2018年6月29日

大規模修繕にかかる期間と工期遅延の防止策とは

大規模修繕は、工事の計画から工事が完了するまで数ヶ月を要します。修繕委員会は準備期間を含めた工期、準備内容、工事内容をしっかりと把握しておく必要があります。工期遅延を防ぐために、工事中に注意すべき点も併せてご紹介しますので、これから大規模修繕工事の準備に取りかかる方は、ぜひ参考にして下さい。

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大規模修繕は計画をしてから工事着工まで時間がかかる

大規模修繕 大規模修繕は実際に工事を行うまでにしっかりとした計画を立て、準備を整えてから工事に着手するという流れが一般的です。

まずは「計画から工事着工」「工事着工から完了」の2つの項目に分けて、それぞれにかかる期間や内容を簡単に説明していきます。

計画から工事着工まで

工事計画から着工までに行う主な準備は以下の6つです。
これらがすべて完了するまでには、およそ1年~2年ほどかかるといわれています。 従って、大規模修繕の準備には時間がかかることを覚えておきましょう。

1.修繕委員会の結成

工事を具体的に進めていくためには、修繕委員会を結成し、居住者からメンバーを選出するなどしてマンション全体で取り組む体制を整えましょう。

最終的な決定権は理事会や管理組合にありますが、メンバーは必要な工事や業者の選定などの情報を集めて報告し、準備を進めていくことになります。

2.建物診断・調査の実施

適切な工事を行うには建物の状態を正しく把握し、マンションの建物診断及び調査をしなくてはいけません。

コンサルタント会社(設計施工会社等)や管理会社などの専門家に依頼し、外壁や屋上を含めたあらゆる場所の状態を目視または機器を使用して調査してもらいます。

3.修繕工事の設計

調査結果を基に、修繕計画を作成します。建物の劣化状態から施工を行う場所と予算(積立金)を検討し、実際に発注する工事を決めていきます。 予算によっては、早急に行わなければいけない工事と、そうではない工事を振り分ける必要があります。

4.業者の選定

施工業者は、2~3社から見積もりを取り、比較検討して決定するのがおすすめです。 見積書を見ただけでは工事内容を理解することは難しいため、可能であれば業者にプレゼンテーションを行ってもらいましょう。

そうすることで工事内容などが理解できるため、業者の比較がしやすくなります。その際、工事価格に注目するだけでなく、これまでの大規模修繕工事の実績や現場代理人の能力など、現場体制がしっかりと整ったところを選ぶことも重要です。

5.住民総会開催、業者との契約

修繕工事を依頼する業者及び工事費用の確定後、住民総会を開催します。 総会ではの決議を行ってから承認をもらい、居住者に十分納得してもらった後、業者と契約を交わします。

6.工事説明会の実施

着工する前に、居住者を集めて工事説明会を実施します。施工業者から、居住者に工事期間中に生活面で迷惑をかけてしまうことや、撤去してほしいものの説明をしてもらいます。

工事中の安全対策や業者による配慮を居住者にしっかりと伝え、工事内容などをきちんと理解してもらわなくてはいけません。工事に対する不安も解消されるため、トラブルやクレームを防ぐことにもつながります。

工事着工から完了まで

次に、工事着工から完了までに行われる主な4つの工事内容について説明します。

工事期間は、工事内容やマンションの規模によっても異なってきます。50戸以下の小規模マンションは2~3ヶ月、50戸以上の大規模マンションは3ヶ月以上を目安にしておくと良いでしょう。

1.労働基準監督署に足場設置の届出をする

大規模修繕工事は、足場を組んで行うことがほとんどです。
つり足場、張出し足場以外で高さ及び長さが10m以上の足場を組む場合や、さらに組み立てから解体までに60日以上を要するときは、労働基準監督署に「足場設置」の書類提出が義務付けられています。

この届出の提出時期は、工事を開始する30日前までとなっているため、届け出が認められるまで約1ヶ月間前には準備しなくてはいけません。

2.仮設工事・足場仮設

仮設工事は、実際に工事を進めていくための下準備で、現場作業を効率良く進めていく上で重要なことです。 工事に必要な施設及び作業員詰め所、資材置き場などの設置を行う「共通仮設工事」と足場組立や養生を行う「直接仮設工事」の2つに分かれます。

足場の組立にかかる期間は、マンションの規模によって異なります。小規模マンションの場合は10~15日程度が目安となり、大規模マンションの場合は、その倍以上の期間がかかると考えておくと良いでしょう。

3.下地補修・シーリング・鉄部塗装

足場設置後、外壁のひび割れや外壁に発生した亀裂、浮きの補修、シーリング工事を行い、高圧洗浄で汚れやカビなどをきれいに洗い流します。

他にも、鉄骨階段、非常階段の扉、屋外照明器具などの鉄骨部分に発生したサビを落として、新たにサビ止め用の塗装をします。 鉄骨の塗装が剥がれてしまうとマンションの美観が損なわれるだけでなく、サビにより鉄部が腐食して落下し、歩行者がけがをする危険性も出てきます。

鉄骨塗装も外壁補修同様に、安全性を確保するために定期的なメンテナンスが必要です。 これらは2週間~1ヶ月程度を目安に行われますが、劣化状態や施工範囲によって異なります。

4.防水工事・外壁塗装工事

マンションの屋上や階段、ベランダなどは、雨水の侵入を防ぐために防水対策が行われます。 紫外線や雨水により塗装が浮いたり、剥がれたりしてしまい、年月とともにその効果は徐々に薄れていき、雨漏りや建物の劣化を促進してしまう恐れがあります。

従って、防水工事も大切な大規模修繕の1つであると認識しておきましょう。 外壁塗装は、まず塗料を塗らない部分をシートで覆う養生作業を行います。そして上塗り材の強度を高める「下塗り」を行った後、「中塗り」、「上塗り」と最低でも3回は塗装作業を繰り返します。

外壁の劣化状態によっては、下塗り作業の回数が増えることがあるため、1ヶ月~3ヶ月とやや長期間にわたり作業が行われます。

修繕期間が延びないために注意すること

大規模修繕の工事期間は数か月にも及ぶため、居住者は、「早く終了してほしい」という方が多いと思います。 しかし、当初予定していた工期よりもさらに工期が延びてしまうと、居住者のストレスや不安は増すばかりです。

工期が遅延することなく、工事がスムーズに進むように修繕委員会が注意すべき点は以下の2つです。 それぞれの注意点について詳しく説明しますので、しっかりと把握しておきましょう。

1.工期遅延に関わる仕様変更はしない

2.毎月の施工状況や不備の有無を確認する

1.工期遅延はなるべくしない

悪天候などの理由で、工事が数日間ストップしてしまうことがあるかもしれません。 しかし、それ以外の理由で工期が大幅に遅れてしまうことは、できるだけ避けたいところです。

工期が変更になる要因の1つは、施工途中で機能のグレードを上げたいなどの希望を出した場合です。思っている以上に工期が長くなることがあるため、施工業者に相談してどれくらいかかるのか説明してもらって下さい。

大幅な工期延期が予想されるときは、予定通りの工期を優先して、仕様変更は断念するべきでしょう。

2.工事の進捗状況や不備を毎月確認する

修繕委員会は、毎月工事の進捗状況を把握し、居住者や周辺住民に工事について聞かれたとき、きちんと説明できるようにしましょう。

特に、スケジュール変更や追加工事の必要性が出てきた際には、業者と打ち合わせを行い工期に影響が出ないかを協議した上で判断して下さい。 定期的に業者からの報告を受け、綿密な協議を行うことで、業者と居住者の意思疎通を図ることができます。

クレームやトラブルで工事が中断してしまうと、工期が延びるだけでなく費用が余計にかかってしまいます。

まとめ

大規模修繕は、マンションの規模や工事内容によって工事期間は異なりますが、一般的に計画から着工までは1年~2年程度かかります。 そして工事期間は、小規模マンションで3ヶ月程度、大規模マンションの場合は3ヶ月以上かかります。

また工期遅延を防止するためには、修繕委員会が現在の状況を把握しておくことが大切です。
修繕委員会がマンションの居住者に作業の進捗を説明することで、工事の内容を理解してもらい作業の妨げにならないように行動してもらえます。さらに積極的に業者と連絡を取り合うことで、大規模修繕の工期遅延を防止することにつながります。

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