浸水の被害から大切な家を守るために
毎年のように台風や豪雨などの水害が列島各地に深い爪痕を残していることは、皆さんもご存じかと思います。
国土交通省によると「世界でも多雨地帯であるモンスーンアジアの東端に位置する日本は、年平均1718mmの降水量があり、これは世界平均(880mm)の約2倍に相当する」(出典:『水害対策を考える』国土交通省)とされており、世界的に見ても日本は降水量が多い地域であることがわかります。
日本は水資源に恵まれている一方で、古くから川の氾濫といった水害に悩まされてきました。
近年はダムや堤防などの水に関係するインフラが整備されてきていますが、それらのキャパシティを超えるような台風や豪雨が発生しています。そのような水害でたびたび起こるのが、家屋の浸水被害です。
2024年(令和6年)では台⾵第2号の影響で梅⾬前線の活動が活発となり、⾼知県、和歌⼭県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県の6県で線状降⽔帯が発⽣し、23か箇所の⾬量 観測所で観測史上1位を記録しました。家屋被害は全半壊8戸、一部損壊 62戸という被害がでました。
また、2024年7⽉1⽇から13⽇にかけて梅⾬に加えて上空の寒気の影響で⼤⾬となり、⼭⼝県、⿅児島県(奄美地⽅)、熊本県、島根県、福岡県、佐賀県、⼤分県、⽯川県、富⼭県の9県で線状降⽔帯が発⽣し、過去に九州地⽅で⼤きな被害をもたらした豪⾬に匹敵する豪雨になりました。これにより家屋被害は、九州・中国・北陸地⽅で全半壊 33戸一部損壊 61 戸の被害がでました。 さらに、7⽉14⽇から16⽇にかけて梅⾬前線の影響により、秋⽥県を中⼼に記録的な⼤⾬となりました。
過去の2019年(令和元年)に起こった水害では、床下浸水で約5万棟、床上浸水で約2万8000棟が被害に遭っていることがわかっています。また家屋だけで被害総額が約6400億円にも及び、水害により貴重な財産である家が物理的にも経済的にも大きな被害を受けています。(出典:「令和元年水害統計」国土交通省)
この記事では水害による浸水の被害を最小に抑えるための対策などについて詳しく解説していきます。
浸水はどうやって起こるの?
浸水は当然ながら家屋に水が流入することで起きます。もちろん、普通の雨ではそのようなことは起きません。浸水被害が起こるような水害の原因として、主に「外水氾濫」と「内水氾濫」の二つがあります。
①外水氾濫
外水氾濫は、台風などで河川を流れる水(外水)の水位が豪雨によって上昇して堤防が決壊することによって起こる水害です。大量の水が一気に街に流れ込んでくるのが特徴です。また、沿岸部では高潮によって起きる場合もあります。
②内水氾濫
内水氾濫は、ゲリラ豪雨のように都市部に短時間で集中的に降水が起きた場合に、排水路や下水道が雨水を流しきれずに発生する水害です。都市部で急に発生するのが特徴です。河川が離れていても発生します。
浸水被害を最小限にする応急処置
河川から離れた地域でも内水氾濫という形で浸水が起きる可能性があることはお分かりいただけたかと思います。基本的には台風や豪雨の場合はどんな場所に住んでいても浸水対策は必要になります。
では一体どのような対策をしたらいいでしょうか?
1.土のうの設置
浸水が起きそうな時には土のうを設置することで、道路から家屋内への雨水の浸入を抑えることができます。設置自体はすごく単純で、またそれぞれの家の形態の違いに対応できるのが特長です。土のう袋は一つ一つが重いので、作業自体は何人かでやらないと十分な土のう壁を作るのは難しいといデメリットがあります。
土のう袋はホームセンター等で入手できます。自治体によっては水害が発生しそうな時に無償で引き渡す場合もあるので、お住まいの自治体のHPなどをチェックしてみることをおすすめします。
2.簡易防水壁の設置
浸水を防ぐには土のうが一番効果的ですが、簡易的な防水壁でしたら家にあるもので容易に設置できます。
ゴミ袋と段ボール箱を使う ゴミ袋に水を入れ、段ボール箱に詰めて隙間がないように並べる。
ポリタンクとレジャーシートを使う ポリタンクに水を入れてレジャーシートに包んで並べる。
板と重しを使う テーブルなどの板状のものを玄関に当てて重量のあるもので支える。
吸水性土のうを使う 「吸水性土どのう」という水を吸収すると膨らんで大きくなる土のうがある。 土の用意が不要で、水を吸っていないものだと軽量・コンパクトという利点があり、これを設置する。
3.水のうで下水の逆流を防ぐ
内水氾濫が起きると各家庭の下水が逆流してくるという事態が考えられます。これを防ぐために、ビニール袋に水を入れた水のうを便器の中に入れておくと、逆流の被害をおさえることができます。
水のうは、大きめのビニール袋(ゴミ捨てなどに使う45Lの袋が最適)を二重、三重にしてこの中に20L程の水を入れるだけで簡単に作れます。
浸水に強い家を作る事前の準備
水害が起きたときに浸水を抑える応急処置についてご紹介しましたが、そもそも浸水が起きないような家を作るためにはどのような準備をしておいた方がいいのでしょうか?様々なリフォームを行うことで浸水に、災害に強い家を作ることができます!
1.止水板の設置
玄関部分に止水板を設置するというリフォームをすると、いつ氾濫が起きても土のうの設置など大変な作業をすることなく簡単に浸水対策を行うことができます。
止水板とはその名の通り、水が家に入るのを防ぐための板のことです。止水板の設置は、地面の下に溝を掘ってスライドできるレールを作る作業があるため、DIYはかなり難しいです。設置工事には本体価格を合わせて数十万円かかりますが、しっかりとした浸水対策を行うためにプロの業者にお願いすることをおすすめします!
2.家の周りをコンクリートの壁で囲む
敷地に余裕がある場合は、家の周りをコンクリートの壁で囲むという方法で浸水を防ぐこともできます。コンクリートは堤防にも使われる水密性が高い素材なので、敷地に水が入ってくるのを抑えることができます。
コンクリート壁の設置も基礎工事など専門性が高い技術が必要になるので、DIYはかなり難しいです。設置をプロにお願いすると平米単価約15,000円〜20,000円ほどかかりますが、浸水を相当抑えることができるリフォームなので、検討してみる価値は十分にあります!
また、先にご紹介した止水板と組み合わせることでかなり防水効果が増強されるので、同時に設置するのもおすすめです。
浸水対策のまとめ
そもそも、自分が住んでいる地域がどのぐらい水害に遭いやすいかを確認することが何よりもまず重要です。各自治体はハザードマップを提供しているので、自治体のHPなどを参照してご覧になることをおすすめします。
浸水によって毎年のように大切な家を傷つけられる被害が報告されています。簡易的な応急処置をご紹介しましたが、家を水害に強くするための根本的なリフォームを行うことが一番の浸水対策になります。
そうはいっても、なかなかどの業者にリフォームを頼んだらいいかわからないのが本音の部分かと思います。本サイト「リフォマ」では信頼できる業者を厳選して、皆さんにご紹介しています。根本的な浸水対策をお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。
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