレのリフォーム費用

タンクレストイレ

タンクレストイレのリフォームにかかる費用相場は、下記になります。

洋式トイレからのリフォーム費用:約12.5万円
和式トイレからのリフォーム費用:約23.5万~28万円
手洗い器設置費用:10万~18万円

洋式トイレは工事内容が少ないため、費用が比較的抑えられます。一方、和式トイレからのリフォームでは、段差を解消する工事などが発生するため、20万円台後半のリフォーム費用が発生します。それに加えて手洗い器を設置する場合には、追加で10万~18万円ほど必要になります。

この金額は工事費用のみで、トイレの商品代が別途かかります。トイレ本体の費用は20万~40万円ですので、洋式トイレからのリフォームの場合には、総額で42.5万~70.5万円前後が相場となります。

トイレのリフォームにこれだけの金額が必要となると、少し躊躇してしまいそうですが、通常のトイレリフォームでもウォッシュレットを付けても、5万~15万円の差額です。それで快適さを手に入れられるのですから、予算に余裕がある方はタンクレストイレがおすすめです。

どうしても予算が厳しい場合には、まずはリフォーム会社に相談してください。タンクレストイレでも型落ち品などを利用すれば、費用を大幅に抑えることも可能ですので、予算の範囲内でできることを提案してもらいましょう。

タンクレスリフォームができないトイレがある

タンクレストイレ

タンクレストイレでは、水道水の水圧を使って排水をしているとお伝えしましたが、この水圧があまりにも低いとタンクレストイレを設置できません。無理に設置すると、水圧不足でトイレが詰まってしまうことがあります。

タンク付きトイレでは、タンクに水が貯まっていればいいわけですから、水が貯まる時間は左右しますがトイレの機能そのものには影響しません。ところが、タンクレストイレは機能に影響するため、設置する前には必ず水圧の確認が必要になります。

タンクレストイレに必要な水圧

水圧の確認は専用の機器が必要ですが、ほとんどのリフォーム会社が所有していますので、現地調査をするときに計測してもらいましょう。

最低必要水圧 0.05MPa / 最高水圧 0.75MPa

代表的なタンクレストイレの設置条件が上記の数値になりますが、通常の水道水の圧力は0.25~0.3MPaですので、タンクレストイレの水圧としては十分に思えます。ところが、マンションの高層階や一戸建ての2階、3階になると、水圧が低下することがあります。

条件を満たしていないと、シャワーや洗面所などで水を出した際に、トイレの水圧不足になるため、同時使用が出来ないという問題が発生します。水圧不足が不安なご自宅で、トイレをタンクレストイレにリフォームする場合には、加圧式(加圧ブースター付き)のタンクレストイレを選ぶことで、水圧不足を解消できることがあります。

ただし、自宅の配管が老朽化していて水圧低下を起こしていると、配管のメンテナンスも必要になるため、まずは業者に測定してもらいましょう。その上で、水圧に問題のないタンクレストイレを選定すると確実です。

おすすめのタンクレストイレのメーカーをご紹介

タンクレストイレ

タンクレストイレを取り扱っているメーカーはいくつもありますが、その中でも人気が高いのが、LIXIL、Panasonic、TOTOの3社です。それぞれのタンクレストイレの特徴についてご紹介していきます。

LIXIL

LIXILのタンクレストイレであるサティスは、上質さを追求したサティスGと、コンパクトさを追求したサティスSの2種類がラインナップされています。

サティスS:28.9万~39.1万円
サティスG:32.7万~49.7万円

「100年間クリーン」を誇る新素材「アクアセラミック」を使用しています。これにより、トイレに汚れが付きにくく、いつまでも新品のような美しさを維持できます。脱臭機能や除菌機能も搭載しているため、衛生面でも優れたトイレです。

リフォームのためのアジャスターがついたモデルも用意されており、幅広い排水位置に対応しています。このため、どんなトイレからでも簡単にリフォームできるというのも、LIXILのタンクレストイレの魅力といえます。

Panasonic

Panasonicのタンクレストイレであるアラウーノシリーズは、いずれのモデルも有機ガラス系のスゴピカ素材を採用しており、水アカが付着しにくく、割れやヒビ、傷にも強いという特徴があります。
機能別に下記の3つのタイプがラインナップされています。

アラウーノV:15.4万~16.4万円
アラウーノSⅡ:19.6万円
L150シリーズ:30万~36.5万円

アラウーノVは機能を最小限に抑えることで、15万円台という低価格を実現したエントリーモデルで、手洗いがついているモデルも用意されています。使用水量(大4.6L/小3.0L)も3つのモデルの中で最も少なく、ランニングコストも抑えることができます。

アラウーノSⅡは低価格ながら、オート洗浄・オート脱臭の機能が付き、激落ちバブル機能によって流すたびに便器の汚れを落としてくれます。ハネガードも標準装備されており、男性が立って利用しても、水がハネにくくなっています。

L150シリーズはPanasonicのタンクレストイレの定番モデルで、便器の蓋がオートで開閉します。便器の蓋の色を選ぶこともでき、高齢者のためにアームレストがオプションで用意されています。アラウーノアプリにも対応しており、水道代や電気代の確認、日々のお通じの確認などもできます。

TOTO

TOTOのタンクレストイレはネオレストシリーズで、機能やデザインごとに4種類のトイレがラインナップされています。

ネオレストDH:27.9万~33.9万円
ネオレストRH:34.4万~42.9万円
ネオレストAH:34.4万~42.9万円
ネオレストNX:57万円

シンプルで低価格帯のモデルなのがネオレストDHですが、セルフクリーニング機能などの基本的な機能は揃っているため、予算はあまりないけど満足度の高いリフォームをしたい方におすすめです。

ネオレストRHとネオレストAHはデザインが違うだけで、機能面での差はありません。柔らかい印象のRHと直線的で美しいフォルムのAHと、それぞれに個性がありますので、好みのデザインで選べます。もちろん機能性も高く、きれい除菌水によって便器を隅々まで美しく保ち、トイレの嫌な匂いを脱臭することもできます。

ネオレストNXはTOTOの最先端技術が詰め込まれたタンクレストイレで、特にデザインにこだわって作られた高級感のある商品です。ただし、ネオレストNXはリモデルには対応していないため、ご自宅によっては大掛かりな工事が必要になります。

タンクレストイレのリフォームを行うときの注意点

従来のトイレからタンクレストイレにリフォームする場合には、次の2点に注意してください。

  • 手洗い器が別途必要になる
  • 近くにコンセントがある

それぞれ、どのような点に注意すればいいのか見ていきましょう。

手洗い器が別途必要になる

タンク付きトイレでは、手洗い器が一体化していたかと思いますが、タンクレスにすることで手洗いができなくなります。トイレを出たところに洗面所があれば、そちらで手を洗えますが、汚れた手でドアノブに触れることになります。

トイレの衛生状態を考えると、できるだけトイレ内で手洗いを済ましたいところですが、手洗い器は別途設置する場合は、10万~18万円程度の費用が追加でかかります。

さらに、手洗い器を設置するためのスペースも必要になります。タンクレストイレにすることで、トイレが広くなりますが、手洗い器を設置したことで以前よりも圧迫感が出ることもありますので、注意してください。

近くにコンセントがある

タンクレストイレと既存のトイレとの大きな違いは、電気を使うかどうかという点です。古いトイレでなければ、ウォッシュレットに対応できるように最初からコンセントが付いていますが、和式など古いトイレですとコンセントがないことがあります。

ない場合は、電気工事をしてコンセントを設置することになります。電気工事ですので、きちんと資格を持った業者でないと作業ができません。トイレのリフォーム業者が電気工事に対応できない場合は、別の業者にコンセントの増設工事だけ依頼する必要があります。

ちなみに、タンクレストイレで水を流すのに電気が必要ですが、最新のモデルは停電時に排水できる構造になっていますのでご安心ください。

タンクレストイレの交換はDIYでもできる?

タンクレストイレ

タンクレストイレへのリフォームは、高額な費用が発生しますので、DIY慣れした方は自分で設置したくなりますよね。実際にインターネットで調べると、トイレと部品をネットショップで購入し、ご自分で取付けている方がいます。

配管や配線工事がともなう場合は、資格を持っている方でないとトイレのリフォームをDIYではできません。このように、DIYでの交換はどんな方でもできるわけではない、ということを覚えておきましょう。

時間がかかる場合は業者に依頼したほうが確実

タンクレストイレとタンク付きトイレでは、排水位置に違いがあります。タンク付きトイレはトイレの前方に排水位置があることが多く、タンクレストイレは後方に排水位置があるため、そのまま設置するとタンクレストイレと壁の距離が離れすぎてしまいます。

トイレ本体を壁側に近づけるためには、専用のアタッチメントが必要になります。アタッチメントはご自分でも購入できますが、アタッチメントは部品の切断や接着などの作業が発生します。DIY慣れしていれば問題ありませんが、作業に慣れていない方は、思った以上に時間がかかるかもしれません。

さらに、既存のトイレの処分なども必要になりますが、それも自分で手配することになります。業者に依頼するよりは安くリフォームできますが、業者に依頼するよりも時間がかかると、その間はトイレを使うことができません。無理にDIYするのではなく、業者への依頼も検討してみましょう。

タンクレストイレ風にアレンジする

もしタンクレストイレにしたい理由が見た目だけなら、タンクレストイレ風にDIYでアレンジするという方法もあります。単純にタンク部分を木枠などで囲ってしまい、キャビネットのように仕上げれば、トイレをタンクレス風に見せることができます。

注意したいのが、手洗い器と排水のためのレバーです。手洗器を使いたいのであれば、その部分だけ天板をくり抜く必要があります。また、タンク横のレバーを使って排水している場合にも、問題なく操作できるような細工が必要になります。

さらに、タンク内でトラブルが発生したときのことを考えて、すぐにタンクの蓋を開けられるようにしておく必要もあります。それでもDIYですので、数千円でタンクレス風にできますし、タンクレストイレの導入を考えている方けれど予算に余裕がない方は、このようなアレンジ方法を取り入れてもよいでしょう。

タンクレストイレの施工事例

タンクレストイレリフォームの施工事例をご紹介しますので、これからトイレリフォームをしようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

施工事例1

トイレ手洗いカウンター付き取替え工事

施工後のトイレ
AFTER
施工後のトイレ
工務店名
有限会社シマ建築設計
施工月
2016年7月
施工地域
栃木県小山市
住宅種別
戸建住宅
お客様のご要望
高齢のお母様も使い易いようにとの事で、一体型の手洗いからカウンター式の手洗い付きに変更
トイレもオート仕様に
ここがポイント!
  • シンプルに使い勝手を重視

  • 手洗いカウンターをスリムに

業者のコメント
以前の使い勝手の悪い所を、現代風にリノベーション
工事内容詳細

【LIXIL】トイレ便器カウンター付き手洗い サティスS 

工事費用
28万円

施工事例2

茨城県結城市 トイレリフォーム

トイレリフォーム前
タンクトイレに交換・壁と床のリフォーム
BEFORE
トイレリフォーム前
AFTER
タンクトイレに交換・壁と床のリフォーム
工務店名
株式会社イサカホーム
施工月
2016年3月
施工地域
茨城県結城市
住宅種別
戸建住宅
お客様のご要望
タンクレストイレに変更したい。
ここがポイント!
  • 綺麗な仕上がり

  • タンクレスでスッキリした空間へ

  • 安心安全な工事

業者のコメント
既存のトイレも、綺麗でいい物を使用していたお客様。
今回はタンクレスをご希望との事でしたので、ネオレストを取り付けました!!
ご一緒にクロスとCFの張替もご依頼いただき、以前のタイル調のCFも良かったのですが、今回の大理石調も、豪華でかっこよかったです!!
工事費用
31万円

施工事例3

増床したことで手洗い器別途でも悠々スペースに

トイレ 施工前
トイレ・洗面台 施工後
BEFORE
トイレ 施工前
AFTER
トイレ・洗面台 施工後
工務店名
株式会社ダイケンリフォームサービス
施工月
2016年10月
施工地域
大阪府寝屋川市
住宅種別
マンション
お客様のご要望
手洗い器は別で設けたい
ここがポイント!
  • 広々とした空間

  • 快適なトイレ

  • 丁寧な仕上げ作業

業者のコメント
お客様のご要望で、手洗い器は別で設けたいご意向に
少し分かりにくいですが、写真左側の壁面を取り壊してトイレ室を増床しています。

工事内容詳細

【工事期間】  4日間

【採用機器】  TOTO ネオレストDH1

工事費用
40万円

まとめ

タンクレストイレ

最近はタンクレスが主流になりつつありますので、トイレリフォームと同時にタンクレストイレにする方が多くなっています。コンパクトでトイレが広くなりますし、連続しての排水も可能でデザイン性にも優れているため、導入することで多くのメリットが得られます。

メーカーからは安価なモデルも発売されており、商品の種類が増えてきたことで、低予算でのリフォームも可能です。予算が厳しいと思っている方も、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。金額をある程度決めておき、その範囲内でできることを提案してもらってください。

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