2024年6月17日

給湯器の電源は「都度消し」「つけっぱなし」のどちらがお得か?

ガス給湯器の電源をつけっぱなしにしたことで、夫婦ゲンカになったことありませんか?ついつい消し忘れてしまう給湯器の電源ですが、「そんなことで怒らなくても」とも思いますよね。では給湯器の電源をつけっぱなしにしていると、具体的にどんな問題があるのでしょう?ここでは、つけっぱなしすることの問題と、都度消しとの比較について説明します。

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ガス給湯器で電気代が生じる理由

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出典: photo-ac.com

一般的な給湯器の電源のオンオフは操作パネルで行います。しかし、最近のガス給湯器は、電源が入った状態でも水が流れていないと点火しません。稼働中でも、水の流れが止まると自動的にガスも止まります。そのため、ガス給湯器をつけっぱなしにしてもガス代はかかりません

電源をつけっぱなしにして発生するのは電気代です。それではなぜ、「給湯器をつけっぱなしにすると電気代がかかるのでしょうか?」点火しないなら電気代もかからないと思いますよね。

スマートフォンなどで全く使っていなくてもどんどん電池が減っていくように、どんな電化製品も使っていないときにも待機電力が発生します。

給湯器の場合は、使っていなくても、電源に繋がっているだけで電気を消費していきます。ただし、操作パネルの電源をオンにするかオフにするかで待機電力は少し変わってきます。

ガス給湯器の待機電力

それではガス給湯器の待機電力はどれくらいあるのでしょうか?給湯器の待機時消費電力はオンモードで約8Wと言われています。このため電源をつけっぱなしにしたときの待機電力は次のようになります(※電気代は26円/1kWhとします)。

8÷1000×24時間×365日×26円=1822円

1年間ずっと給湯器の電源を入れていると1822円かかります。思ったよりも掛かっていると思いますか?ところが、すでに説明しましたように、電源をオフにしても待機電力が発生します。大事なのはそのときとの比較です。次に電源を都度消した場合の電気代を見ていきましょう。

給湯器の電源を都度消すと電気代は安くなるのか?

給湯器の待機時消費電力はオフモードにすると約6Wです。オンモードと比べて2Wしか違いがありません。それではオフモードのときの電気代も計算してみましょう。

6÷1000×24時間×365日×26円=1366円

ガス給湯器の電源を都度消ししたときの電気代は1366円です。電源をつけっぱなしにするよりは、電気代はかかりません。それでも年間の差額は456円程度です。これを大きいと考えるか、たいした額ではないと考えるかは人によって変わると思いますが、夫婦ゲンカをするほどの額ではないかもしれませんね。

ひとつだけ気をつけてもらいたいのが、オフモードの待機電力を嫌って、コンセントを抜かないということです。特に冬場は凍結防止のための機能が効かなくなって、給湯器内部に水が残っていると凍結して、管を破壊する可能性があります。コンセントは絶対に抜かないようにしましょう

給湯器の電源の「つけっぱなし」と「都度消し」どちらがお得なのか?

ガス給湯器の電源をつけっぱなしにしても都度消しにしても、電気代は年間456円程度しか変わりません。実際には給湯器が稼働している時間もありますし、最新のガス給湯器は待機時消費電力がとても小さいため、その差額もさらに小さくなっています。

それでは、「つけっぱなしでもいいのでは?」そう思うかもしれませんが、意外と見落としがちなポイントがあります。それが「電源をオンにしていると、常にお湯を出すことになる」ということです。

例えば歯磨きをするときや、トイレを出て手を洗うとき。ガス給湯器の電源が入っていると、水が流れますので、ガス給湯器は着火しようとします。それが短い時間であっても、着火しますのでその間のガス料金が発生します。ガス給湯器内の部品にも電気が流れますので、電気代が発生します。

微々たるものだと思うかもしれませんが、家族が4人いて、毎日何回も蛇口をひねるでしょう。この繰り返しで、1年間の待機時消費電力分よりも光熱費がかかっているケースもあります。

このように、お得なのは間違いなく「都度消し」です。ただし、お得かどうかだけで判断すると、「たった数百円」というような価値観の問題になります。少しでも無駄な電気は使わない。そういう節電の意識が重要なのであって、金額の問題ではないという考え方もあります。

電源の消し忘れそのものは、それほど目くじらを立てるほどのことではありませんが、給湯器の電源を消さないということは、家のあちこちで電気のつけっぱなしをしている可能性があります。節電の意識を持つためにも、やはり都度消しの習慣を身につけることをおすすめします。

ガス給湯器の節電ポイント

1. 定期的なメンテナンス

ガス給湯器の効率を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。給湯器内部に汚れやスケール(カルシウムやマグネシウムなどの硬水成分)が蓄積すると、効率が低下し、余分なエネルギーを消費することになります。定期的なクリーニングや専門業者による点検を受けることで、給湯器の寿命を延ばし、エネルギー効率を保つことができます。

2. 適切な温度設定

給湯器の設定温度を適切に保つことも重要です。多くの家庭では設定温度が必要以上に高く設定されていることがあります。通常の家庭での使用では、給湯温度を40度前後に設定することが一般的です。これにより、エネルギー消費を削減し、快適な温度での使用が可能になります。

3. 節水シャワーヘッドの導入

節水シャワーヘッドを使用することで、水の使用量を削減し、ガス給湯器の稼働時間を短縮できます。これにより、水道代とガス代の両方を節約することが可能です。節水シャワーヘッドは、通常のシャワーヘッドと比べて40%以上の節水効果が期待できるものもあります。

給湯器の光熱費を抑えるならエコキュートがおすすめ

ガス給湯器の電源はオンかオフどちらがお得かについて見てきましたが、根本的に給湯器にかかる光熱費を節約したいという方におすすめなのがエコキュートです。

エコキュートは電気を使ってお湯を沸かす給湯器(電気給湯器)の一種です。電気を使ってお湯を沸かすというと、電気ポットなどをイメージするかもしれませんが、エコキュートはヒートポンプを使ってお湯を作ります。ヒートポンプは大気中の熱を冷媒に取り込み、その冷媒を圧縮させることでさらに高温にし、水熱交換器で熱を水に伝える機器です。熱を伝えた冷媒は膨

張され、また大気中の熱を取り込むというサイクルを続けることで給湯します。

リアルタイムにお湯を作るのではなく、事前に一定量のお湯を作って貯めておくのがエコキュートの特徴です。

エコキュートのメリット

  1. 光熱費の削減 エコキュートは夜間の安い電気を使ってお湯を作ります。そのため、プロパンガスを使うよりも光熱費を抑えることができます。特に電力会社の夜間料金プランを利用することで、さらにコストを削減することが可能です。

  2. 環境に優しい ガスを燃焼させずにお湯を作るため、二酸化炭素の排出がなく、環境に優しいのが特徴です。持続可能なエネルギー利用として、地球環境に貢献することができます。

  3. 防災対策 エコキュートには大容量の貯湯タンクがあるため、災害時には非常用の生活水として利用することができます。断水時にも安心して生活を続けることができます。

  4. 高効率 ヒートポンプ技術を使用することで、1kWhの電力で約3〜5kWh相当の熱エネルギーを得ることができます。これにより、従来の給湯器よりも効率的にお湯を供給できます。

エコキュートのデメリット

  1. 初期費用が高い エコキュートの設置には初期費用がかかります。機器の価格や工事費用を含めると、導入には数十万円の費用が必要となります。ただし、長期的な光熱費の削減を考慮すると、十分に元が取れる投資と言えるでしょう。

  2. 設置スペースが必要 貯湯タンクを設置するスペースが必要です。戸建て住宅では問題ありませんが、マンションやアパートなどの集合住宅では設置が難しい場合があります。

エコキュートの導入

エコキュートを導入する際には、補助金や助成金の制度を利用することができます。多くの自治体では、省エネルギー機器の導入を促進するための補助金制度を設けています。これらの制度を利用することで、初期費用を抑えることができます。

気になった方はエコキュートについてまとめてありますので、こちらをご参照ください!

まとめ

給湯器の電源はつけっぱなしにしても、単純な電気代は1年間で数百円しか増えません。たった数百円なのか、されど数百円なのかはそれぞれ考え方が異なるでしょう。しかし、限りある資源で作られている電気ですので、大切に使いたいものです。給湯器の電源を都度消ししても何のデメリットもありませんので、できる限り忘れずに、給湯器を使い終わったら電源を消すようにしましょう。

さらに、根本的に給湯器の光熱費を抑えたい方には、電気給湯器のエコキュートがおすすめです。エコキュートは高効率で環境に優しい給湯器であり、長期的に見て光熱費の削減にもつながります。設置費用はかかりますが、補助金制度を利用することで導入しやすくなっています。

給湯器の節電意識を持ち、日々の生活でエネルギーを大切に使うことで、地球環境に貢献しながら、経済的な負担も軽減することができます。電源の消し忘れを防ぐ習慣を身につけ、節電意識を高めることが大切です。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。