ご自分の家族が浴室内の歩行や、浴槽に出入りすることが難しくなった場合は、入浴用の「介護リフト」の設置を検討してみましょう。
介護リフトは、高齢者や体の不自由な方を乗せて、浴槽への出入りをサポートする機器で、設置が簡単なものから工事が必要なものなど様々な種類があります。 ご自宅の浴室の状況や介助を必要とする人の状態に応じて、適切なものを選ぶことが大切です。
入浴用の介護リフトを設置するメリット
高齢者の入浴時に介護リフトを活用することで、入浴する方はもちろんのこと、介助者にも多くのメリットがあります。
主なメリットとしては次の3つが挙げられます。
- 入浴する人の負担が軽減される
- 入浴時の事故を防止できる
- 介助者の負担が軽減される
入浴時は身体を洗ったり、浴槽をまたぐなど、筋力や体力の衰えた高齢者や障害のあるに方とっては、肉体的に負担になる動作を伴います。 介護リフトを使用することで、入浴する人の動作をサポートし、負担を軽減させることができます。
また、浴室の床は水などが付着しているので、滑りやすく転倒してしまう危険性が高い場所です。他にも、血圧の急激な変化(ヒートショック)により体調が急変することも多く、浴槽内で溺死してしまう事故も起こりえます。
介護リフトは安全に浴槽まで移動できるため、特に高齢者の方に起こりやすい、浴室内での事故を軽減につながります。
さらに、足元が滑りやすい浴室での介助は、入浴者の体を支えたりと、とても重労働になることが懸念されます。 入浴用の介護リフトがあれば、入浴者のサポートが楽に行えるため、介助者の肉低的な負担を軽減させることができるのは、大きなメリットといえます。
入浴用の介護リフトを設置する費用
入浴用介護リフトを設置する費用は、リフトの種類(電動、手動)や、シートのサイズにより、変わってきます。 リフト本体の価格に加え、「リフトの吊り具」の費用や設置費用(設置方法などによって異なります)が別途必要です。
その他に、シートを浴槽底におろしたときに、姿勢保持に役立つ「背当てボード」などの設備を設置する場合は、その分だけ費用がかかります。
導入する費用は、30万円~50万円程度を目安にしておくと良いでしょう。
入浴用の介護リフトは介護保険でレンタルもできる
入浴用の介護リフトをはじめ、入浴用補助用具(浴槽の手すりなど)、腰掛便座などの福祉用具は「特定福祉用具」となり、介護保険で購入もしくは、レンタルができます。
お住まいの自治体の窓口で、要介護認定を受けて、「要支援、要介護」と認定されていることが条件となりますので、該当する方は積極的に利用されてみると良いでしょう。
これらの用具を購入したり、レンタルする際は、1年間の利用限度額が10万円(税込)と定められているので注意してください。 さらに、要介護の方は利用できない、要支援が2以上の方が利用できるなど区分ごとに定められているため、ご家族の認定区分と利用額についても事前に確認しておくと安心です。
市区町村の許可下りれば、購入費の9割を払い戻してもらえるので、利用者は実質1割負担で商品を購入(レンタル)することができます。
(※一定以上の所得がある方は、2割負担になることがあります。)
ただし、介護保険給付の対象になっている特定福祉用具でも、お住まいの都道府県の指定を受けていない業者から購入(レンタル)した場合は、対象外になってしまうので注意してください。対象外となってしまうと、全額自己負担となりますので、あらかじめ指定業者を確認しておくことが大切です。
入浴用の介護リフトの種類
入浴用介護リフトは、バスリフト(電動、手動)と、吊り上げ式の3種類があります。 各リフトの特徴について、簡単にご紹介しますので、ご自宅の浴室に設置が可能で、なおかつ利用者の状態に応じたものを選んでください。
バスリフト 電動
出典:TOTO
電動式のバスリフトは、浴槽に設置したシートが電動で昇降するので、入浴介助の際、介助者の負担を軽減します。
また、入浴する人も座ったまま入浴することができ、膝や腰へ負担がかからず安心です。
電源は充電式電池ですので、大掛かりな電気工事は必要ありません。
バスリフト 手動
出典:精工技研株式会社
手動式のバスリフトは、全ての操作を手動で行います。浴室の壁面に取付けたレールに沿って、リフトを浴槽内まで移動させます。 ハンドルを回しながら、リフトを移動させるため、電動式に比べると多少の負担があります。
そうはいっても電気を使用しないので、感電や漏電の心配がなく安全に入浴することができます。
吊り上げ式
出典:株式会社モリト―
吊り上げ式は、床や壁にネジ、クギを使用することなく、簡単に組み立てることができます。リフトのアームやモーターは、取り外しができるので、家族の方が入浴する際にも邪魔になりません。脱衣所から浴室まで移動することが可能で、狭い入り口からの出入りもスムーズにできます。
操作は、リモコンで行いますので、介助者の肉体的負担も軽減されます。
ただし、他のリフトに比べて揺れなどが起こりやすく、入浴者が恐怖感を覚えることがあります。
入浴用の介護リフトの選び方のポイント
最後に、入浴用の介護リフトを選ぶ際に、押さえておくべきポイントについてご紹介します。 次の2つのポイントを踏まえておくと、介助者にとってはより良い入浴になり、被介助者にとっては介助が楽になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
利用する方の状況に合わせて選ぶ
入浴用介護リフトを選ぶ際には、利用する人の状況に合わせて適切なものを選び設置することが大切です。
例えば、下半身にまひの症状がある方と、上半身に障害がある方では、入浴時に必要な設備や器具が異なってきます。 1人1人の症状に応じて、快適に入浴が行えるように配慮しなければなりません。
ご自宅の浴室に設置できるものを選ぶ
浴室の広さや、浴槽の形状、大きさ、深さなどは各ご家庭で様々ですよね。
そのため、入浴用介護リフトはご自宅の浴室に合ったものを選ばなくてはいけません。
在来工法浴室やユニットバスなど、浴室のタイプで設置できるものが限られてしまったり、導入するリフトの種類によっては簡単な工事が必要になることがあります。 設置前に必ず専門の業者に浴室の環境をチェックしてもらってください。 そうすることで、ご自宅の浴室に最適な機種や設置方法を提案してもらえます。
また、入浴用介護リフトを扱うメーカーがショールームに機器を展示していれば、使いやすさなどを実際に使用して確認できますので、体験してみるのも良いでしょう。
まとめ
入浴用の介護リフトをご自宅の浴室に設置すると、介助者は肉体的な負担が軽減され、被介助者にとっても安全な姿勢を保ちながら入浴することができるため、ストレスなく入浴することができます。
機器の導入は介護保険を利用すると、1割~2割負担で購入およびレンタルが可能です。ただし、利用者の身体の状況やご自宅によって浴室は様々ですので、設置ができて適切なタイプのものを選んでください。
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