リノベーションとは
まずはリノベーションとリフォームの違いから簡単に説明しましょう。リフォームは古くなった建物などを新築の状態に近づけること目的としています。古くなったキッチンを新しいキッチンに取り替えたり、お風呂周りを新しいユニットバスに交換したりするような場合は、リノベーションではなくリフォームといいます。
これに対してリノベーションは、古くなった建物を新築に近づけるだけではなく、ライフスタイルの変化に合わせて、さらに使い勝手を向上させることを目的としています。そのため2つの部屋を1つに合わせたり、キッチンの場所を変更するなど大掛かりな工事を行います。リノベーションの内容によっては、リノベーションの前後でまったく違う間取りになることもあります。
リフォームとリノベーションは明確な線引きがなく、施工業者によっては同じリフォームとして扱っていることもあります。ただし、リフォームとリノベーションでは掛かる費用が大きく違ってきます。リフォームの場合は工事が短期間で済むということもあり、それほど費用がかかりませんが、リノベーションの費用はリフォームと比べると高くなる傾向にあります。
とはいえ新築を購入するよりはコストが低くなるため、例えば新築マンションを購入するのではなく、格安の中古マンションを購入してそのまま使うのではなく、リノベーションをして使い勝手のいい空間に作り変えてから入居するという人が増えています。リノベーションの費用は1平米で10万~15万円ですので、60平米のマンションでも1000万円以下で新築と同じようにすることができます。
よくあるリノベーションの例としてはリビング、ダイニング、キッチンをひとつにまとめるLDKリノベーションがあります。それぞれ別の空間だったものをひとつの空間にすることで、開放感のある空間にすることが出来ます。既存のレイアウトにとらわれることなく、徹底的に使い勝手の良さにこだわることができるのがリノベーションの特徴です。
中古マンションのリノベーション
リノベーションを行うことが多いのは一軒家よりも中古マンションです。マンションのリノベーションは下記の3つのタイプに分類することが出来ます。
- 現在暮らしているマンションのリノベーション
- これから購入するマンションのリノベーション
- リノベーション済みの中古マンション
この中でリノベーション済みの中古マンションだけは、リノベーションと別に考える必要があります。リノベーション済みの中古マンションは使い勝手は考えられているものの、自分の思い通りに作られているわけではありませんので、室内がきれいな中古マンションと変わりません。リノベーションの最大のメリットは自分の理想の空間を作ることですので、すでにリノベーション済みの物件はリノベーションの魅力が半減してしまいます。
現在暮らしているマンションのリノベーションとこれから購入するマンションのリノベーションで大きく違うのは、借りられるローンの種類です。どちらも住宅ローンの利用が可能なのですが、現在暮らしているマンションのローンが残っている場合は、新規に住宅ローンを組めないケースもあります。この場合は少し金利の高いリフォームローンを組むことになりますが、計画的な借り入れをしないと、月々の返済が苦しくなることもありますので注意してください。
また中古マンションのリノベーションを行うときは、建物の構造上の問題から、100%自由な設計ができないこともあります。強度の関係で取り除けない柱があったり、水回りの関係でキッチンや浴室の配置場所に制約が設けられたりすることがよくあります。しかも管理規約などがあり、フローリングにできないというマンションなどもあります。中古マンションのリノベーションは思ったよりも自由度が低くなる可能性があるということも頭に入れておきましょう。
リノベーションのメリット・デメリット
それでは実際にリノベーションを行うときのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
リノベーションのメリット
- 自由に設計することができる
- 物件選びの選択肢が多くなる
- 新築よりも安い
リノベーションのデメリット
- 中古物件のため建物の老朽化が早い
- 工事に時間がかかる
- 住宅ローンが使えない場合は金利が高くなる
リノベーションの最大のメリットは、やはり自由な設計を行えることです。しかも新築同様の物件にすることができますので、購入時に理想の間取りでなくてもリノベーションをすることで、住みやすい空間にすることもできますので、物件選びの幅が広がります。そして何よりも新築同様でありながら、新築よりも安いのがリノベーションの特徴です。
とはいえ中古物件であることには変わりませんので、購入してすぐに建物の大規模改修などが必要になることもあります。工事に時間がかかるため、すぐに入居できないというのもマイナスポイントです。そしてリノベーション費用を住宅ローンに含むことができなかった場合は、割高なリフォームローンを組むことになります。
リノベーションにはメリットもデメリットもあります。施工業者は都合のいいことしか言ってくれないことがよくあります。納得のリノベーションを行うためには、デメリットをきちんと把握したうえで、施工業者に相談しましょう。そうすることで満足度の高いリノベーションが可能になります。
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