ガス給湯器の設置ガイド
ガス給湯器を選ぶ際には、設置場所と設置方法が非常に重要です。屋外と屋内のどちらに設置するか、設置基準を守ることが求められます。本記事では、ガス給湯器の設置に関する基本情報と注意点について詳しく解説します。
出典:photo-ac.com
屋外設置タイプと屋内設置タイプ
ガス給湯器は、屋外設置タイプと屋内設置タイプの2種類があります。それぞれの設置方法と特徴について説明します。
屋外設置タイプ
屋外設置タイプは、吸気も排気も屋外で行うため、本体から直接吸排気を行います。設置スペースに応じて、以下の3種類から選べます。
壁掛型
壁に掛けて設置するタイプです。スペースが限られている場合に適しています。
据置型
地面に直接置くタイプです。広いスペースが確保できる場合に適しています。
パイプシャフト方式
マンションなどの集合住宅で、スペースの関係上パイプシャフト(パイプスペース)に設置されることが多いです。
屋内設置タイプ
屋内設置タイプは、排気を屋外に出す必要があります。吸排気のスタイルと設置スタイルにより、以下のように分類されます。
吸気・排気スタイルによる分類
- CF式(自然排気式): 屋内の空気を利用してガスを燃焼させ、排気を自然に行います。
- FE式(強制排気式): 屋内の空気を利用してガスを燃焼させ、ファンを使って強制的に排気します。
- BF式(自然吸排気式): 屋外の空気を取り込んでガスを燃焼させ、排気を自然に行います。
- FF式(強制給排気式): 屋外の空気を取り込んでガスを燃焼させ、ファンを利用して吸排気を行います。
設置スタイルによる分類
- 壁掛型: 排気口が人よりも高い位置にくるように壁に掛けて設置します。
- 浴室据置型: 浴室用給湯器として浴槽に並べて設置されます。
設置場所がなぜ重要なのか?
ガス給湯器の設置場所は、以下の2つの理由から重要です。
1. ガス給湯器の能力を最大限に発揮させる
吸気口や排気口近くに障害物があると、ガス給湯器本来の能力を発揮できず、不完全燃焼が発生する可能性があります。無理のない吸排気を確保するため、吸気口や排気口近くに障害物がない環境を整えることが必要です。
2. 利用する人の安全を守る
ガス給湯器はガスを燃焼させるため、100%の安全は保証されません。排気ガスを吸い込んだり、触れて火傷を負ったりするリスクを避けるため、設置場所の基準が定められています。
戸建てとマンションの違い
戸建ての場合
設置場所に関して自由度が高く、屋内外の選択肢があります。一般的には屋内での爆発や火災リスクを避けるため、屋外に設置することが多いです。
マンションの場合
管理規約があり、自由に設置場所を選ぶことはできません。既存のものがパイプシャフトに設置されている場合、新しい給湯器もそのスペースに合ったものを選ぶ必要があります。配管工事の自由度もそれほど高くありません。マンションの場合は、ガス給湯器のカタログを見る前に、どのようなものなら設置できるのかの確認が必要です。
設置には基準がある
ガス給湯器を設置する際の基準は、以下のポイントを意識する必要があります。
可燃物と排気口出口との離隔距離
排気口近くに物があると不完全燃焼を起こしてしまう可能性があります。下記寸法範囲内に障害物などがないようにレイアウトしなくてはいけません。
- 上方:排気口から300mm(不燃材の場合も同様に300mm)
- 下方:排気口から150mm
- 前方:600mm(不燃材の場合は300mm)
可燃物と機器本体との離隔距離
ガス給湯器本体は建物や障害物との距離を、下記寸法以上離して設置する必要があります。
- 上方:150mm
- 前方:150mm
- 後方:10mm
- 側方:150mm(10mmの機器もあり)
開口部と排気口出口との離隔距離
排気が建物内部に再び入らないよう、排気口の位置関係を次のように確保する必要があります。
- 上方:建物開口部から300mm(300mm以内でも実長が600mm以上離れていれば除く)
- 下方:排気口から150mm
- 側方:150mm
修理・点検のスペース
機器の修理や点検のための作業スペースを設ける必要があります。
- 前方:600mm
- 側方:150mm
排気筒の設置基準(屋内設置タイプ)
排気筒とは、給湯器から伸びるアルミの煙突のようなもので、ガスの燃焼に必要な空気を補給し、排気ガスを屋外へ排出する設備です。排気方式によって設置基準が異なります。
FE式、FF式
- 排気筒の機器からの立ち上がり部を1m以内に抑える
- 排気筒を横に延長する場合には1/50の勾配をつける
FE式とFF式で気をつけたいのが、排気筒内の結露です。結露がガス給湯器側に流れてこないよう、必ず勾配を付けておきましょう。
CF式
- 排気筒トップを風圧帯の範囲外に設置する
風圧帯という聞きなれない単語が出てきましたが、簡単に言えば排気筒内に空気が逆流しないようにレイアウトするということです。風が吹いても排気が逆流しないように、風の流れを考慮して排気筒の設置を行いましょう。
設置基準を守らないと危険
いくつもの設置基準があり、すべて守ろうとするとかなりの制約を感じるかもしれません。しかし、設置基準を無視して無理に配置することは非常に危険です。
ガス給湯器が不完全燃焼を起こす
排気口の前に壁などがあると、吸排気がうまくできず、不完全燃焼を起こします。不完全燃焼が繰り返されると、インターロックがかかり、メーカーに修理を依頼する必要があります。
火事が発生する
ガス給湯器近くに可燃物を置くと火がつくことがあります。排気口の上にタオルや布巾などを載せて引火し、火事になるケースもあります。設置基準を守り、安全な環境で使用しましょう。
給湯器設置の業者の選び方
ガス給湯器はインターネットで安く購入しても、自分で取り付けることは避けるべきです
。設置作業は専門業者に依頼することが必要です。ただし、専門業者の中にも信頼できる業者とそうでない業者がいます。信頼できる業者を選ぶためのポイントを以下にまとめます。
給湯器設置の実績が豊富な業者を選ぶ
給湯器設置の実績が豊富な業者は、設置ノウハウがしっかりしており、トラブルが少ないです。
アフターフォローがしっかりしている
アフターフォローがしっかりしている業者を選びましょう。設置後に問題が発生した場合、迅速に対応してくれる業者を選ぶことが重要です。
できるだけ近所の業者を選ぶ
近所の業者を選ぶことで、トラブル発生時に迅速に対応してもらえます。遠方の業者に依頼すると、出張費が高くなることもあります。
まとめ
ガス給湯器の設置場所と設置方法について理解していただけたでしょうか?設置基準を守り、安全な環境で使用することが大切です。設置場所や設置方法に関する基本的な知識を把握し、信頼できる業者に依頼して、安全で快適な給湯環境を整えましょう。
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