タイルとは
参考:https://pixabay.com/ja/タイル-壊れた-壊れたタイル-建設-材料-セラミック-修理-1501782/
タイルとは建物内外の壁や床、屋根を覆う焼き物でできた薄板のことを指します。タイルは耐候性に優れるため、経年劣化や変色、変質などの心配がありません。また、高い耐熱性や防火性、防水性もあります。さらに、酸やアルカリなどの薬品にも強いため、薬品がかかっても変質しません。そして、掃除がしやすいというメリットもあります。
ただし吸音性がほとんどないため、防音性を高めたい場合には不向きです。また、硬さはありますが脆いことから加工には専用工具が必要など、施工の手間がかかります。
タイル張替えの時期
タイルの特徴についてご紹介しました。タイルは経年による劣化が起こりにくく、清掃性も優れるため、タイルへの張替えに興味を持たれた方もいらっしゃるでしょう。しかし、経年劣化しにくいと言っても、一度タイルに張替えたら全く張替えが不要になるということではありません。そこで、タイルに張替えてからどれくらいで張替えが必要になるのか、張替え時期の目安とサインについてご紹介します。
寿命が来た時
タイル自体は劣化しにくいにもかかわらず張替えが必要な理由は、タイルを張付ける際の接着剤にあります。接着剤の寿命は10年程度とされているため、タイルに不具合がなくても張付けてから10~15年経過したタイミングでの張替えが推奨されています。
ただし、タイルの目地の汚れやカビは寿命の原因とされており、清掃を怠って汚れやカビが目地にこびりつくと目地が劣化し、タイル全体の劣化につながります。タイルの劣化で10年未満で張替えなくてはならない可能性がありますので、こまめな清掃はもちろん、念入りに目地の掃除を行い、寿命を早めることのないよう心がけましょう。
浮きやひび割れが見られる時
タイルは長期間使用していると温度差や湿度、地震などの影響で接着力が弱まり浮きが生じます。タイルが浮いているということは、いつ剥がれ落ちてもおかしくない状態ですので、浮きが見られたらすぐに張替える必要があります。
また、ひび割れも張替え時期のサインです。ひび割れ箇所から雨水やお風呂のお湯などが入り込むことでタイル面全体の劣化につながります。わずかなひび割れでも放置していると大きな亀裂になる恐れもありますので、ひび割れを見つけたら補修や張替えが必要です。
タイルの劣化をそのままにしておくことで、外壁と室内で異なる悪影響が及ぼされます。外壁と室内タイルの劣化の原因と劣化したタイルで起こり得ることをご紹介します。
外壁
外壁は屋外の気温差の影響を受けたり雨にさらされることでタイルが劣化します。外壁工事は決して費用の安い工事ではありませんので、つい工事を後回しにしがちです。
いつ剥がれ落ちてもおかしくないようなタイルをそのままにしていると、時間の経過と共にタイルの落下リスクが高まります。通行人がいる時にタイルが落ちてしまうと怪我させてしまう危険があります。安全性確保のために、外壁タイルの浮きやひび割れはすぐに張替えることが重要です。
室内
室内でタイルが使用されやすい空間は浴室です。しかし浴室は湿度が高いため浮きが生じやすく、お湯を使用するためひび割れたタイルを使い続けるのは危険な空間でもあります。
劣化したタイルを放置しておくとお湯や湿気がタイルのすき間から入り込み、家の土台にまで浸食する可能性があります。湿気にさらされた土台は支える力が弱まりますので、ご自宅の強度を弱めたり寿命を短くする危険があります。
浴室のタイルが劣化しても使用に不便はないからとそのままにしてしまう方もいらっしゃいますが、ご自宅の安全のためには外壁同様、張替えをおすすめします。
タイル張替えの費用相場
タイル張替えの時期の目安をご紹介しました。一般的にタイルは張付けてから10~15年が寿命とされていますが、浮きやひび割れが見られたら10年未満でも張替えを検討すべきです。
張替えサインが分かったら、張替えにかかる費用も気になることでしょう。そこで、外壁と浴室を例に挙げて費用の目安をご紹介します。
外壁タイルの張替えに関わる費用
外壁タイルを張替えるためには下地パネルが必要です。下地パネルは1㎡あたり約5,000円かかります。タイルは製品によって大きく異なりますが、1㎡あたり約8,000円~3万円かかります。その他に養生に約5万円、足場を設置する必要がある場合は約15万円**かかります。
浴室タイルの張替えに関わる費用
浴室タイルの張替えは下地の状態や使用するタイルによって異なります。また、部分的な張替えか全面張替えによっても費用に違いが生じます。数枚のタイルの張替えでも3万円以上はかかります。0.75坪の浴室の床を全面張替えると約6万円、壁の全面張替えは約10万円かかります。
タイル張替えの流れ
タイル張替えの費用相場についてご紹介しました。タイルの張替えは業者に依頼するよりもご自身で行う方が安く済みますが、押さえるべきポイントがいくつかあります。
タイルの状態によってはDIYは難しく、確実に張替えるためには業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼する場合は施工内容によって費用が異なりますので、施工工程を把握しておくと、適正価格で張替えを依頼することに役立ちます。そこで、業者のタイル張替えとDIYの張替えの流れを比較してみましょう。
業者に依頼する場合
業者にタイル張替えを依頼する場合、業者に問い合わせてから現地調査を行い、ベストな工事内容を決めます。調査後に施工計画の提案と見積もりを出してもらい、内容に納得できて契約をしてから施工に入ります。
張替えの必要な範囲や付随工事によって作業は異なりますが、外装と室内の工事の流れを一例に挙げますので、張替えスケジュールを組む際の参考になさってください。
外装
外壁タイルの張替えは部分的に行うことが可能ですが、タイルが割れていたり下地から浮いている場合、地震などの揺れで剝落の危険があるため全面張替えを推奨されます。また、タイルを張付けてから年数が経ち過ぎていると似たような色合いのものが見つからないこともあるため、デザインにこだわる方には全面張替えがおすすめです。
まず、既存のタイルを撤去したらシーリングの充填とならしを行います。そして、シーリングが均等になったらタイルを貼り、目地を詰めます。ただし、酷いタイルのひび割れですと張替え後に再びひび割れの懸念がありますので、規定の幅で躯体に溝を作り、弾力性のあるシーリング材で目地を作る工事が必要となる場合があります。
張替えに加え、タイルや目地を汚れから保護するために外壁全体に保護塗装が行われます。
室内
室内でタイルが使われることの多い浴室を例に工事の流れをご紹介します。まず、既存のタイルを解体します。タイル張替えのタイミングで浴槽も交換する場合は浴槽も撤去します。次に、下地を塗ります。そして、壁や床にタイルを敷き詰めて完成です。
DIYで補修する場合
業者にタイル張替えを依頼する場合の工事の流れをご紹介しました。広い範囲の張替えやタイルの安全性を高める必要がある場合には業者に依頼する方が安心です。しかし、部分的な張替えや簡単な方法であればDIYでも対応可能です。タイルに不具合がなさそうで、手軽に張替えを行いたい方は参考になさってください。
外装
サイディングの下地にタイルを固定するという複雑な工程のない方法であればご自身で外壁を張替えることもできますが、外壁工事は技術が求められる工事と言われています。そのため、知識のない方が張替えしてしまうと劣化が早まる恐れがあるため、外壁のDIYはおすすめしません。
外装のタイル張替えのDIY例が多いのが玄関外の床です。既存のタイルの上からお好みの色合いのタイルを張付けることで、ご自宅の印象を変えることができます。張付ける際に目地幅が均一にならなければ、目地詰めをすることで目立たなくなります。
室内
軽微なタイルの欠けや剥がれであれば、浴槽などのタイルをご自身で張替えることが可能です。張替え前に下地に残っているタイルや接着剤、目地を全て綺麗に取り除いてください。
まず、マイナスドライバーなどで張替え箇所周辺のタイルや目地を下地が見えるまでそぎ落とします。次に、新しく張替えるタイルの裏側に適量の接着剤をのせて張付けます。壁にタイルを張付けた場合、落下しないようにマスキングテープで上から留めておきましょう。
接着剤が完全に乾いたら目地の両側にマスキングテープで養生し、目地にすき間なく目地材を埋めて平らにしてからマスキングテープを剥がし、完全に乾いたら張替えの完了です。
タイルの選び方のポイント
タイルの張替え方法を業者に依頼した場合とご自身で行う場合についてご紹介しました。業者に依頼する場合は、張替え箇所に適したタイルを提案してもらえますが、DIYではご自身で適切なタイルを選ばなくてはなりません。ご自身で張替えるとなるとデザインの違いは分かっても、外壁に適したものか室内に適したものかまで分からないという方は少なくありません。
タイルには様々な種類があるため分類方法もいくつかありますが、外壁と室内のどちらに適したものかを知るには素材がポイントです。そこで、外壁と室内に適したタイルの素材の特徴をご紹介します。
外壁はⅠ類かⅡ類
Ⅰ類は1250℃以上の高温で焼き固められた磁器質タイルです。水をほとんど吸収せず、丈夫で透明性が高いため、外壁に最も適しています。Ⅱ類は1200度前後で焼き固められたせっ器質タイルです。Ⅰ類と比較すると硬さや透明性がないため表面を加工することが可能です。
室内はⅢ類
Ⅲ類は1000度以上で焼き固められた陶器質タイルです。柔らかいおかげで加工しやすく、価格が安いのが特徴です。ただし、Ⅰ類やⅡ類と比較すると水を吸収しやすいため、外壁には適しません。
タイルのメンテナンス方法
タイルの張替え時期やかかる費用、張替える際の選び方のポイントなどをご紹介しました。タイル自体は長く使えるものですが、経年と共に下地の接着力が弱まるために10~15年程で張替えが必要となります。しかし、目地に生える黒カビがタイルにまで広がるとタイルの劣化が早まります。漂白剤を使ってブラシで目地を磨くなど、カビを防ぐことでタイルを清潔に使い続けられます。
こまめな清掃がタイルを長持ちさせるポイントですが、広範囲な汚れの清掃にはいくつかコツがあります。そこで、外壁と室内タイルのメンテナンス方法をご紹介します。
外壁
外壁タイルの汚れの主な原因は雨水です。雨水による汚れは中性洗剤などで水洗いして落とします。
また、タイル下地や目地のモルタルやコンクリートが固まる時に出てくる成分が表面に染み出てタイル面に付着すると白い汚れが見られます。これは希塩酸による水洗いが必要ですが、軽いものであれば市販のトイレ用洗剤などの酸性洗剤でも落とすことが可能です。洗剤使用後は必ず水洗いしてください。
その他に虹色のような汚れが付着することもあります。酸性洗剤を使ってナイロンたわしでこすると落とせるものもありますが、それでも落とせない場合はフッ酸系溶剤を使用することになります。こちらの取扱いは大変難しいため、専門業者に除去を依頼する方が安全です。
室内
浴室は石鹸カスなどでタイルが汚れます。その他にキッチンやトイレにタイルが使われているご家庭もあるでしょう。キッチンでしたら油汚れ、トイレでしたら尿石がタイル汚れの原因です。これらの汚れを放置していると細菌が発生し、ヌメリや悪臭につながります。
これらの汚れは付いてすぐであれば水洗いで落とせますが、中性洗剤やタイル用洗剤を併用することで頑固な汚れも落としやすくなります。
まとめ
タイルの張替え時期の目安やサイン、張替えにかかる費用や張替え方法、張替え時のタイルの選び方やメンテナンス方法についてご紹介しました。
タイル自体は非常に長持ちするものですが、下地の接着剤の寿命が10~15年のため、張替えも同時期に来ます。使用状況によっては10年未満でも浮きやひび割れなどが見られるようになります。劣化をそのままにしておくとタイルの見た目が悪いだけではなく、タイルの剝落につながる可能性があり大変危険ですので、わずかな劣化でも確認したらすぐに補修や張替えを行いましょう。
外壁でも室内タイルでも、こまめなお手入れでタイルを清潔に使い続けることができることに加え、寿命を縮める原因の黒カビの発生を防ぎます。適切なお手入れでできる限りタイルを長持ちさせ、寿命のタイミングでタイルを張替えることを心がけましょう。
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