2018年11月29日

窓の種類10種類を徹底解説!サッシや窓ガラスの種類も説明します

窓の種類には、窓といっても「引き違い窓」「両開き窓」「倒し窓」など、様々です。お風呂場やトイレには「倒し窓」、価格で選ぶなら「引き違い窓」など、それぞれ用途や価格に違いがあるので、お住いの住宅に合った種類を選ぶことが大切です。お住いの住宅をより住みやすい空間にするため、窓やサッシの交換リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メールで送る

出典:pixabay

窓について知ろう

窓は家の印象を決める大きな要素のひとつですが、そもそも窓というものがどういう物なのか、どの部分までが窓の範囲なのかまで把握している人はあまりいませんよね。リフォームの世界で窓というと「サッシとガラス」の部分が該当します。

サッシは窓枠とガラスをはめる、そして鍵などの構成部品のことを言います。窓枠を取り付ける額縁は窓には含まないのが一般的な考え方になります。

窓にはいくつもの種類があり、さらにはサッシやガラスにも種類があります。それぞれに費用相場も違いますので、予算によって選べる窓もあれば、選べない窓もあります。窓のリフォームをする前には、まず窓やサッシ、ガラスの種類について把握することから始めましょう。

窓の種類で代表的なもの10選を紹介

それではまず、代表的な窓10種類をご紹介します。費用相場については後ほど記載しますのでここでは窓の特徴だけ理解しておいてください。

内開き窓・外開き窓

内開き窓と外開き窓は、まとめて片開き窓と呼ばれることがあります。内開き窓は室内側に引いて開けるタイプの窓で、外開き窓は外側に押して開けます。いずれも気密性と防犯性が高いという特徴があり、リフォームで選ぶ人が多い窓でもあります。

内開き窓は開けたときに室内空間を占領し、外開き窓は開けるときに網戸を上げなくてはいけないため、虫が入ってきやすいという弱点があります。

画像出典:LIXIL

両開き窓

両開き窓は海外などで使われることの多いタイプの窓で、窓枠に丁番で固定された2枚の窓を開閉させます。両方の窓を開けることができますので、室内への風の通りがよく、開放感が魅力の窓になります。引き違い窓と比べると気密性が高いという特徴もあります。

ただし、防犯性や安全性に劣るためストッパーなどを付ける必要がありますが、ストッパーをつけると可動域が狭くなり開放感が失われてしまうという問題があります。

画像出典:LIXIL

引き違い窓

日本の家やマンションなどで使われることが多いのが、この引き違い窓です。2枚の窓をそれぞれ左右に開くことができ、どちらからも部屋の外にアクセスができます。さらには採光面積がとても広く取れるので、室内を明るくするのに適しています。

普及率が高いため、とても安価で種類が多いという魅力がありますが、それほど気密性が高くないという弱点もあります。デザインに個性もなくなってしまいがちですので、デザインにこだわる人は意識的に引き違い窓を避けることもあります。

画像出典:LIXIL

上げ下げ窓

こちらも両開き窓と同様に海外で使われることの多い窓です。2枚の窓をスライドさせて開閉させますが、2枚とも動くタイプと片方だけが動くタイプの2種類があります。防犯性がとても高く、2枚とも動くタイプは通気性も優れています。

一方で、開け閉めの動作が大変で、外面のお手入れがしにくいというデメリットがあります。このため、安全性を考えると2階以上への設置は避ける必要があります。

画像出典:LIXIL

すべり出し窓

すべり出し窓には横滑り窓と縦すべり窓の2種類があります。いずれも窓枠の溝に沿って窓を動かすと、窓が回転して開閉できます。横滑り窓は開放しても雨が室内に入ってきにくい構造になっていますが、風通しがそれほどよくありません。

外の空気を室内に取り込みやすいのが縦すべり窓で、窓ガラスのお手入れがとてもしやすいという特徴がありますが、雨がそのまま室内に入ってしまうというデメリットがあります。

画像出典:LIXIL

倒し窓

内倒し窓と外倒し窓は窓枠の下側を支点にして開閉する窓です。家の内側に開く窓を内倒し窓と呼び、トイレやお風呂などの水回りの換気に使われます。倒し窓窓は火災発生時の排煙窓として使われ、高所での採光・換気にも適しています。

いずれも雨が降ったときに窓を開けっ放しにしていると、そこから雨が入ってくるという弱点があります。

画像出典:LIXIL

突き出し窓

突き出し窓は倒し窓と反対に、窓枠の上側を支点にして開閉する窓です。倒し窓のように雨が入ってくる心配がなく、すりガラスなどと組み合わせることで外からの視線を遮ることもできます。侵入することも難しいため、防犯性にも優れています。

一方で窓の下部しか開きませんので、通気性には劣ります。さらに窓の外側を拭くには建物の外からアクセスする必要がありますので、2階以上への設置には適していません。

画像出典:LIXIL

ルーバー窓

トイレや風呂場に使われることが多いルーバー窓。羽状になったガラスを、ハンドル操作で回転させて開閉します。開く角度を調整することでプライバシーを守ることができます。また外側に向かって開きますので、雨の侵入を防ぐことができます。

あまり知られていませんが、ルーバー窓は簡単にガラスを外すことができます。このため、泥棒の侵入経路になってしまいますので、面格子などと組み合わせて使う必要があります。

天窓

天窓はトップライトとも呼ばれる採光用の窓です。太陽の光を取り入れることができますので、とても健康的な生活をおくることができます。また、大きな天窓を選ぶと開放感があり、室内から星空を眺めることもできます。

ただし、採光しやすいというメリットは夏場になるとデメリットになります。室内温度が上がりすぎて暑くなるという問題があり、さらには経年劣化により天窓の縁から雨漏りが発生することもあります。

出窓

出窓は建物の壁から外に突き出したスタイルの窓で、空間に奥行を持たせることができます。出窓をインテリア空間として飾ることもでき、さらには外の景色も見やすいというメリットもあります。このため、お手入れした庭や自然豊かな景色が広がる面への設置に適しています。

出窓へのリフォームは通常のリフォームよりも金額が高くなるのと、夏場は熱がこもりやすく冬場は結露が発生しやすいというデメリットがあります。

窓を交換したときの費用相場は?

次に窓をリフォームしたときの費用相場について見ていきましょう。

窓の種類費用相場
引き違い窓3万~50万円
上げ下げ窓10万~18万円
ルーバー窓7万~13万円
天窓(新規)30万~50万円
出窓(新規)50万~100万円
出窓(既存)20万~50万円

窓の種類によって違いがあるのが分かります。窓そのものの値段の違だけでなく、施工の難しさや窓のサイズが費用に影響を与えます。出窓や天窓のように大掛かりなリフォームが必要な場合には価格は高く、また高機能ガラスを使った窓も高額になります。

サッシの特徴を種類別に紹介

窓に使用するサッシには種類によってそれぞれメリットやデメリットがあります。それらの特徴を踏まえつつご紹介していきます。

樹脂サッシ

樹脂サッシの最大のメリットは、断熱性です。省エネと暖かさで快適に暮らせるよう開発されました。日本でも北海道や東北の住宅には導入されることが増えてきています。この断熱性の高さは、外気との温度差で生じる結露も防ぎますので、結果的にカビやダニの繁殖を抑制するという効果もあります。

さらに、樹脂というのは腐食が起こりにくく、加工が容易という利点があります。メンテナンスに手間がかからないこと、また、さまざまな形にしたり、多くの色にしたりすることが可能なので、サッシのデザインやカラーのバリエーションは非常に多くなります。それらに加えて気密性を高めるといった効果も得られます。

アルミよりも強度が弱くなるので、その分厚みで強度を出します。そのためフレームが太くなりがちですが、最近ではスリム化された商品もあり、デザインという点でいえば、美しい窓を演出することも可能となりました。

木製サッシ

木製のサッシは、どんな空間にもマッチする、あたたかい風合いが魅力です。日本でもアルミサッシの普及以前は木製サッシがほとんどでした。最近では、その美しくも優しい素材感に焦点が当たり、人気が高まってきています。

高い断熱性を持ちつつオシャレな見た目というのはとても魅力的ではありますが、木製サッシには修繕が必要となるデメリットがあります。塗装の劣化、腐食、金具の不具合などです。メンテナンスをしっかりしておけば大丈夫ですが、長い時間放置してしまうと雨水が入り込んだり、木製サッシそのものをダメにしたりしてしまいます。

現在の木製サッシはそのデメリットを軽減させる工夫が施されたものも多くなっています。しっかりと乾燥さることによりサッシが歪んでしまうのを最小限に抑えたり、特殊加工で耐久性を高めたりしています。

アルミサッシ

アルミサッシは現在日本で最も多く使用されています。加工も簡単なので入手しやすく、費用的に最も安く設置ができる種類のサッシです。もともとアルミは耐久性が高い素材ですが、表面にアルマイト加工を施すことで気候や外気にも強くなり、長期間使用できる点がメリットです。

耐久性は高いのですが、どうしても金属である分、熱伝導率は高くなります。冬場にサッシがキンキンに冷えてしまうこともアルミサッシの特徴です。断熱効果はあまり期待できない点がデメリットで、結露の発生も多く、お部屋の温度を保つことが難しいサッシです。

複合サッシ

複数の素材の利点を活かした複合サッシというものがあります。アルミ樹脂サッシやアルミ木製サッシが複合サッシと呼ばれるものです。室内側には樹脂や木製を用いて断熱性を高め、室外側にはアルミを使い耐久性や耐候性、防火性、防サビ性をもたせるという目的のもと作られています。  

複合サッシは結露が発生しやすいという欠点がありますが、サッシとサッシの間にゴムやフィルムをいれて、結露を防止するように作られたものもラインナップされています。

サッシに関しては詳細にご紹介している記事が下記リンク先にありますので、そちらをご参照ください。

サッシの種類と特徴とは

窓ガラスの種類を紹介

窓のリフォームをする場合には、窓ガラスの種類を変えるチャンスでもあります。一般的なガラスを使ったものから高機能ガラスまで様々な窓ガラスがありますので、どのようなものがあるのかだけでも頭に入れておきましょう。

一般ガラス(フロートガラス)

一般ガラスはフロートガラスとも呼ばれ、平板で特筆すべき特徴もないガラスです。平面に歪みが発生しにくく、透視性採光性に優れています。価格もとても安いため、コスト重視のリフォームをする場合に適しています。くもりガラスやすりガラス、網入板ガラスなども一般ガラスとして扱われることもあります。

機能ガラス

機能ガラスの代表的なものとして挙げられるのが複層ガラスです。複層ガラスは2~3枚の板ガラスの間に中間層を設けることで、高い断熱性を持たせています。複層ガラスのなかでもさらに高性能なのが、Low-E複層ガラスを使用した遮熱複層ガラス高断熱複層ガラスです。

遮熱複層ガラスは日差しの侵入を防ぎ、室内の暖房熱を外に逃さないという効果があります。高断熱複層ガラスは阪大に太陽の熱を取り入れつつ、暖房熱を逃さないため雪国などの寒さが厳しい地域に適しています。

機能ガラスには他にも耐風圧性能の高い強化ガラスや、さらに高い断熱性を持たせた真空ガラスなどもあります。

合わせガラス

合せガラスは防犯性防災性にすぐれた窓ガラスです。2枚のフロートガラスの間にフィルムの中間層はさみこむことで、強度を高めたり、割れたときの飛散を抑えてくれたりします。このフィルムに遮音効果のあるものを使うと、防音ガラスになります。

窓ガラスに関しての詳細は下記リンク先をご参照ください。

窓ガラスの種類・特徴・効果

窓を選ぶ上で重要になるポイント

ここまでの説明で窓についての知識がついてきたかと思いますが、知れば知るほどどれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。最後に窓を選ぶ上で重要になるポイントを2つご紹介します。どのような窓を選んでいいのか迷っている人は、窓選びの参考にしてください。

部屋の場所で考える

まず大事なのは、どの部屋の窓なのかということです。浴室の窓なのかリビングの窓なのかによって、最適な窓は変わってきます。それぞれの部屋に求められる機能は下記のようになります。

浴室

求められる機能:断熱性・防犯性

窓は浴室の熱を奪ってしまいますので、ユニットバスにして窓を付けない家が増えてきましたが、窓をつけるのであれば断熱性を重視してください。また外から覗かれる可能性を考えて、浴室内が見えないものを選びましょう。

トイレ

求められる機能:防犯性・換気

トイレの窓に求められるのは浴室と同様に防犯性です。また匂いがこもりやすい場所ですので換気しやすい窓が理想ですが、換気扇がしっかりとついているなら開閉できない窓という選択肢もあります。

キッチン

求められる機能:採光性・換気

キッチンは明るいことと、換気がしやすいことが重要です。換気扇があるから大丈夫だと思うかもしれませんが、換気扇が故障することも考えられますので、安全を考えて換気のできる窓を取り付けましょう。

リビング

求められる機能:採光性・風通し

リビングは家族が集まる場所ですので、明るいことがとても重要です。そして居心地のよさも求められますので、しっかりと風通しのできる大きな窓を選びましょう。ただし、大きな窓は断熱性が下がりますので、断熱性の高い窓を選んでください。

こども部屋

求められる機能:採光性・風通し・安全性

こども部屋もリビングと同じく明るくて風通しがいいことが求められますが、それに加えて安全性も意識してください。開き戸などは落下するおそれがありますので、2階以上にあるこども部屋には適しません。

寝室

求められる機能:遮音性・換気

寝室は静かな環境と落ち着ける雰囲気が必要です。基本的には遮音性を重視して、日中に寝室の空気を入れ替えられるように換気もできるようにしておきましょう。

このように、部屋の用途を考えれば窓の種類をある程度まで絞り込むことができます。窓は適材適所で選ぶことがとても重要です。何も考えずに引き違い窓を選ぶという人も多いのですが、せっかくのリフォームですから、部屋の用途にあった窓を選ぶようにしましょう。

立地条件で考える

窓を選ぶときには立地条件も考えてください。例えば、周囲に山しかない静かな場所にある家と、幹線道路沿いにある家とでは騒音レベルがまったく違います。騒音が気になるようでしたら、防音性の高い窓と窓ガラスを選びましょう。

立地条件という意味では、沖縄などの南国と北海道のような雪国とでも選ぶべき窓が違います。温かい気候の地域は、風通しの良くなる窓がおすすめですが、台風の影響を考えて強化ガラスを選ぶなどの工夫が必要になります。反対に冬の寒さが厳しい場合には、断熱性の高い窓を選ぶようにしましょう。

家がどこに建っているのかによって、最適な窓は違います。すべての家に適した窓というのはありませんので、地域の気象条件や騒音などの環境も含めて窓を選ぶようにしてください。

まとめ

窓はリフォームで新しくできるとはいえ、設置すると何十年もそのまま使い続ける建具です。このため、選ぶときには慎重さが求められます。安易に見た目だけで決めることなく、きちんとその部屋の機能に合わせた窓を選ぶようにしてください。

また、予算によっても選べる窓が限られてきますので、ある程度のイメージが固まったところで、リフォーム会社に相談しに行きましょう。予算と希望するリフォーム内容を伝えて、何ができて何ができないのかを専門の知識を持ったスタッフに判断してもらいましょう。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。
リフォマなら中間マージンカットで専門業者をすぐ紹介
監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。