2018年9月10日

賃貸物件でもできる遮音対策と業者に依頼した際の費用相場をご紹介

賃貸物件で暮らす場合に気になるのが、近隣の騒音や自分たちの出す音ですよね。アパートやマンションでは壁が薄いと、隣の声が聞こえてしまうなんてこともありますし、子どもが走り回る音が階下に響いてしまうのではないかと不安になる方もいるかと思います。ここでは、騒音に悩んでいる方たちのために、賃貸物件でもできる遮音対策と業者に依頼した費用についてご紹介しています。

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遮音性が高い物件の構造とは?

防音

騒音が気になるという方は、遮音性の高い物件を選ぶことから始めましょう。後ほど遮音対策についてご紹介しますが、それらの対策よりも根本的に音に強い物件であることのほうが重要です。

ここではまず、どのような構造の物件が高い遮音性を持っているのかについて説明します。

アパートやマンションの構造は、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート(RC造・SRC造)などがありますが、遮音性の高い順に並べると下記のようになります。

  1. 鉄筋コンクリート(RC造・SRC造)
  2. 鉄骨
  3. 木造

アパートに多い木造が最も遮音性が低く、大型のマンションに使われる鉄筋コンクリートが最も遮音性が高くなります。また、鉄骨には軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類がありますが、遮音性が高いのは重量鉄骨で、軽量鉄骨は遮音性が低いとされています。

ただし、これは骨組みの部分だけの話で、実際には軽量鉄骨でもかなり静かな物件もありますし、鉄筋コンクリートでも足音をうるさく感じることがあります。これは壁の厚みや天井裏の構造なども影響するためです。

鉄筋コンクリートだから遮音性が高いといったように、最初から決めつけないように注意してください。あくまでも傾向としてこのような順番になっているのですが、木造だけはどうしても遮音性は低くなりますので、音に敏感な方は避けるほうが無難でしょう。

騒音トラブルにならないように気をつけること

どんなに条件のいい物件でも、騒音トラブルがあったのでは快適な生活を送ることが難しくなります。このため、物件選びの段階で騒音トラブルになりそうな要因はできるだけ排除し、借りた後にもきちんと対策をしておきたいところです。

ここでは、騒音トラブルに合わないために気をつけるべきポイントについて、借りる前と借りた後に分けてご紹介します。

借りる前

借りる前に調べておきたいポイントは3つあります。

  • 建物の壁の厚み
  • 近隣住人の家族構成
  • 近隣でのペットの有無

まず、建物の壁の厚みを不動産業者に確認しておきましょう。いくら鉄筋コンクリートで作られたマンションでも壁が薄い場合には、トラックや電車などの騒音が部屋の中にまで届いてしまいます。理想は壁の厚みが200mm以上の物件を選ぶようにしてください。

また、部屋の隣や上下にどのような人が住んでいるかも確認しておきましょう。小さなお子さんのいる家庭では、どうしても足音が階下に響いてしまいます。赤ちゃんがいれば泣き声も響きますし、ピアノなどの楽器の音も気になるかと思います。

さらに、ペットの有無も静かな生活を送るためには重要です。犬は早朝や深夜でも吠えることがありますし、鶏などを飼っている場合には早朝の鳴き声で悩まされることになります。これらは近隣の住人に確認するのが1番ですが、難しいようでしたら不動産業者や管理人さんに確認してみましょう。

借りた後

慎重に物件選びをしても、実際に生活をして気づく騒音などがありますし、自分の家族が騒音源になってしまう可能性もあります。トラブルにならないように下記の点に気をつけてください。

  • 引っ越しの挨拶を行う
  • 十分な遮音対策を行う

騒音トラブルにならないようにするために重要なのは、やはり引っ越しをしてきたときの挨拶です。どこの誰か分からない状態で生活するのは、お互いにとってストレスになりますし、生活音がうるさいということでも苦情を言われることもあります。

顔見知りになることにより、普段から挨拶するくらいの関係になっていれば、多少の生活音はお互い様としてトラブルになる確率が下がります。ただし、それでも限度というものがありますので、十分な遮音対策は行いましょう。

具体的にどのような対策をすればいいのかについては次章で詳しく説明します。

賃貸できる遮音対策

戸建てや購入しているマンションであれば防音リフォームなどが可能ですが、賃貸物件の場合は壁や天井、床などに加工ができません。このためできる遮音対策は限られてしまいますが、対策をするのとしないのとでは大違いです。

ここでは、賃貸物件でもできる簡単な遮音対策についてご紹介します。

カーテンを設置する

賃貸物件でカーテンを使っていない家はないかと思いますが、ほとんどの家ではデザイン優先で選んでいるのではないでしょうか。しかし、遮音対策を行うのであれば、遮音カーテン(防音カーテン)の中から選ぶようにしましょう。

外からの騒音のほとんどは窓から入ってきます。この騒音をカーテンでシャットダウンすると思われがちですが、残念ながら車の音などの騒音は遮音カーテンでは防ぐことができません。それなら普通のカーテンでいいじゃないかと思われそうですが、もちろん効果がゼロなわけではありません。

遮音カーテンは外からの音を防ぐのではなく、室内の音を外に出さないという効果があります。楽器を演奏したり、吠える犬などを飼っていたりする場合には、音が外に漏れにくく近所迷惑にならないという効果がありますので、できるだけ遮音カーテンを使うようにしましょう。

音が漏れないようにする

遮音カーテンが音漏れには効果的ですが、これだけでは全ての音漏れをふせぐことは出来ません。音の発生を防ぎ、音が漏れないようにするために次のような対策を行ってください。

  • 窓やドアの隙間を防音テープでふさぐ
  • 壁に遮音シートを貼り付ける
  • 防音マットや防音カーペットを敷く

音漏れに関しては、まずは隙間をなくすことが重要です。音は建物の振動と空気の振動で伝わりますので、穴をふさげば少なくとも空気の振動での騒音を防ぐことができます。ホームセンターで売られているような防音テープで構いませんので、窓とドアの隙間を埋めてしまいましょう。

他にも、壁面に遮音シートを貼るのも有効です。賃貸物件でも後から簡単にはがせるように両面テープを使って貼り付けておけば、壁面からの音の出入りをある程度遮断してくれます。見た目が気になる方は上からもう1枚壁紙を貼ってください。

すでに床面がクッションフロアになっていれば特別な対策はいりませんが、フローリングになっている物件では、歩く音が階下に伝わってしまう可能性があります。よく歩く場所だけでも防音マット防音カーペットを敷いて、足音がダイレクトに伝わらないようにしてください。

耳栓をする

外部からの音を防ぐだけでしたら、古典的ですが耳栓をするのは非常にも有効な方法です。何よりも低予算で静かな空間を作ることができますので、1人暮らしであればとてもおすすめのアイテムのひとつです。

そうはいっても、電話の着信音なども聞こえなくなりますので、常時使用には適していません。外からの音がうるさくて困っているときにだけ使うようにしましょう。

壁に家具を置く

意外と効果的なのが、壁面に家具を置くという方法です。本棚やタンスといった背の高い家具は、音を吸収してくれます。実質的に壁が厚くなったようなものですので、かなりの音を防ぐことが可能です。

ポイントは壁から1センチくらい離して設置するということです。空気の層を作ることで、遮音性をより高めることができます。

賃貸の遮音対策にかかる費用

防音

遮音対策はいくつもの方法がありますが、気になるのはいくら必要になるのかということですよね。部屋のリフォームが難しい賃貸で遮音対策を行うと、どれくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。

ピアノの防音対策

持ち家や自分のマンションの場合は、部屋をひとつ完全防音にリフォームするのが理想ですが、賃貸物件の場合には勝手にリフォームできませんので、ピアノなどの楽器の防音対策をする方法としては、組み立て式の防音ボックスを設置することになります。

防音ボックス設置:50万~300万円

ボックスの大きさにもよりますが、1~2畳程度であれば100万円程度の予算で防音ボックスを設置できます。市販されていますので入手性も高く、防音効果も優れています。賃貸物件でピアノなどの楽器の騒音を防ぎたい場合は、防音ボックスを設置してみましょう。

ペットの鳴き声対策

ペットの鳴き声対策は、先程ご紹介しましたように遮音カーテンと遮音シートの組み合わせが適しています。遮音カーテンと遮音シートの導入にかかる費用は下記のようになります。

遮音カーテン(丈81~100cm):1万~4万円
遮音カーテン(丈161~180cm):2万~6万円
遮音シート:300~1000円/m

遮音カーテンには1枚数千円で売られているものがありますが、値段が安いものほど遮音性は高くありませんので、あまりおすすめできません。きちんと遮音効果が明示されているものを選びましょう。

子どもの足音対策

お子さんの足音対策には防音性のある床材に張り替えるのが1番ですが、賃貸ですとそうもいきませんよね。賃貸物件の場合は、防音マットや防音カーペットを床に敷き詰めることになります。種類としては、低反発素材カーペットタイルカーペットコルクマットなどが該当します。

低反発素材カーペット:4,000~11,000円/㎡
タイルカーペット:800~5,000円/㎡
コルクマット:400~1,200円/㎡

これらのカーペットやマットは転倒時のケガ防止にもなりますので、小さなお子さんのいる家庭では、遮音対策と転倒時のケガ防止のためにも、ぜひ導入しておきましょう。

賃貸で遮音工事をするときの注意点

本格的な遮音工事と比べると、簡易的なものはその効果も限定的です。もっと高い遮音性を求めるのであれば、やはりきちんと遮音工事をしたいところです。

そうはいっても、賃貸物件の場合は遮音工事を行う際にいくつかの注意点があります。最後にその注意点について説明しておきます。

貸主に許可を取る

賃貸物件の場合は、大家さんに黙って工事するのは絶対にダメだということを覚えておきましょう。後で戻せばいいと思っている方もいるかもしれませんが、遮音工事くらいの大規模なリフォームになると、建物の強度などにも影響が出る可能性がありますし、工事中に発生する騒音も問題になります。

家の持ち主は貸主である大家さんや管理会社ですので、遮音工事を行うときには必ず相談をして許可を得るようにしてください。勝手に工事をした場合は、賃貸物件から追い出されることもありますので、十分に気をつけてください。

退出時の原状回復

仮に大家さんや管理会社が工事の許可してくれても、原則として退出時には原状回復しなくてはいけません。遮音性を高めたのだから、わざわざ元に戻す必要はないじゃないかと思うかもしれませんが、賃貸契約をするときに原状回復を約束しているはずです。

元に戻すための費用を支払う必要がありますし、後からトラブルになることも多いため、工事の許可を取るときには原状回復についての取り決めを行って、必ず書面に残しておきましょう。

まとめ

騒音は生活を乱す原因になりますので、外からの音はできるだけ遮断したいですし、自分の生活音が近所の人たちに迷惑をかけないようにしたいところですよね。賃貸物件の場合には、ご自身でできることは限られてしまいますが、気になる方は業者に依頼して対応してもらいましょう。

ただし、あまりに神経質になりすぎるとストレスが溜まっていきますので、賃貸物件の場合は完全な遮音を目指すのではなく、どこかで折り合いをつけるようにしてください。

また、鉄筋コンクリートなどの遮音性の高い物件を選び、ここで紹介した対策を施せばほとんど騒音は大幅に解消されるはずです。しっかりと対策を行って、騒音ストレスのない生活を目指しましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。