2022年7月18日

ベランダ防水の費用相場と寿命・工事のポイント

雨や紫外線を浴び続けるベランダは、定期的なメンテナンスが必要です。ベランダはご自宅の中でも傷みやすいため、強い素材で作られていることがほとんどですが、経年変化によって劣化を止めることはできません。 そのため、雨漏りなど家のトラブルを防ぐためにもベランダ防水工事が必要になってきます。

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ベランダ防水の費用相場

リフォマに寄せられた事例や独自の調査をもとにした ベランダ防水 を行う場合の概算費用です。

アスファルト防水(10平米)
50,000円〜80,000円
FRP防水(10平米)
50,000円〜70,000円
シート防水(10平米)
40,000円〜80,000円
ウレタン防水(10平米)
45,000円〜70,000円

まずは相談から

見積を依頼する

雨や紫外線を浴び続けるベランダは、定期的なメンテナンスが必要です。ベランダはご自宅の中でも傷みやすいため、強い素材で作られていることがほとんどですが、経年変化によって劣化を止めることはできません。

そのため、雨漏りなど家のトラブルを防ぐためにもベランダ防水工事が必要になってきます。

ベランダ防水とは

ベランダ防水とは

ベランダ防水とは、ベランダの防水性を高めるために、床を防水性のある素材で覆うことです。ベランダの防水性が低くなってくると、雨がベランダの床を通り抜けてコンクリートや木に染み込み、染み込んだ雨などが、壁や天井から雨漏りとして落ちてきます。また、ベランダは紫外線や雨水の影響を受けるため、劣化すると、ひび割れ等が起き、建物に悪影響を与えてしまいます。劣化した部分から雨水が浸み込み、雨漏りが発生すると建物の寿命も短くなるでしょう。このような事態を防ぐためにも、ベランダに防水を施すことが大切です。

一年に何度かはベランダの床面をチェックして、異常があれば早めのメンテナンスを行うことが大切です。

ベランダ防水の寿命とDIY

ベランダ防水の寿命とDIY

トップコート

ベランダの塗装はいくつかの種類の塗装が重なり合っていています。劣化の進んでいる部分によって、必要な補修工事の内容が変わってきます。

一番上の「トップコート」の耐用年数は約5年です。このトップコート部分は目視でも確認できるため、劣化を一番感じやすいでしょう。トップコート部分だけが剝がれている・軽いひび割れが見受けられる程度の劣化具合ならば、トップコートの塗装を塗りなおすだけで大丈夫です。軽い程度の劣化を放置してしまうと、トップコートの下にある防水層にまで劣化が広がってしまうため、トップコート部分の劣化を確認したらすぐに対処しましょう。

トップコート部分のみの塗装であれば、ご自分で塗り替えることも可能です。ご自分で塗り替える場合、必ず「ベランダ用」の塗装剤を購入しましょう。

また、目視で異常が確認されなくても、10年以上経過している場合も、早めに塗り替えたほうがよいでしょう。

防水層

トップコートの下にある「防水層」の耐用年数は約10年です。 防水層に使っている素材などによって、劣化の速度や劣化の具合は変わってきますが、あからさまに大きくて深いひび割れや、ベランダ近くの天井や壁から雨漏りが発生している場合、すぐに補修を行わなければなりません。

DIYはできる?

ベランダの防水工事はDIYでも可能な場合があります。例えば、トップコート部分のみの劣化であれば市販のベランダ用塗装剤での補修は十分にできます。しかし、塗装を失敗したりしてしまうと、後々トラブルにつながることもあるので、専門業者に依頼することをオススメします。専門業者に依頼することで、保証がつき、トラブルが起こった時の対応をしてくれます。

劣化症状

ひび割れ・サビ

ひび割れ・サビ

防水部分がひび割れてしまうと、ひび割れ部分から雨が入り込んでしまいます。このひび割れはV字型に入り広がっていくことが多いです。ひび割れは放置すると劣化速度をどんどん上げてしまうので、早めに補修することをオススメします。しかし、髪の毛程度の細さのひび割れは、そこまで心配する必要はありません。

剥がれ・膨張

剥がれ・膨張

ベランダ塗装の剥がれには2つのタイプがあります。「シートごと剥がれるタイプ」と「雨水によって床が膨張し塗装が剥がれるタイプ」です。表面のトップコートが単に剥がれてしまった場合は、塗装を塗りなおすことにより補修できます。

しかし、防水層のシートごと剥がれてしまうと、防水層から作りなおすことになってしまいます。また、雨水が原因で床が膨張し剥がれてしまった場合は、剥がれた部分からも再度、雨水が侵入し劣化を早めてしまいます。シートがめくれたり、浮き上がってしまっている場合は、下地の工事も必要になる可能性があるため、専門業者に依頼して現状のチェックをしてもらいましょう。

水たまり

水たまり

塗装の剥がれや膨張によって、水の流れが悪くなってしまい、水たまりができてしまうこともあります。この水たまりの主な原因は勾配不足や排水溝のつまりの2パターンです。

ベランダには雨水がスムーズに流れるように、排水溝に向かって緩やかな勾配を作るように設計されています。しかし、勾配がしっかりしていないと、防水をしていても水が溜まりやすくなってしまいます。

また、落ち葉やほこりなどが排水溝に詰まり、水の流れを止めてしまうこともあります。この場合、まずは排水溝の掃除をご自分で行い、水がしっかり流れるかどうかをチェックしましょう。掃除をしても水が流れず溜まってしまう場合、専門業者に依頼して見てもらいましょう。

雨漏り

雨漏り

防水劣化症状のなかでも、すぐに対処しなければいけないのが、雨漏りです。内部で漏水していた場合や、ひび割れが原因で漏水している場合に、ベランダの下から水が垂れてきたり、家の中で雨漏りすることがあります。家の内部に水が入ってくると家の中からも劣化してしまう可能性があるため、家全体に悪影響を与える前に対処しましょう。

ベランダ防水の費用

ベランダ防水の費用

ベランダ防水の費用は、使用する材料や施工方法、希望するベランダ防水の内容によって違いが出てくる他、現状の設備状況、ベランダの面積などによっても費用が異なってきます。そして現状のベランダの劣化状態によっても工事内容が異なってくるため、工事費用にも違いが出てきます。

ベランダ防水の方法には大きく分けて2種類あります。「塗膜防水」と「シート防水」です。それぞれで必要な工事が異なるので費用にも違いが出てきます。そして劣化してから時間を置くほど状態が悪化してしまうので、費用をおさえることを考えると、早めの防水工事が必要だと言えます。

「塗膜防水」はウレタンやFRPなどの素材を塗りつける方法で、どんな下地にも密着し継ぎ目のない仕上がりにできますが、経年劣化があるため定期的に塗り替えなければなりません。

「シート防水」は塩化ビニールまたは合成ゴムの膜を貼りつける方法で、軽量かつ伸縮性がありコストも安いというメリットがありますが、つなぎ目の部分から水が漏れやすく、また上を頻繁に歩く場合には向いていません。

トップコート

トップコートは普段目にする、グレーや緑色の表面の部分です。トップコートの塗り替えは、表面の軽い傷んだ部分を補修するものです。防水層に劣化が見られない場合は、トップコートの塗り替えだけで問題ありません。

トップコートには、「ポリエステル系」と「ウレタン系」の二つがあり、それぞれ特徴があります。

ポリエステル系は新築向けで強度は強いが、経年劣化でヒビ割れしやすく、ウレタン系はリフォーム向けで、伸縮性に優れているためヒビ割れしにくいという特徴を持っています。ポリエステル系は単価(㎡)約3,000円で、ウレタン系は約2,500円と、ポリエステル系のほうが若干高くなっています。

FRP防水

FRPとは、繊維強化プラスチックのことで、白い繊維のような形状をしています。

  • FRP防水のメリット

プラスチックで作られる素材のなかでも、衝撃性に強く、高い防水性もあり、耐久性の高い素材です。また、軽量でありながら、重いものにも耐えられる強度の強さもFRPが人気なポイントです。軽い素材でできているため建物自体への負担が少なく、工期が他の素材に比べて短いため、新築住宅の多くのベランダや競技場や駐車場の床にも使われています。

ベランダのFRP防水では、床の部分にシート状になったFRPを敷いて、その上から表面を樹脂で固め、防水層を作ります。FRP防水の工法は、乾燥を待つ工程が短いため、1〜2日程度で施工が可能です。

  • FRP防水のデメリット

しかし、FRPはプラスチック素材のため、紫外線に比較的弱く、木造や鉄の下地にはあまり向いていません。毎日たくさんの紫外線を浴びるベランダは、劣化しやすく、約5年に1度のメンテナンスが必要になってきます。また、FRPは伸縮性が少し弱いため、木など伸縮しやすい素材への施工は、ひび割れの原因にもなるため控えたほうがよいでしょう。

シート防水(塩ビ・ゴム)

シート防水とは、厚さ約1~3㎜の塩化ビニール樹脂製・ゴム製のシートを張り巡らせることで防水をする工事です。 塩化ビニール樹脂シートを貼り付ける場合は、既存の防水材の上から重ねることもできます。防水工事のなかでは、比較的費用が安く施工することができます。

  • 塩化ビニールシートのメリット

「塩化ビニールシート」は、紫外線や熱に強く、強い日差しが当たるベランダに最適の素材です。また、摩擦にも強いため、普段の生活では防水層に穴が空きにくいというメリットがあります。

  • 塩化ビニールシートのデメリット

しかし、塩化ビニールシートは凹凸がある下地への施工は難しく、平らな面にのみ貼り付けることができます。そのため、形状が複雑な部分や室外機が障害となり、施工できない場合もあります。 また、寿命が近づくと急にもろくなり始めるので、耐用年数の12〜15年を目安に全交換をする必要があります。

  • ゴムシートのメリット

「ゴムシート」は、ゴムならではの伸縮性を活かして作られたものです。近年、多発している地震などの揺れにも強く、ひび割れする心配もありません。また、温度変化にも強く、夏と冬の温暖差が激しい日本の風土に適しています。ゴムだからといって、高温になっても溶けたり、形が変形する心配はありません。

  • ゴムシートのデメリット

しかし、塩化ビニールシート同様、シート状になっているため、凹凸が激しい部分への施工は厳しいです。また、熱には強いですが、紫外線による劣化はどうしても避けることができません。塩化ビニールシートに比べて、厚みがないので、衝撃に弱いという弱点もありますが、トップコートの保護効果を使えばそこまでの心配は必要ありません。

ウレタン防水

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を重ね塗りして防水層を形成するものです。 床面に凹凸があっても、平らでも施工でき、液体を塗布するため、つなぎ目のもなく綺麗に仕上がるのが特徴です。

  • ウレタン防水のメリット

ウレタン防水はシート防水に比べて、場所を選ばずに施工できる点で人気です。 どのような下地にも対応しているため、既存の下地をそのまま使え、廃材も少なく済みます。また、FRP防水よりも単価が安いため、費用を抑えたい方にオススメです。

  • ウレタン防水のデメリット

しかし、他の防水加工に比べると、乾燥するまでに時間がかかるため工期が長いこと、均一に塗装するのが難しいという難点もあります。ウレタン防水は、ローラーで液体状のものを塗布するため、ムラなく均等に仕上げるためには専門業者に依頼する必要があります。

また、塗布した部分に十分な厚みがないと、紫外線や熱により劣化が早まってしまうでしょう。

ベランダ防水を選ぶポイントと注意点

ベランダ防水を選ぶポイントと注意点

ベランダ防水を選ぶ際は、「どのように」ベランダを使いたいのかを想像してみるとよいでしょう。例えば、洗濯物を日常的に干す程度なら、柔らかいシートやウレタン防水でも十分な機能を発揮します。 しかし、ベンチやテーブルをおいて日光浴をしたりバーベキューをしたい、となるとある程度の重量に耐えられるFRP防水などの固い素材のほうが適しています。 そのため、ベランダの用途に応じて、防水の素材を変えるとよいでしょう。

ベランダ防水は建物のメンテナンスの中でも重要になります。ベランダ防水を怠ってしまうと建物内部に水が浸入し、柱の腐食や骨組みが錆びてしまう恐れがあります。使用する溶剤塗料は火気厳禁となっているので作業中は決して火を使用しないようにして、念のため消火器を用意しておくと安心でしょう。

また、排水口に塗料が流れて排水口が詰まってしまわないように、慎重に作業を進める必要があります。

ベランダの防水工事を依頼する際のポイント

ベランダの防水工事を依頼する際のポイント

施工中の写真を依頼

防水工事で導入する防水層はトップコートの下に隠れているため、目視で確認できなく、手抜きされていても気づきません。確認のためにも、各段階で証拠として写真をとってもらえると安心です。防水層は既定の厚さがないと、効果を十分に発揮できません。適切な工事が行われたか、確認のためにも写真撮影を依頼しましょう。

ベランダの状態を先に確認

防水工事の種類を選ぶ際に、大事なポイントがベランダの状態です。防水工事は塗装かシートを貼るかのどちらかの方法で行われます。ベランダに凹凸が多い場合や室外機が障害になる場合は、シート防水を選ぶことができません。また、ベランダが狭い場合も、シートを貼るよりも塗装するほうが向いています。そのため、ご自身で塗装・シートを選ぶ前に一度、専門業者に相談することをオススメします。

3社以上に見積もりを依頼する

このポイントは、どのリフォームでもいえることですが、業者に見積もりを依頼する際は、必ず3社以上から見積もりをもらうようにしましょう。3社以上から見積もりをもらうことによって、適正価格が分かりやすくなります。また、多くの会社から見積もりをもらうことによって、1社だけでは見抜けなかった問題点に気づく可能性もあります。

複数の会社に見積もりを依頼する際は、工事内容と使う材料を統一してください。工事内容や使う材料によって、値段の差があるので、統一しなければ複数社に見積もりを依頼する意味がなくなってしまいます。

防水の専門業者に依頼する

防水工事は外壁塗装業者に依頼せずに、防水の専門業者に依頼するようにしましょう。同じ塗装とはいえ、外壁塗装と防水塗装は全く別のジャンルです。防水塗装の知識のない外壁塗装会社に工事を依頼してしまうと、未熟な技術で施工されてしまい、本来の防水機能を十分に発揮できない可能性があります。

基本的なベランダ防水工事の流れ

基本的なベランダ防水工事の流れ

【ステップ1】業者探しをする

まずは、専門業者をさがします。防水工事を依頼する場合、外壁塗装会社に依頼するのではなく、防水専門業者に依頼しましょう。 どの業者が適切なのか分からないので、実際に見積もりを依頼して、比較してみましょう。

【ステップ2】現地調査・相見積もり

依頼する業者の目星がついたら、現地訪問をして状況を調査します。ここでまた大体の費用を見積もってもらいます。複数社見積もりを依頼する場合、単純に安さだけでなく、信頼性も大切なので、担当者に任せられるかどうかもしっかりチェックしましょう。

【ステップ3】実際に施工を依頼する業者の決定

見積書や担当者を比較して、最終的に工事を依頼する会社を決めます。このときに、必ず紙の契約書を用意してもらいましょう。 契約書なしに工事が始まってしまうと、後にトラブルが発生しても解決できなくなってしまいます。

【ステップ4】防水工事の実施

防水工事は、工事内容によっては1日で終わるものから6日程かかることもあります。 工事が始まる前に、おおよその工期を把握しておくとよいでしょう。

【ステップ6】工事費用の支払いと確認

工事が無事に完了したら、確認して問題なければ最後に工事費用を支払います。 業者によっては、工事前に請求される場合もあるので気を付けましょう。

ベランダ防水工事の事例

【事例1】 ウレタン防水加工 (約4万円)

事例1

ベランダが雨漏りしそうだから防水加工をしてほしい、というご要望のもと、 相談の上、ウレタン防水3工程を施し、元の撥水効果をよみがえらせました。

【事例2】ベランダ防水貼りなおしと雨漏り修理(約23万円)

事例2

雨漏りしているので、直してほしいというご要望をいただき、入念な劣化調査のもと、 ベランダの防水の貼りなおしをしました。

まとめ

ベランダの防水加工の耐用年数は約5〜15年です。可能であれば、5年おきにメンテナンスを行うことをオススメします。ベランダの防水は使用する素材の種類が豊富なため、業者を通して相談するとよいでしょう。

ベランダ防水の費用相場

リフォマに寄せられた事例や独自の調査をもとにした ベランダ防水 を行う場合の概算費用です。

アスファルト防水(10平米)
50,000円〜80,000円
FRP防水(10平米)
50,000円〜70,000円
シート防水(10平米)
40,000円〜80,000円
ウレタン防水(10平米)
45,000円〜70,000円

まずは相談から

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ベランダ防水のお役立ちコラム

Q.ベランダ防水をすることで得られる恩恵って?

ベランダに防水処理をしないままでいると、雨水がそのまま家の中へ入っていってしまうことになります。コンクリートなどのひび割れから入ってしまい、家の中の木などを腐らせてしまう危険性があるのです。

また、木が腐った状態でそのまま放置していると、最後には天井板にシミが出来て雨漏りがする住宅に鳴ってしまいます。しかし、ベランダにしっかりと防水処理をしておくことで、水が住宅の中に入るようなこともありませんし、住宅の中の木を腐らせることもないので、住宅を長く維持していくことが出来るのです。 ベランダ防水することで得られる恩恵はとても大きなものがあります。

監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。