防音ドアの特長
音は振動によって伝わります。空気の振動によって建物の中に入ってきますので、音を防ぐためには空気を完全に切り離し、構造物が振動しないことが重要です。このため、防音ドアと呼ばれるものは、室内と室外の空気がつながらないように、その隙間をできるだけなくしています。
普通のドアでも隙間がないと思っている方が多いようですが、家のドアをよく見るとドアと床の間に隙間があったり、ドア枠とドアが完全に密着していないことがあります。音は僅かな隙間からでも伝わってしまうので、普通のドアで防音はかなり難しいといえます。
防音ドアは隙間をなくすために、ゴムパッキンを使用しています。それでも100%の防音はできませんが、隙間をきちんとふさぐことができれば、近隣から苦情が来ることはなくなります。
防音ドアは安いもので5万円程度からあります。これくらいの価格帯のものは簡易防音ドアで、音を減らすことはできるものの、減衰は30dB程度しかありません。ピアノの演奏などは100dBくらいの音が出ますので、簡易防音ドアでは70dBまで減衰できますが、これではまだ「うるさい」の範疇に入ってしまいます。
しっかりした防音ドアが必要な場合は、20~30万円くらいの製品を利用しましょう。さらに取付工賃もかかりますが、騒音問題で近所の人たちとトラブルになりたくないのであれば、しっりかと防音してくれるものを選ぶことが大切です。
どんな防音ドアがよいのか
それでは実際に防音ドアを選ぶときの基準についてご紹介します。防音ドアにはどのようなドアを選ぶべきなのかを見ていきましょう。
引き戸にしない
防音ドアの基本は開き戸です。パッキンを潰すことで音が広範囲に広がることを防ぎますので、ドアとドア枠の間にあるパッキンを潰すには開き戸の構造でなければいけません。とはいえ引き戸でも防音ドアが売られています。
カタログ上はしっかりと減衰できるとなっていますので、それを信じて購入する方もいますが、引き戸では物理的に隙間を防ぐのが難しいという問題があります。1年程度は防音効果が続くかもしれませんが、その後は徐々に隙間が広がって、音漏れなども発生することがあります。
引き戸で防音できるのは生活音くらいだと考えてください。音楽の演奏などは音が漏れてします可能性がありますので、どうしても引き戸でないといけない理由がない限り、開き戸のドアを選びましょう。
厚い素材にする
せっかくきれいに隙間を埋めても、ドアそのものが音によって振動してしまっては意味がありません。このため防音ドアは振動しないように重くて厚い必要があります。
カラオケルームのドアを開閉する際、重さが気になったことのある方もいると思いますが、本格的な防音をするにはそれと同等の重量感が求められます。
簡易的な防音ドアをおすすめ理由が、ドアに厚みや重さがない構造になっているためです。隙間は埋めていてもドアそのものは普通の製品ですので、日常会話くらいなら漏れないようにできますが、演奏の音漏れまでは防ぎきれません。
ドアハンドルを工夫する
音漏れを防ぐために開き戸にして、しっかりとパッキンをつけてもドアハンドルが通常のものですと、パッキンを潰し切ることができません。このため、完全な防音を目指すのであれば、ドアハンドルにもこだわりましょう。
ドアハンドルは、カラオケルームなどでも使われているグレモンハンドがおすすめです。とても気密性が高く、ドアをしっかりと固定してくれますので、防音性能を高くしたい場合はドアと合わせて導入しましょう。
防音ドアの設置効果は?
防音ドアには先程ご紹介したように、簡易的なものから本格的なものまで幅広くラインナップされています。これらのドアの設置効果がどれくらいあるのかを見ていきましょう。
簡易防音ドア:-30dB
音楽用防音ドア:-55dB
音の周波数によって正確な減衰量は変わってきますが、簡易防音ドアでは30dB、音楽用防音ドアなら55dBくらいの設置効果があります。簡単に説明しましたが、簡易防音ドアでは30dBしか減衰できませんのでピアノなどの演奏音が騒音として外に出てしまいます。
ところが、音楽用防音ドアなら55dBも減衰できますので、騒音は45dBまで下がり日常生活で好ましいとされる音にまで下げることができます。もちろん、それだけ音楽用の防音ドアは価格が高いため、楽器の演奏をしないのであれば、オーバースペックになってしまいます。
テレビやオーディオの音などを抑えたいだけなら簡易防音ドアで十分ですので、どのような音を防音したいのかを考えて、そのうえで最適な防音ドアを選定しましょう。
防音ドアの種類
防音ドアといっても、特別な部品が使われているわけではなく、基本的にはドア本体とドア枠、ハンドル、そしてパッキンの4つから構成されます。
このうちドア本体とハンドルはいくつかある種類の中から選べますので、どのような種類があるのかをご紹介します。
ドア本体
- スチール製防音ドア
- 木製防音ドア
- スチール製スライドドア
最も防音性が高いのはスチール製防音ドアです。ドアに重さがありますので、振動しにくいため2000Hzで55dBも減衰できるものもあります。木製防音ドアは防音性がやや劣りますが、デザイン性がとても高いという特長があります。
またスライドドアタイプの防音ドアもありますが、防音構造が複雑になるため、簡易防音ドアでも通常の防音ドアと同じくらいの値段になり、音楽用になると100万円以上するものもあります。とても割高になりますので、予算に余裕がない場合には開き戸を選びましょう。
ハンドル
- ローラー締りハンドル
- グレモンハンドル
簡易防音ドアの場合には、通常のドアと同じハンドルが使われていますが、音楽用の防音ドアの場合には、標準でローラー締りハンドルが採用されているケースがほとんどです。ドアと枠を締め付けることで、通常のドアのように振動で動くことがなく、高い気密性を保つことができます。
防音ドアによってはローラー締りハンドルではなく、グレモンハンドルを採用しているケースもあります。グレモンハンドルは多点締めができるハンドルで、より高い気密性を持たせることができます。
騒音はどうしてと家の中に入ってくるのか
自分の家からの騒音を防ぐために防音を行うのとは反対に、自分の家に入ってくる騒音もあります。これらの音に対しても防音ドアは有効なのでしょうか?残念ながら防音ドアでは外からの騒音を防ぐことはできません。
すでにご紹介しましたように、音は振動によって伝わってきます。このため外の音のほとんどは、窓から空気を伝わって入ってきます。窓をしっかり締めているつもりでも、窓の構造上どうしても隙間ができてしまいます。この隙間を通じて騒音は家の中に入ってきます。
このため、いくら防音ドアを付けても外の音を防ぐことはできません。もちろん家の中で出た音も窓から出ていきますので、外の騒音を減らしたい場合も、家の中で演奏をする場合も防音対策をした窓を設置する必要があります。
防音ドアを取り付ける部屋に窓がある場合には、合わせて防音できるサッシに交換してください。防音カーテンなども売られていますが、騒音の侵入に対してはほとんど効果はありません。二重サッシにするなどの対策をして、音が出入りしないように対策を行っておきましょう。
防音ドアを取り付けるときの注意点
防音ドアを取り付けるときにはいくつかの注意点があります。どのような点に気をつけて設置するべきなのか見ていきましょう。
賃貸物件の場合
いくら近隣の迷惑にならないようにするためとはいえ、賃貸物件の場合は勝手に防音ドアに交換することはできません。賃貸物件の場合は、その部屋を借りているだけであって、持ち主は大家さんです。このため、防音ドアにしたい場合には大家さんの許可が必要です。
仮に許可がおりても、退去時には元のドアに戻さなくてはいけない可能性もあります。もし交換がOKとなったときには、退去時の原状回復について確認しておきましょう。元に戻さなくてはいけない場合は、元のドアを保管しておかなくてはいけませんので、気をつけてください。
もし最初から楽器の練習などをするつもりであれば、防音性能が高い部屋や、防音室がついている部屋を借りるようにしましょう。音大の近くであれば、そのような物件が見つけやすいので、音大近くの不動産業者に相談してみてください。
デザインとの兼ね合い
防音ドアはそれほどバリエーションが豊富なわけではありません。金属製のドアの場合にはどうしても無機質なものになってしまいますし、木製にすると防音性が下がります。デザイン性を重視するのか、それとも防音性を重視するのかによって選び分けしてください。
また、既存のドアを取り外せないというケースでは、2重にドアを付けることになります。この場合は、既存のドアと雰囲気を合わせないと見た目がおかしなことになってしまいます。既存のドアが木製だった場合には、追加する防音ドアも木製のものを選ぶようにしましょう。
まとめ
楽器の音や生活音が原因で、近所の人たちとトラブルになることがよくあります。大きな音が出ると分かっているなら、きちんと防音対策をして家から音が漏れないようにしたいところですよね。そのためのアイテムのひとつが防音ドアです。
防音ドアを設置することで30~55dBくらい騒音を減衰させることができますので、自分の出す音の大きさに合わせて防音ドアを選定しましょう。テレビやオーディオの音が漏れないようにするのであれば簡易防音ドアで十分ですが、楽器を鳴らす場合には音楽用の防音ドアが必要です。
また、ドアだけを防音にしても意味がありませんので、部屋全体を防音対策を行い、窓がある場合には専用の二重サッシにするなどして、トータルで音漏れしないように気をつけてください。防音工事をしたあとには、本当に音が漏れていないか近所の人に確認しておきましょう。
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