2018年9月21日

漆喰壁の補修にかかる費用相場はいくら? 漆喰について詳しくお教えします

自然素材の風合いが美しく、シックハウスなどの危険性もないことから家の壁を漆喰にしたという方は多いと思います。施工したばかりはもちろんきれいな状態ですが、漆喰といえども長く使っているとどうしても劣化してきます。そうなると補修が必要になってきますので、ここではそんな漆喰壁の補修にかかる費用相場と、漆喰の基本的な知識についてご紹介します。

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漆喰の特徴を知ろう

漆喰 補修

漆喰の補修についてご紹介する前に、そもそも漆喰がどのようなものなのかについて、その特徴を簡単に説明しておきます。

漆喰のメリットとして大きいのは、耐火性と*抗菌性*が挙げられます。漆喰は強アルカリ性ですので、ウイルスなどを消失させる効果があります。

漆喰の歴史は長く、縄文時代にはすでに使われていました。一般的に使われるようになったのは室町時代くらいからで、武家屋敷やお城の壁などに使われてました。それらで使用されていた理由は美しさもありますが、防火という意味合いが強かったと言われています。

漆喰は消石灰をベースに作られていますので、燃えることがありません。室町時代や江戸時代には火事の発生が多く、それらによって家やお城が萌えてしまうのを防ぐために漆喰を使って壁を仕上げたというわけです。

消石灰そのものでは塗り壁材としては使えませんが、糊や麻すさと混ぜることで粘り気を出し、その状態で壁に塗りつけます。

反対に、ひび割れしやすいというのと汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。漆喰自体は固まるととても硬くなるのですが、建物の揺れなどで力が加わることでひび割れのような状態になります。そのようなひび割れを完全に防ぐのは難しく、また白い壁は当然ながらちょっとした汚れも目立ってしまいます。

ちなみに漆喰に

調湿作用

があると言われていますが、これは土壁に使った場合だけです。コンパネに漆喰を塗っても調湿作用は期待できませんので気をつけてください。

ホルムアルデヒドなどの化学物質を含まないため、シックハウス症候群になりにくいという点は小さなお子さんのいる家庭では大きなメリットです。

漆喰の壁で起こりうる不具合

それでは実際に漆喰の壁に起こりやすい不具合と、その簡単な補修方法についてご紹介していきます。

①ひび割れ

漆喰はそもそもひび割れしやすいものですので、ちょっとした家の揺れなどでも簡単にひびが入ります。地震の後に確認してみたら、ひびだらけだったなんてことも珍しくありません。このひび割れは基本的に練った漆喰を塗って埋めることで直せます。

ただ、小さなひび割れであれば漆喰ではなくパテで埋めて、その上から塗装をすることでも直せます。手軽にできますので、DIYの場合はこちらのほうがおすすめです。

②穴

漆喰の壁にビス穴などを開けて使ってしまい、その後に部屋のレイアウト変更などでビス穴がそのまま残ることがよくあります。この場合もひび割れと同じように、練った漆喰を使って直します。小さな筆などで漆喰を使って穴をふさいでしまい、最後に軽く押し付ければ穴は分からなくなります。

DIYの場合は、穴埋め剤がホームセンターなどで売られていますので、それを使って補修しましょう。クロス用として売られていますが、漆喰にも利用できるものがあります。もちろんパテ埋めと塗装でも直すことは可能です。

③浮き

漆喰を塗った後に、下地の木材が収縮してしまったときに、漆喰が浮いてしまうことがあります。このような場合は、浮いた部分に澱粉糊を塗って壁に貼り付けます。そのためには、浮いている部分にカッターなどで穴を開けてください。

基本的には壁紙が浮いているような状態と変わりませんので、カットして糊を塗って壁に押しつければOKです。ただし、カットした部分が目立ちますので、その周辺はひび割れの補修と同じように練った漆喰で補修をして仕上げる必要があります。

④汚れ

汚れは壁紙のように染み込むことはありませんので、消しゴムメラミンスポンジでこすればきれいに落とすことができます。汚れの範囲が広い場合には、過炭酸ナトリウムや重曹を水で溶いたものを吹きつけて、数時間放置しておきましょう。汚れが浮いてきますので拭き取るだけできれいになります。

この方法で汚れが落ちない場合には、塗り直しを検討しましょう。費用はかかりますが、新築のときと同じ状態になります。ただし、漆喰はある程度の汚れであれば味になりますので、経年劣化による汚れはそのままにしておくという選択肢もあります。

漆喰の壁を補修するときの費用

漆喰の壁をきれいに補修するのには、専門の技術を持った業者に依頼するべきだとお伝えしましたが、そうなると気になるのが費用ですよね。漆喰壁の補修にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

漆喰の重ね塗り:3,500円/㎡~ 漆喰の塗り直し:5,000円/㎡~

漆喰のひび割れや穴などを重ね塗りで直す場合には1㎡あたり3,500円からで、既存の漆喰を取り除いてから塗り直す場合には1㎡あたり5,000円からが補修の相場です。ただし、小さなヒビであっても出張費などがかかりますので、1万円くらいは想定しておきましょう。

漆喰の補修は自分でもできるの?

漆喰の劣化が目立ってきたときに、まず考えるのはDIYで補修ができるかどうかということですよね。ホームセンターなどにある道具だけできれいな状態になるのであれば、あまりお金をかけずに直すことができます。

結論から言えば、軽度なものならご自身で漆喰の補修が可能です。ちょっとした汚れであれば、消しゴムでこするだけで消えますし、風合いが少し変わってしまいますが、サンドペーパーで削るという方法もあります。ひび割れであれば、同じ種類の漆喰で埋めることができます。

ただ、DIYの場合はどうしても仕上がりにムラがあります。例えば、ひび割れを同じ種類の漆喰で埋めたとしても、古い部分と新しい部分ではどうしても色が変わってきます。それを防ぐ方法は全面を上塗りすることですが、これにはそれなりの技術が必要になります。

補修はご自身でできますが、きれいに仕上げるには職人でなければできません。来客のあるようなリビングや廊下など、人に見られる場所の補修はご自身でやらずに、業者に依頼して美しく仕上げてもらうことをおすすめします。

漆喰の壁を補修はどんな業者に依頼すればいいのか

漆喰の壁を補修を依頼する前に、現状の壁を施工した業者にまずは相談してみましょう。

どれくらいの時間が経過しているかにもよりますが、施工ミスが考えられる場合は業者責任で直してもらえることもあります。時間が経過している場合でも、施工した漆喰の種類についても把握していますので、スムーズに直してもらえるはずです。

時間が経過しすぎて、すでにどこに依頼したのかが分からないという場合には、リフォーム会社に相談してみましょう。左官屋さんに直接依頼すれば安く補修してもらえますが、ほとんどの左官屋さんは下請けで施工を行うことが多いため、知り合いに左官屋さんがいない場合はリフォーム会社に依頼するほうが確実です。

補修を業者に依頼するときは2~4社に相談することをおすすめします。悪徳業者に当たらないようにするためにも、複数の業者に見積もり依頼をして、誠実な応対をしてくれたところにしましょう。

漆喰は時間とともに味が出る壁材ですが、ひび割れなどの不具合も発生しやすいという特長があります。簡単なものであれば自分で直すこともできますが、ひびが大きなものになると、きちんとした技術を持った業者に補修をしてもらわないと、余計に補修跡が目立ってしまいます。

長い目で見ればそれも味になりますが、リビングのような来客のある場所では、すぐにでもきれいな見た目に仕上げたいですよね。そういう場合は最初からリフォーム会社に依頼して直してもらいましょう。依頼するときには1社に絞らずに、2~4社程度に相談して適正な価格を提示してくれた業者から決めることが重要です。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。