2024年6月29日

浴室・お風呂の壁はどんな壁材を使えるの? 壁材の種類と費用相場も解説

お風呂は高温多湿な環境で使われますので、いくら換気扇を稼働させていても、どうしてもカビが発生してしまいます。目地がある壁材ですと、カビが発生するした際に完全に取り除くのが難しくなるため、壁材のリフォームを検討しなくてはいけなくなります。ここではお風呂の壁材には何を使用したらいいのか、その種類とリフォームしたときの費用相場について解説します。

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お風呂場で使用される壁材の種類

お風呂場

それではまず、お風呂場のリフォームで使用される壁材について、その種類と特徴についてご紹介します。それぞれにメリットとデメリットがありますので、リフォーム後に「そんなつもりはなかった」とならないように、特徴をしっかりと把握した上で選ぶようにしましょう。

シート

浴室シートは防カビ・防水コーティングされていますので、タイルのように目地にカビが発生することもなく、どのようなお風呂場でも使えます。さらには、手軽に雰囲気を変えることもできるため人気のアイテムとなっています。

ただし、下地のカビ除去をしっかりしておかないと、浴室シートの裏側でカビが繁殖する可能性があります。基本的には低予算でリフォームができる壁材ですが、破れや変色が発生しやすいというデメリットもあります。

パネル

シートと同じく手軽にできるリフォームとして、ユニットバスなどに使われているパネルを壁に貼る方法が挙げられます。ユニットバスと同等の防水性を持たせることができ、浴室内の保湿性も高めることも可能です。フラットですのでお手入れも簡単で、見た目もスマートに仕上げることができる壁材です。

ただし、シート同様にこちらも下地の状態によっては、カビがパネルの裏側で繁殖する可能性があります。また、下地に凹凸がある場合には、パネルが浮いてしまい短期間で剥がれてしまいますので、下地の状態を整えてから施工する必要があります。

タイル

タイルはデザイン性も高く、耐水性も高いことで水回りとの相性がいい壁材です。一般的な浴室にも使われていることも多く、個性的なデザインのお風呂にしたいという方に適しています。ユニットバスの壁には使用できませんので、在来浴室限定のリフォーム方法です。

タイルそのものは強度もありカビも発生しにくいのですが、タイルの間にある目地にはカビが繁殖しやすいため、毎日きちんとお風呂掃除をする必要があります。また、冬場にお風呂場が冷えやすいという点も頭に入れておきましょう。

木材

木材は浴室に適していないと思われがちですが、耐水加工されている木材もあります。そういう素材を利用することで温もりのあるお風呂場に仕上げることができます。木材を使う最大のメリットは、やはりデザイン性に優れているという点にあります。

ただし、お手入れをきちんとしないと、あっという間に腐食したりカビが発生します。また、施工できる会社が限られていて、材料費もリフォーム費用も高いというデメリットもあります。

塗装壁

古くなった浴室を、新品同様の見た目に戻すことができるのが塗装です。浴室用塗料を使って浴室全体に色を塗るのが一般的で、比較的低コストで施工できるリフォーム方法です。また、最近では減ってきましたが、モルタル漆喰などを塗る場合もこの塗装壁に分類されます。

デメリットとしては、すぐに傷がつく・剥がれる・変色しやすいという点が挙げられます。特にDIYで塗装をした場合は、短期間でダメになってしまう可能性がありますので、長持ちさせたいのであれば、業者に依頼して塗装してもらいましょう。

壁紙

意外かもしれませんが、浴室にも壁紙を貼ることができます。もちろん表面が紙だと1回濡れただけで使えなくなってしまいますが、表面にビニール加工をしてある専用の壁紙なら、問題なくお風呂に貼ることができます。細かい仕上げを気にしないのであればDIYでも対応できます。

きちんと施工しないと簡単に剥がれてしまうのが壁紙のデメリットです。剥がれてもすぐに張り直すこともできますので、細かいことを気にしない方、お風呂のデザインを手軽に楽しみたい方におすすめの壁材です。

お風呂場の壁をリフォームをするタイミングはいつ?

お風呂場

お風呂場の壁をリフォームするタイミングの考え方は、ユニットバスと在来浴室とで違ってきます。いずれも、壁にカビなどが目立ってきたときがリフォームのタイミングだというのは共通していますが、ユニットバスはユニットバスの寿命、在来浴室は浴槽の寿命を考慮しなくてはいけません。

ユニットバスの寿命は15~20年と言われていますので、もし15年以上経過しているのであれば、壁のリフォームではなくユニットバス自体の交換が必要になります。15年よりも早い段階で、壁の劣化やカビを取り除けなくなったときもリフォームを行いましょう。

在来浴室の場合には、浴槽の寿命に合わせてリフォームするのがベストです。壁のリフォームをするには浴槽を一度取り外す必要があります。壁や浴槽などそれぞれ個別にリフォームをしていたのでは、トータル費用が大きくなってしまいますので、在来浴室の場合はまとめてできるリフォームは一括で行うほうがコスト面でお得です。

浴槽の寿命は20年くらいとされていますので、それに合わせて壁のリフォームを行ってしまいましょう。それ以前にカビの発生がひどくなったり、タイルの剥がれなどが目立つときは、リフォーム会社に相談して、部分的な修繕で済むように提案してもらいましょう。

お風呂場の壁をリフォームする費用

いざお風呂の壁をリフォームするとなると、気になるのはどれくらいの費用がかかるかということですよね。約1坪の浴室壁をリフォームする場合の費用は下記のようになります。

リフォームの種類費用相場
シート8~20万円
パネル10~30万円
タイル10~15万円
塗装10~20万円

リフォームする面積が狭いこともあり、いずれの工法でもそれほど大きな差があるわけではありません。浴室壁のリフォームをするときには、まずは予算を決めてからリフォーム会社に相談してみましょう。浴室の現状と予算に合った施工内容をいくつか提案してもらい、その中から選ぶことで満足度の高い状態に仕上げてもらえます。

お風呂場のリフォームするためにかかる期間

お風呂をリフォームをするときに気になるのは、すぐに使えるようになるのかということですよね。1日くらいなら銭湯に行くなどの対処ができますが、1週間もかかるようですと困ってしまいます。

ユニットバスのリフォーム場合は3~4日、在来浴室からユニットバスへのリフォームは4~7日もかかりますが、壁のみのリフォームですと最短で1日あれば終わります。ただし、これはお風呂の状態によっても変わってきます。

パネルやシートを使ってリフォームするときには、下地の状態が重要だとお伝えしましたが、下地にカビが発生している場合には、これを取り除かなくてはいけませんので1日では終わらないこともあります。

塗装の場合は乾燥させる必要がありますので、2~3日はかかってしまいます。それでもユニットバスの入れ替えよりも予算を抑えつつも、短期間で終わらせることができます。お風呂の老朽化が進んでいるときにはユニットバスへの交換がおすすめですが、短時間でリフォームしたいという場合は壁のみのリフォームが適しています。

お風呂場をリフォームするときの注意点

お風呂の壁をリフォームする場合に注意したいのは、見た目だけで選ばないということです。最優先すべきは安全性です。床ならともかく壁の安全性って何?と思うかもしれません。安全な壁とは「カビの発生を抑える」ことです。

壁材を選ぶときには、カビが発生しにくいことを意識しましょう。とはいえ、それほど難しいことではありません。お手入れのしやすい壁材を選べば、自然とカビの発生を抑えることができます。そういう意味ではモルタルや漆喰などの塗装、木製の壁などはあまりおすすめできません。

タイルもそのものはカビにくい素材ですが、目地のお手入れがとても大変です。できるだけ凹凸や接合部のないフラットなものを選びましょう。もちろん、デザイン性を優先してもかまいませんが、その場合は毎日きちんと手入れをする前提で選ぶようにしてください。

また、予算は限られているかと思いますので、その予算に収まる壁材を選びましょう。どうせリフォームするなら上質のものを選びたくなりますし、リフォーム会社も価格帯の高い壁材を勧めてくるところがあります。それでも、最初に決めた予算を守って必要以上の出費にならないように気をつけてください。

お風呂場の掃除方法

お風呂場

お風呂の安全を守るためにも、長く使うためにもお風呂は掃除が欠かせません。壁材によって掃除にかかる時間や手間は変わってきますが、ノーメンテナンスで使える壁材はひとつもありません。そうはいっても、お風呂がいいコンディションを保つために、毎日することはそれほど多くありません。

毎日の掃除は、お風呂に入った直後が最も汚れが落ちやすい状態にあります。お風呂用の中性洗剤とスポンジを使って簡単に洗うだけでかまいませんので、習慣として続けるようにしましょう。

毎日の掃除とは別に1週間に1回、皮脂の汚れや石鹸カスは重曹スプレー、水垢の汚れはクエン酸スプレーをしっかりと使って落とすことも重要です。

壁や床に吹き付けて、ブラシやスポンジで強くこすって汚れを落とします。仕上げにクエン酸スプレーを吹き付けて軽くこすり、シャワーで流してください。そのあとに乾拭きをして水分を拭き取れば終わりです。

ちなみにクエン酸は金属を錆びさせますので、蛇口などには吹き付けないように注意してください。さらに、お風呂の換気扇は常に回しておきましょう。お風呂にカビを発生させないためには、これが一番有効です。

まとめ

お風呂は毎日使う場所で、リラックスできる空間でもあります。そんなお風呂の壁がカビだらけですと、ゆっくりと湯船に浸かる気分にはなれませんよね。お風呂掃除では落ちないくらいのカビが発生したら、壁のリフォームを検討しましょう。

壁材は予算とお手入れのしやすさを重視して選んでください。ご自身で選ぶのが難しいのでしたら、予算を決めた上でリフォーム会社に相談しましょう。様々な提案をしてもらえるかと思いますが、最優先すべきは掃除をしやすいということです。

それを意識して選べば、あとは予算の範囲内で自由に選んでもかまいません。もちろん、リフォーム後にはカビが発生させないように毎日きちんとお手入れをすることが大切です。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。