DIYで外壁塗装を行うときの大まかな流れ
DIYで外壁リフォームを行う場合は、施工の流れを知っておくことが大切です。外壁塗装を行う際は、いきなり外壁を塗り始めてはいけません。まず最初に外壁の状況を確認することから始めます。
それでは、DIYで外壁塗装を行うときの施工の流れを、順を追って説明していきます。戸建ての外壁塗装を行う手順は、塗装職人が実際に行う手順とほぼ同じです。
1. 外壁全体を確認する
最初に述べた通り、外壁の小さなヒビなどは絶対に見逃さないようにしましょう。ここで見逃してしまうと、後々大規模な工事をすることにもなりかねません。細部まできちんとチェックしてください。
2.足場を組む
外壁塗装の際に脚立を使っての作業する方もいらっしゃいますが、脚立では何かと不安定ですし、やはり高い場所の塗装するときは足場の設置が不可欠です。足場がないと隅々まで外壁をチェックすることは難しいでしょう。
足場はDIYで組むことは非常に難しく、仮に組み立てられても安全に作業が行えるとは限りません。高所の作業中に崩れてしまったら大怪我をしてしまいますので、できれば専門の業者に依頼してください。
ちなみに、足場を設置する相場は1㎡で800~1000円ほどです。30坪の戸建てで外壁の全面を塗装をする場合の足場は8万~10万円前後かかります。足場の設置と撤去だけ請け負ってもらえるか、あらかじめ業者に確認しておくことも重要です。
3.外壁洗浄を行う
外壁塗装を行うときは、塗装する前に必ず外壁洗浄を行います。あまり汚れていないからといって、外壁洗浄をせずに上から塗装してしまうと、塗料が剥がれる原因になります。
作業音が大きい高圧洗浄機の場合は、使用する前に「〇月〇日の〇時ごろに外壁の洗浄を行うため、ご迷惑おかけします」と近隣の方に一言言っておきましょう。洗浄した後は1日作業を止めてしっかりと乾燥させます。
外壁洗浄は1,2mの高さを洗浄するのでしたら問題ないのですが、3m以上の場合は水圧が足りず霧のようになってしまうため、足場が必要になります。
外壁の外壁洗浄についてはこちらの記事で詳細に説明しています。
4.外壁のヒビや亀裂の補修
外壁にヒビが入っている、コーキングが剥がれている場合は修理・補修を行います。
コーキングとは、サイディング外壁の隙間を埋めるために使用されている目地材のことです。コーキングが剥がれると、隙間から雨水などが壁の中に侵入してしまいます。
壁がひび割れは大きさによって対応が違ってきます。0.3mm以下の場合は特に補修を行う必要はありませんが、ひび割れが大きくなっていないか定期的に確認してください。
1mm以上のときは補修が必要になり、3mm以上の場合は専門の業者に依頼してください。補修方法は専用のプライマーを散布、充填材をひびに埋め込むなどがありますが、詳しくはこちらの記事に記載されています。
5.養生する
塗装を行うときは、マスキングテープや養生テープを使って施工する部分を囲み、他の部分に塗料がつかないようにします。
ちなみにマスカーと呼ばれる、テープの下にビニールシートがついているものを使用すると、マスキングしながら汚したくない部分をビニールシートで覆うことができるので便利です。
外壁塗装を行うときは自宅だけでなく、近隣の家にある植木、自動車、バイクなど、他の方の所有物に塗料が付着しないように気をつけてください。風が強い日など塗料が飛んでしまう可能性があるため、できるだけDIYを行わないようにしましょう。
6.下塗り(ゼロ塗り)
上記でご説明したことはすべて下準備です。ここから外壁を塗っていくのですが、まずは塗料を塗るのではなく、プライマー、もしくはシーラーと呼ばれるものを塗っていきます。
塗料には密着性がないものがほとんどのため、この下塗りの作業を行うことで、次の中塗りと上塗りの塗料の密着性を高めてくれるのです。
7.中塗り・上塗り
中塗りをすることでムラなく仕上がりがキレイになります。完全に乾燥させずに生乾きの上に塗料をのせてしまうと、塗料の効果や寿命が半減してしまいますので注意しましょう。
上塗りは仮に剥がれたとしても同じ塗料である中塗りをしてあるので、剥がれたのが目立たなくなる効果があります。 外壁塗装の見積依頼をするときは、外壁を何回塗るか聞いておくと業者を選ぶ際に1つの目安になります。
8. 養生・足場の解体
マスキングに使用したテープやビニールが残らないように剝がしていきます。 足場をご自身で解体するのであれば、部材に長さがあるものが多いので、せっかく塗装した外壁や周辺にある物に当たらないようにしましょう。
外壁塗装は基本的に以上の手順で行っていきます。
複数人で行えばそれだけ施工期間は早くなりますが、1人で行う場合ですと一般的な戸建て住宅では1ヶ月以上はかかるといわれています。
また、外壁塗装に使う塗料は種類が多くて迷われると思いますが、そんなときは下記のリフォマ外壁塗装判断をご利用ください。
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DIYで外壁リフォームを行ったときの費用
以下の表は外壁塗装をDIYで行った際の費用です。
道具を一から購入し、30坪程度の戸建て住宅(1階のみ)の外壁塗装を行った場合を想定しています。
DIYの費用内訳
塗装の道具
30,000円~40000円
足場(業者に依頼)
80,000円~100,000円
下塗り材
600円~900円/㎡
塗料
1,400円~5000円/㎡
合計
17万円~47万円
30坪の自宅の外壁を㎡で表すと、140~150㎡となります。2階建ての場合は200㎡です。今回は140㎡とし、塗料は2回塗る前提で計算しました。ちなみに塗料は缶によって塗れる面積=塗布面積が違います。
合計で17万~47万円になりましたが、割り出した費用はあくまで概算ですので目安程度にお考えください。
一方、業者に依頼した場合では、自宅の外壁塗装を全面で行うと50~150万円、外壁のサイディングも全面張替えですと150万円以上になります。
外壁リフォームをDIYで行うときに必要な道具
外壁のリフォームをDIYで行うときは専用の道具が必要になります。元々持ってあるのであればそちらを使用してください。
ここでは、DIYが未経験で道具を持ってない方のため道具の使い方と費用について説明していきます。
DIYで外壁塗装する場合
外壁塗装のDIYを行うときは、概ね以下の道具があればよいでしょう。
エアーブラシ
出典:カインズ
カップの中に塗料を入れて霧のように外壁に吹き付けるよう器具です。電動のものがほとんどで、値段は6000~3万円程度です。
周囲に飛散する危険性があるため、使用しない方もいるようですが近年では飛散しにくい商品も出ています。そうはいっても絶対に飛散しないわけではありませんので、使用するときは注意が必要になります。
マスキングテープ(養生テープ)
出典:カインズ
マスキングテープは長さや幅によって値段が違ってきますが、1本150~250円程度です。ただし、30坪の外壁を全面塗装するとなると、2万円前後は考えておきましょう。
刷毛(ハケ)
出典:カインズ
刷毛は毛の部分の材質と刷毛の幅で値段が変わってきます。塗料の水性と油性で取り換えなければいけませんし、塗る部分によって必要な幅が異なるのでを2、3本あると便利です。
30mmは150~400円程度、1cmのもので150~500円程度、3cmですと300~1500円程度です。刷毛はとにかく種類が多いので、どれを買っていいか迷ったときはホームセンターなどで相談してみるとよいでしょう。
ローラー
出典:カインズ
ローラーは塗料が飛び散らないため、DIY初心者でも扱いやすい道具です。
一般的にローラーの幅は4cmと6cmが使われています。4cmは300~1000円程度、6cmは400~2000円程度です。
専門の業者でも近年はエアーブラシでの吹き付けではなく、ローラーで外壁を塗るのが主流になりつつあります。その理由としては、吹き付けだと風によって塗料が周囲の家々に飛んでしまい、最悪の場合は賠償責任を問われることがあるからです。
下塗り塗料
出典:カインズ
下塗りは仕上げ塗料とは別に、シーラーと呼ばれる塗料の密着性、耐久性を高めるために塗る下塗り材を使用します。
油性と水性のものがあり、水性は1400~3500円程度で、油性は1500~3000円程度です。塗料に合わせて適した方を選んでください。
仕上げ塗料
出典:カインズ
塗料は耐久性、耐火性が高いものなど、特性も多岐にわたっているだけでなく費用にも差があります。例えば比較的安価な塗料と言われているウレタン塗装であれば、1㎡で1700〜2000円程度ですが、耐用年数が長いフッ素塗料では3500〜5000円程度かかります。
自宅に使用される塗料は、夏場の冷房代を抑えることにつながるため、断熱性が高いものが人気があるようです。色はご自身の好きなに選んで良いのですが、外壁の色は目立ちますので近隣の家々に合わせるなど、周囲から浮かない色を選んだ方が無難です。
- その他の道具
上記以外にも、シンナー(塗料の種類によっては必要) 、下げ缶、防毒マスク、雨合羽などがあるとよいでしょう。
DIYで外壁リフォームをしたときのデメリット
ここまでDIYのやり方や使用する道具の説明をしてきましたが、外壁リフォームのDIYを行う場合はデメリットが発生します。
以下の4つがデメリットとしてよく挙げられていますので、DIYを行う方はしっかり理解しておきましょう。
イメージ通りにできないことがある
外壁塗装と外壁の張替えは誰でも行えるものではありません。特に外壁塗装は簡単そうな作業に思えますが、専門の業者が素早く綺麗に仕上げられるのは技術と経験があるからです。
丁寧に塗っていかないと外壁にムラができてしまいますし、下塗りは塗料の密着性を高めるための作業ですので手を抜けません。そこを怠ってしまうと、塗料を塗ってもすぐに剥がれてきてしまいます。
プロ顔負けに仕上げる器用な方もいらっしゃるとは思いますが、DIYの経験が少ない方ですとキレイに仕上げるのは非常に難しいです。
空いた時間で行うので時間がかかる
長期休暇ときにDIYを行う方もいるかもしれませんが、ほとんどの方が土日など空いた時間に行うのではないでしょうか。
ご自宅の状況にもよりますが、外壁リフォームは作業量が多く、DIYに慣れていない方が1日で終わらせることは稀です。雨が降れば延期になってしまいますし、風が強い日も塗装の場合は見合わせることになります。
DIYを始める前なら良いのですが、塗装している途中や足場を組んだ状態のまま作業が止まってしまっては見た目もよろしくないので、できるだけ早く作業を終わらせたいですよね。さらに、外壁塗装では既に塗装した部分としていない部分で耐久性の差が生じることがあるため、一度始めたら一気に終わらせるのが理想です。
正しい判断ができないまま処理してしまう
外壁は見た目だけで判断するのが難しい場所です。見た目に問題が見られなかったので、そのままサイディングを上から張替ってしまったが、実は古い壁の中でカビが発生していたり、腐食しているケースがあります。
外壁の判断は専門の業者でなければできません。さらに、外壁塗装では水性塗料の上に油性塗料を塗ってしまうと剥がれてしまうことがあります。塗料の選択を間違えてしまうと、せっかくの機能も発揮されないため注意が必要です。
怪我をするかもしれない
外壁リフォームでは、足場を組んで行うことがほとんどです。業者に依頼して足場を組んでもらっても、高所での作業経験がないため実際立ってみたら怖くて動けなくなる方もいるといいます。
また、置いておいた道具などに躓いたり滑ったりして転落し、死んでしまったケースも多々あります。ヘルメットや腰に安全帯を装着しておいても、絶対に怪我をしないわけではありません。
その他にも、電動カッターやディスクグラインダーは1歩間違えば大事故につながりますので、DIYに慣れている方でも慎重に作業してください。
外壁塗装などのDIYを行うときのデメリットは、下記の記事でより詳しく説明しています。
外壁リフォームのDIYには5つのデメリットがある
外壁リフォームを業者に依頼する目安
DIYでの外壁塗装や外壁の張替えは様々なデメリットが考えられるだけでなく、DIYによる施工のほうが逆に費用が高くなることがあります。
ですので、最後に業者に依頼する目安についてご紹介します。
- 廃材が多く出そうなとき
- すぐに工事を終わらせてほしいとき
外壁の張替えは、古いサイディングを剥がして新しいサイディングを張替える工法ですと、廃材が発生します。廃材はご自身でも処理が可能ですが、引き取りにくる際に日数が空いてしまうと、それまで廃材を保管しておく場所が必要になります。
さらに、業者はその道のプロですので、足場を組んでから複数人で行うので1日から2週間程度で外壁リフォームを終わらせます。DIYでマイペースに楽しく作業するのは良いことですが、短い期間で確実にキレイな外観を手に入れたい方は、業者に依頼することをおすすめします。
外壁リフォームの注意点について詳しくはこちらで解説しています↓
外壁の修理・リフォームする場合に費用相場と必要な工事を解説
まとめ
DIYは費用が安価で済むだけでなく、道具を揃えて空いている時間に行うので良い気分転換にもなりますし、自分の手で仕上げたという達成感はなかなか得られものではありません。
しかし、高所での作業は慣れないと地上のように動けないですし、ちょっとした油断で怪我をする可能性があります。DIYの経験がないため仕上がりに不安がある方は、専門の業者に依頼すると確実に仕上げてもらえるだけでなく、業務用のペンキやサイディングを使用して外壁リフォームを行ってくれるため、長い目でみると費用を払う価値は十分にあるでしょう。
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