2019年1月22日

「リフォーム」と「建て替え」の違いは? どちらがお得か徹底分析

建物の寿命がきたり、老朽化が目立つようになってくると工事を行うことになりますが、その際にリフォームと建て替えという2つの工事方法を選ぶことができます。この記事では、リフォームと建て替えを費用や、メリットとデメリットで比較し、選ぶときの判断基準を詳しく解説しています。

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リフォームと建て替えを比較

リフォームと建て替え

一般的に木造建築は築30年が寿命といわれていますが、老朽化が目立ってくると、リフォーム工事をするか、建て替え工事をするかで悩む方は多いのではないでしょうか。

リフォームと建て替えのどちらを選べばいいのか知るためには、両者の違いをある程度理解しておく必要があります。
そのため、まずはリフォームと建て替えの違いについてご紹介します。

リフォーム

リフォームは簡単に説明しますと、老朽化した箇所を修繕して新築と同じような状態にすることです。内装でいえば、壁や天井の修繕や床の張り替えもリフォームですし、二世帯住宅にでのバリアフリー工事や、システムキッチンの交換もリフォームに含まれます。

似たような言葉で、リノベーションスケルトンリフォームという工事方法がありますが、リノベーションとリフォームの明確な違いはなく、住まいに関する工事という点では同じです。スケルトンリフォームは、骨組みや構造体だけのスケルトンの状態にして、リフォームをする方法です。

リノベーションは革新、修復などの意味を持つため、老朽化した場所を直すのではなく、耐震性を高める工事をしたり家の間取りを変更するなど、既存の住まいよりも機能的に優れた状態にする工事を指すことが多いようです。

建て替え

建て替えは改築とも呼ばれることもありますが、建物をすべて解体して更地の状態から新しく建てる工事のことです。

建て替えの場合は、一度更地にしてから家を建てるため、建築基準法や自治体の規制により、建蔽率(敷地面積に対し、1階部分の面積の割合)の制限を受けることになります。そのため、多少なりとも建物が小さくなります。

さらに、建て替えは接道義務といって、四方を家に囲まれて道路に面していない場合や、道路に面していても路地部分が2m以下の場合は、建て替えることができません。自宅が接道義務に当てはまっているかは、市町村の役場や区役所の建築課などで確認できます。

リフォームと建て替えの費用の違い

リフォームと建て替え

リフォームと建て替えがどのような工事なのか分かったら、次に気になるのが費用のことではないでしょうか。リフォームと建て替えは工事方法が異なるため、当然工事にかかる費用にも違いでてきます。

ここでは、リフォームと建て替えの費用について詳しく解説していきます。

リフォーム

リフォームにかかる費用は、30坪でおおよそ100万~2000万円前後と言われています。 費用の差が大きい理由は、工事の幅がとても広いからです。壁紙の張替えでしたら数十万円でリフォームできますが、システムキッチンの交換やシステムバスの工事となりますと、100万円以上かかることもあります。

老朽化してきた箇所のみをリフォームする。ということでしたら、工事費用はかなり安価に抑えられますが、水回りの設備など自宅を全面リフォームするとなると、2000万円近くかかります。

建て替え

建て替えは一般的に、坪単価が50万~55万ほどといわれています。そのため30坪の場合は、1500万~1650万円かかる計算になります。ただし、一度自宅を解体するため、解体費用と解体時に出た廃材の処理費用が別途かかります。

解体費用は、30坪の家の場合で100~150万円程度かかりますので、200万円程度は余裕をもって用意しておきましょう。 家の解体については、以下の記事で詳しく説明しています。
家を解体する際の費用相場は? 解体時の注意点について解説します

さらに、建て替えは工事期間が長くなるため、仮住まいの家賃もそれなりに必要になります。工事の内容と家の規模にもよりますが、1500~4000万円はかかると思っておきましょう。

リフォームと建て替えのメリットとデメリット

リフォームと建て替え

リフォームと建て替えは費用に以外に、メリットとデメリットにも違いがあります。メリットとデメリットを知ることで、どちらが自宅の工事に向いているのかが、分かってくるのではないでしょうか。

リフォームのメリットとデメリット

リフォームのメリットとデメリットでは、以下のようなことが挙げられます。

メリット

  • 費用を安く抑えられる
  • 工事する場所を選べる
  • 工事期間が短い
  • 解体費用がほとんどかからない
  • 工事内容によっては、仮住まいを用意しなくても工事できる
  • 固定資産税などの税金が免除されることがある

工事する場所が選べるため、ご自身の予算に合わせてできることがリフォームの最大のメリットといえます。費用を安価に抑えることも可能ですし、工事期間が短いリフォームであれば、仮住まいを用意する必要もありません。

デメリット

  • 自由に間取り変更ができない
  • 地盤の強化ができない
  • 耐久性や耐震性の不安を解消すると、費用が高額になる

リフォームのデメリットは、基本的に家の柱や梁など、建物の主要となる部分は残しておくため、建物の構造によっては間取りを変更ができないことがあります。

また、更地にして建て直すわけではないので、家の地盤が歪んでいたとしても対応できません。耐久性や耐震性を高める工事は、建物の根本から直さないといけないため、工事費用が高くなる傾向にあります。

建て替えのメリットとデメリット

一方、建て替えのメリットとデメリットは以下のようなことが挙げられます。

メリット

  • 自由に間取りを変更できる
  • 家の地盤強化ができる
  • 家の耐震性や耐久性を高めることができる
  • 最新の設備にできる
  • ローンを組むときは、リフォームよりも融資条件が有利

建て替えのメリットは、一度更地にした後に家を建てるため、自由に間取りを決めることができますし、家の地盤を強化したり耐震性を高める工事を行うなど、最新の技術で快適な住まいを造ることができます。

デメリット

  • 解体費用がかかる
  • 一から家を造るため費用が高額になりやすい
  • 工事期間が長い
  • 仮住まいを用意する必要がある
  • 建築基準法によって、建て替える家が既存の家よりも狭くなることがある
  • 税金の負担がリフォームしたよりも重くなることがある

建て替えで一番のデメリットとなるのは、費用が高額になりやすいことではないでしょうか。解体費用や仮住まいの費用がかかりますし、建築基準法や自治体の規約によっては、建て替え自体が行えないこともあります。

建て替えることによって、税金が高くなる理由は後の章で説明しますが、費用に余裕がないと行いにくいリフォームといえます。

リフォームと建て替えの判断基準とは

リフォームと建て替え

デメリットと建て替えのメリットとデメリットが分かると、どちらの工事行いたいかが明確になってきたのではないでしょうか。
ここでは、リフォームと建て替えのそれぞれに向いている家を簡単に解説していきます。

リフォームが向いている家

  • リフォーム費用が安価で済む家
  • 建物の構造で大きな欠陥がない家
  • 敷地面積などで建て替えができない家
  • 解体するのに抵抗がある家

リフォームに向いているのは、上記のような家です。家を建ててから10年、20年という家では、建て替えなくても問題なく住むことができます。

また、仮住まいなど別の家に住みたくない、愛着があるので解体したくないという方は、建て替えよりもリフォームのほうが向いているといえます。
そうはいっても、家には耐用年数(寿命)がありますので、こまめにリフォームを行っていても、いずれは大規模リフォームや建て替えを行うことになります。

建て替えが向いている家

  • 現在、家が多少なりとも傾いている家
  • 築年数が古いため耐震性に不安がある家
  • 以前にシロアリの駆除を起こったことがある家
  • リフォームでは対応できない、もしくはリフォームで多額の費用がかかる家
  • 住み継ぎなど末永く住む予定がある家

上記に挙げたような家は、一度更地にして建て直した方が無難でしょう。
2000万円以上かかるような大規模なリフォームを行うのでしたら、一度家を更地にして建て替えを行ったとしても、それほど費用に差はありません。

建て替えで家を一から建てることで、自然災害などに備えて地盤の強化を行ったり、耐震性や耐久性を高めることが可能になります。

建て替えるとなぜ税金が高くなるのか

リフォームと建て替え

まず、建て替えるときの税金で気をつけなければいけないのが、固定資産税都市計画税です。 固定資産税と都市計画税は、固定資産の価値によって税額が算出され、毎年1月1日時点で土地と建物を所有しているときに、支払わなければいけない税金です。

都市計画税はすべての地域で課税されるわけではなく、その線引きは市町村が行っています。支払うかどうか分からないという方は、役所や自治体に確認しておきましょう。

注意すべきなのが、1月1日時点で工事が始まっていない場合です。住宅が建っている場合は、特例として固定資産税の1/6を支払うことになりますが、住宅が建っていないと特例がなくなるため6倍を支払うになります。

例えば、2019年の11月に自宅を解体し、翌年3月に新しい自宅が完成する場合は、2020年度は特例がないため6倍となり、その次の2021年度から特例で固定資産税が1/6となります。
リフォームはスケルトンリフォームであっても家の基盤を残して行うため、税金に関しては特に変化はありません。

建て替えのほうがローンを組みやすい

固定資産税がかかると聞くと、リフォームを行いたくなりますが、建て替えを行うことで融資条件のいい住宅ローンを組めることがあります。

住宅ローンは変動金利で1.0%を下回り、金融機関によっては0.5%を切るものもあります。それに比べて、リフォームローンは住宅ローンよりも、1.0%~2.0%ほど高めに設定されている商品がほとんどです。

ただし、現在の住宅ローンを完済していない状態で新たにローンを組むという場合は、新たに家を建て替えるためのローンの中に、現在支払っているローンを組み込める商品を探す必要があります。

また、ローン以外の金融商品も同様ですが、審査のために何度も個人情報を渡して断られてしまうと、ブラック寸前になってしまうことがあります。安易に審査に出すのではなく、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ方などに相談し、確実に通るローンの提案をしてもらってください。

まとめ

リフォームと建て替え

リフォームと建て替えについて解説してきましたが、それぞれにメリットとデメリットがあるため、やはり決められないという方もいるかと思います。

リフォームも建て替えも、工事内容によっては2000万円程度かかることがありますので、家の状態や家族の意見も聞きながら慎重に行ってください。工事費用は業者によっても異なりますので、複数の業者に見積りを依頼し、予算をあらかじめ伝えてその上で相談するのがおすすめです。

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