2019年1月7日

水道工事は資格が必要?無資格での工事の危険性とDIYでもできること

水道工事を業者に依頼する場合は、資格の有無を取得していることを確認することが大切です。そうはいっても、水道工事でどのような資格があるのか分からないと、確認することなんてできないですよね。この記事では、水道工事の必要な資格について説明する以外にも、なぜ水道工事に資格が必要なのか、また無資格で工事をするとどのようなことが起きるのかなど、詳しく解説しています。

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水道工事で必要な資格

水道工事

水道工事を業者に依頼するときは、資格の有無を確認することが大切になります。
それではまず、水道工事で必要とされる資格とその内容からご紹介していきます。その資格を持っていると何が出来るのかをチェックしていきましょう。

給水装置工事主任技術者

給水装置工事主任技術者は、給水装置工事を行う業者が水道事業者から指定を受けるために必須の国家資格です。給水装置工事の技術管理や技術指導を行うのがその役割で、実際に施工をするわけではなく工事状況を把握して管理することができる資格です。

ただ、これではまったく意味がわからないかと思います。そもそも給水装置や給水装置工事がどのようなものなのかについても簡単に触れておきます。

給水装置とは

給水装置というのは道路下に埋められている配水管の分岐から、家の中にある蛇口までの給水管や給水用具のことを言います。給水管、止水栓、水道メーター、蛇口などがこれらに該当し、基本的には容易には取り外せないものだけで構成されています。単純に配水管以降から蛇口までの水道を構成するすべての部材と考えて構いません。

給水装置工事とは

給水装置工事は、上記で説明した給水装置の新設、改造、修繕、撤去に関するすべての工事のことを言います。工事は施工だけでなく調査や計画、検査などの過程も含まれます。給水装置工事主任技術者はこの工事の取りまとめを行う役割になります。

下水道排水設備工事責任技術者

給水装置工事主任技術者は上水道の工事管理をするのに必要な資格でしたが、下水道排水設備工事責任技術者は下水道や排水側の設備工事を管理するのに必要な資格です。単純に給水装置工事主任技術者の下水版だと考えてください。

排水設備はトイレやキッチンなどの排水口から公共下水道の公共汚水ますまでの、排水に関係するすべての設備のことを言います。配水管や接続ます、雨水ますなどがこれに含まれます。これらの設置や撤去などを行うのが下水道排水設備工事になります。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、建設業が行う管工事の計画や管理の業務を行うのに必要な資格です。給水装置工事主任技術者との違いが分かりくいかもしれませんが、管工事施工管理技士は幅広い管の工事に関する管理ができますが、管以外の給水装置工事の管理はできません。

例えばエコキュートなどの装置を設置する場合の管理には、管工事施工管理技士では不可で給水装置工事主任技術者の資格が必要です。逆に給水装置工事主任技術者の資格では空調などの設備工事の管理ができません。

また、500万円以上の工事を行う場合には建設業許可が必要です。このため高額な水道工事を行う場合には、工事管理とは関係なく、要件として管工事施工管理技士の資格を持っておく必要があります。

水道技術管理者

水道技術管理者は安全な飲水を供給するために、水道の維持管理を行います。すべての水道はこの水道技術管理者によって適切に管理されています。この資格がなくても水道工事そのものはできますが、それだけでは水道として使うことができません。この資格を持った人を設置して、初めて給水装置は水道として利用できるようになります。

資格が必要な水道工事

水道工事

ここまでは水道工事に必要な資格について説明してきましたが、今度はどの工事にどの資格が必要なのかをご紹介します。資格の説明と内容が一部重なりますが、理解度を高めるためにもきちんと頭に入れておきましょう。

結論から言えば、給水装置工事も排水設備工事もすべて資格が必要です。正確には正しく施工するための調査や検査を、給水装置工事主任技術者や下水道排水設備工事責任技術者が行う必要があります。このため、施工そのものをするのに資格は必要ありません。

例えば蛇口のパッキンを自分で交換するのは問題ありませんが、交換した後に給水装置工事主任技術者に検査してもらうのが正しいやり方になります。ただし、現実としては無資格での作業が黙認されているケースもありますので、それについては後ほど別途説明します。

また、給湯器の設置やユニットバスの交換工事などは、無届けで行われているケースもありますが、こちらも黙認されているだけです。正しくは有資格者による調査や計画、検査が必要であることを覚えておきましょう。

無資格で水道工事をしたときに起こりうるトラブル

水道工事

水道工事は配水管や公共ますへの接続を行わない限り、無資格だとバレることは早々ありません。水漏れなどの大きな問題が出たときに、初めて無資格での施工が問題になりますが、「バレなければいい」という感覚で、安価な無資格業者に作業を依頼する方もいらっしゃいます。

無資格業者に依頼するとトラブルに発展する確率が高く、結果的に高額な出費になることもあります。ここでは、無資格業者に依頼したときに発生しやすいトラブル2つについてご紹介していきます。

罰則、罰金が科せられる

すでに配管されている場合、無資格者が配管ルートの変更を行ったり、水道設備を交換したりしてもなかなか発覚することがありません。ただし、下水の水質調査が行われて無資格工事が発覚することがあります。届け出を出していない給湯器が原因で火事になったりするときも、無資格工事がバレてしまいます。

そんなとき、勝手に工事をしたということで水道を止められるなどの罰則や、罰金を支払わされる可能性があります。どのような罰を受けることになるかは、自治体やそのときの状況によっても変わりますが、例えば無資格工事によって公共の水道設備を壊したり、機能不全にさせたりした場合には、その復旧にかかる損害額を倍供させられることもあります。

施工不良を起こすことがある

罰則や罰金も困りますが、それよりも困るのは無資格業者に依頼したことで、施工不良を起こされる可能性があります。そもそも水道工事に資格が必要なのは、施工不良を少しでも減らすためです。その部分を省くことになりますので、当然水漏れなどのトラブル発生率が高くなります。

プロが施工するのだから施工不良なんて起こるわけがない。そう思っている方もいるかもしれませんが、水道管の接続部というのは、ベテラン作業者が行っても水漏れを100%防ぐことができない構造になっています。このため施工者とは別の人が検査を行って、問題がないかを確認するわけです。

無資格工事でも検査は行っていると思いますが、知識がない方が検査しても問題を見抜けないのは明らかですよね。その結果、家中が水浸しになってもしまっては元も子もありません。無資格業者に依頼するのがリスクが高い、ということを少しは理解していただけたかと思います。

無資格でもできる水道工事とは?

DIY

さきほど、無資格での施工が黙認されているケースがあるとお伝えしましたが、どのようなケースで資格無しでの工事ができるのかについてご紹介します。

  • パッキンの交換
  • 蛇口の交換
  • 断熱材や保護材の張替え

上記の3点程度は無資格業者やDIYでの施工が可能です。ただし、厳密にいえば正しい工事ではないということを意識しておいてください。パッキン交換であっても、きちんと施工しなければ水漏れにつながることもあります。

DIY慣れしていると「これくらい自分でできる」と思う方もいらっしゃると思いますが、検査なしで施工を行うというのはとてもリスクがあることです。少しでも不安があるようでしたら、きちんと資格を持った業者に作業をお願いしましょう。

資格を有している水道工事業者を確認する方法

水道工事業者

これまでの説明で、水道工事は有資格業者に依頼するべきだということを、しっかり理解してもらえたかと思います。しかし、いざ業者を選ぶときには、どうすれば資格を持っていることを確認できるのかまでは分かりませんよね。ここでは、水道工事業者の資格の有無を確認する方法についてご紹介します。

ホームページを確認する

簡単に調べることができるのは水道工事業者のホームページです。資格を所有している業者であれば、小さな業者でもないかぎりホームページがあり、そこに所有している資格についての記載があります。資格としては上記でご紹介した4つの資格すべて保有しているのが理想です。

4つの資格のうち管工事施工管理技士は難易度が高いため、小さな工事業者では取得していないこともあります。管工事施工管理技士の資格は必須ではありませんが、安心して任せられる業者の目安でありますので、この資格の有無を重視して選ぶようにしましょう。

水道局指定工事店に依頼する

水道工事業者は職人ばかりで、ホームページなどを所有していないこともあります。このような業者は資格を持っていてもアピールしていないので、なかなか見つけ出すのが難しいという問題があります。このような腕のいい職人さんに依頼したいのであれば、水道局指定工事店に依頼しましょう。水道局指定工事店は、自治体のホームページで調べることができます。

この指定を受けるには資格を持っていることや、十分な機材が揃っている必要があり、水道工事を行うための最低限の条件を満たしています。ただし、試験があるわけではなく条件を満たしているだけですので、必ずしも腕のいい業者であるとは限りません。

依頼する前に実績を確認し、価格だけで決めないようにしてください。できるだけ地元密着で長い期間続けている業者に相談し、対応がしっかりしているのを確認した上で依頼するようにしてください。

まとめ

水道工事

家を建てるときや水回りのリフォームをするときに、必ず必要になってくる水道工事。覚えておいてもらいたいのは、水道設備の工事をするときには、どんな簡単なものでも有資格業者による検査が必要になるということです。

パッキン交換などの簡単な工事は無資格での作業が黙認されていますが、「黙認されている≠認められている」ということを覚えておきましょう。DIYに自信がある方はご自分で施工してもよいのですが、少しでも不安があるときは専門業者にお任せしたほうが安心です。

また、安価だからという理由で、無資格業者に依頼するのも避けましょう。水道管の接続作業は、ベテラン作業者でも水漏れを発生させることがあるくらい難易度が高めの工事です。水漏れトラブルを発生させないためにも、必ず資格を持った業者に工事をお願いしてください。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。