食洗機が故障する原因と修理方法
食器洗い乾燥機は、「据え置き型(卓上型)」と「ビルトイン型」の2種類に分かれ、寿命は「据え置き型(卓上型)」は7年程度、「ビルトイン型」は10年程度とされています。しかし、食器洗い乾燥機は使用頻度が高いので、長く使えば使うほど、寿命までに様々な故障が起きる可能性が高いといえます。
不具合の主な症状には「電源が入らない」、「水漏れ」、「異音がする」などが挙げられますが、不具合の症状によっては、取扱い説明書を見ながら自分で対処できる場合もあります。
ご自分で対処しても不具合が改善しない場合は、速やかに業者に連絡して修理してもらいしましょう。 据え置き型、ビルトイン型で起こる、代表的な3つの不具合について解説していきますので、参考にしてみてください。
電源が入らない
【据え置き型】
食器洗い乾燥機の電源が入らなくなってしまったら、最初に以下の2つを試してみてください。
- 電源コードを一度抜いて差し込みなおす
- コンセントにドライヤー等の別の家電機器を接続して電源が入るか確認
電源コードの差し込み直しや、コンセントに問題がないにも関わらず電源が入らない場合は、食器洗い乾燥機の電源系統の故障が考えられますので、メーカーや業者に連絡してください。
このような電源系統の故障の原因は、経年劣化や温度ヒューズなどの破損などが挙げられます。
【ビルトイン型】
電源が入らなくなってしまった場合は、据え置き型同様に、食洗機の電源コードを一度、抜いてみましょう。 約1時間後に、電源コードを再度差し込んで電源を入れてみてください。食洗機専用コンセントは、食洗機の裏側(奥)やシンク下に設けられていますが、ご自身での作業が難しい場合や、コンセントが見当たらない場合は、業者に見てもらうほうが確実です。
電源コードを差し込み直しても電源が入らない場合は、食洗機自体の交換、もしくは、部品(ミストを発生させる部品など)を交換することで、症状が改善することがあります。業者に依頼をして状態を確認してもらいましょう。
水漏れ
食器洗い乾燥機本体に漏水エラーが表示されている場合は、据え置き型、ビルトイン型共に「給水ホース」、「排水ホース」の接続の緩みや破損、つまり、「パッキン」の劣化等による、水漏れが起きています。
【据え置き型】
ホースが抜けている
食器洗い乾燥機と、ホースがしっかり接続していなかったために漏水するケースがあります。 この場合は、食器洗い乾燥機の運転を止めてから、分岐水栓をしっかり締め直し、 ホースをしっかり接続し直します。ホースが破損している
ホースは長く使用をすると硬くなり、ヒビ割れなどが起きてきます。 このような状態のままで使い続けると、最悪の場合はヒビ割れた箇所が破損し、水漏れを起こしてしまいます。
ホースが破損したときは、新しいホースに買い替えなければなりません。パッキンの劣化している
パッキンなどのゴム性の部品も、長く使うと劣化によって破損しやすくなります。 パッキンの劣化による漏水が発生したら、新しいパッキンに交換しなければなりません。
「給水ホース」、「排水ホース」、「パッキン」の交換は、技術や知識のある専門業者に依頼した方がよいでしょう。
その他に、「タンクに溜まった石鹸カス」や「排水ホース内にこびりついた油汚れ」などで排水がうまくいかず、漏水してしまうことも多々あります。
このような場合は、タンクに溜まった石鹸カスや、ホースに溜まった汚れを取り除いたりすることで、解消されることがあります。ただし、ホース内の汚れがひどい場合や、ホースが劣化している場合は「給水ホース」、「排水ホース」を交換する必要があります。
【ビルトイン型】
ビルトイン型に起こる漏水の主な原因は、排水ホース上部のつまり(ヘドロなど)による水漏れなどが挙げられます。
ビルトイン型の漏水の場合は、作業が難しいため業者に修理を依頼してください。
食器類は付着している油汚れを落としてから食洗機に入れる、「お急ぎモード」ではなく「通常モード」で運転をするなどして、排水ホース内に汚れが付着しにくい状態を心がけることも大切です。
また、排水経路に残っている油をきれいに流すため、定期的に庫内洗浄を行ってください。そうすることで、漏水エラーなども起こりにくくなるでしょう。
異音がする
【据え置き型】
以前よりも、運転音が大きくなったり、金属音などの異常な音(食洗機が作動する音以外)がする場合は、本体の点検が必要です。速やかに、運転を中止して業者に修理の依頼をしてください。
ただし、給水直後に、「ドスン」などの衝撃音がする場合は、ウォーターハンマーによるもので、異常音である可能性は低いでしょう。 大きな音が気になる場合は、水道栓を少し絞ってみてください。それでも改善されなければ、蛇口メーカーなどで購入することができる、「ウォーターハンマー防止器」または、「水撃防止器」という部品を取付けることで衝撃音を抑えることができます。
また、配管の状態や建築構造より、改善されないこともありますので、そのような場合は水道業者や建築業者に相談されることをおすすめします。
※ウォーターハンマーとは、水道水圧が高い際に配管内に圧力がかかり、衝撃波として音が発生する症状のことです。
【ビルトイン型】
据え置き型同様に以前よりも、運転音が大きくなったり、金属音などの異常な音(食洗機が作動する音以外)がする場合は、本体の点検が必要です。速やかに、運転を中止して業者に修理の依頼をしてください。
ただし、運転途中から音が大きくなった場合には、以下のような原因が挙げられます。各対処方法を試すことで解消されることがありますので、参考にしてみてください。
- 「残さいフィルター」が、目詰まりしている → 残菜フィルターを掃除する
- 大きな固形物が庫内を巡回している → 大きな固形物を取り除く
- 食器を重ねて置いている → 食器が重ならないように入れ直す
食洗機を使用するときに注意すべきポイント
食器洗い乾燥機をなるべく故障させないために重要なのは、定期的にお手入れや正しい方法で使用することです。
また、食器洗い乾燥機に備わっている「スピーディ」や「パワフル」といった運転コースの機能が影響して、故障する場合もあります。
ここでは、食器洗い乾燥機が故障しないために、普段から注意しておくべきポイントについてご紹介します。
お手入れ方法
食器洗い乾燥機のお手入れでは、次の箇所を重点的に行なってください。
- 「残さいフィルター」の掃除
- 食器洗い乾燥機内を洗浄
- 食器洗い乾燥機内の拭き掃除(据え置き型:ドアパッキン部分の掃除)
- 「回転ノズル」のお手入れ
「残さいフィルター」は、食器洗い乾燥機を使う度に汚れてしまうので、溜まった固形物や汚れは、毎日取り除くようにしましょう。
汚れを取り除かずに使用し続けると、衛生的にみても良くないだけでなく、悪臭やゴキブリなどが発生する原因にもなるため、注意してください。
食器洗い乾燥機内の汚れや臭いが気になる場合は、食器を入れずに庫内を洗浄(標準コース・お手入れコース)してください。 ホームセンターなどで購入できる食器洗い乾燥機専用クリーナーやクエン酸を用いて洗浄すると、内部をいつも清潔に保つことができます。
また、月に一度の拭き掃除も併せて行いましょう。
据え置き型は、ドア部分のパッキンが汚れていたり、破損すると水漏れの原因になりますので、丁寧に掃除してください。 カビ汚れがひどい場合は、各メーカーから販売されている、食器洗い乾燥機専用のクリーナーを使用するのがおすすめです。
また、食器洗い乾燥機の内部を拭き掃除する際に、「回転ノズル」のお手入れも一緒に行いましょう。 回転ノズルは引き抜いて取り外すことができますので、水を溜めたバケツの中に入れてゆすりながら洗います。
使用方法
食器洗い乾燥機を使用する際には、「食器についた油汚れを落としてセットする」、「洗剤量を守る」の2点に、気を付けてください。
食器洗い乾燥機に食器をセットする前に、食器についている油汚れなどをなるべく取り除いておくことが大切です。 食器の予洗いをしておくことで、排水ホース内に油汚れが溜まらず漏水トラブルを防ぐことができます。
さらに、洗剤量をきちんと守って使用することも、故障を防ぐための重要なポイントです。 使用する洗剤の量が多すぎると、洗剤が溶け切らず漏水トラブルを引き起こすことがありますので、注意しましょう。
運転コース
食器洗い乾燥機は使用方法だけでなく、運転コースも気を付けておかなくてはいけません。
運転コースには「標準」、「パワフル」、「スピーディー」などの様々なコースがありますが、洗浄時間を短縮したいなどの理由から「スピーディー」コースを頻繁に使用されている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、この「スピーディー」コースを使用すると、通常よりも洗浄時間が短いので、油などを溶かすための時間や充分な水温が得られないことがあります。 そのため、油汚れが排水ホースに付着して残ってしまい、排水ホースを詰まらせる原因となることがあります。
普段から、運転コースをバランスよく使用することで、故障を防ぐことができます。
食器洗い乾燥機は台所用洗剤を使用すると故障の原因になる?
食器洗い乾燥機は通常の台所用洗剤ではなく、必ず「食器洗い乾燥機専用洗剤」を使用してください。
どちらも同じ洗剤だから問題なのではないか、と思われる方もいらっしゃると思いますが、「台所用洗剤」を食器洗い乾燥機に使用すると泡が大量に発生してしまい、食器をきれいに洗浄することができません。
大量に発生した泡で内部がいっぱいになってしまうと、洗浄ノズルが泡を吸い込んで回転不良を起こし、場合によっては異常や故障の原因になります。
そして、食器の油汚れなどを、あらかじめ台所用洗剤で手洗いした場合は、台所用洗剤が残らないようしっかりすすいでから、食器洗い乾燥機にセットをする必要があります。
食器洗い乾燥機の中に入れてはいけないもの
洗い物の手間を省いてくれる便利な機械ですが、洗えない食器や調理器具があるので注意してください。 食洗機で洗えない代表的なものを、いくつか挙げていますので、参考にしてみてください。
【食洗機で洗えないもの】
- アルミ製の鍋、食器、ボウル
- 金器、銀器、漆器(しっき)
- フッ素樹脂加工のフライパン、鍋
- 鉄製のフライパン
- 陶器(焼き物)
- 木製の食器類
アルミは、ステンレスとよく似ている素材ですが、食洗機に入れて洗浄、乾燥してしまうと、黒ずんでしまいます。 同様に金や銀の器、漆器、陶器(焼き物)、木製の食器類も高温に弱く割れてしまう恐れがあるので、食洗機での洗浄、乾燥は避けてください。
また、フッ素樹脂加工、鉄製のフライパンや鍋も表面の黒皮が削られてしまい、サビなどが浮いてしまうことがありますので、手洗いするのがおすすめです。
まとめ
食器洗い乾燥機(据え置き型、ビルトイン型)は、食器洗いの手間を省いてくれるので、毎日使用しているというご家庭も多いのではないでしょうか。 しかし、突然何らかの不具合で使えなくなってしまうと、とても困りますよね。
食器洗い乾燥機はに何らかの不具合が現れた場合は、ご自身で処置を施して解消することもありますので、ご紹介した方法を一度試してみてください。 その後も、症状が改善されない場合は、業者に修理を依頼されることをおすすめします。
また、日頃から適切な使用方法を守り、定期的なお手入れをすることで、食洗機の寿命を延ばすことができますので必ず行ってください。
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