ビルトイン食洗機の交換目安
ビルトイン食洗機の交換・撤去の目安としては、「寿命によるもの」と「故障によるもの」があります。
ビルトイン食洗機の寿命(耐久年数)
ビルトイン食洗機の寿命(耐久年数)は10年程度と言われています。 この年数はあくまで目安であり、使用する頻度や家族の人数、日々のメンテナンスの頻度とその方法によって、長くも短くもなったりするので、一つの基準として覚えておくとよいでしょう。
食洗機の基礎知識についての詳細は下記の記事で詳しく解説しています。
▼参考記事▼
【リフォマ】食洗機のメリットと活用するためのポイント
【リフォマ】食洗機の基礎知識を分かりやすく解説! 食洗機の種類や必要性とは
ビルトイン食洗機が故障した時
故障の原因として多いのが「給水ホースのゴムパッキンの劣化」と「老朽化に伴う水漏れ」です。 メーカーによっては修理対応してもらえる場合もありますが、部品交換ができない場合は、ビルトイン食洗機そのものを交換しなければなりません。
筆者としては、仮にメーカーが修理対応してくれるとしても、使用年数が10年近くになっている場合は交換することをおすすめします。
耐用年数が近づくにつれて、不具合も起こりやすくなり、修理の回数も徐々に増えてきます。 不具合が起こる度に修理していると、修理代がかさんでしまいます。
「新しいビルトイン食洗機に交換した方が、結果的に費用がおさえられた」なんてケースもよくあることです。 最新の食洗機は機能が充実しているため、以前の食洗機よりも節水機能が優れているものと交換するとランニングコストの面から考えても、お得になるかもしれません。
交換以外の選択肢
ビルトイン食洗機が寿命を迎えたり、故障して使えなくなった時の対応策としては 「新しいものと交換する」「現在の食洗機を撤去し、収納スペースとして利用する」「そのまま食器入れとして使用する」などがあります。 「新しいものと交換する」場合は、専門の業者に依頼し、現在のものを一度撤去して、交換する必要があるため、ある程度大掛かりなリフォームが必要になってきます。
一方、「現在の食洗機を撤去し、収納スペースとして利用する」「そのまま食器入れとして使用する」のもひとつの手ですが、これまで食洗機に任せていた「食器洗いの作業」を自分でやらなくてはいけなくなってしまいます。
「食器洗いは面倒だけどビルトイン食洗機の交換は大変そう」と感じる方は、据え置き型(卓上型)の食洗機を検討してみてはいかがでしょうか? こちらの方が、ビルトイン食洗機の交換より費用を安く抑えることができます。
問題なのは、卓上のキッチンスペースをある程度占拠してしまうことです。 また、据え置き型(卓上型)食洗機の寿命(耐久年数)は5年~7年程度と言われており、ビルトイン食洗機よりやや短めです。
ビルトイン食洗機交換にかかる費用
食器洗い乾燥機の交換を業者に依頼する場合の費用は、「食洗機本体の価格 」+「 取り付け工事費用 」+ 「その他の工事費用」の合計金額がかかります。
※「その他の工事費用」は、新規取り付け工事のようにキッチンにビルトイン食洗機に必要な設備が整っていない場合にかかる費用のことで、追加で最大4万円程の工事費用がかかります。
ここでは、新規で取り付ける(後付けする)場合と、既にあるものを撤去して交換する場合の費用相場を比較してみましょう。 この金額は「食洗機本体の価格 」+「 取り付け工事費用 」のものです。 価格の変動幅は「食洗機本体の価格 」によるものです。
既存交換時の費用相場
ビルトイン型
6万〜19万円
据え置き型(卓上型)
3万〜11万円
据え置き型(卓上型)タンク式 ※
3万〜5万円
新規後付け時の費用相場
ビルトイン型
10万〜23万円
据え置き型(卓上型)
5万〜13万円
据え置き型(卓上型)タンク式 ※
3万〜5万円
※タンク式の食器洗い乾燥機は工事不要のため本体価格のみ金額となっています。
ビルトイン食洗機が、据え置き型食洗機を設置するより費用が高くなるのは、シンク下の専門工事が必要になるのと、本体価格の違いによるものです。
また、後付け工事では給排水関連の工事や電気工事が必要になるため、既存交換時と比べて費用がやや高くになります。
追加工事が必要の場合の費用相場
後付け工事のようにキッチンに食器洗い乾燥機に必要な設備が整っていない場合、コンセントの増設などの追加の工事費用がかかります。 食器洗い乾燥機の取り付け工事で、追加工事が必要になるケースとその工事にかかる費用相場については、次の通りです。
それぞれの追加工事が必要になるか、「新規でビルトイン食洗機を後付け設置しよう」という方は、自宅のキッチンの設備を事前に確認しておきましょう。
追加で必要になる「その他の工事費用」の相場
シンク下の給水管に分岐できる部品がない場合
3,000〜1万円
取り付ける箇所に排水管がない場合
5,000〜1万円
コンセントの増設
5,000円ほど
食器洗い乾燥機専用の電気回路新設
1.5万円ほど
食機洗い乾燥機の取り付けに必要な設備の確認方法
①シンク下の配管の確認
一般的に、キッチン下には給油管と吸水管があります。食器洗い乾燥機にそれぞれの配管を接続する必要があります。そのため、分岐金具と接続間がついていない場合、食器洗い乾燥機に配管をつなげるための追加工事が必要になります。
②電気回路とコンセントの有無の確認
電気回路とコンセントを確認しておきましょう。 電気回路で確認することは、ブレーカーの分電盤で「食洗機用」「キッチン予備」「オプション用」などの名目のついた回路があるどうかです。もし、あれば追加工事の必要はありません。食器洗い乾燥機を設置する付近にコンセントがなければ、コンセントを増設するか延長する工事が必要になります。
追加工事が必要かどうかは自分で確認するより業者に確認したほうが確実ですが、業者の中にも不要な工事を加えたり、嘘の見積もり書を提出してくる悪質な業者も存在します。見積書を確認する際は、このあたりの確認を怠らないようにしましょう。
まずは相談から
食洗機の人気メーカー
【Panasonic(パナソニック)】
パナソニックは幅広い家電を扱う総合電機メーカーです。 パナソニックの食器洗い乾燥機はバリエーションが豊富で、少人数向けのものからファミリー向けのものまで販売されています。どの商品も利用者からの評価が高いです。
また代表的な機能として、独自のイオンを利用した臭いの抑制機能のある「ナノイーX」はパナソニックの強みの1つです。
パナソニック製品の本体費用相場
ビルトイン食洗機
6万〜16万円
据え置き型
3万〜10万円
【Rinnai(リンナイ)】
リンナイも食器洗い乾燥機の人気メーカーの1つです。 主にビルトイン食器洗い乾燥機を扱っていて、フロントオープンタイプとスライドオープンタイプの2種類を販売しています。
リンナイ製品の本体費用相場
ビルトイン食洗機
5万〜13万円
据え置き型
3万〜7万円
食洗機の人気商品
【ビルトイン型】
パナソニック NP-45MD9(6人用)
汚れを落としながら除菌できる機能が付いている食器洗い乾燥機です。 また、省エネや節水の機能が優れているのが特徴で、食器の量や汚れ具合をセンサーで検知して水量や洗浄回数、乾燥時間を制御してくれます。
参考価格:105,000円
三菱電機 EW-45R2S(5人用)
大きさや形の異なるものが収納しやすい構造になっていて非常に汎用性の点が大きな強みです。 また、「ターボ噴射」により洗浄水の噴射角度の変化で庫内の奥までムラなく洗浄できます。
参考価格:54,800円
パナソニック NP-45RS9(5人用)
センサーで洗い物の量を検知して水量や洗浄回数、乾燥時間を制御するため省エネや節水の機能が強い食器洗い乾燥機です。 また、50℃以上の高圧洗浄により除菌効果もあります。
参考価格:90,280円
【据え置き型(卓上型)】
パナソニック NP-TSP1(4人用)
分岐水栓を取り付けずに設置できるタイプで4人用の食器洗い乾燥機です。 奥行きが約29cmとスリムなため、キッチンのスペースを大きく取ることなく設置できる点が利点です。 洗浄に使う水量が少なく、手洗いだと51Lの水を使うような洗い物も役9Lの水で洗浄できるためランニングコストを抑えられる点も魅力的です。 また、分岐水栓を取り付けることもできます。
参考価格:88,110円
アイリスオーヤマ KISHT-5000(3人用)
パナソニックのNP-TSP1と同様に、分岐水栓を取り付けずに設置できるタイプで、1〜3人用の食器洗い乾燥機です。 1〜3人用のためコンパクトです。 また、機能面でも優れていて温水洗浄により油汚れが落としやすく風乾燥機能を使えば水滴を水垢などの汚れを抑制してくれます。
参考価格:47,500円
シロカ SS-M151(3人用)
同様に、分岐水栓を取り付けずに設置できるタイプで、3人用の食洗機です。 シロカのSS-M151はどちらかというと少人数用なので1人暮らしの方におすすめです。 また、シロカの独自の洗浄技術によりいろいろな角度から洗浄することでキレイな洗い上がりになります。
参考価格:33,800円
パナソニック NP-TA4(5人用)
5人用のファミリー向けの食器洗い乾燥機です。 食器洗い乾燥機対応のマイボトルを洗浄することができ手洗いで汚れが落ちにくいボトルの奥底まで洗浄してくれます。 50℃以上の高圧水流で洗浄するため、除菌効果があるのも強みです。 また、フライパンや鍋なども同時に収めることができるため、収納力もあるため洗い物が多い大家族におすすめの商品です。
参考価格:75,240円
ビルトイン食洗機の交換業者を選ぶポイント
ビルトイン食洗機の交換を業者に依頼する際には、次のような点に注意しましょう。
電気工事士の資格を持っている業者かどうか
ビルトイン食洗機の新規取り付け工事では、コンセントの増築や電気回路新設などの電気工事が必要になる場合があります。 電気工事が必要になる場合、依頼した業者が電気工事士の資格を持っていないと、電気工事の作業だけを他の業者に依頼するはめになり、無駄に工事費用が高くなるケースがあります。
見積もり依頼の際に「電気工事士」など、どんな資格を持っているか業者に聞いてみてもいいかもしれませんね。
ぼったくり業者に注意
ビルトイン食洗機の交換などを行う工事業者には、必要以上に高い費用を請求してくる「ぼったくり業者」がいます。 主な手口としては次の2つです。
<手口1>
ビルトイン食洗機の交換を依頼したお客様に対して、「水栓を交換しなければいけない」などと言い、不要な工事をすすめる。
<手口2>
工事前にあいまいな見積もり書を提出し、工事完了後に予期しない高額な費用を請求してくる。
このように、工事業者の中には悪質な手口で高い費用を請求してくる業者がいるため、業者選びでは注意が必要です。 対策手段としては、複数の業者に見積もりを出してもらい、金額を比較した上で見積もり内容が明確な業者に依頼するようにしましょう。
ビルトイン食洗機交換工事の事例紹介
ここで「リフォマ」に寄せられたビルトイン食洗機交換工事の事例をご紹介します。ご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
【事例1】費用10万円
※許可を得て掲載しています。
詳細情報 |
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【費用】約10万円 |
【工数】1日 |
【リフォマへの依頼内容】備え付けの食洗器を新しくしたい |
【業者コメント】商品運搬費、既存機器撤去、既設機器廃棄、新規機器設置、動作確認、基本操作説明、工事保証、諸経費等 でこの金額になりました。質の高い経験豊富な職人によって交換工事をおこなっていますので安心してお任せください! |
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
まずは相談から
食洗機に関するお役立ちコラム
Qビルトイン食洗機のメンテナンス方法を教えてください。
1.「残菜フィルター」の掃除(掃除の頻度:使用後)
残菜フィルターに残ったカスは、ブラシなどを使用して取り除き、食器用洗剤できれいに洗って清潔にしておきましましょう。 フィルターの目が詰まっていたり、食べ物のカスが残っていると、食器の汚れが落ちにくくなるだけでなく、カビや悪臭の原因になります。
2.庫内の掃除(掃除の頻度:2~3回/月)
食器を入れないで、食器洗い乾燥機洗浄用洗剤やクエン酸を入れて庫内の汚れをきれいに落としましょう。 そうすることで、庫内に汚れが付きにくくなります。
※お手入れコースがない機種は、「標準」コースで運転してください。
3.汚れが溜まりやすい箇所の掃除(掃除の頻度:1回/月)
・残菜フィルターの受け皿部分
油汚れやぬめりなどが溜まりやすいので、クエン酸水(クエン酸を溶かした水)をかけて、ブラシでこすって洗います。
・蒸気口(庫内)
蒸気を外に逃がす穴にゴミなどが詰まっている場合は、つまようじなどを使って取り除きます。
・蒸気口(庫外)
庫外にある蒸気口にも、ゴミなどが溜まっていることがありますので、洗い流して、水気をふき取ってください。
Q.ビルトイン食洗機はDIYで交換できますか?
ビルトイン型は、古い食器洗い乾燥機と、新しい食器洗い乾燥機とでは、給排水管の位置が異なることがあるため、素人では困難な作業になります。 また、老朽化により給排水管などの取り替えが必要な場合は、有資格者が行わなければなりません。
食器洗い乾燥機の取り外しは、自分で行う(DIYする)こともできますが、「電動ドライバー」や「パイプレンチ」などの工具が必要になるので、工具を持っていない方や、作業に自信のない方は、業者に依頼をして取り付けてもらうのがおすすめです。
STEP1:止水栓を閉めて、食器洗い乾燥機の電源を切る
据え置き型と同様に、水栓に分岐水栓を取付ける前に行うときは、最初に止水栓を閉めます。 止水栓を閉めずに分岐水栓の取り付け作業を行うと、水栓から水が出てきてしまい、作業ができなくなってしまうので必ず行ってください。
さらに、ビルトイン型食器洗い乾燥機は消費電力が高いため、専用のブレーカーが用意されています。 万が一のことも考えて、「食器洗い乾燥機用ブレーカー」の電源スイッチを切っておきます。
STEP2:古い食器洗い乾燥機を取り外す
前準備が終わったら、古い食器洗い乾燥機を取り外します。 取り外した後に汚れがあったときは、きれいに拭き取りましょう。
次に、食器洗い乾燥機専用のアース線を切り離し、老朽化により給水管、排水管を交換する必要がある場合は、これらも一緒に取り外します。
STEP3:新しい食器洗い乾燥機を取付ける
【1】ビルトイン食器洗い乾燥機をのせる「脚ユニット(台枠)」を取付けるスペースに合わせ組み立て、システムキッチン内に設置します。
【2】本体側のコードを束ね、本体側とキッチン側の電源コードとアース線を接続します。 給水管と排水管を接続させて、食器洗い乾燥機をシステムキッチンに組込みます。 給水管、排水管を新しく交換する必要がある場合は、ここで新しいものを取り付けます。
【3】試運転を行い、漏水などの不具合がなければ取付け完了となります。
Q.据え置き型食洗機はDIYで交換できますか?
据え置き型は、自分で設置することも可能ですが、その場合には水栓(シングルレバー混合水栓など)に分岐水栓を取り付ける作業が必要になります。 分岐水栓の取り付けに自信のない方は業者に依頼をして取り付けてもらいましょう。
また、水栓のメーカーや形態によって、取り付ける分岐水栓のタイプが決まるので、既存の水栓に取り付けが可能な分岐水栓の型(品番)を事前に調べておく必要があります。 最近のキッチンで多く取り付けられている「シングルレバー混合水栓」(レバー一つでお湯と水の使い分けができる)に分岐水栓を取り付ける方法で次の通りです。
STEP1:止水栓を閉める
この止水栓を閉めずに分岐水栓の取り付け作業を行うと、水栓から水が出てきてしまい、作業ができなくなってしまうので、必ず行ってください。
STEP2:分岐水栓を取り付ける
水栓のレバーハンドルを取り外します。
レバーハンドルは水栓にネジで固定されているので、ドライバーでネジを緩めると、レバーハンドルを取り外すことができます。 このネジの部分がキャップで隠れているタイプもあります。
レバーハンドルの前方や後方にネジが見当たらない場合は、キャップで隠れているタイプの水栓になりますので、探してもキャップが見つからないときは、取扱説明書を確認しましょう。
STEP3:水栓カバーを取り外す
ハンドルを取り外したら、水栓カバーを取り外します。
水栓カバーは、手で回して簡単に取り外せる場合が多いですが、硬くて回すことができない場合は、「モンキーレンチ」を使って水栓カバーを取り出します。 水栓カバーを外すと、お湯の切り替えをするための部品「バルブカートリッジ」が取り付けられているので、それを取り外します。
バルブカートリッジやパッキンが劣化している場合は、水漏れを起こす恐れがあるので、新しいものに交換する必要があります。
STEP4:分岐水栓を固定する
分岐水栓を水栓本体の横にある穴に差し込み、ナット部分を回して閉めていきます。
分岐水栓を取り付けるときは、水栓のピン穴と分岐水栓のピン穴が合うようにはめ込みましょう。また、分岐水栓のピン穴にパッキンがついているか確認します。 パッキンが外れた状態で取り付けると、水漏れの原因になるので気をつけてください。
バルブカートリッジを取付け、水栓カバー、レバーハンドルの順に取り付けます。
STEP5:分水孔コックを付ける
分岐水栓に分水孔アダプター分水孔コックを、「フィルター付きパッキン」と一緒に取り付けます。 「フィルター付きパッキン」を付け忘れてしまうと、水漏れの原因になりますので忘れずに取り付けてください。
分水孔コックを取り付けたら、コックと食器洗い乾燥機を給水ホースでつなげます。
STEP6:試運転
試運転を行い、漏水などの不具合がなければ、取り付け完了となります。 分岐水栓の取り付け方法については、下記の記事にて詳しく解説しています。
渡邊 一伸(ナベさん)