2018年9月21日

賃貸物件の壁でも防音工事ができる! 費用相場と騒音対策をご紹介

交通の便を考えて駅近くにマンションやアパートを借りたら、電車の音がうるさくてしっかり眠れなくなった経験のある方は多いのではないでしょうか。そうはいっても、賃貸物件ですと防音対策をしたくても、勝手にリフォームができません。ただ、賃貸物件でも行える防音対策がありますので、騒音を少しでも抑えるための方法とそれにかかる費用についてご紹介します。

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賃貸で響きやすい騒音とは

賃貸 防水工事

賃貸物件の防音対策をご紹介する前に、まずはどのような騒音が気になるのかについて説明します。それらの騒音がどのように伝わってくるのかを知っておけば、対策も立てやすくなります。自分が悩まされている騒音について、なぜそれらがうるさく感じるのかを確認しておきましょう。

マンションなどで起こる騒音

マンションやアパートなどの賃貸物件ではたくさんの家族が暮らしています。小さなアパートでも4世帯はありますし、大型のマンションであれば何十世帯も暮らしていますので、人がそこで生活をしている以上はどうしても音が出てしまいます。

  • ドアや窓の開閉音
  • 共有スペースでの会話
  • 周りの部屋からの音漏れ
  • 共有スペースの廊下を歩く音
  • 上の階から伝わってくる足音

これらが、マンションやアパートで発生する代表的な騒音です。上の階から伝わってくる足音以外は、すべて空気を伝わって自分の居住空間に入ってきます。この場合は、発生した音が窓や換気扇などの隙間を伝わって聞こえてくるケースと、空気の振動が壁を揺らすことで伝わってくるケースが考えられます。

上の階の足音は、物理的に床を叩くことによって発生しています。会話などは「音源→空気→壁→空気→人」と伝わるため、途中で減衰しながら音が徐々に小さくなるのに対して、足音は「音源(床)→空気→人」と空気での伝播が1回少ない分だけ、より大きな音として階下に伝わってしまいます。

外から入ってくる騒音

マンションやアパートの周辺に線路や大きな道路がある場合には、マンションの外から騒音として入ってきます。これらは基本的には会話やドアの開閉音と同じように空気によって伝わってきますが、道路や線路に近い場合には個体の振動による騒音も発生します。

賃貸の壁でできる防音対策

賃貸物件の場合には、基本的には物件に手を加えることができませんので防音対策としてできることも限られています。まず知っておいてもらいたいのは賃貸物件で対策が可能なのは、空気を伝わってくる騒音だけです。個体の振動による騒音はどうしても避けられません。

このため、ここでは空気を伝わって入ってくる騒音に対する防音対策をご紹介します。

遮音シートを壁に貼る

手軽にできる防音対策のひとつが遮音シートです。その名前の通り、音を遮るシートでとても薄く加工した樹脂で作られています。音を通しにくいシートですが、音を吸収するのではなく反射させます。このため、反射させた音を吸音材で吸収させる必要があります。

使い方としては壁に吸音材を貼り、その上に遮音シートを貼ります。遮音シートを直接壁に貼り付けても、壁の振動を抑えることができないので、外からの騒音を防ぐことはできません。

「壁|空気(吸音材)|遮音シート」という位置関係にして、空気層の中に音を閉じ込めるようにして使いましょう。

ただし、この使い方ではご自身の部屋の音が反響してしまいますので、室内の音が気になる場合には、遮音シートの上からもう1度吸音材を貼る必要があります。

吸音材を壁に貼る

吸音材は音を吸収する素材です。グラスウールやフェルトなどの柔らかい素材を使い、音を吸音材内部で反射させることで熱エネルギーに変換して吸収します。

吸音材は単体で壁に貼っても効果がありません。吸音材は空気振動を吸収するものですので、建物の壁の振動は吸収できないため、遮音シートと組み合わせて使用します。

家具の配置を変える

音は何かにぶつかると減衰します。このため、隣の部屋のテレビ音や会話がうるさいと感じた場合には、その面に家具を置いてしまえば伝わってくる音を小さくすることができます。ここでも重要になってくるのが、壁の振動を空気振動に変えるということです。

家具をべったりと壁につけるのではなく1センチ程度の空気層を作って配置しておけば、家具が音を吸収して、防音効果が高まります。

遮音と吸音は防音と何が違うのか

ここまでの説明で遮音と吸音、そして防音と3つの単語が出てきました。どれも似たような言葉ですので混同して使ってしまうことがよくありますが、それぞれ意味が異なります。

防音工事を業者に依頼するときなどに、それぞれの使い分けをしておかないと、依頼した業者と話が食い違うことがありますので、それぞれの意味をしっかり理解しておきましょう。

まず遮音ですが、光に対する鏡のようなもので、入ってきた音をそのまま跳ね返します。このため遮音材で室内を囲ってしまうと、室内で発生した音は反響して、いつまでも騒音として残ります。

次に吸音ですが、吸音材の項目でも説明しましたが、無数に穴の空いている素材に音を通すことで、音を熱エネルギーに変換します。この遮音と吸音を合わせて行うのが防音です。

防音は字の通りに音を防ぐという意味ですので、室内で発生した音が外に漏れるのを防ぎ、外で発生した音が室内に入ってくるのを防ぐことを言います。

業者に防音工事を依頼することもできる

賃貸物件の防音工事は、DIYで修復可能な範囲でしかできないと思っている人も多いようですが、実は専門の業者に依頼することも可能です。もちろんできることは限られていますが、防音対策を得意としてる業者であれば問題なく対応してもらえます。

業者に依頼する最大のメリットは、騒音の原因を突き止めて、それを防ぐための最適な方法を提案してもらえるということです。DIYで行えるのは遮音と吸音、そして家具のレイアウト変更くらいですが、専門業者なら専門の道具を使用してより効果的に防音してくれます。

ご自身で判断して防音対策をした結果、ほとんど効果がなかったということもあり得ますが、業者に依頼することで確実に音を防ぐことができます。ただし、賃貸物件ではできることに制限がありますので、「それはできません」と断られることもあります。

理由も含めてきちんと説明をしてもらえますので、気持ちの部分ではすっきりすると思います。防ぐことのできない騒音で悩まされているのであれば、引っ越しも視野に入れることできますが、ご自身で対策をしても上手くいかないことがあります。

現状把握をしてもらい、最適な防音対策を提案してもらえるという点だけでも、業者に依頼する意味はあるのではないでしょうか。

防音工事をした際の費用はいくら?

実際に業者に防音工事を依頼しようとしたときに気になるのは、いくら費用がかかるかということですよね。防音工事の費用は、部屋の大きさなどによって変わってきますが、おおよその相場は次のようになります。

壁に吸音材と遮音シートを入れる:18万~30万円
防音換気口に変える:2万~5万円
防音窓ガラスにする:5万~15万円
内窓を付ける:7万~15万円

すべての工事を行うと50万円ほどかかってしまいますので、防音工事するにもまとまったお金が必要になりますが、それでも上の階の足音、道路や線路からの振動などすべての騒音を防ぐことはできません。

そうはいっても、何もしないよりは快適な空間を手に入れることができますし、もっと簡易的な防音工事を提案してくれる業者もあります。騒音で悩まされているのであれば、まずは防音工事を得意とする業者に相談してみてください。

そのときに予算を伝えておけば、その範囲でできることを提案してもらえます。その結果、どれくらいの防音ができるのかも教えてもらえますので、費用対効果を考えて工事を行うかどうかを決めるようにしましょう。

賃貸で防音工事をするときの注意点

賃貸物件で防音工事をするときに気をつけたいのは、退去時の原状回復です。どんな賃貸物件も、原則として借りた時の状態に戻さなくてはいけません。このため、せっかく防音工事をしても、退去するときにそれらをすべて撤去しなくてはいけません。

防音工事をするのは、建物がきちんと防音されてないからであって自分に責任はないと言いたくなるかもしれませんが、原状回復の義務は契約書にも書かれています。このため、防音工事は退去時の原状回復を意識して行う必要があります。

どこまでが原状回復なのかトラブルになるケースが多いので、防音工事をする前に大家さんと話をすることから始めましょう。まずは、防音対策をして欲しいとお願いをして、認められなかった場合に防音工事の許可をもらうことをおすすめてします。

原状回復についての取り決めは、できれば施工業者などの第三者と一緒に行ってください。もちろん口頭で決めるのではなく、書面に残しておきましょう。そうすることで、退去時のトラブルを回避することができます。

必ずしも防音工事の許可をもらえるとは限りません。不許可になってしまった場合でも、無許可で工事を進めないようにしてください。騒音に耐えられず、それでも防音工事も認められない場合は、自分でできる範囲の防音対策を行いましょう。

まとめ

マンションやアパートなどの集合住宅で悩ましい騒音問題。賃貸物件の場合はリフォームするわけにもいきませんので、防音対策をしたくてもできることには限度があります。それでも遮音シートと吸音材を使うことで、少しは快適な空間にすることが可能です。

しかし、賃貸物件の場合には退去時に原状回復が必要になりますので、それを意識した範囲内で防音対策を行いましょう。本格的な防音対策をしたい場合は、大家さんに相談したうえで、許可をもらってから専門業者に相談をしましょう。

相談するのは防音工事を専門に行なっている業者にすることが大切です。大手ハウスメーカーや工務店などに依頼しても、経験が少ないため賃貸物件の場合は断られる可能性があります。専門知識を持った業者に相談して、賃貸物件でできる範囲での提案をしてもらいましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。