店舗における外装の役割や目的
外装デザインや外観は、まずお客様の目に映るもの。その様子から内部を想像し、どんなお店か判断したうえで入店するか否かを決定します。
そのため、何のお店なのかお客様が想像しやすい外装をまず第一に考えることが重要です。
また、何のお店なのかと合わせてお客様に想像させたいのがどんなお店なのかです。barということが分かると共に、「明るくて陽気な印象の店舗で、わいわいがやがや飲むのに適している」のか、それとも「シックで大人な印象の落ち着いた店舗で、静かに飲むのに適している」のかなど、お店の雰囲気などが伝わると、なおお客様は判断しやすくなります。 お店としてもターゲットとする客層がありますが、取り込みたい客層に対してアピールができることにもなります。
お客様が入店を判断する際、判断材料の一つとしてどのようなメニューがあるのかも気になります。店舗の正面にメニューブックなどを置いておくのも良いでしょう。
この記事内では外装について多く触れますが、店舗は内装も重要な要素です。 店舗リフォームに関してのまとめページがありますので、そちらもご参照ください。
barの外装デザインの考え方
barの客層に合わせた工夫をする
barにいらっしゃるお客様は、ゆっくりお酒を楽しめることを期待していらっしゃる方が多いです。
そのため、クラシックで、重厚感のある外装を目指す店舗が多く見られます。
たとえば深い色の木に装飾が施され、黒色の取手の扉が赤味を帯びたスポットライトで照らされているなどです。
しかしあまりにもかしこまった雰囲気の外装で、中の様子も見えない場合、常連客以外は入りにくさを感じやすく、敷居が高い印象を持ちます。
会員制のbarなどであれば、逆にそれくらいでも丁度良いですが、多くのお客様に気軽に楽しんでもらえるような店舗にしたい場合は、入りやすさも大切です。
たとえばbarらしく隠れ家のような演出をしつつ、内部の様子が見えるようにガラス窓を取り入れてみるなどです。
また、外にスタンドを置き、メニューブックを出すことで価格帯を掴みやすくしたり、店内の写真を組み込むことで内部の様子が分かるようにしても良いでしょう。客層やメニューの価格帯を把握することで、外装で特に気をつけるべきことが見えてきます。
barの強みを外観で演出する
barと言っても、ハイグレードな店舗もあればカフェのようなカジュアルな店舗があるように、強みとなるメニューは様々あります。
たとえば豊富な種類のワインを強みとするbarをつくるのであれば、外に樽などの小物を置いて演出したり、日本酒barのような特定のお酒に特化してバーであれば、外からでも多くの瓶やボトルが並んでいるのが見えるスペースを設けるなどが考えられます。
barで何を楽しんでもらいたいのかを考えることで、ご自身の barの強みが分かりますので、シンボルとなるものを飾るのか、看板のデザインや外壁の色で特徴を出せるのかを考えていきましょう。
barの外装工事に関わる法律や許可について
景観法
景観法は、都市や農村、漁村などの景観を守るための法律で、店舗の看板や外壁の色やデザインにかかわるものです。
地方自治体が景観の決まりを制定できるようになったため、都道府県や市区町村によって規制の範囲は異なります。
京都は規制が厳しいと言われる地域で、チェーン店の看板の色が見慣れたものと異なることにお気づきの方は多いのではないでしょうか。
ご自身のbarのある自治体では、どこまでのデザインが認められているのかを事前に確認し、認められた範囲内でもbarのコンセプトや強みが伝わる外装デザインを業者と相談しながら決めましょう。
道路占用許可
道路占有許可とは道路上やその空上、地下を使用する際に取らなければならない許可のことで、道路上に出す看板や日よけのサイズも決められています。
また、貸店舗の外装工事で水道管やガス管、電線の工事の他に、工事中の足場や仮囲いなどは、道路占用許可が必要になるため、工事着手前に必ず申請を行いましょう。
自治体によって異なりますが、申請には道路占用許可証や占有場所の案内図、占用物件の平面図と側面図と正面図、承諾書などが必要になります。
barの外観づくりで気をつけること
人の流れを把握する
外観はまずお客様の目に入る部分ではありますが、特徴がなさすぎて目に留まらなければ、もちろんお客様に入店してもらうことは叶いません。また、大通りに面していない場合などは特に、店舗の前を人が通るとは限りません。正面だけでなく、遠くから見ても「ここにお店がある」とわかるようにする必要があります。
まずは店舗周辺のお客様の流れを確認し、どの方向から人が来るのかなどを分析しましょう。そのうえで、正面以外からでもお店の存在をアピールできるよう、外装デザインや看板などの配置を検討します。
競合店とデザインの差異化を図る
出店場所の周囲に競合となりそうなbarがあるのかないのかも重要です。
barは扱うメニューやコンセプト、客層が似ることが多いため、同業は大きなライバル店となる可能性が高いです。そのため、競合の中から選んでもらえるようなポイントをつくり、他店との差異化を図らなくてはなりません。競合店より目を惹くような外装を施したり、雰囲気や演出などで差を付けましょう。
分かりやすい看板
看板は、遠くからでも店舗のある場所を知らせる目印の役割をすると共に、どのような店舗があるのか伝える役割をします。
情報を入れ込みすぎると、結局何が書いてあるのか分からず、看板の意味が無くなりますので看板でのアピールはシンプルで簡潔な方が好ましいです。
看板は外に出されるものでもあるため、汚れや破損による劣化は防ぐことができません。しかし、お客様はその看板を目にお店をチェックしますので、汚れや破損があってはお店のイメージを悪くします。
barであっても飲食店の部類となりますので、衛生面や清潔感は重視したいところ。汚れや破損下看板では店舗の清潔感を疑われてしまいますので、毎日の掃除の際には看板の状況チェックも定期的にしましょう。
まとめ
barの外装工事のポイントや、外装の目的、外観づくりで覚えておきたいことをご紹介しました。
外装とは、何を扱っている店舗で、どのようなコンセプトで、どのような客層向けなのかを伝える働きがあります。barの場合、落ち着いてお酒を楽しみたいお客様が多いため、クラシックさや重厚感を演出できる外装デザインが好まれます。
しかし、敷居が高い印象を与え、入りにくさを感じさせては新規顧客の足は遠のいてしまいますので、気軽に立ち寄れるbarにしたい場合は、中の様子が見えたり価格帯がわかるような工夫が必要です。
外観デザインでは、競合店と差別化されるような外観であることも大切です。
そして、景観法や道路占用許可を確認しておくことで、安全に外装工事が行えます。
外装はさまざまな知識が必要なものですので、しっかり業者にコンセプトや要望を伝えたうえで、最適なデザインでお店を作りましょう。
こちらの記事ではバーの内装工事の費用について**書かれています。お店の内装について悩んでいる方は参考にご覧ください。
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