2018年2月5日

ガス給湯器が凍結したときの対処方法

氷点下になると水は凍ってしまいます。それが水道管でも同じことで、水が流れているうちはいいのですが、蛇口を止めてしまうと水に流れがなくなってしまいます。その状態で気温がどんどん下がっていったら、水は凍り始めます。そうなるとガス給湯器が使えなくなります。ちょっと困ったことになりますよね。ここではそんなガス給湯器が凍結したときの対処方法についてご紹介します。

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ガス給湯器が凍結するとどうなるのか?

出典:photo-ac.com

ガス給湯器が凍結すると、次のようなことが発生します。

  • 蛇口からお湯が出なくなる
  • ガス給湯器内の配管が破裂する

ガス給湯器内で凍結してしまうほど、気温が低い場合には水道管も凍結している可能性があります。この場合には、お湯だけでなく水も出なくなります。

ガス給湯器は流れている水を加熱してお湯にしますが、水が流れていないと配管を温めることしかできません。水が流れていない状態ですと安全装置が働いてしまいますので、着火することすらできないこともあります。

凍結するだけなら問題ないのですが、水は凍ると体積が増えます。体積が増えても蛇口は閉じられていますので、増えた体積が行き場を失ってしまいます。その結果、配管が破裂してしまうこともあります。配管が破裂すると、凍結が解消されてもそこから水漏れが発生し、大掛かりな修理が必要になります。

凍結が起きやすい地域や状況

ガス給湯器が凍結する状況というのはある程度決まっています。例えば、気温がマイナス4℃くらいになると、凍結しやすいと言われています。0℃じゃないの?と思うかもしれませんが、気温が0℃になっても、そもそもガス給湯器内部まで0℃になるには時間がかかります。電気なども流れていますので、凍結するにはかなり気温が低下するという条件が必要になります。

マイナス4℃までいかないにしても、ガス給湯器が日の当たらない場所に設置されていたり、とても冷たい風が吹いていたりするケースでは、ガス給湯器の温度が簡単に失われてしまいますので、凍結が発生しやすくなります。

実際に配管の凍結を考えなくてはいけないのは、東北地方や北海道などの雪国です。この地域に住んでいる人たちは、そもそも「配管は凍結するもの」という意識がありますよね。ですので、ガス給湯器を凍結させるようなことはあまりありません。凍結が発生しやすいのは、南側に住んでいる人たちが東北に引っ越してきたときです。

また数年に1度、関東でも大寒波がやってくることがあります。このようなとき、関東の山沿いの住宅でガス給湯器や配管の凍結が発生しやすくなります。めったに起こることではないので、ついつい対策を忘れがちで、朝起きて水やお湯が出なくて焦るということがよくあります。

凍結する箇所や原因

どのような状況でガス給湯器が凍結するのかについて説明してきましたが、実はガス給湯器本体が凍結することはほとんどありません。特に最新のガス給湯器には凍結防止のための安全装置がついているため、気温が下がると自動的にガス給湯器本体をヒーターであたためるように作られています。

それではガス給湯器の本体以外でどこが凍結するのでしょう。凍結が発生しやすい箇所とその原因について説明します。

水道配管

もっとも凍結が発生しやすいのが水道配管です。水道配管は上水道からガス給湯器本体までの部分で、ガス給湯器本体と比べると、配管を温めるための要素がありませんので、気温が下がっていくと、配管全体の温度がどんどんと奪われていきます。

通常は水道管に保温材を巻いているのですが、完全に保護できるわけではありません。一部でも金属部分が露出していると、そこから温度が下がってしまい、配管内の水が凍ってしまいます。

ガス給湯器と各配管の接続部

ガス給湯器そのものは凍結しにくいのですが、ガス給湯器と給水管、給湯管などの接続部は、うまく保温材で保護していないと、冷えてしまって凍結することがあります。接続部は形状がとても複雑ですので、腕のいい業者でないときれいに保温材を巻くことができません。

保温材が上手に巻けていないと、金属部品が露出してしまい、そこから凍結が始まります。頻繁に発生するわけではありませんが、施工業者のスキルによっては凍結しやすい箇所になっていますので、「凍結したかな?」と思ったら配管の接続部も疑ってください。

凍結したときの対処法

それでは実際に凍結してしまったらどうすればいいのでしょう?実は、凍結したらするべきことは何もありません。配管などは凍結しにくいようにするために保温材で保護をしています。凍結してしまうと、反対にこの保温材が凍った状態を維持しようとします。お湯などをかけるという方法もありますが、あまり効果は期待できません。

熱湯を配管にかけることで配管が破裂することもあります。凍結してしまったら、自然に解凍するまで待つしかありません。無理になんとかしようとしないでください。その際は、蛇口を閉じておくことと、ガス給湯器のリモコンをオフにしておきましょう。

また、気温によっては、数日間は解凍しない可能性もあります。水道管が凍ってしまった場合には、飲水や調理に水を使えなくなりますので、念のため生活するのに必要な量の水は購入しておきましょう。

凍結により配管が破裂してしまったら

水道管やガス給湯器の配管が破裂してしまったら、メーターボックス内にある元栓を閉めて、水が流れないようにしてください。破裂した箇所が分かっている場合は、その部分に布やテープなどを巻きつけて、指定給水装置工事事業者に連絡してください。指定給水装置工事事業者は各自治体のホームページなどで調べることができます。

凍結防止策

凍結してしまったら手も足も出ませんが、最初からきちんとした凍結防止策をとっていれば、ガス給湯器の凍結を防ぐことができます。どのような方法で凍結を防止すればいいのか、ご紹介します。

凍結予防ヒーターと自動ポンプ運転

ほとんどのガス給湯器には標準状態で、凍結予防ヒーターと自動ポンプ運転によって、凍結しないようなシステムが組み込まれています。このため、ガス給湯器本体の凍結を防ぐ方法は、電源プラグを抜かないことと、十分な量の残り湯を浴槽内に残しておくことです。それだけで、ガス給湯器そのものが凍結するリスクを回避できます。

給水栓から水を流しておく

水道配管そのものが凍結するのを防ぐには、水の流れを止めないことが重要です。そのためには、とても古典的ですが、水道の蛇口から少しだけ水を流し続けます。1分間に400mlの水を出すようにしておけば、水道管が凍結しにくくなります。

ガス給湯器の水抜きをしておく

水が入っているから凍結するのですから、水をあらかじめ抜いておくという凍結防止策もあります。冬の寒い時期に数日間家を空けるような場合には、水抜きがおすすめです。水抜きの方法と回復方法はガス給湯器の取扱説明書に書かれていますので、内容に従って水抜きと通水を行ってください。

【関連記事】
凍結防止に役立つ給湯器の水抜き方法

まとめ

朝起きていきなりお湯や水が出ないとなると焦りますよね。でもガス給湯器や水道配管が凍結するということを知っておけば、焦らずに対処できるはずです。とはいえ、実際に凍結してしまうとできることはほとんどありません。無理に解凍しようとして配管の破裂につながることもありますので、凍結したら解凍されるのを待ちましょう。

もし配管が破裂しているようでしたら、元栓を閉めて、破裂箇所に布を巻くなどして水が吹き出さないようにしたあとに、指定給水装置工事事業者に連絡して、修理をしてもらいましょう。

ガス給湯器の凍結で重要なのは、発生してからの対処方法ではなく、凍結させないための準備です。

  • ガス給湯器凍結防止機能を使う
  • 蛇口から水を流し続ける
  • 水抜きをしておく

凍結しそうだなと感じたときには、上記の方法を利用して配管やガス給湯器を凍結させないようにしましょう。ちょっとした準備をするだけで、水道を使えなくなるという状態を回避できますので、凍結しそうなくらい気温が下がる夜には、しっかり対策をしておきましょう。

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