リフォームでよくあるトラブルと解決方法
リフォームを行うと、大小様々なトラブルが起こります。住宅に関する訴訟は、年間1000件以上も起きていますが、誰だってトラブルには巻き込まれたくないですよね。
業者の選定や契約書の確認を怠ると、リフォームでトラブルが起こる確率が高くなります。この記事では、リフォームで起きやすいトラブルと解決方法を紹介するだけでなく、トラブルになるのを防ぐためにすべきことや、相談できる機関についても解説しています。
見積書の内容が曖昧
リフォームといっても、部屋の間取りを変更する大規模なものから、壁紙の交換までと非常に幅が広い工事です。ただ、どんな工事であっても、見積書を正確に書いてもらわないと、工事内容が分からない状態で施工を任すのは不安ですし、工事にいくら費用がかかるのか分からないのも困りますよね。
解決方法
・見積書と契約書は必ずもらう
・見積もり依頼した業者に内容を確認する
・専門家にチェックしてもらう
見積書や契約書をくれなかった
簡単なリフォームの場合は、現地調査に来てそのまま工事をしてもらったため、見積書や契約書を特に作成しないということがあります。それ以外にも、建材や人件費を割り出さないといけないため、時間がかかるので見積書の作成を嫌がる業者もいます。
見積書や契約書がないと、施工後に不具合が起こっても、その業者が工事を行ったことを証明できませんそのため、返金や不具合の修理、補修を要求して断られてしまったら、諦めることになります。
見積書にすべての費用が書いていない
壁紙の張替えを例に解説しますと、壁紙の張替えは2万円と見積書に書かれていたが、既存の壁紙の処分費や運搬費などは費用が書かれていなかった。そのため、2万円で総額だと思っていたら、後から追加請求されたということがあります。
工事項目が複数あり、すべてに費用が書かれていなかった場合は、他の工事費が含まれているかを確認することで、後々トラブルにならずに済みます。
契約した内容と工事内容が違う
施工に使用する建材や設備が契約書に書いていないと、工事内容が分からないだけでなく、打ち合わせ時と違う建材や設備を使用されても確認できません。
打ち合わせの時は、「高価な無垢なフローリングを使用する」と言われたけれど、実際の施工では安価の複合フローリングが使われていた、というケースもあります。建材や設備が記載していることで、工事現場に訪れた際に確認することが可能です。
解決方法
・見積書と契約書の内容に差異がないないか確認する
・実際に工事現場に訪れる
追加工事があったときの費用の有無
契約書にしっかり工事内容が記載されていても、工事の途中で業者から建材の変更などを提案されることがあります。さらに、ご自身が工事の途中で「別注で家具がほしい」と、現場にいる職人にお願いすることもあるでしょう。
そのような場合、大抵は口約束になってしまい、書面に残すことを忘れがちです。業者は追加や変更があったのだから、追加費用が発生するのは当然という認識ですが、施主は無料で行ってくれると思う方が多いため、追加工事は認識の違いがトラブルの要因になります。
1つでも工事を追加したときは、見積書を作成してもらい互いに保管しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
解決方法
・追加工事を行うときは必ず書面に残す
・追加工事をむやみに受けない
・工事で追加や変更を依頼したときは、費用がかかることを理解する
リフォーム工事後に不具合が発生した
リフォームは人が行うことですので、故意ではなくても工事後に不具合が発生することがあります。天井裏や外壁は人の目で確認をすることが難しいため、工事のアフターサービスを保証する、保証書を発行してもらい大切に保管しておきましょう。
業者は瑕疵担保責任があるため、リフォームを行ってから不具合が発生した場合は、その責任を負うことになります。ただし、瑕疵担保責任はリフォーム工事に対し、重大な欠陥があったときのみ適用されます。
一般的に適用されるのは、工事完成後に地盤沈下したり、建具が変形や取付不良があった場合などです。軽微な不具合では、適用されないことがありますので注意してください。また、瑕疵担保責任は業者が加入する保険ですので、保険に加入していない業者にも適用されません。
瑕疵担保に関する詳細な説明は、以下の記事で行っていますので興味のある方は参考までにご覧ください。
リフォームの瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いって何?
解決方法
・引き渡しの際に業者の担当者と隅々まで確認する
・工事の保証書をもらう
・瑕疵担保責任が適用されるか業者に確認する
リフォームでトラブルになるのを防ぐためのポイント
様々なトラブルが起こると知って、きちんとリフォームをできるか不安を抱く方もいらっしゃると思いますが、リフォームはポイントを抑えれば、トラブルが起こることを防ぐことも可能です。
ここでは、リフォームでトラブルになるのを未然に防ぐために、行っておくべきことをご紹介します。
トラブルを起こさなそうな業者を選ぶ
リフォームのトラブルはほぼ業者との間に起こります。工事の騒音でご近所の方とトラブルになることもありますが、工事を行う前や工事中に業者が丁寧に対応することで、ある程度防ぐことができます。
最初の業者選びを妥協することなく行うことで、トラブルが起こる確率をだいぶ減らすことができます。
トラブルを起こしにくい業者の特徴は以下の4点です。
- 創業年数が長い業者
- リフォーム工事の経験が豊富な業者
- 予算にあった最適な提案をしてくれる業者
- 必要な資格を有している業者
建築系の業者は多額の運営費用が必要になります。創業年数が長いということは、その業者が特に問題を起こすことなく、多くの人に支持された証です。さらに、創業年数が長い業者は経験が豊富な職人を抱えていることが多いため、施工も安心して任せることができます。
壁紙の張替えや塗り替えは資格がなくても、工事を行うことができます。つまり、昨日までサラリーマンだった方でも、職人と名乗ることができるのです。ただし、電気工事やガス工事などは、資格がなければ工事でできません。資格を持っているということは、それだけ工事ことを熟知しているということですので、業者の技術を計るひとつの目安になります。
その他にも、簡単に工事の説明をして契約を迫る業者よりも、カタログや実際の建材を見せて予算に合った提案をしてくれる業者のほうが、より優良な業者といえます。瑕疵担保保険に加入しているかどうかも確認が必要ですし、業者にはそれぞれ得意分野があるので、ご自身が行いたいリフォーム工事に適した業者に依頼することも大切です。
業者との打ち合わせはしっかり行う
業者を打ち合わせしていると、安価な建材や逆に高級な建材を勧められるときがあります。 価格が安いときは建材のデメリットを聞き、これから長い間住むことを考慮した上で判断してください。高級な建材にしたときも、メリットとデメリットを聞いてから決めましょう。さらに、工事現場で安い建材が使用されていないかどうかの確認も重要になります。
外壁や屋根の色は、室内で見たときと太陽光に当たったときとで、色味が違って見えることがあります。外壁や屋根の塗装を依頼するときは、実際に太陽の下で確認したり、理想とする他の家の写真を見せるなどして、具体的なイメージを業者と共有することが大切です。
「イメージと違っていたので塗り替えてほしい」と言ったとき、無料で対応してくれる業者もいますが、塗り替えるには時間も人手も必要になるため、追加費用をもらうという業者もいます。無駄に費用を支払わないためにも、打ち合わせはしっかり行ってください。
工事で追加や変更があるときは必ず書面に残す
最初のほうで説明しましたが、できるだけ追加工事や変更工事はしないようにしましょう。そうはいっても、善意でより良い提案をしてくれる業者もいるため、建材による効果や価格をよく吟味にしてから了承することが大切です。
業者の中には、必要な工事内容をわざと見積書に書かず、契約後に追加請求してくるという悪質な業者もいます。例えば、外壁や屋根の塗装、修理では絶対に足場が必要になりますが、その足場設置費用を見積書に書かず、後日別途で工事費が必要だと申し出てくるのです。
高額な追加費用を請求されないためには、契約前に必要な工事がすべて見積書に記載されていることを業者に確認し、工事を完了するために必要な追加工事が発生した際は、その費用をすべて業者側に負担してもらう。という項目を契約書に追記してもらうと、安易に追加請求ができなくなります。
建築士に工事の仲介をしてもらう
建築士(設計)は自社で施工はせずに、設計図や仕様書(工事に使う建材や設備を指定するもの)などの作成を請負っている会社のことです。
建築士は施工する業者の見積書が適正かも確認してくれますし、契約通りに工事が進んでいるか監理します。第三者であり工事のプロである建築士でないが、見積書から完工まで確認してくれるので、手抜き工事をされる心配もなく、安心して工事を任せることができます。
ただし、建築士は施工を行わないため、工事は工務店などに別途依頼することになります。そして、建築士に設計料と工事監理費を支払うことになるため、全体的に費用が高額になる傾向にあります。
施工前に全額前払いするのは危険
リフォームは工事費用を全額前払いで支払うことが多いのですが、業者の中にはお金だけもらって施工しなかったり、支払った業者が施工前に倒産してしまった、というケースがあります。
工事が行われる前に工事費用を全額支払い、業者が工事してくれなかったとなると、稀にしか起こらないこととはいえ損してしまいます。前払いの危険性を回避するには、施工前に工事の全額を支払わないことです。壁紙の張替えなど少額な工事では、施工後の支払いでも問題ないという業者が多いのですが、外壁の張替えや屋根塗装、大規模なリフォームとなると、工事に使用する機材や機器を用意するために、着工金として工事費の約50%を支払うのが最近の支流です。
工事費用が大きいと、了承するのがなかなか難しいかもしれませんが、支払いに応じることで業者も気持ちよく作業することができますので、できるだけ着工金は支払うようにしましょう。以前は工事の完成度に応じて報酬を支払う、出来払い契約も行われていましたが、近年対応している業者は少なくなってきています。全額先払いでないと、仕事を受けないという業者もいると思いますが、リフォーム工事の安全性を考えると選択肢から外した方がよいでしょう。
トラブルが起きたときに相談できる機関を知っておく
気をつけていても、リフォームでトラブルに巻き込まれることがあるかもしれません。その際、どこに連絡していいか迷う方は多いと思います。ここでは、リフォームのトラブルを相談する機関についてご紹介します。
リフォームのトラブルを相談できる機関は色々ありますが、代表的なものを3つご紹介します。
- 住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
- 国民生活センター
- 住宅関連のNPO法人
住まいるダイヤルは、国土交通省から指定を受けた住宅専門の相談窓口です。中立な立場で住宅に関する様々な相談、契約前の見積書のチェックも受付ていて、相談員もきちんと資格を有した建築士が対応してくれます。
国民生活センターは、国民の生活の安定及び被害の未然防止に努めていて、国民の生活に関する情報の提供と調査研究を行うとともに、消費者紛争について法による解決方法を教えてくれます。住宅以外にもレジャーや金融など、幅広く相談に乗ってくれる独立行政法人です。
各都道府県では、NPO法人などがリフォームや住まいに関する相談を受付ています。電話だけでなく、相談所があるところもありますので、図面や見積書を持って実際に見てもらうのもよいでしょう。
リフォームのトラブルで訴訟になったときはどうすればいいのか
リフォームのトラブルは、拗れてしまって訴訟に発展することがあります。
ご自身が業者を訴えることもあれば、逆に業者から訴えられることもあり得ます。
トラブルで訴訟になりやすいクレームは以下の3つです。
- 工事の瑕疵保証に関するトラブル
- 施工の不備や不具合でのトラブル
- 騒音や日照不足などで近隣の方とのトラブル
工事の瑕疵保証に関するトラブルは、施主側が業者が保証してくれないとして訴訟に発展することもあれば、業者側が施工していない場所の修理・補修を頼まれたため、施主を訴えることもあります。
住宅トラブルでの訴訟は、相談から解決までに大体2年ほどかかるといわれています。裁判所から和解を提示され、双方が納得できれば早めに解決できるかもしれませんが、どちらかが納得しなければ裁判を続行することになります。裁判は図面や契約書などの多く書類を用意するための時間と労力を要します。
また、弁護士を立ててればその分の費用も必要です。弁護士費用は紛争の対象金額にもよりますが、民事訴訟で損害賠償請求が500万円だった場合、着手金で約35万円、報酬金は別に40万円程度支払うことになります。訴訟にならないためにも、リフォーム工事は慎重に進めなくてはいけません。
まとめ
リフォームは後日トラブルになることが多い工事だといわれていますが、真摯かつ丁寧な対応してくれる業者であれば、まずトラブルになることはないでしょう。
事前に業者としっかり打ち合わせを行い、見積書と契約書に問題がないことを確認するだけでも防ぐことができます。悪徳業者といわれる業者も存在しますが、ご自身が打ち合わせの際に曖昧な受け答えをしてしまうと、業者もイメージが掴めないまま施工してしまい、完成後に「何か違うなぁ」と首を傾げてしまう事態になりかねません。
また、最初のほうの打ち合わせ時に、希望したリフォーム以外の工事を勧められることがあるかと思います。予算に余裕があるときはお願いしても良いですが、必要ないと感じたときは不要である旨をはっきり伝えることが大切です。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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渡邊 一伸(ナベさん)