キッチンは流し台(シンク)のみ交換できる?
シンクの変色が目立ったり、大きな傷や凹みがあるけれど、キッチンごと交換するのはもったいないという方はシンクのみの交換ができるのか、気になるところでしょう。
シンクにもいくつかの種類があり、種類によってシンクだけの交換ができる場合と、できない場合があります。
ご自宅のキッチンが条件に当てはまっていれば、シンクのみを交換が可能で、工事費用が安価で済み、工事も数時間で終わることがほとんどのため、気軽にリフォームが行えます。
キッチン自体を交換するとなると、100万円以上かかってしまうので、できれば余計な費用は抑えたいですよね。
まずは、シンクのみの交換ができる場合とできない場合について、詳しく説明していきます。
流し台(シンク)のみ交換できる場合
シンクのみを交換できるキッチンにはどのようなものがあるか見ていきましょう。
- システムキッチン
- オーバーシンク
- シンクのサイズが一般的なもの
上記の3つの条件を全て満たしている場合に、シンクのみの交換ができます。
システムキッチンとは、シンクや調理カウンターなどの設備が、ワークトップ(天板)で1つにつながっているキッチンのことです。
出典:HomeZakka
シンクのみの交換ができるのは、右の写真のようにワークトップの上からシンクがはめ込まれている、オーバーシンクの形であることが必須です。
ただし、シンクは60~95cm程度のサイズが一般的ですので、オーダーメイドでシンクを作っているときは、市販のものとサイズが合わずシンクのみの交換ができない、というケースもあるので注意しましょう。
流し台(シンク)のみの交換ができない場合
出典:LIXIL
シンクのみの交換ができないのは、
- セクショナルキッチン
- アンダーシンク
の場合です。
セクショナルキッチンとは、調理台、流し台、ガスコンロ台などが独立して配置されているキッチンのことです。そのためシンクのみを交換することができず、不具合が起こったときは流し台ごと交換しなければなりません。
また、先ほど説明したオーバーシンクとは逆に、シンクの上にワークトップ(カウンター)を置くことで、埋め込まれているように見えるアンダーシンクは、シンクのみの取り外しができないので、ワークトップも一緒に交換することになります。
キッチンの流し台(シンク)に使用される素材の特徴とは
キッチンのシンクを交換する際、既存と同じものではなく別の商品に変更したい、という方もおられると思います。シンクには多くの素材があり、それぞれ特徴が違うので、ここから素材別の特徴について見ていきましょう。
ステンレス
ステンレスは耐久性と耐熱性に優れ、錆びにくい素材です。 そのためメンテナンスを頻繁に行う必要があまりない素材といえます。 やや味気ないイメージがあるかもしれませんが、光沢のある鏡面仕上げ、凹凸があるエンボス仕上げなど、加工によってシンク表面の表情を変えることができます。
しかし、ステンレスは傷つきやすいため、錆びている金属製品が近くにあると傷から錆が移り、もらいサビを起こすことがあり、水垢が目立ちやすい素材です。
人工大理石
出典:ハウステック
人工大理石は主に、「アクリル樹脂」と「ポリエステル樹脂」の二つのタイプがあります。
「アクリル樹脂」は、衝撃に強いためシンクに物を落としがちな方に向いていて、「ポリエステル樹脂」は、アクリル樹脂に比べると比較的安価で購入が可能です。
その他に、名前が似ているので混同されがちですが「人工大理石」と別に「人造大理石」もあります。 「人造大理石」は天然の大理石を細かく砕き、セメントと樹脂を混ぜて造られていて、質感にこだわるメーカーが使用していることが多いです。
人工大理石は、アクリル樹脂の商品であれば耐衝撃性に優れており、ポリエステル樹脂の商品はアクリル樹脂に比べて汚れが落ちにくいですが、安価な価格で手に入れることができるので、どのポイントを重要視するかによって決めるとよいでしょう。
色やデザインの種類が非常に豊富で、汚れが落ちやすい素材でもあるので、日々のお手入れが楽になります。
ただし、人工大理石は熱やシミに弱く、放置しているとすぐに変色してしまうことが多く、長く使用していると細かな傷に汚れが染み込んでしまい、拭いても落ちなくなってしまうというデメリットもあります。
ホーロー
出典:e-kitchen
ホーローは、金属の表面にガラス素材のコーティング剤を焼き付けた材質で、洗練された美しさと肌触りの良さにより、昔から人気がある素材です。
耐熱性や耐久性に優れていますが、食器やフォークなど硬い物を落としてしまうと、衝撃で欠けたり、表面にコーティングされている部分が剥がれてしまうこともあります。
コーティング剤が、水や汚れが吸収されるのを防ぐはたらきをしているため、表面に施されているコーティング材が剝がれると、錆びてしまうことがあるので注意しながら使う必要があります。
陶器
出典:IKEA
陶器と聞くと、衝撃に弱そうと不安に感じるかもしれませんが、シンクに使用する陶器は厚みがあるため、それほど脆くはありません。
ホーローと同様にコーティング剤を使用しているため、錆びにくいだけでなく、酸やアルカリにも強いので衛生的な素材といえます。 ホーローに似ていますが、よりナチュラルな質感となっています。
しかし、ホーローに比べると耐久性が劣るだけでなく、長く使用していると小さなヒビが発生することがありますし、硬い物や重たい物を上から落としてしまうと、割れてしまう可能性もあります。
キッチンの流し台(シンク)を選ぶ上で重要なポイント
シンクを選ぶときは素材も大切ですが、他にも重要なポイントがあります。シンクはキッチンを利用する際、必ず使用する場所ですので慎重に選びましょう。
防汚性
防汚性とは、汚れに強く清潔な状態の保ちやすさを表す目安です。シンクは毎日使用するものですので、お手入れのしやすさが重要になります。なかなか汚れが落ちないとなると、掃除をするのが嫌になってしまうのでシンクを選ぶ際に一番重要視したいポイントです。
シンクを選ぶときは、できるだけ汚れがつきにくい素材、もしくはすぐに汚れが落ちる素材を選びましょう。スポンジで軽く擦るだけで汚れが落ちれば、日々のお手入れも簡単です。防汚性が高いシンクを導入したい場合は、人工大理石をオススメします。油の汚れが付きにくく、垢も目立ちにくいため、日々のお手入れもストレスなく行うことができます。
耐久性・耐熱性
シンクは使い勝手も大切ですが、同じくらい耐久性・耐熱性も大切です。耐久性や耐熱性が低い素材ですと、使う度に気を遣うことになりますし、ひびが入ると割れた部分から錆びやカビなどの劣化が広がってしまいます。
頻繁に熱湯や強い食器洗剤などを流すシンクは、耐久性・耐熱性に優れていることが求められます。デザインや色も選ぶ上では大切なことですが、使いやすさを意識して選ぶことでストレスなく使用することにつながります。
シンクに使われる素材は、基本的に耐久性・耐熱性に長けていますが、特にステンレスと人工大理石はより優れています。
掃除のしやすさ
お手入れやメンテナンスが頻繁に必要ないシンクといっても、ある程度の掃除はしなければなりません。
基本的に、どの種類のシンクも掃除がしやすいように施されていますが、実際に使ってみない限り分かりませんよね。気になるメーカーのシンクがある場合、実際にショールームで掃除のしやすさを体験できるので、足を運んでみるのもよいでしょう。
価格
シンクは素材によって価格がかなり異なります。天然の大理石を使用したシンクであれば、もちろん商品の価格は高額になってきます。シンクの中でも比較的安いものが、ステンレス製のシンクです。
予算に余裕がないと安価な商品に目が行きがちですが、キッチンのシンクは長く使うものです。できるだけ費用よりも、使いやすさや掃除のしやすさなどを重視しましょう。
ちなみにシンクのみの本体価格は、以下のようになります。
【種類別】シンクの本体価格
ステンレス製
1万~8万円
人工大理石製
3万~10万円
ホーロー製
7万~23万円
陶器製
5万~18万円
サイズ
キッチンのシンクを選ぶ際に、素材と機能と同じくらい大切なのが、キッチンのシンクサイズです。
シンクのサイズはメーカーによってさまざまですが、一般的なシンクは奥行きが40~50cm、間口が75~80cmのものです。
シンクのサイズが大きいほどフライパンや鍋が洗いやすく、使い勝手もよいですが、その分作業するスペースが小さくなってしまうため、バランスが大切です。
シンクの交換をする際は、既存のシンクのサイズを測ってそこから大きくするのか、小さくするのかを考えるとよいでしょう。
デザイン
シンクのみの交換をする場合は、デザインやサイズは基本的に既存の商品と同じものを設置する必要があります。新しいシンクにしたいのであれば、ワークトップ(カウンター)ごと交換することもできます。
今まで使っていたシンクが狭くて使いづらいのであれば、これを機にワークトップごとシンクを交換するのも1つの方法です。逆にシンクが広すぎて使いにくい方は、シンクの中に段を設けられる段付きシンクがオススメです。
また、シンクの色によっても雰囲気が変わってきます。ステンレスは無機質な雰囲気が特徴的ですが、人工大理石やカラーステンレスを設置すればお好きな色のシンクを選ぶことができます。
シンクのデザインや色を選ぶ際には、カウンターとの相性も見る必要があります。例えば、カウンターが人工大理石の場合は、シンクも人工大理石で統一すると一体感がでます。
シンクのみの交換、ワークトップとシンクを交換した費用については、次の章で詳しく説明していきます。
キッチンの流し台(シンク)を素材と機能で比較
こちらの表はシンクの素材と機能を比較したものです。
ご自身が何を求めるかによって、選ぶべきシンクは異なると思います。それぞれの材質に特徴があるため、新しいシンクに買い替えることを検討中の方は、参考にしてみてください。
キッチンの流し台(シンク)を交換するときの費用相場
キッチンのシンクを交換する際、費用のことが気になる方は多いと思います。システムキッチン自体を交換するより安いといっても、50万以上かかるとしたら躊躇してしまいますよね。
ご自宅のキッチンの状態によって変わってきますが、シンクのみを交換する場合は、約10万~20万円程度は必要と言われています。
ワークトップとシンクを両方交換する場合は20万~30万円前後、セクショナルキッチンで流し台自体を交換すると、5万~30万円前後といわれています。
ただし、キッチンにも耐用年数(寿命)がありますので、20年以上使用している場合は、シンクだけでなくキッチン自体を買い替えたほうがよいです。シンクだけでなく他の場所で不具合が多発してしまうと、結局買い替えと変わらない費用になることがあります。
その他にも「シンクに穴が開いてしまった」、「傷ができてしまって見た目が良くない」という場合は、修理することで新品同様の状態に戻ることもあるため、ご自宅のキッチンの状態をみて、判断するとよいでしょう。
シンクの「修理」については、詳しい記事がありますのでぜひご参考ください。
DIYで流し台(シンク)を交換することは可能?
ここまで費用について説明しましたが、より安く行うためDIYでキッチンのシンクを交換する方もいらっしゃいます。
DIYでもシンクの交換は可能ですが、採寸を間違えてしまうとシンクが綺麗にはまらないですし、水栓の処理が甘いと水漏れを起こし、再度工事が必要になってしまいます。難易度が高めの作業なので、経験が浅い方や一度も行ったことがない方は、業者に依頼することをオススメします。
流し台(シンク)の交換をDIYで行うときの注意点
まず、DIYの経験が豊富な方でも、ワークトップとシンクが一体になっているタイプは、非常に重いため1人で作業するのは危険です。必ず2人以上で作業を行いましょう。
次に、シンクの交換で新たに電気やガス、水道の工事が発生する場合は資格が必須です。無資格で行うと法律違反となりますので注意してください。
行政が一軒一軒確認しているわけではないので、バレないだろうからやってしまおう、という方もいるかもしれません。無資格で行って何も問題が起きなければよいですが、大きな事故につながることも考えられます。
シンクの交換にかかる費用は決して安い金額ではないですが、手違いで事故を引き起こしてしまうと、30万円以上かかるかもしれません。安全に作業するためにも業者に依頼することをオススメします。
キッチンの流し台(シンク)交換を業者に依頼するときのポイント
キッチンのシンクを業者に依頼するとなっても、どこに依頼すればいいか分からないという悩みをよく耳にします。 最後に業者選びのポイントについて詳しく解説していきます。
アフターフォローがある
シンクの交換は、場合によっては水道やガス工事が発生することがありますし、業者も絶対にミスをしないわけではありません。
業者のミスで不具合が起きたのであれば、対応してもらえるように思えますが、「こちらのせいではない!」と非を認めない業者も存在します。それは再度修理することにより、業者の負担で費用が発生してしまうからです。
そのような業者を避けるには、アフターフォローの有無を依頼する前に確認しておきます。アフターフォローも有料であったり、補填の範囲が決まっていることがありますので、できるだけ詳しく内容を聞いておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
いくらアフターフォローがあるといっても、ミスばかりしていては業者にとって大きな損失です。無料でアフターフォローがある業者はそれだけ腕に自信がある、といえるでしょう。
予算に合わせて提案してくれる
予算に余裕がないという方は、見積もりを依頼する時点で予算の上限を伝えておくとよいでしょう。優良な業者であれば、限られた予算の中でできることを提案してくれます。
そうはいっても、上の方でお伝えした費用相場からあまりにかけ離れた値段を提示すると、見積もり依頼の時点で断られることがあります。仮にシンク本体が3万円だとしたら、3万円以下で引き受けてくれる業者はありません。
工事に使用する材料費や自宅まで車で来るための運搬費、職人の人件費など何かとお金がかかるため、シンク本体の価格と別途の費用もかかります。その費用があまりに高額なときは確認すべきですが、相場内に収まるのであれば安全に作業してもらえる対価として、快く了承しましょう。
相見積もりをとる
このポイントは、どのリフォームでもいえることですが、業者に見積もりを依頼する際は、必ず3社以上から見積もりをもらうようにしましょう。3社以上から見積もりをもらうことによって、適正価格が分かりやすくなります。また、多くの会社から見積もりをもらうことによって、1社だけでは見抜けなかった問題点に気づく可能性もあります。
複数の会社に見積もりを依頼する際は、工事内容と使う材料を統一してください。工事内容や使う材料によって、値段の差があるので、統一しなければ複数社に見積もりを依頼する意味がなくなってしまいます。
ただし、業者を選ぶ際には、値段だけにこだわらないようにしましょう。納得のいく理想の外構に仕上げるためには、自分たちのイメージにあった工事をしてくれる業者なのか、というポイントも忘れずに業者選びをしましょう。
流し台(シンク)交換の施工事例
【事例1】キッチン交換工事(約9万円)
キッチン交換工事
- BEFORE
- AFTER
【事例2】キッチンリフォーム(約100万円)
安芸高田市✕キッチンリフォーム✕多機能なキッチンにする工事
- BEFORE
- AFTER
まとめ
キッチンのシンクは使い方次第で、寿命がくる前にヒビが入ったり欠けてしまうことがあります。修理や補修で問題なく使えることもありますが、最悪の場合は交換しなくてはいけません。
その際、ご自宅のキッチンによってはシンクのみの交換のみで済むこともあれば、ワークトップとシンクを交換する、セクショナルキッチンでは流し台自体を交換することになります。
シンクの交換費用は10万~30万円程度ですが、費用を抑えるためにDIYでシンクの交換を行う方もいらっしゃいます。確かにDIYのほうが費用かかりませんが、安全性を重視するのであれば、業者に依頼したほうが良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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渡邊 一伸(ナベさん)