2017年12月11日

ユニットバス(お風呂)の断熱加工リフォーム

浴室・ユニットバスの断熱性を高めるためには、断熱性のある製品に取り替えたり、浴室に断熱塗装を施すという方法があります。これらの工事にはいくらかかるのか、さらに浴室の断熱性を保つための使い方のポイントと合わせてご紹介します。

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浴室周りが冷える原因


出典:pixabay.com

浴室は体を温め、一日の疲れを癒してくれるリラックス空間です。 一日の汚れを落とすだけでなく、リフレッシュにもなり、寒い日はゆったりと浴槽に浸かることでリラックスできますよね。

私たちの日常生活に欠かせない浴室ですが、冷えやすい場所でもあるため特に寒い冬などは命に係わるトラブルが起こることもあります。
浴室事故として挙げられる、「ヒートショック現象」がその一つです。

ヒートショック現象とは、急激な温度変化による血圧の変動で起こるもので、寒い冬は特に発症率が上がります。

浴室内は、温かいお湯と密閉性によって心地良い温度が保たれますが、冬の脱衣所はヒーターなどで暖めていない限り非常に冷え込みます。
また、浴室が古い場合、洗い場まで冷えることが良くありますが、この冷えた場所から暖かいお湯に浸かってしまうと血圧が急激に上がり、ヒートショックを起こします。 冬のヒートショック現象の発生率が、夏の10倍以上とまで言われていますので、寒い季節は特に注意が必要です。

浴室の温度差はなぜ起こるのでしょうか?浴室の工法からその違いを見ていきましょう。

工法の違い

ヒートショック現象を予防するためには、温度差を埋めるのが一番の対策です。
浴室の工法の違いによって、浴槽と洗い場に温度差ができやすくなる場合があります。

現在一般的となっているユニットバス以外の工法として、「在来工法浴室」という浴室構造をご存知でしょうか。
在来工法とは、日本の伝統的な建築工法で、柱と柱を筋交いと呼ばれる組合で安定させる工法です。

規格サイズが決まっているユニットバスでは、広さを自在に変更することは困難ですが、在来工法を用いた浴室は、広さやデザインを自在に決めることができます。
広さにとらわれない、自由な浴室空間を作り出したい方には非常にお勧めの工法です。

ユニットバスは浴室のためだけに作られており、防水性や密閉性が高く断熱性も高いと言えます。
一方、在来工法浴室は床や壁をタイル張りにすることで、ある程度の防水性を備えて浴室として使います。
そのため、ユニットバスと比べると、防水性や密閉性に欠けるというデメリットがあります。

在来工法浴室で使われるタイルは、防水性はあるものの周りの環境温度に影響されやすい素材でもあります。
浴室で水分が付着すれば、水分の温度が低下していくとともに、タイルの表面も冷たくなっていくため浴室内温度も必然的に下がります。

また、在来工法浴室は、そもそも浴室自体の断熱加工が弱い場合もあります。
浴槽内で温まっても、濡れたタイル張りの床に足を乗せると冷たく感じたり、洗い場自体が冷えていれば温度差が生まれます。

タイル張りの在来工法浴室か、密閉性の高いユニットバスか、その工法の違いによって、冷えやすさは大きく変わるのです。

断熱加工

熱には、温かい場所から冷たい場所へ移動する性質があります。
熱湯をそのまま放置しておくと、自然に冷めていくのは周りの低い温度に熱が移動することが原因です。

浴槽から出た際に、タイルに足を乗せて冷たさを感じるということは、体の熱がタイルの冷たさに移動し低下していると言えます。
この熱の移動を防ぐことを「断熱」と言いますが、断熱加工を施すことが浴室の冷え、温度差を改善する一つの方法となります。

住宅に断熱加工を施すことで、大きな温度変化を引き起しにくくなります。
エアコンを使用する際も、断熱効果を高めることで運転効率が上がり、結果的に光熱費が安くなります。

浴室も同様に、浴槽だけでなく浴室自体の断熱効果を高めると、冷える速度を飛躍的に遅らせることができます。
浴槽の湯温度が低下しにくくなるので、入浴時間に差があるご家庭でも追い焚きの必要性を少なくし、光熱費の削減に繋がります。

断熱による省エネ対策をすることは、家計を助けるだけでなく、電化製品を使用することで発生する二酸化炭素などの大気汚染物質の低減にも繋がります。
地球環境にも優しい「断熱加工」は、住宅設計において視野に入れるべき点なのです。

断熱加工リフォーム 方法と費用

現状の住宅に断熱加工が施されていない場合でも、リフォームによって断熱性を持たせることは可能です。
ここからは、断熱加工のリフォーム方法をご紹介していきます。

タイルを断熱タイプに交換する

<参考価格(1平米)>
¥ 10,000~ ¥ 20.000

タイル張りの在来工法浴室でも、断熱加工を施すことは可能です。
株式会社リクシルは、熱の移動を抑えた「サーモタイル」を開発しており、冷たくなりやすいタイルの性質を一変させる優れものです。

浴室専用のサーモタイルも販売されており、在来工法浴室に適したリフォーム材料です。
タイルの冷たさにお悩みの場合は、まずサーモタイルに交換することを検討してみると良いでしょう。

断熱効果の高いユニットバスへリフォームする

<参考価格>
¥ 500,000~¥ 1,000,000

現状の在来工法浴室の床や壁に断熱加工を施すことは可能ですが、費用がかさむことは否めません。
その場合は、断熱性の高いユニットバスへリフォームするという選択があります。
現状のユニットバスの断熱効果が低い場合も同様です。

ユニットバスメーカーのほとんどが高い断熱性の商品を販売していいますので、そのユニットバスを導入してしまえば細かい断熱リフォームプランを立てる必要はまずありません。
在来工法浴室の場合、部分部分でリフォームするより、費用を抑えられる可能性があります。

さらにヒートショック現象を考慮した対策として、浴室換気暖房機を取付けることも可能です。
浴室換気暖房機は、浴室内の換気をしてくれるだけでなく、浴室内や脱衣所を暖めてくれる機能があります。
浴室と脱衣所の温度差を限りなくなくすことができるので、ヒートショック現象の予防になります。

浴室換気暖房機の取付けはオプションの場合が多いので、予算内で取り付けが可能かどうか確認してみましょう。

断熱塗装を施す

<参考価格>
・外壁、内壁(1平米)
¥ 3,500~¥ 5,000

・浴室塗装
¥ 40,000~200,000
※浴槽のみ壁のみでも施工可能

外壁や内壁に、断熱塗装を施すのも一つの方法として挙げられます。
株式会社日進産業は、断熱効果の高い塗料として「ガイナ」を開発しています。

塗装の平米単価は、一般的に使用される塗料に比べると割高ではありますが、ガイナは断熱以外にも様々な効果があります。
断熱に加え、遮熱、防音、防臭といった多くの性能を兼ね備えていますので、様々なお悩みを一気に解消してくれます。

塗装であれば、現状のユニットバスにも施工が可能です。
断熱効果が低いユニットバスに用いることも可能ですし、浴室の壁や浴槽のひび割れを埋める補修としてもお使いいただけます。

断熱効果が高いユニットバスほど効果が感じにくいかもしれませんが、費用も安く手軽に行えるというメリットがあります。
費用をあまりかけず、とりあえず現状よりも断熱効果を高めたいという方にはお勧めです。

費用を抑えるポイント

断熱加工リフォームの費用を抑えるポイントは、まずはランニングコストを考えることです。
断熱効果の高いユニットバスへの交換は、大掛かりなリフォームになるので費用も割高になります。

しかし断熱効果が高いということは、追い焚きの頻度を少なくすることができます。
ご家族の入浴時間に差があるご家庭で、一人一人が追い焚きをしているような場合は、長期的なランニングコストで見ると、費用が安くなる場合があります。
初期費用だけでなく、長期的な出費と比較して考慮することも、費用を抑える一つの視点です。

それでも初期費用を抑えたい場合は、浴室塗装で手軽に施工する方法がお勧めです。
ユニットバスの解体などの必要がないので、施工期間も短く済みます。

浴室の断熱加工リフォームの施工事例

浴室が冷える原因や断熱加工リフォーム方法や費用についてご紹介しました。施工事例を参考に、工事内容や費用の理解をさらに深めていきましょう。

大阪府柏原市の断熱加工リフォームの施工事例

施工情報

施工業者

株式会社ダイケンリフォームサービス

施工月

2016年11月

施工総額

約77万円

【Before】
リフォーム前浴室

【After】
リフォーム後浴室

出典:株式会社ダイケンリフォームサービス

こちらの事例では、W断熱構造を採用したTOTOのサザナというユニットバスに取り替えることで、浴室の断熱性を高めました。工事費用は約77万円ということですが、ユニットバスはプランやオプションのグレードによって費用には大きな差があります。

浴室の断熱加工リフォームの効果を高めるために

タイルやユニットバスを断熱性に優れたものにしたり、浴室内に断熱塗装を施すことで、浴室の断熱性を高めることができますが、浴室の使い方を工夫すれば、さらに浴室を暖かい状態にすることが可能です。

熱いシャワーを使用している間は、寒さが和らぐでしょう。これを利用して、入浴前に熱いシャワーで浴室内を清掃したり、高い位置からシャワーでお湯張りするなど、あらかじめ浴室内を暖めておくことをおすすめします。浴室暖房が設置されていれば、浴室暖房を使えば早く浴室内を暖めることが可能です。

浴室の窓からは冷気が入ってきますので、窓にも寒さ対策を行うことは大切です。断熱性を高める方法の一つに二重窓にするというものがありますが、工事費用が高くなります。手軽に断熱対策を行う方法として、切り取った断熱材やプラスチック製段ボールを窓枠にはめ込んだり、窓に直接気泡緩衝材を貼り付けるなどがあります。
床シートやすのこ、浴室用の畳などを敷くことで、足元の寒さを解消できます。

こちらの記事では、浴室内の寒さ対策をより詳しく解説しているので、参考になさってください。

まとめ:断熱加工リフォームは家計にも地球にも優しい

断熱加工リフォームは、在来工法浴室でもユニットバスでもあらゆる現状からでも施工が可能です。
浴室の断熱効果を高めることは、ヒートショック現象の可能性を低くするだけでなく、省エネにも繋がります。
省エネは家計だけでなく、地球環境にも優しい取り組みです。

初期費用を抑えるべきか、ランニングコストを考慮してリフォームするべきかは、ご家庭の状況によって変わります。
予算と並行しながら、快適な浴室環境を作り出せるよう検討してみてはいかがでしょうか。

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