2019年2月19日

3点ユニットバスは分離すべき?工事費用やリフォーム方法を解説

築年数が古い賃貸物件でよく見られる3点ユニットバス。しかし、バスとトイレが一緒の物件は借り手が見つかりにくく、入居者を増やすために3点ユニットバスの分離を考えている大家さんも多いかと思います。ここでは、賃貸物件を所有する方のために、3点ユニットバスのリフォームについて詳しく解説します。

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3点ユニットバスは分離するのがおすすめ

3点ユニットバス

外に出ると、至るところで新築のマンションやアパートを建てています。築2、30年といった物件となると、なかなか借り手が見つからなくなってきます。古い物件で、なおかつ3点ユニットバスとなると、半年以上空き室になることも珍しくありません。

家賃を下げて貸すという選択肢もありますが、そうなると収入が減りますし、入居者の質が下がる可能性があります。空き室が多くて悩んでいる大家さんにおすすめなのが、3点ユニットバスの分離リフォームです。理想はバス・トイレ・洗面台のすべてを分離させることですが、少なくともバスとトイレは分離したいところです。

もちろんリフォーム費用が発生しますが、入居者が多くいれば回収することができますし、1度リフォームしてしまえば、その後もバス・トイレ別物件として貸すことができます。

そもそも家賃が低い物件の場合は、リフォーム費用を家賃で回収するのが難しいケースもありますので、回収できるかどうかはきちんと計算する必要がありますが、目安として家賃が5万円以上で、駅からもそれほど遠くない立地ならば、3点ユニットバスの分離リフォームを検討しましょう。

3点ユニットバスのメリットとデメリットについては、以下の記事で詳しく説明しています。
3点ユニットバスを分離工事でセパレートタイプにリフォームする方法

学生はバス・トイレ別の需要が高い

学生向けの物件ですと、「3点ユニットバスでも問題ないだろう」と思っている方もいるかもしれません。しかし、現在の学生がアパートを探す際、家賃以外で最も重視するのが、バスとトイレが別といわれています。

昔は学生の数も多く、大学周辺ではアパートの数が足りないという状態にありましたが、近年は少子化で学生数が減ってきているだけでなく、実家から大学に通っている学生も増えています。このため、需給バランスが逆転して、学生が物件を選ぶようになってきています。

値下げをするアパートや、新築のアパートやマンションが増えていく状況で、あえて3点ユニットバスの物件を選ぶ理由がないというのが現状です。最近の学生は持ち物も少ないため、以前ほど部屋の広さにもこだわっていません。

だとすれば、部屋が少し狭くなってでもバスとトイレは分離すべきです。そうなってくると気になるのが、どれくらいの費用でリフォームできるかということですよね。3点ユニットバスの分離リフォームにいくらかかるのか、次章で詳しくご紹介します。

3点ユニットバスを分離した場合の費用は?

3点ユニットバス

  • 3点ユニットバスを浴室にして、トイレと洗面台を別の場所に設置
    リフォーム費用相場:100万~180万円

  • 3点ユニットバスのスペースに浴室とトイレの両方を設置
    リフォーム費用相場:60万~80万円

  • 3点ユニットバスからトイレと洗面台を別の場所に移設
    リフォーム費用相場:50万~60万円

3点ユニットバスの分離リフォームで、最も高額になるのが、既存の3点ユニットバスを撤去して浴室のみにし、トイレと洗面台を別の場所に設置する方法です。この場合はバスとトイレに十分なスペースを取れますが、部屋が狭くなってしまいます。

部屋は狭くしたくないという場合は、既存の3点ユニットバスのスペースに浴室とトイレの両方を設置します。どちらも窮屈になってしまいますが、水回りの工事が最小限で済むため費用も安く抑えることができます。

費用対効果を考えるなら、ユニットバスからトイレと洗面台を別の場所に移設する方法がおすすめです。既存のユニットバスを流用できますので、費用を大幅にカットできます。ただし、ユニットバスが古いときは、撤去した跡が残りやすいので注意が必要です。

3点ユニットバスを分離できない場合もある

3点ユニットバス

ユニットバスを分離するのが理想ですが、残念ながら根本的に分離できない物件もあります。下記のような物件がそれにあたります。

  • 空きスペースがない
  • 水回りの移動ができない

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

空きスペースがない

3点ユニットバスを分離するときに大きな問題となるのが、分離したトイレのスペースの問題です。一般的な分譲マンションのトイレのサイズは内寸で0.4坪、約1㎡のスペースが必要になります。周辺の壁なども考慮すると1畳分くらいのスペースになります。

単純にこれだけのスペースを居住空間からカットすることになりますので、ワンルームの狭いアパートがさらに窮屈になってしまいます。元の部屋がある程度広い場合には問題ありませんが、古い物件によくある4畳半1間の物件ですと、スペースがなくて設置できないということがあります。

ただし、このような物件向けのコンパクトなトイレもありますし、レイアウトの工夫によって思わぬスペースを有効活用できることもあります。スペースがないからと最初から諦めるのではなく、まずはリフォーム会社に相談して、対処方法を提案してもらいましょう。

水回りの移動ができない

空きスペースがないことよりも問題となるのが、排水設備の問題です。水道などの給水設備は圧力がかかっていますので、場所を移動してもそれほど問題はありませんが、排水設備は排水配管に傾斜を付けなくてはいけません。

また、アパートやマンションの場合には、床下のスペースが限られていますので、水回りの場所を移動できないことがあります。このような物件の場合には、当然トイレの分離はできません。そうはいっても、分離ができないからといって諦める必要はありません。

既存のユニットバスのスペースを分離するという方法もありますし、簡易的に分離するという方法もあります。空きスペースがない場合や、水回りの移動ができないといったときに、どのようにすればリフォームできるのかについて、次章で解説していきます。

3点ユニットバスのリフォーム方法は他にもある

3点ユニットバス

3点ユニットバスをリフォームする方法として、3つの方法をご紹介しましたが、費用が高くて採算が取れないケースや、スペースや配管の都合でリフォームできないケースもあります。そういうときにおすすめのリフォーム方法を解説します。

セパレートでトイレを仕切る

費用を抑えてバスとトイレを分離する方法が、セパレート式の分離方法です。仕組みはとても簡単で、ユニットバス内の浴槽とトイレの間に仕切りになる扉を設置するだけです。防水性を持たせなくてはいけませんし、開閉機構も必要ですので、工事費込みで20万~30万円くらいかかりますが、他の方法よりも安く分離できます。

工事期間も2~3日程度しかかかりませんので、次の入居者が入るまでの期間が短くてもリフォームできるというメリットがあります。シャワーカーテンよりもしっかりと水ハネを防いでくれますし、物理的に分離されている安心感もあります。

見た目は、取ってつけたような印象は否めませんが、浴槽とトイレが切り離されているというのは、物件選びで重要なポイントになります。予算の都合で大掛かりなリフォームが難しい物件におすすめのリフォーム方法です。

費用相場:20万~30万円

2点ユニットバスにする

トイレを分離するスペースはあるけど、洗面台までは無理という場合は、バスと洗面台をひとつにした2点ユニットバスにするという方法もあります。こちらは完全分離よりは人気が落ちますが、トイレが別になるということで、3点ユニットバスほどは敬遠されません。

洗面台を別途用意しなくてもいいため、完全分離よりは費用を抑えることができ、ユニットバスそのものも新しくなりますので、入居者が決まりやすいというメリットがあります。ただし、洗面台を頻繁に使う女性向けの物件にはあまり適していません。費用対効果と利用者層を考えた上で採用しましょう。

費用相場:60万~65万円

浴槽を撤去してシャワールームにする

若い人に意外と人気なのが、3点ユニットバスのスペースをシャワールーム+トイレに分離した物件です。20代の4割近くが、冬でも浴槽ではなくシャワーのみ使用しているという調査結果があります。浴槽を使わないのであれば、思い切って撤去してシャワールームにしてしまうのも1つの方法です。

物件としてもバス・トイレ別として扱われますので、物件検索の段階で対象外にされることもありません。見た目もシンプルで使い勝手もいいため、学生街などの若者が集まるエリアの物件のリフォームとしておすすめです。

ただし、シャワーだけでは疲れが取れないという方も多く、高齢になればなるほど浴槽を使用することになりますので、入居者の年齢層が高めの物件には適していません。ターゲットを選ぶリフォームになりますので、過去の入居者の年齢層などをチェックして、ニーズがありそうなら検討してみましょう。

費用相場:55万~75万円

まとめ

3点ユニットバス

賃貸物件は供給過多な状態になり、3点ユニットバスというだけで空き室になることがあります。空き室になる理由は様々だと思いますが、バスとトイレを分離したことで、入居者が決まったという物件もたくさんあります。

3点ユニットバスの分離リフォームで大事なのは、費用対効果があるかどうかという点です。リフォーム費用を10~15年で回収できるように試算して、予算をある程度の範囲に絞った上でリフォーム会社に相談してみましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。