2021年9月28日

和室の壁リフォームは何をしたらいいの? 基礎知識と費用相場を分かりやすく解説

和室の壁は古くなるほど味が出てくるものですが、あまりにも古くなりすぎると見栄えが悪くなるだけでなく、不具合が起こりやすくなるためリフォームがしたくなりますよね。しかし、和室は洋室やリビングの壁をリフォームするときとは、少し違った知識が必要になります。ここではそんな和室の壁リフォームについて、基礎的な知識と費用相場について詳しくご紹介します。

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和室の壁にはどんなリフォームができるの?

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洋室の壁をリフォームするときの定番は壁紙(クロス)の貼り替えですが、和室の場合はどうでしょうか。もちろん壁紙を貼ることもできます。ですが、古くから日本家屋は塗り壁が定番とされているので、普通の家の和室部分も塗り壁で作る人がとても多いです。

しかし、塗り壁にもいくつもの種類があり、いったいどれを選んでいいのか素人には分かりません。

和室の壁をリフォームするときには、まず壁紙を使うか塗り壁にするのかを決めましょう。壁紙を選ぶのであれば、リビングなどの壁をリフォームするのとそれほど変わりません。ただし、和室の壁がポップな雰囲気だと違和感がありますよね。和室の雰囲気を崩さないような壁紙を選ぶ必要があります。

塗り壁にするのであれば、どんな種類の塗り壁にするのかを決めなくてはいけません。そのためには、塗り壁の種類と特徴を把握しておく必要があります。それらの特徵を頭に入れたうえで、リフォームの目的に合った壁材を選びましょう。

和室の壁で使用されている塗り壁を素材ごとにご紹介!

和室の壁を塗り壁にするのであれば、その種類ごとの特徵を知っておかなくてはいけません。ここでは、一般的によく使われている5種類の塗り壁についてご紹介します。

土壁

和室の雰囲気に合うのが、京壁とも呼ばれている土壁です。名前からも分かりますように、土で仕上げる壁なのですが、同じ土を使っても職人さんによって仕上がりがまったく違うという特徴があります。また、土の種類も多く仕上がった表面もザラザラのものから、ピカピカに磨かれたものまであります。

土壁は日本の伝統工法ですが、残念ながら現代ではどのリフォーム会社でも対応できるわけではありません。地域性もあり場所によっては遠方から職人さんを呼び寄せなくてはいけないケースもあります。このため、やや割高のリフォームになってしまいます。

砂壁

砂壁は天然の砂や砕石、色ガラス粉、貝殻粉などを練って仕上げる壁です。通常は土壁の表面に上塗り仕上げするのに利用します。調湿性に優れているため、夏は涼しく冬は温かい空間にできることから、最近では洋室に取り入れている家も増えています。

もちろん土壁と同様に天然素材だけで作られていますので、シックハウス対策にも使えます。ただし、こちらもリフォーム費用が高く、さらには経年劣化で砂が落ちてしまうこともあります。砂が落ちてしまうと壁そのものの見た目も悪くなるというデメリットもあります。

漆喰

土壁や砂壁は見た目が美しいのですが、どうしても剥がれ落ちやすいという欠点があります。それに対して、見た目も美しく、さらにお手入れも簡単な壁材が漆喰です。漆喰は消石灰に砂と糊、それに麻スサなどを加えて水で練り上げた壁材です。

表面がとてもなめらかで白色で美しいという特徴があります。さらにはアルカリ性ですので防カビ・防ダニ効果も期待できます。ただし、こちらも職人さんの腕が仕上がりに影響します。乾燥させてから重ね塗りが必要ですので、工期も長くなるという問題もあります。

珪藻土

和室の壁材として主流となっているのが珪藻土です。海や湖などのプランクトンの化石が堆積して作られたもので、壁材としては石灰やセメント、粘土などの骨材と混ぜて使用します。調湿性に優れ、部屋の湿度を常に40~60%くらいに保ってくれるというメリットがあります。

ただし、砂壁と同じく経年劣化でボロボロと落ちてきて、お手入れが大変な壁材でもあります。さらに施工にも時間がかかり、導入コストも高めです。ただし、長く使える壁材ですので、トータルコストはそれほど高くありません。

プラスター壁

プラスター壁はあまり耳にしない言葉かもしれません。この壁材はヨーロッパで広く使われていて、鉱物質の粉末を水で練って作ります。漆喰と同じように白く美しく仕上げることができるため「西洋漆喰」と呼ばれることもあります。

施工もしやすく、亀裂も発生しにくいことから低予算で漆喰のような雰囲気を作り出すことができますが、機能面でも漆喰と同様とはいきません。輸入されている壁材も玉石混交状態で、美しいプラスター壁に仕上げるには、質のいい原材料を見抜く知識と経験が必要になります。

和室の壁は簡単に洋室風にできる

和室の壁リフォームをする場合には壁紙も選べるとご紹介しましたが、この壁紙を活用すれば和室を洋室風にアレンジすることも可能です。このときの施工方法が2種類あります。

  • 土壁の上から壁紙を貼る
  • 土壁の上に板材を貼り、その板に壁紙を貼る

もし土壁の状態がきれいになっているのであれば、表面を補修材でフラットに仕上げて、その上から直接壁紙を貼ることができます。コストも低く施工時間もかかりませんが、壁が劣化しているような場合にはこの方法ではリフォームできません。

既存の壁に劣化が見られるようなら板材を貼って、その上から壁紙を貼ります。板材を貼るための時間と費用がかかりますが、壁の状態に仕上がりが左右されないというメリットがあります。予算はあまり気にせずに、とにかく美しく仕上げたいのであれば、こちらがおすすめです。

和室の壁リフォームを業者に依頼したときの費用は?

それでは実際に和室の壁をリフォームするのに、どれくらいの費用が必要になるのか見ていきましょう。

種類6畳あたりの費用相場
砂壁6万~10万円
漆喰6.5万~12.5万円
珪藻土6.5万~12.5万円
壁紙8万~16万円

壁紙が安くなるイメージがあるかもしれませんが、壁紙の場合は基本的にはベニア板を貼ってからの施工になります。その作業に費用がかかるのと、壁紙の種類によってはとても高額なものもありますので、和室リフォームとしてやや割高になります。

ただし、2回目以降のリフォームの場合には壁紙を張り替えるだけですので、それほど費用はかかりません。ランニングコストを抑えたい人や、お手入れを簡単にしたい人には壁紙でのリフォームがおすすめです。

それぞれの塗り壁に費用の開きがあるのは、実際の和室の状態によって施工の手間が違うためで、施工面積が少ない場合はもちろん費用は安くなります。また、既存の壁がボロボロになっている場合には、補修からしなくてはいけませんので、これ以上の費用になることもあります。

ここでご紹介した費用相場は、あくまでも目安でしかありません。実際の費用はリフォーム会社に見積もり依頼して出してもらいましょう。また、壁以外の和室リフォームの費用については下記の記事をご参照ください。 ・ 和室リフォームの費用相場とポイント

和室の壁をDIYでリフォームできるの?

インターネットで調べると、和室の壁をDIYでリフォームしている例がいくつも出てきます。これならば自分でもできそうだと、手先が器用な人は思いますよね。でもDIYで和室の壁をリフォームするにはいくつかのポイントがあります。

  • 下地作りに時間をかける
  • 仕上がり具合に完璧さを追求しない

プロと素人の最大の違いは目に見えない部分にあります。基本的には塗り壁も漆喰や珪藻土であれば素人でも施工できますし、同じく壁紙も貼るだけなら誰でもできます。でも、仕上がり具合でいえばプロと素人では雲泥の差があります。

その差になるのが下地作りというわけです。ここがしっかりできていないと、いくら上手に漆喰を塗ったところできれいな仕上がりになることはありません。このため、下地作りには時間をかけて丁寧に行う必要がありますが、それでも仕上がりがプロと同じにはなりません。

このため、DIYで施工する場合には、完璧さを追求しないというおおらかさも必要です。そういう意味で、来客時に和室を使うことが多いというのであれば、DIYでのリフォームはあまりおすすめできません。美しく仕上がった和室を望むのであれば、業者に施工をお願いしすることをおすすめします。

和室の壁をリフォームする場合の注意点

和室の壁はDIYでもリフォームできるとご紹介しましたが、あまり器用でない人や、美しい仕上がりにこだわる人はプロの業者に依頼するのが一番です。でも、リフォーム会社ならどこでもいいというわけではありません。

壁のリフォームは塗り壁でも壁紙でも、施工する職人さんの腕が重要ですし、リフォーム費用も業者ごとに違います。このため、和室の壁をリフォームするときの業者選びでは下記の点を意識してください。

  • 壁リフォームの実績がある
  • スタッフの応対が丁寧で親身になって考えてくれる
  • アフターフォローがしっかりしている
  • 予算に合わせた提案をしてくれる
  • 見積書に作業の明細が書かれている

古くなった和室も雰囲気がありいいものですが、リビングや他の部屋がきれいなのに、和室だけが古いままではバランスがよくありません。壁も剥がれ落ちるようになってくるとお手入れも大変ですよね。そういうときは和室であっても思い切ってリフォームしてしまいましょう。

きれいな和室は気持ちが落ち着きますし、背筋もピンとしますよね。和風に仕上げることもできれば、和洋折衷の空間にすることもできます。自分の生活スタイルをよく考えて、最適なプランをリフォーム会社に提案してもらいましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。