テラスとは
「テラス」とは、家の外で一段高く土台を設置した屋根のない場所をいいます。
混同されがちなのが「ベランダ」、「バルコニー」、「サンルーム」で、違いがわかならい方も多いですよね。
まずは定義の違いをみていきましょう。
テラス
一段高い土台を設置した場所。
1階に設置、屋根がない。ベランダ
和風住宅だと「縁側」と呼ばれる。
1階に設置、屋根がある。バルコニー
2階以上で主に1階の屋根の上に設置。
屋根はないが手すりはある。サンルーム
窓、扉、屋根部分がガラス張り。
外にあるものではなく、部屋の一室という概念。テラス囲い
屋根のないテラスに屋根とガラス張りの壁を設置。
外にあるものという概念。
一般的には「テラス囲い」が「サンルーム」と呼ばれていたり、屋上に設置するテラスが「屋上テラス」と呼ばれていたりします。
住環境におけるエクステリアの部分は、人によって指しているものが違ったりと、ややこしい分野です。
上記の定義で言えば、本来屋根を設置したスペースは「テラス 」と呼びませんが、実際のリフォーム現場では屋根を付けたテラスが検討されることが多いです。
この記事ではリフォームでよく検討される「屋根テラス」を中心にご説明していきます。
テラスに屋根を設置する際の注意点
テラスを設置する際、屋根を取り付けるケースがほとんどです。
本来の定義でいえばテラスに屋根はありませんが、ここでは屋根ありきとして注意点をご紹介します。
テラス屋根の設置は外壁も考える必要がある
テラス屋根は、テラス部分に屋根を後付けする方法です。
テラス屋根を設置することによって、雨の日でも外で洗濯物を干すことができます。
テラス屋根の設置は、安定性を保つために外壁に固定する必要があります。
設置したいテラス屋根と外壁の幅が合わなかったり、外壁に穴を開けることができないと設置ができません。
外壁に穴を開けてしまえば、外壁の塗り替え塗装の際に弊害になることもあります。
現在では、外壁に穴を開ける必要なく設置できるテラス屋根もあります。
それは「独立型」と呼ばれ、外壁に固定していない分、強風が吹けば揺れ動くリスクは否めません。
住宅とテラス部分とのバランスは悪くないか
テラスは住宅の色合いや設置する場所によっては、バランスが悪く美観が損なわれることもあります。
現在、商品として販売されているテラスは種類やデザインも豊富にありますので、美観のバランスも踏まえた商品を選ぶと良いでしょう。
テラスの基盤である土台部分の色合いを、住宅の配色と揃えるだけでも統一感が生まれます。
住宅のデザインに沿った屋根やテラス囲いを加えることで、思い通りの色合いに揃えることもできます。
これらのポイントに注意し、住宅全体としてのバランスを考慮した上でテラスの商品を検討していきましょう。
ベランダにテラス屋根を設置する際の注意点
ベランダの手すりに問題はないか
日当たりの悪い1階に洗濯物を干すことに抵抗があり、2階のバルコニーには屋根がない場合は、雨の日に洗濯物を干すことができません。
どうしても雨の日でも屋外に洗濯物を干したい場合は、2階のバルコニーにテラス屋根を取り付ける方法があります。
(最近では2階の部分もベランダと呼ばれることが多いが、ここでは定義に則してバルコニーと表記する)
1階の庭にテラス屋根を取り付けるのであれば地面に直接柱組み立てることができますが、2階に設置する場合は金具を使ってベランダの手すり部分に柱を固定します。
設置の注意点としては、前もってベランダの手すり部分の老朽化が進んでいないか確認しておくことです。
劣化が進んだ手すり部分に屋根を設置すると危険です。
手すり部分の老朽化が進んでいた場合は、テラス屋根の設置前に修繕をしておきましょう。
設置場所に給湯器はないか
ベランダにガスの給湯器がある場合は注意が必要です。
給湯器からは排気ガスが出ているので、テラス屋根を支える柱に影響を及ぼす恐れがあるからです。
排気ガスにより、わずか数か月ほどで柱の塗膜を剥がしてしまうことがあり、美観だけでなく耐久性も損ないます。
テラス屋根を設置したいベランダに給湯器がある場合は、排気ガスの影響を踏まえて考慮しましょう。
テラス屋根の荷重制限に関する注意点
テラス屋根への積雪に注意
テラス屋根があると、雨の日でもその中に自転車やオートバイを駐輪できるので非常に便利ですよね。
そこで注意しておきたいのが、積雪が続くような真冬の時期です。
住宅の屋根と同様に、テラス屋根にも荷重制限があります。
雪がテラス屋根の上に積もっていくのを放置していると、いずれ限界がきて倒壊する恐れがあります。
積雪の多い地域で設置を検討される際は、テラス屋根の荷重制限を必ず確認しておきましょう。
雪の重みでテラス屋根が倒壊しないためには、設置の際に始めから傾斜をつけておいたり、こまめに雪かきをする必要があります。
テラス屋根に付加する物干しの荷重に注意
テラス屋根に付加するオプションで人気なのが物干しです。
物干しはテラス屋根に直接設置する方法と、柱に取り付ける方法があります。
どちらの場合であっても、付加する物干しの荷重制限だけでなく柱自体の荷重制限も考える必要があります。
洗濯物は水分を含んでいるので、干したばかりの段階では意外と重みがあるものです。 物干しや柱に負担がかかり過ぎないよう、ご家庭の洗濯物の量が多い場合は注意しましょう。
強風によるテラス屋根の注意点
テラス屋根のトラブルで多いのが、強風によって屋根が吹き飛ばされる事例です。
現在のメーカーで販売されているテラス屋根は、もちろんある程度の強風には耐える設計になっています。
しかし、大きな規模の台風にもなると被害が起こる可能性は十分にあります。
飛ばされた自宅のテラス屋根によって、近隣住民に被害を与えてしまうことは避けたいです。
被害に遭った住民が火災保険に加入していれば保証の対象となりますが、被害を与えた側の火災保険では近隣住民への被害を保証することができません。
オプションとして屋根の補強部材を取り付けることもできるので、台風や強風が多く吹く地域にお住まいの方は検討してみましょう。
テラスで一歩先のリフォームを
テラスは設置するだけで、ご自宅の美観だけでなく利便性も向上させることができます。
ここで紹介したポイントに注意し、快適なリフォームを実現させましょう。
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