床材で人気のタイルとは
タイルの定義について答えられる方がいるとしたら、それは建築関係の勉強をした人か、建築に関わる仕事をしている人かもしれません。大抵の方はタイルと聞いて何となくイメージはできても、タイルについてきちんと説明できないのではないでしょうか。
タイルは「薄板状の粘土焼成品」のことを言います。分かりやすく言えば、陶器製の薄板です。これは多くの方がイメージするタイルですよね。しかし、最近ではコンクリート、プラスチック、ガラスなどの薄板も広義のタイルとして名付けられています。
タイルの歴史は古く、紀元前2700年に建てられたエジプトのピラミッドの通路にもタイルが使用されています。日本に入ってきたのは6世紀のころと言われていて、当時も陶器製の薄板で、そのほとんどが四角形でした。
タイルは通常、1枚1枚手作業で接着剤やモルタルを使って固定するので、きれいに仕上げるには熟練の技術が要求されます。このため、一般的な床材よりもコストが高くなるのがタイルの特徴のひとつです。
タイルにするメリット・デメリットとは
床材をタイルにすると、お手入れが簡単になるというイメージがあるかもしれませんが、メリットはもっと多くあります。一方、デメリットもありますので、いいところばかり目を向けず、検討時にはデメリットを把握しておくことが大切です。
メリット
- 床に傷がつきにくい
- 掃除がしやすい
- 耐久性が高いため長く使える
- デザインが豊富
- 夏は足元が涼しくて気持ちいい
- 化学物質を使っていない
上記のようにメリットはかなりたくさんあります。基本的なタイルのメリットとしては、耐久性の高さが挙げられます。傷がつきにくく、メンテナンスをしなくても長く使えます。他にも、汚れも付着しにくくカビなども発生しません。
さらに水分を吸収しないため、常に乾いていて夏場は足元が涼しいというメリットもあります。化学物質を使っていませんので、裸足で歩いても問題ありません。
あとは、何と言ってもデザイン性の高さが、大きなメリットといえます。タイルそのもののデザインも豊富ですが、様々なカラーを組み合わせることが可能ですので、そのデザイン性は無限大です。あなただけのデザインに仕上げることができる、というのがタイルの魅力です。
デメリット
- 冬は足元が冷える
- 割れることもある
- 硬くて体に負担がかかりやすい
- 導入コストが高い
メリットは裏返すとそのままデメリットになってしまいます。夏涼しいということは、冬場は足元が寒くなってしまいます。
タイル仕上げした床では暖房器具が必須です。また、耐久性の高さはタイルの硬さから来ていますので、その上を歩くと足腰に負担がかかりますし、硬さゆえに重いものを落とすと割れてしまうこともあります。
そして、何よりも大きなデメリットは導入コストが高額になりやすいという点です。もちろんタイルならではの上質な仕上げが得られますし、メンテナンスフリーで寿命も長いことを考えれば、トータルではそれほど割高ではありません。
そうはいっても、やはり導入コストの高さが多くの方にとってネックになっているようです。
用途によって使用するタイルが異なる
タイルのデメリットを考えると、家の床をすべてタイルにするというのはあまり現実的ではありません。よりメリットを得られる箇所を、ピンポイントでタイル張りにするのが理想です。ただし、場所によってそれに適したタイルも違ってきます。
ここではタイル張りに適した場所と、どのようなタイルが適しているのかについてご紹介します。
家の床にタイルを敷く場合
家の床でタイルを敷くのに向いている場所は、トイレ・キッチン・お風呂場の3ヶ所です。勘のいい人はお気づきかと思いますが、すべて水を使う場所です。
もちろんリビングなどでも使えますが、面積が広いため予算が膨らんでしまいます。限られた予算の中でタイルを敷きたいのであれば、この3ヶ所に絞って施工してみましょう。
- トイレ
トイレの床をタイルにするときに重要なのが吸水性です。トイレのタイルには吸水性の低いものを選びましょう。
陶器のタイルは吸水性が高いだけでなく、汚れが染み込みやすく、さらに匂いもそのまま付着してしまいます。トイレのタイルには、せっ器タイルもしくは磁器タイルから選ぶのが無難です。
このいずれかであれば釉薬(ゆうやく)の有無は問いません。お手入れを水拭きでさっと終わらせたいのであれば釉薬ありで、ブラシできちんと洗いたいのであれば釉薬なしを選びましょう。お手入れのしやすさという点では、プラスチック製のPタイルもおすすめです。
- キッチン
キッチンの床タイルを選ぶときのポイントは、しっかりと水や油を弾いてくれることと、滑りにくいということです。
料理をしていると、常に水や油が床面に飛び散ります。このためトイレ同様に吸水性の高い陶器のタイルは適していません。また、料理中に滑ると危険ですので、釉薬を使ってツルツルにしているタイルもよくありません。見た目よりも実用性を重視してください。
実用性重視ならプラスチック製のPタイルがおすすめですが、デザイン面ではかなり満足度が下がってしまいます。せっ器タイルか磁器タイルを釉薬なしで使うのがおすすめです。
- お風呂場
お風呂は水を使う場所ですので、こちらもタイルが水を吸ってしまうとカビなどの原因になってしまいます。お風呂のタイルは吸水性が低く、なおかつ肌触りのいいものを選びましょう。ただし、常に水に濡れますので滑りにくいということも重要です。
滑りにくさだけを重視すると表面がザラザラしすぎて、足で触れたときの感覚があまり良くないものになりがちです。お風呂の床タイルは必ず現物で肌触りを確認して選びましょう。
庭にタイルを敷く場合
タイルはとても汎用性の高い床材ですので、内装だけでなく玄関周りや庭などにも使用している方が多いといわれています。割れにくいタイルであればカーポートなどにも利用できます。
タイルは色あせしないので、いつまでも美しさを維持できますし、雑草がはえる面積も減り、お庭のメンテナンスも簡単になります。
庭のタイルには滑りにくいものを選んでください。ときどき釉薬を使ったタイルを敷いている家がありますが、雨が降ったときに滑ってしまうため非常に危険です。また、夏場などは太陽の熱でかなり熱くなりますので、直射日光を浴びても温度が上がりにくいものを選びましょう。
まとめ
導入することで家の雰囲気が大きく変わるタイル。どこにでも使用できるため、内装はもちろんのこと玄関周りやお庭もタイルを敷くことができます。種類がとても多く、様々な組み合わせをすることで、自分好みの床に仕上げることもできます。
そんな魅力的なタイルですが、張り替えることでメリットばかりではなくデメリットも発生します。導入前にデメリットがご自身にとって許容範囲なのかよく考えておきましょう。
デメリットも把握した上で、それでもやっぱりタイルを敷きたいとなったら、業者に相談することから始めましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
まずは相談から