住宅ローンとリフォームローンは何が違うのか
家を新たに建てたり、中古物件のリノベーションする場合などに、大抵の方が利用する住宅ローンですが、実は住宅のリフォームをする際にも利用することができます。
リフォームを行うときはリフォームローンを利用する、という方が多いと思いますが、住宅ローンも利用できるとなると、どちらがいいか迷ってしまいますよね。
この記事では、住宅ローンの特徴や種類、利用できる方の条件などについても解説しています。さらに、リフォームローンとの違いについて分かりやすく説明していますので、どちらが自分に合うか確認できます。
住宅ローンとは何か
住宅ローンは一戸建てやマンションを購入以外にも、増改築、耐震リフォームなどのリフォーム工事にも対応していて、大手銀行、国の機関などから土地や家を担保(抵当権)にして、ローンを組むことをいいます。
住宅ローンの特徴は以下の5つが挙げられます。
- 担保が必要
- 金利が安い(約0.5~2%)
- 借り入れ金額が大きい(500~5000万円)
- 借り入れ期間が長い(30年~35年)
- 審査に時間がかかる(1ヶ月以上かかることも)
借り入れ期間が長いということは、月々の返済金額をある程度おさえることができます。ただし、住宅ローンの審査を受けるためには多くの書類が必要で、なおかつ借り入れまでに時間がかかります。
リフォームローンとは何か
住宅で劣化した場所の修繕や機器の交換などのリフォームを行うときは、リフォームローンを利用できます。リフォームローンは住宅ローンの一種になりますが、基本無担保で利用できることが大きな特徴です。
リフォームローンの特徴は以下の5つが挙げられます。
- 担保が不要
- 金利が高い(2~5%)
- 借り入れの金額が少ない(100~1000万円)
- 借り入れ期間が短い(1年~15年)
- 審査時間が短い(2週間程度)
リフォームローンと住宅ローンの違いは様々ですが、一番の違いは担保の有無といえます。担保が必要になる住宅ローンは1000万円以上の借り入れが可能ですが、リフォームローンは最大が1000万円となっていて、高額な借り入れはできません。
金利も高めで借り入れ期間も短いため、月々の返済金額が高くなることがあります。そうはいっても、審査時間が短く担保も必要ないので、利用しやすいローンといえるでしょう。
住宅ローンとリフォームローンのメリット・デメリット
住宅ローンとリフォームローンは、それぞれメリットとデメリットがありますが、両方知ることでどちらが自分に合うのかが見定められるようになります。
ここでは、住宅ローンとリフォームローンのメリットとデメリットについて詳しく解説しててきます。
住宅ローンのメリット
- 借り入れ期間を自分で決めることができる
- 固定型と変動型で金利が選べる
- 減税制度が受けられる
- 団体信用生命保険に入ることで家が資産になる
借り入れ期間を自分で決めることができますので、ご自身の資産状況に合わせて選ぶことが可能です。金利も固定型と変動型で選べるのはメリットといえますが、金利も借り入れ期間も返済金額に影響を及ぼすことですので、慎重に決めましょう。
また、住宅ローンを利用することにより、最大400万円まで所得税から10年間控除されます。
詳しくは以下の記事で詳しく説明しています。
住宅のリフォームで減税ができる? 減税制度を分かりやすく解説
団体信用生命保険とは、加入者が死亡、または高度の障害状態になった場合、生命保険金からローンの残金が支払われるというもので、民間の住宅ローンを使う際は必ず加入することになります。これにより残された家族はローンを払うことなく、家を資産として利用できます。
※金利の固定型は、借り入れたときから金利が固定されているローンのことで、変動型は返済途中で定期的に金利が見直されるローンのことです
住宅ローンのデメリット
- 融資時に事務手数料がかかる
- ローンが下りるまで時間がかかる
- 団体信用生命保険に入らなくてはいけない
住宅ローンを利用するにあたり、利用する金融機関に対して事務手数料を支払います。金額は金融機関や融資の金額によって違いますが、100万円を超えることもあるため、デメリットといえるのではないでしょうか。
他にも、ローンが下りるまで1ヶ月以上かかることがあるため、計画的に住宅の購入やリフォームを行わなくてはいけません。
メリットで挙げた団体信用生命保険ですが、住宅ローンを利用すると同時に加入することになり、その費用は金利に上乗せされるため、自覚なく加入していたということもあります。
すでに民間の生命保険に加入していて、団体信用生命保険が義務ではない場合は、より安く内容が充実している生命保険を選ぶことをおすすめします。
リフォームローンのメリット
- 手続きが比較的簡単
- 諸経費があまりかからない
- 保証人が不要
- 借り入れ期間が長くできる
担保を用意する必要がないため、住宅ローンに比べると手続きが簡単ですし、その日のうちに審査が終わることもあります。
また、担保を用意しないことで諸経費があまりかからないですし、保証人を親族や知人に頼むことに抵抗がある方は、保証人ナシは大きなメリットといえるでしょう。
借り入れ期間が短いといわれるリフォームローンですが、近年では30年近く設定できる商品も出てきているため、無理のない範囲で返済していけるようになりました。
リフォームローンのデメリット
- 保険料がかかる
- 返済金額が高くなりやすい
- 大規模なリフォームができない
保険料とは、保証人を必要としないかわりに保証会社に支払う手数料のことです。各金融機関ごとに設定金額が違いますので、あらかじめ確認しておきましょう。
借り入れ期間が短いということは、1000万円を借りた際に20年で借りたのであれば、単純に計算して月々4万1千円を返済することになりますが、10年であれば8万3千円を返済することになります。
さらに、複数のリフォームを行ったり、フルリフォームのような大規模なリフォームですとと、1000万円以上かかることがあります。そのような場合、高額な金額が借りられないリフォームローンでは対応できません。
住宅ローンには様々な種類がある
住宅ローンと一言でいっても、民間住宅ローン、公的住宅ローン、フラット35の3つに分けることができます。
ここでは、3つの住宅ローンについて説明していきます。
民間住宅ローン
民間住宅ローンは、銀行が取り扱っているものが多いのですが、生命保険会社が行っているものもあります。各社で売りにしているサービスが異なるだけでなく、金利や団体信用生命保険の加入義務が異なりますので、自分に合ったものを選ぶことが重要になります。
金利も変動型、固定金利選択型、全期間固定型です。
変動型
半年ごとに金利を見直され、金利の変動を基にして5年ごとに返済額が変わりますが、返済額の1.25倍までという上限が定められています。固定金利選択型
一定期間は金利が固定されていて、その期間が終了した時点で、固定金利か変動金利にするか設定できます。選択した金利によって返済額が見直され、固定する期間は3年間、5年間など金融機関によって異なります。全期間固定型
借り入れ期間中の金利が、返済が終わるまでずっと変わらないため、金利が変わっても返済額は変化しません。
金利によって月々の返済金額が変わるため、非常に重要な選択になりますが、固定金利選択型が徐々に主流になりつつあるようです。
公的住宅ローン
公的住宅ローンとは、公的機関が行っているローンのことです。公的住宅ローンは人の審査に甘く、住宅の審査が厳しいといわれています。一方、民間住宅ローンは人の審査が厳しいものの、条件を満たせば金利面での優遇や、借りられる融資の上限額が高いという違いがあります。
公的住宅ローンは以下の2つが挙げられます。
- 財形住宅融資
- 自治体融資
財形住宅融資とは、財形貯蓄(企業が導入する福利厚生のひとつで、毎月の給与から一定額を天引きして金融機関に送金し、会社を通して貯蓄を行う制度)を1年以上続けた方が利用できるローンのことです。
最高4,000万円まで借りることができ、金利は5年ごとに見直される「5年固定型」で、 金利見直し後の返済額は最大で1.5倍までが上限となっています。
自治体融資は市区町村などの各自治体が行っている融資になります。住宅ローンの返済に対して、一定額の補助をするところや、直接融資、民間ローンに利子補給するところもあります。金利や融資額は自治体によって異なりますので、各自治体の窓口で詳しい内容を聞いてから実施しましょう。
フラット35
フラット35は、以前は住宅金融公庫と呼ばれていた住宅金融支援機構が、民間の金融機関と提携して作り上げたものです。そのため、公的融資と民間融資の中間にあります。
ちなみに、フラット35は商品名でフラット20やフラット50というものもあります。フラット35の特徴を紹介しますと、返済期間が21~35年の金利は1.3~1.9%程度で、返却が終了するまで固定金利となっています。保証料や繰上返済や返済方法を変更した際、手数料がかかりません(条件があります)
団体信用生命保険への加入も必須ではないため、メリットしかないように思えますが、ご自身の勤務先と提携しているローンがある場合は、民間のローンのほうが最終的な金利が低くなることもありますので、複数のローンを比較検討することが重要になります。
リフォームローンにも種類がある
住宅ローンよりは少ないですが、リフォームローンにも種類がありますので、簡単にご説明いたします。
- リフォームローン
- リフォーム一体型
リフォームローンの内容は今まで説明してきたとおりです。住宅ローンとリフォームローンを別々に申し込むと、それぞれ支払うため月々の支払額に上乗せされるだけでなく、金利が高いので金銭的な負担が大きくなってしまいます。
一方、リフォーム一体型はリフォームにかかる費用を住宅ローンに加えるため、低い金利でリフォーム費用を調達することができます。さらに、住宅ローンとリフォームローンを別々に申し込むよりも、金利や手数料などの費用を抑えることができます。
リフォーム一体型は住宅ローンから借り換えできますので、詳しくは銀行など該当する商品を提供している会社に確認してみましょう。
住宅ローンにリフォームローンは併用できる?
結論からいいますと、住宅ローンとリフォームローンは併用できます。 上で説明しましたように、住宅ローンの中にリフォームローン組み込む、リフォーム一体型住宅ローンを利用するも良いですし、併用できる商品もあります。
中古物件の購入と同時にリフォームを行う場合や、住宅ローンを支払いが完了していない状態でリフォームする場合は、審査が早いリフォームローンを利用される方が多いようです。リフォーム工事の費用は一部を前金として支払い、完了後に残りを支払うため、審査が間に合わないことがあるからです。
そうはいっても、新たに借り入れることで月々の支払いが多くなります。月々の支払い額を前もって計算しておき、無理のない範囲でリフォームを行ってください。
住宅ローンの審査を通過するための条件とは
住宅ローンは土地や家を担保に入れないといけない、と最初に説明しましたが審査を通過するためには条件があります。
条件を満たしていなければ、審査に落ちて住宅ローンは利用できませんので、利用予定の方は確認しておきましょう。
住宅ローンを利用できる方
民間や公的など住宅ローンの種類は色々ありますので、条件を一概に提示することはできませんが、主に完済時の年齢、健康状態、担保の評価、借入時の年齢、職業や勤続年数、年収などを見られるといわれています。
完済時の年齢は80歳前後に定められていることが多く、年収では返済しているかどうかだけでなく、過去に金融機関から借り入れを行い、その支払いが遅延していないかどうかも見られます。
クレジットカードの支払いなどの延滞が61日以上あると、個人信用情報(CIC)に異動と書き込まれることがあります。異動と書かれてしまうと、年収や勤務年数に関わりなく、住宅ローンの審査に落ちてしまいます。
他にも、税金を滞納している方、消費者金融からの借り入れを行っていて、現在も多くの負債を抱えている方、自己破産をしてから10年以内の方は審査に落ちることがあるようです。
住宅ローンが利用できる工事
利用する住宅ローンによって若干の違いはありますが、住宅の購入にかかる手数料、改築や改修などのリフォーム資金など、家に関わる費用が挙げられています。家屋に関連していない事では借りることはできません。
最近は、修繕や改修というリフォームだけでなく、太陽光発電システム設置工事やオール電化など、住宅の環境をより良いものにするためにリフォームを行う方が増えてきています。住宅ローンでも勿論それらの工事に利用することができます。
住宅ローンに必要な書類
住宅ローンは用意する書類が多いので、漏れがないように早めに準備しておきましょう。
主に必要となる書類は以下の7点です。
- ローン借入申込書
- 本人確認ができるもの(運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)
- 健康保険証
- 住民票
- 印鑑証明書
- 収入が確認できる資料(給与証明書、源泉徴収票、住民税決定通知書など)
- 団体信用生命保険申込書兼告知書
個人事業主の方は、確定申告書や所得税の納税証明書の掲出を求められることがあります、 その他にも、物件の見取り図、売買契約書など物件を確認する資料が必要になるケースもあります。
民間や公的など住宅ローンによって必要な書類は変わってきますので、注意してください。
まとめ
住宅ローンは審査に少し時間がかかってしまいますが、金利も安く借り入れ期間も30年前後が長いので、月々の返済金額も10万円以下に設定することが可能です。
さらに、10年間で最大400万円まで所得税が控除されるますし、リフォームローンとの併用も可能です。民間の住宅ローンは人の審査条件が厳しいと言われていますが、金融機関の返済が遅延したことがなく、年収や勤怠年数が安定している方であれば、審査に受かる確率は高いといえるでしょう。
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