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洗面台と洗面化粧台とは
洗面台と洗面化粧台は、歯磨き、洗面、化粧など身支度整えるためには欠かせない水まわり設備です。使用目的は同じように思いますが、洗面台と洗面化粧台には微妙な概念の違いがあります。
こちらのページでは洗面台と洗面化粧台の違いを詳しく解説しているので、ご参照ください。
洗面台と洗面化粧台の違いと特徴まとめ
洗面台とは
洗面台とは、水栓から汲み上げた水を給水する蛇口と、配水管へ促す洗面ボウルでできた構造です。設置タイプには以下のものがあります。
- 置き型:カウンター上に洗面ボウルを置くタイプ
- 半埋め込み型:カウンターに洗面ボウルを半分埋め込むタイプ
- 埋め込み型:カウンター内に洗面ボウルを埋め込むタイプ
- 壁付け型:洗面ボウルを壁に取付けるタイプ
洗面、化粧をする場所というよりは、手を洗うことをメインにして作られたという概念です。
洗面化粧台とは
洗面化粧台とは、洗面台の概念に鏡、照明、収納というドレッサーの機能が付加されたものです。設置タイプには以下のものがあります。
- ユニット型:洗面ボウル、鏡、照明、収納がすでに一体化しているタイプ
- システム型:洗面ボウル、鏡、照明、収納のデザインや使い方をカウンターを中心にカスタマイズできるタイプ
洗面台との大きな違いは、収納スペースが確保されているという点です。
ご家族それぞれが使用する化粧品や髭剃り、ドライヤーなどを収納しておけます。さらにコンセントも設置されているので、ドライヤーなどを使用することもでき、一か所で効率よく身支度を行える仕組みになっています。
お勧めの機能
洗面台と洗面化粧台には、付属することで使い勝手を向上させられる機能がありますので、ご紹介します。
タッチレス自動水栓
タッチレス自動水栓とは直接手でひねる蛇口ではなく、手を近づけるとセンサーが感知して給水を行う水栓です。直接蛇口に触れる必要がないため、洗う前の汚れた手や、洗った後の濡れた手で蛇口を触る必要がありません。
手が離れると自動ですぐに水が止まるので節水効果もあります。
より機能性が高いタッチレス自動水栓として、TOTOが開発した「アクアオート」という水栓があります。手洗い後に洗面ボウルを自動で除菌する「きれい除菌水」機能が搭載されており、日常的に使用しているだけでボウル内を清潔に保つことができます。
手を洗った後、洗面ボウルには流しきれなかった石鹸カスや汚れが残っている場合がありますが、「きれい除菌水」の効果で、掃除の手間や汚れによる洗面ボウルの劣化も軽減してくれます。
セルフストップ水栓
タッチレス自動水栓のようにセンサーはありませんが、蛇口をプッシュ式のボタンにした水栓です。蛇口をひねらずにボタンを押すだけで給水してくれます。
手を洗っている間に程度の時間が経つと自動で給水が止まるので、長い時間丁寧に手を洗う場合は不便に感じることがありますが、簡易的にささっと手を洗う時には非常に便利な機能と言えます。
完全自動ではなく、手動操作と切り替えも行えるタイプも販売されています。
多機能洗面器(ジェットボウル)
多機能洗面器は、株式会社LIXILが取り扱っている商品です。手洗い、石鹸、乾燥までをすべて一括全自動で行ってくれる次世代型の洗面ボウルと言えます。設置費用は割高ですが、設置後の節電・節水のランニングコストまで考慮するとお得になります。
洗面台の選び方
洗面台を設置しようと考えた時、何を選べばいいか判断に悩まれる方は多いですよね。
ここからは場所別での選び方のコツをご紹介していきます。
場所別で見るお勧めの設置
洗面台は複雑な機能が少なく、手軽に取付けられるメリットがありますが、設置する際には間取りを考慮して場所を考える必要があります。
住宅内の場所別で、選び方を見ていきましょう。
洗濯機置き場
多くの場合、洗濯機置き場はすでに間取りの段階で、設置する場所が決められているのが一般的ですよね。なぜなら、洗濯機への給水と排水の仕組みを考えておく必要があるからです。
洗濯機には排水ホースをつなぎますが、排水がうまくできなければ水漏れの原因になります。
マンションの上層階にお住いの場合、水漏れは下階に家財損傷などの被害を及ぼす可能性があるのです。
上記の観点から洗濯機の位置はあらかじめ決められているので、別の場所へ移動するのは困難なのです。
洗濯の際に泥汚れや調味料のシミがある洗濯物をそのまま洗濯機に入れると、他の洗濯物に泥汚れやシミが移る可能性があるので、汚れ移りを防止するためには予洗いが必要です。
予洗いをする場合は洗面化粧台でも可能ですが、歯磨きや化粧をする場所で汚れ物を処理するのは抵抗があります。
浴室で行う方法もありますが、濡れた衣類を洗濯機まで運ぶ手間と、かがみながら作業することで足腰の負担にもなります。
予洗いの手間を解消するためには、洗濯機の横に洗濯用シンクとして洗面台を設置すると良いでしょう。
すぐ横に設置することで、予洗いした洗濯物をそのまま洗濯機に入れることができますし、汚れた水もそのまま流してしまえます。
玄関
玄関に洗面台を設置するご家庭も増えてきています。なぜなら外出から戻ってきて速やかに手洗い・うがいをすることができて便利だからです。
小さいお子様がいらっしゃるご家庭だと、お子様に手洗い・うがいの習慣をつけてもらいたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
玄関に洗面台があると、家に帰ってきて他の事をする前にすぐに手洗い・うがいをすることができるので、お子様に習慣をつけてもらいやすくなるのです。
玄関に洗面台を設置することにはそのような意外なメリットがあるので、 ぜひ検討してみましょう。
トイレ
店舗や雑居ビルには多く見受けられますが、トイレ内、またはトイレから出た場所に洗面台を設置するのもお勧めです。
トイレで用を済ませたあとの手洗いは必須ですが、住宅の間取り上、多くは浴室近くに洗面所がある場合が多いですよね。
トイレからリビングなどへ戻る導線上に洗面所が確保されていれば問題ないですが、トイレ内に小さな洗面所があると非常に便利です。
トイレから出たすぐの場所に設置することも良いですが、汚れた手でドアノブに触れる前には手洗いを済ませておきたいものです。
トイレや住宅内のドアノブなどを清潔に保ちたいという方は、トイレ内に洗面台を設置してみましょう。
洗面化粧台の選び方
洗面化粧台は収納性能など機能性が高い分、設置する場所にある程度のスペースが必要になります。
収納力を重視するか、洗面ボウルの大きさで決めるのか、用途や目的によって選びましょう。
タイプ別で見るお勧めの設置
洗面台にはユニット型とシステム型があります。
タイプによって、設置する用途と場所が変わる場合があるのでそれぞれの違いを確認しましょう。
ユニット型
ユニット型のメリットは、費用の安さとコンパクトさです。
鏡、収納、ドレッサーが一体化しているので、設置の手間もそれほど必要としません。
3万円程度から購入できるので、費用の負担も少なく済みます。
設置の手間がかからない分規格サイズが決まっているので、設置する場所にうまく収まらなかったり、スペースが余る可能性があります。
設置の場所を取らずコンパクトに収めることが目的であれば、ユニット型は非常に重宝します。
コンパクトな分、収納力もそれほど高くない場合がありますが、商品によっては鏡部分が開き戸になり、中に収納できるタイプも販売されていますので、求める収納力と見合っているか確認しましょう。
ユニット型の排水パイプは、洗面台下部の収納部分にある場合が多く、収納の妨げになる場合もあります。
排水溝の構造をすっきりさせ、収納力を向上させた商品を販売しているメーカーもあるので、様々な商品を比較して決めましょう。
システム型
システム型のメリットは、設置したい場所のスペースに応じてカスタマイズすることができることです。
ユニット型では収まらなかったり、スペースが余るような場合はシステム型がお勧めです。
収納力を十分に確保したい場合はキャビネットをオプションで取付けたり、収納は少なくてもスタイリッシュな見た目にすることもできます。
また、洗面ボウルを2つ取付ければ、大家族でも朝の支度時の混み合いを避けることができます。
組み合わせのカスタマイズの自由度が高い分、施工によっては大掛かりになるので費用は割高な傾向にあります。
予算に余裕があり、費用よりも自由なデザイン、設計を楽しみたい方は、システム型の洗面化粧台を選びましょう。
劣化症状からリフォームのタイミングを見極める
洗面ボウルや、システム型のカウンターの素材には種類があり、素材によって劣化症状や劣化速度は変わります。
ここからは、洗面台と洗面化粧台の劣化症状と対策をご紹介していきます。
劣化症状の種類と対策
洗面台と洗面化粧台に共通する部材は「洗面ボウル」です。
洗面ボウルに使用される素材は以下の通りです。
- 陶器製:見た目に高級感があるが、衝撃によってひび割れしやすい
- ホーロー製:見た目に高級感はないが、化学成分に強い
- 樹脂製:汚れやすいが、耐久性が強く割れにくい
次に洗面台と洗面化粧台の典型的な劣化症状を見ていきましょう。
洗面ボウルにひび割れがある
洗面ボウルは問題なく使用していれば、10年以上は使用し続けることができます。
特に陶器製は非常に長持ちします。
しかし陶器製は衝撃に弱いというデメリットがあるので、硬いものを落とすとひび割れしてしまう場合があります。
ひび割れが起こると隙間に汚れが溜まりやすくなるだけでなく、放置しておくと最悪の場合は水漏れに発展します。
水漏れする先は、洗面ボウル下の収納部分です。
気づかないうちに水漏れが発生している可能性もあるので、ひび割れがあった時点で収納部分に水が染み出していないか確認をしましょう。
初期段階であればひび割れを埋めることで元に戻りますが、ひび割れが進んでしまうと洗面ボウルごとの交換が必要です。
早めに対処をすることで、余計な出費を抑えることができます。
【対処方法】
ひび割れができた際の対処方法は以下の通りです。
①ご自身でひび割れを埋める
ホームセンターで販売している補修剤を使用すれば、自身で補修ができます。
補修剤は、洗面ボウルの素材に応じて適しているものがあるので、事前に確認しておきましょう。
賃貸マンションだと、補修前に管理者に報告する義務がある場合があります。
管理者によっては無償でサポートしてくれるので、報告をしておくと良いでしょう。
②専門業者に依頼する
ご自身での補修に自信がなければ、無理せず専門業者に依頼しましょう。
専門業者へ依頼すると、作業費が発生するのでご自身で補修するより費用はかかりますが、確実な補修が可能です。
賃貸マンションの場合は、まず管理者に報告します。
マンション入居時に加入している保険によっては、無償で補修してもらえる場合があります。
洗面ボウルに茶色い錆がある
洗面ボウルにできる茶色い錆は、「もらい錆」とも呼ばれます。
ヘアピンや剃刀の金属部分が、洗面ボウルと接触したことが原因です。
もらい錆は美観を損ねるだけでなく、放置してしまえば除去するのに非常に時間がかかります。
少なからず洗面ボウルの表面をこする必要があるので、小さな傷を表面に作ってしまいます。
傷があれば汚れやすくなり、掃除の手間が増えるので、そのようなことは避けたいところですよね。
【対処方法】
もらい錆の対処方法は、以下の通りです。
①ご自身で清掃を行う
もらい錆ができた早い段階であれば、市販の洗剤を使うことで汚れを除去します。
清掃に必要な道具は、「クリームクレンザー」のみです。
もらい錆にクリームクレンザーを塗り、少し時間を置いてから軽く指でこすります。
それでも落ちない場合は耐水ペーパーを使用します。
しかし傷がつきにくい目の細かい耐水ペーパーを使用しても、方法によっては表面に傷を作る可能性があるので注意が必要です。
優しくこすると除去できず、強くこすると傷を作ってしまうので、微妙な力加減を調節することが難しいです。
耐水ペーパーは購入費用も安く済みますが、この方法はあまりお勧めできません。
②専門業者に依頼する
もらい錆をしばらく放置してしまい、クリームクレンザーでも除去できないようであれば専門業者に依頼しましょう。この場合、依頼する専門業者はハウスクリーニング業者です。
賃貸マンションでは、ご自身で無理にもらい錆を除去しようとし、洗面ボウルの表面に傷を作ってしまうとトラブルに発展します。
退居時に敷金から費用を引かれたり、補修のための実費を請求される場合があるので、専門業者へ依頼して安全に対処してもらいましょう。
取替え時の注意点
洗面台や洗面化粧台の劣化症状が進み、補修しても十分に直すことができない場合は、取替えのリフォームが必要です。
設置する際にも洗面台や洗面化粧台のタイプによって、設置場所を考える必要がありましたが、取替えではどんな注意が必要なのでしょうか。
ここからは、取替えにおける注意点をご紹介していきます。
洗面台の場合
給排水管の位置を確認しましょう
洗面台のサイズやタイプには様々な種類があるので、あらゆる場所に設置することが可能です。
とはいえ水回り設備のリフォームには給排水管を考慮することが必要不可欠になります。
設置したい場所に給排水管がない場合は、移動の工事が必要です。
しかし建物の構造上、設置を希望する場所への移動が困難な場合もあるので注意しましょう。
特に戸建て住宅の2階に設置する場合は費用がかさむケースがほとんどです。
設置するタイプを確認しましょう
洗面台には、置き型、半埋め込み型、埋め込み型、壁付け型がありますが、もっとも費用を抑えることができるのは既存の洗面台と同じタイプへの取替えです。
タイプだけでなく、商品もまったく同じであればリフォームも簡単に済みます。
置き型から埋め込みへの取替えを検討した際、カウンターの排水溝の構造を変更する必要が出てきます。そのような場合は新たな作業が加わるので、工事費用も時間もかかることになります。
洗面台取り換えリフォームを行う場合は、作業内容が予算内に収まるか見積もりの段階でしっかり確認しておきましょう。
洗面化粧台の場合
ユニット型への取替えは規格サイズを確認しましょう
ユニット型の洗面化粧台は「開口」と呼ばれる、本体の幅で規格サイズが決まっています。
既存の洗面化粧台よりも一回り大きいものにしたいと思っても、設置場所のスペースに収まらなければ実現することはできません。
サイズアップを検討する場合は、設置場所周辺の環境や設備を確認しましょう。
洗面所の角部分に既存の洗面化粧台があり、周りに洗濯機などの他のものがなければサイズアップできる可能性が高いです。
しかしサイズアップをすることで、洗面所の扉が狭くなる、開かなくなるといったトラブルが発生しないようにしましょう。
システム型への取替えは予算の確認をしましょう
システム型の洗面化粧台は、自由度の高いカスタマイズが魅力ですが、オプション機能を追加するほど必要な費用が必要になるので注意が必要です。
システム型を取付ける場合、素材の質の違いだけでも本体価格に幅が広がります。
大理石仕様のグレードが高い素材を選んだり、水栓をセンサー式のタッチレスにするのも同様に費用がかさみます。
LIXILやTOTOといった水回りのリフォームに強いメーカーは、ユーザーの幅広いニーズに対応できるよう様々なグレードの洗面化粧台を取り扱っています。 ハイグレードな洗面化粧台は便利な機能を搭載していて非常に魅力的ですが、その分費用も高額になります。ご家庭に必要な機能を洗い出して、予算の範囲内でベストな洗面化粧台を選びましょう。
まとめ:ご自身のニーズに合った選び方を
洗面台と洗面化粧台は、用途や設置する場所によって選び方が変わってきます。
洗面台は給排水管の問題をクリアすれば、小さいものから大きいものまで場所を選ばず設置が可能です。洗面だけの目的ではなく、洗濯物の予洗いまで幅広い用途があるのが魅力です。
洗面化粧台は収納力優れ、ユニット型であればコンパクトに設置できます。
システム型であれば、費用はかさむものの自在なカスタマイズが可能ですのでデザイン性を重視する方に向いています。
設置する際には、ここで紹介した注意点を踏まえた上でご自身のニーズに合ったものを選びましょう。
こちらのページでは洗面所リフォームの施工事例やその他お役立ち情報をまとめています。 洗面所リフォームをご検討の方はぜひ参考にしてください。
洗面所リフォームと併せて、お風呂のリフォームを検討している方はこちらのページも参考にしてください。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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