2018年10月1日

内装の壁にタイルを使うメリットをご紹介! 気になるリフォーム費用もお教えします

おしゃれな家に遊びに行ったときに、水回りなどにタイルを活用しているのを見るとちょっと真似したくなりますよね。ただ、どういうメリットがあるのか分からないため、躊躇してしまった方もいるかと思います。ここではそんな方のために、内装にタイルを使用したときのメリットと、リフォームしたときの費用相場をご紹介します。

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水回りの壁をタイルにする

水回り タイル

出典:photoAC

家の内装の中で最もタイルと相性が良いのは水回りです。水回りはどうしても水汚れが目立ってしまいますよね。ステンレスのようなピカピカの素材を使っている場合は、新品のときはとても美しいのですが、水ハネなどで汚れ始めたのを放置していると目も当てられなくなります。

ところが、タイルは細かな目地があることで汚れが目立ちにくい上に、汚れによって変質することもなくお手入れがとても簡単です。しかも耐久性が高いので、明治時代のタイルが今でも残っている建物もあります。

これらの特徴から、洗面所にタイルを使う家も多く、耐火性の高さも合わせてキッチンでも重宝されています。ただし、最近は機能面だけでなく、デザイン性も考えて水回りをタイルにしている家が増えています。

タイルは規則正しく並べることも、遊び心を加えることもできる素材ですので、個性を出しやすいという特長があります。このため、水回りをより良い空間にするために、自由な発想でタイルを使用しているケースが多々あります。

水回り以外の場所をタイルの壁にしてみる

タイルは自由度の高い素材だという認識が広まった結果、リビングやダイニングの壁を内装リフォームでタイル張りにする家が増えています。上手に色を組み合わせることで、レンガ造りのように見せることもできますし、レトロな雰囲気を作り出すことも可能です。

また、タイルには光沢がありますので、太陽の光が入ってくる部屋の壁に使うことで、部屋をより明るくきらびやかな空間にすることもできます。壁紙と組み合わせることで、ひとつの空間を視覚的に区切ることも可能です。

すでに水回りにタイルを使っているという方であれば、水回り以外での活用も考えてみましょう。タイルは種類も色も豊富ですので、デザインの幅が広く自分らしさを演出できるアイテムです。水回りだけに限定せずに、自由な発想で壁にタイルを使ってみましょう。

タイルとは

水回り タイル

タイルを使うことで、空間デザインの幅が広がることが分かってもらえたかと思いますが、そもそもタイルがどういうものなのか、きちんと理解している方は少ないと思います。タイルの活用方法について詳しく説明する前に、タイルの基礎知識について理解してしましょう。

タイルの定義は、「建築物の床や壁などの仕上げ材に用いられる薄板状の粘土焼成品」です。レンガにも似ていますが、レンガはブロック形状で、タイルは薄板という違いがあります。また、レンガは素材のまま焼きますが、内装に使うタイルの場合は釉薬をほどこして光沢を出すケースがほとんどです。

タイルの歴史は古く、古代エジプト時代の紀元前2700年頃には使われており、ピラミッドの内部に現在でも残っています。日本でも6世紀になると寺院などでも使われるようになり、明治以降には水回りの建材として定着しました。

国内のタイルはJISによって形状や寸法が定められているため、互換性が高いのもタイルの特徴のひとつです。使用するときには1枚ずつ貼っていくのが一般的ですが、作業効率が悪いため最初からシート状にすることで、施工時間を短縮できる製品も増えています。

壁をタイルにするメリット

  • お手入れが短時間で済む
  • 劣化しにくいので長持ちする
  • バリエーションが多く組み合わせを楽しめる
  • シックハウス症候群対策になる

水回り以外の壁をタイルにするメリットとしては、上記の4点が挙げられます。

まず、なんと言ってもお手入れが簡単だというのが大きなメリットです。水回りに使う場合は目地を中心にお手入れを行う必要がありますが、リビングやダイニングですと汚れが付着する要因がほぼありません。仮に汚れても水拭きでさっと落とせます。

さらには、よほど強い力がかからないかぎり、割れることもなく劣化もしません。接着部分が剥がれたとしても、張り直せばいいだけです。壁紙のように経年劣化しないので、ずっと使い続けることができるのがタイル壁の魅力のひとつです。

すでに簡単にご紹介しましたが、タイルは色もサイズも豊富に揃っていますので、世界にひとつだけの壁を作ることができます。個性的な壁に仕上げられますし、シックな印象の壁にすることも可能です。業者任せにせずに、自分の色を出して楽しむことができます。

機能面でもうひとつ忘れてはいけないのが、シックハウス症候群対策ができるということです。タイルは有害な化学物質を使っていませんので、シックハウス症候群を引き起こすことがありません。このため、家族の健康を考えたときにタイルは有力な壁材の候補といえます。

場所別におすすめのタイルを紹介

水回り タイル

出典:Pixabay

タイルには多くの種類がありますが、実際に選ぶときにはデザインだけでなく機能面も意識して適材適所を心がけてください。ここではキッチンとトイレ、そしてリビングの場所別におすすめのタイルをご紹介します。

キッチン

キッチンのタイルで意識したいのは、油や水を吸わないタイルを選ぶということです。そう考えると、ここで選ぶタイルは磁器タイルになります。調理器具を使う場所ですので、強度をもたせるという意味でも磁器タイルを選びましょう。また、油を弾くために釉薬を使って光沢を出したものがおすすめです。

最近のトレンドは、モザイクタイルと呼ばれる小さなタイルを使ったキッチンで、モダンで可愛らしいキッチンに仕上げることができます。シンプルで飽きないデザインにしたい場合には、小さくない長方形サイズのタイルを選びましょう。

キッチンではタイルそのものも重要ですが、目地の色にも気をつけましょう。白色の目地を使うと汚れが目立ってしまいます。目地はあまり大きく取らずに、グレーのものを選ぶと汚れが目立たなくなります。疎水・耐油性の高い目地もありますので、業者に相談して提案してもらいましょう。

トイレ

トイレのタイルで最優先しなくてはいけないのが、お手入れのしやすさです。このため、トイレのタイルには釉薬を使って表面がツルツルしたものを選びましょう。表面に凹凸があってざらざらしたものを選ぶとお手入れが大変になり、トイレ掃除をするのが面倒になってしまいます。

また、トイレでは水ハネなどがありますので、吸水性の低い磁器タイルを選ぶようにしてください。トイレ空間の上側でしたら、自由に選んでも構いませんが、トイレタンクよりも下側は磁器タイルが必須です。汚水を吸ってしまうと匂いが取れなくなりますので、気をつけてください。

トイレの床をタイルにする場合には、防滑性が高い無釉タイルがおすすめです。ただし、トイレマットを敷くのであれば、釉薬を使ったツルツルしたものでも構いません。滑りにくいことだけ意識して選ぶようにしましょう。

リビング

リビングのタイルを選ぶときは、デザイン重視で構いません。基本的な考え方としては、部屋全体との調和を意識しましょう。木材を多く使ったシンプルなリビングに真っ赤なタイルの壁では調和が取れません。家具や建材に近い色使いのタイルを選びましょう。

シックな感じに仕上げたいのであれば光沢のない無釉タイルがおすすめです。レンガを積み重ねるようなイメージに仕上げると、デザインでの失敗が少なくなります。無難すぎるという場合には、厚みの違うタイルを使って凹凸を付けてみたり、壁の1面だけ光沢のあるタイルにするなど個性の強い演出もおすすめです。

ただし、個性を出そうと思うとデザインのセンスが問われますので、自信がないのであればリフォーム会社に相談して決めてください。施工も含めてDIYで内装をタイルにする方もいますが、かなり慣れている方でないと失敗する可能性がありますので、気をつけてください。

壁をタイルにする費用はいくらかかる?

水回り タイル

ここまでの内容で、だいぶタイルの壁に対する期待が高まってきたのではないでしょうか。そうなると気になるのは、タイルにしたときにどれくらいの費用がかかるかということですよね。

タイルの壁にするときにかかる費用としては、タイルの材料代・工賃・撤去費の3種類あります。

タイルは種類によりますが、5,000~15,000円/㎡で購入できます。職人の工賃は5,000~10,000円/㎡くらいかかり、撤去費は既存の壁紙を取り除いて廃棄する費用ですので10,000円だと考えてください。

15㎡の壁をタイルにするときのリフォーム費用は下記のようになります。

材料代:5,000~15,000円/㎡ × 15㎡ = 7.5万~22.5万円
工賃:5,000~10,000円/㎡ × 15㎡ = 7.5万~1.5万円
撤去費:1万円
合計:16万~38.5万円

タイルの種類によって費用が変わりますが、業者の作業費用も大きく影響します。タイルが小さいほど作業に時間がかかりますので、作業費用は高くなります。このため費用を抑えたいときは、大きめのタイルを選ぶようにしてください。

タイル壁の掃除方法

タイルはノーメンテナンスでもあまり汚れが目立ちませんが、掃除をまったくしないでいると、さすがに色がくすんでしまいます。そうならないためにも、日頃から簡単な掃除はしておきましょう。しつこい汚れがない場合には、濡らして絞った雑巾で下から上に拭いていくだけで構いません。

取れにくい汚れがある場合には、家庭用の洗剤を吹き付けて、しばらく放置したあとに拭き取れば簡単に落ちます。目地が汚れている場合には、小さなブラシを使って汚れを擦り落としましょう。どうしても落ちない目地の汚れはクリームクレンザーなどを使ってください。

あまり汚れにくいタイルだからこそ、「汚れたら落とす」を心がけましょう。汚れは付いたときが一番取り除きやすいタイミングです。先送りにせずに、気がついたときに取り除くことが大切です。

まとめ

タイルの壁というと水回りばかりをイメージされがちですが、最近では場所を問わず自由な発想で活用されています。バリエーションが豊富で、個性を発揮しやすい建材ですので、リビングなどを無個性な空間にしたくないという方にはとてもおすすめのアイテムです。

壁紙よりも費用は高くなってしまいますが、それでもメンテナンスは簡単になりますし、長く使えることを考えるとトータルコストという面では十分に検討に値する範囲内に収まります。タイル壁にしてみたいなと思ったら、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。