2019年4月9日

サイディング補修の方法と費用を解説! ひびや剥がれなど症状別にご紹介

サイディングは外壁材シェアの8割を占めるほど広く使われている素材ですが、劣化しやすいのがデメリットで、定期的な補修工事が必要です。この記事では、ご自宅のサイディングの症状ごとに、どんな工事が必要か、費用はどのくらいかかるのかを解説していきます。DIYでできることもありますので、ぜひ参考にしてください。

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サイディングの劣化を放置すると?

サイディングボードの外壁はコストパフォーマンスの高さや豊富なデザイン性から、国内の外壁シェアの8割近くに上ります。

しかし、サイディングボードにはタイルなど他の外壁材と比べて劣化しやすいというデメリットがあり、ひび割れなどの劣化している状態で放置しておくと、家自体の内部構造に影響が出て、結果的に高い補修費用が掛かってしまうケースがあるので注意が必要です。

まずは、ご自宅のサイディングにどんな症状が生じているのか確認してください。それによって、必要な工事や費用は次章で詳しく解説していきます。

サイディングの症状と必要な工事を解説

サイディングの劣化と一言で言っても、その症状は様々です。
数万円程度の補修で済む工事から、サイディングを張り替える100万円以上の大規模な工事まであります。

ご自宅の状態に合った工事はどれか、業者の提案するプランが正しいかどうか、見極める知識をお教えしますので、ぜひ参考にしてください。

シーリング材のひび割れ

  • 25万〜50万(シーリング剤打ち替え工事)

サイディング外壁の中で一番に劣化が始まる箇所はシーリングです。シーリングがひび割れしている、シーリングがサイディングから剥がれている、などの劣化症状がある場合、新しいシーリング材を打ち替えるなどの補修が必要です。目安は5年に一度です。

サイディングのひび割れ

  • 20万〜40万(シーリング剤注入工事)


画像出典 http://www.azuma-net.co.jp/

サイディング表面の塗膜は時間が経つと劣化し、雨水が浸入しやすくなります。すると、夏の暑さ・冬場の凍結で、収縮と膨張を繰り返し、サイディング本体にひび割れが生じてしまいます。ひび割れ部分にシーリングを施すことで、応急処置をしていきます。
こちらも目安は5年に一度です。

チョーキング・塗装の剥がれ

  • 80万〜150万円(塗り替え工事)

チョーキングとは、サイディングを手で触ると白い粉が付く状態のことです。これらの劣化症状は、サイディングの表面に塗装している、塗膜の劣化が進行しているサインです。
目安は10年に一度で、色あせ・塗装の剥がれ・チョーキングなどの場合、塗装をしてメンテナンスをします。

サイディングの反り

  • 150万〜300万円(全面張り替え)


画像出典 http://field-tosou.ciao.jp/

サイディングに反り、大きな亀裂などが発生している場合、かなり劣化が激しいといえます。補修工事や塗装工事では対処できないため、新しいサイディングボードに取り替える、重ね張り工事、張り替え工事が必要です。
発見次第、すぐに業者を呼ぶようにしましょう。

サイディング補修の費用相場

上の表はサイディング補修の費用をまとめたものになりますので、参考にしてみてください。

シーリングのひび割れ補修

シーリングはサイディングとサイディングの間の目地という部分に入れる、柔らかいゴムのようなものです。シーリングがあることで、堅くて薄い板であるサイディングボードが多少動いても、シーリングの柔らかい部分が代わりに動いてくれ、ひび割れの原因となるような大きな負荷になりにくいという役目を持っています。

シーリングのひび割れ補修の費用相場 

シーリングの補修は2種類あり、既存のシーリングを取り除き、新しいシーリングに打ち替える「打ち替え」という方法と、既存のシーリングの上から新しいシーリング材を充填する「打ち増し」という方法です。

打ち替えより打ち増しのほうが安く済みますが、すぐにひび割れなどの劣化症状が再発してしまう可能性があります。

外壁の修理・補修の費用相場

コーキング処理

打ち替え

700~1,200円/㎡

打ち増し

500~900円/㎡

  • 業者に補修を依頼する場合、総額25~50万円
  • DIYで補修する場合、総額5~7万円

費用は主に補修を行う長さによりますが、足場を立てるかどうかによっても変わります。2階部分の施工を行う場合、どうしても足場代がかかり、およそ15~20万円程が追加で必要です。打ち替えの場合は、既存のシーリングを撤去する作業代も追加でかかります。

DIYの場合は材料費だけで済みます。材料については後半詳しく解説しますが、サイディング補修は高所での作業が危険を伴ったりと、様々なデメリットがあるため、あまりオススメできません。

シーリングのヒビ割れ補修の方法

では、シーリングのひび割れを補修する工程について解説します。

1.シーリングを撤去する
カッターなどを用いて切れ目を入れ、ペンチで古くなったシーリングを全て撤去します。

2.養生し、プライマーを塗布する
養生テープを用いて、シーリングに近い外壁部分の養生作業を行います。シーリングのはみ出しを防ぐためと、一定の厚みで打ち換えを行うためのふたつの目的があります。 その後、サイディング本体の補修と同様、プライマーと呼ばれる接着塗料を塗ります。

3.シーリングを充填する
シーリングを目地部分に流し込み、ヘラなどで内部に隙間がないように均等にしていきます。

サイディングボードひび割れ補修 

サイディングはコストパフォーマンスに優れていますが、劣化しやすい素材です。一般に使われているサイディングのほとんどは、窯業系サイディングですので、ここでは窯業系サイディングの補修費用と方法について詳しく解説していきます。

サイディングボードひび割れ補修の費用相場

  • 業者に依頼した場合20~40万円

ひび割れ補修には、シーリング剤(コーキング剤)をひび割れ部分に充填していきます
主には、補修を行う長さによって変動しますが、足場を立てるかどうかによっても費用は変わります。2階部分の施工を行う場合、どうしても足場代がかかり、およそ15~20万円程追加で必要です。

  • DIYで補修する場合、総額2~4万円

DIYでシーリングの打ち替えを行う場合は、かかる費用は材料費だけで済みます。
材料については、後半で詳しく解説しています。

サイディングボードひび割れ補修の方法

1.ひび割れ部分を清掃する
最初にカッターでV字に削って、溝を作ります。その後、ひび割れ部分を刷毛を用いて汚れやゴミなどの不純物を取り除くます。

2.プライマーを塗布する
シーリングと下地との接着力を高めるため、プライマーという接着剤を塗布します。

3.シーリングを充填する
シーリングを充填して、ひび割れの箇所を埋め、ヘラを用いて平らにします。

4.モルタルで表面を埋める
モルタルにて表面を埋め戻し、平らな仕上りにしたあと、塗装によって保護します。

以上のようにシーリングを用いて、サイディングボード本体のひび割れ補修作業を行います。

サイディングの塗装

サイディングの補修として一般的なのが、サイディングの塗装工事です。
10年に一度の目安で行なうのがいいと言われています。
サイディングの塗装工事の費用は、塗装面積と使用する塗料のグレードで大きく変わってきます

詳しくはこちらの記事で解説しているので、参考にしてみてください↓
外壁塗装の坪数ごとの費用相場は?塗装工事をする時に必要な知識が丸わかり!

サイディングの塗装工事の費用相場

条件によって様々ですが、料金価格は80万円~150万円前後が相場です。

使用する塗料の種類によって価格は大きく変わります。
最も使われているのがシリコン系塗料で、耐久性とコストパフォーマンスに優れています。
アクリル系塗料は現在ほとんど使われていないように、あまりに安い塗料を使ってしまうと、すぐ塗装が剥がれて結果的に費用が高くつきます。

塗料の種類と特徴

種類

1㎡あたりの価格

耐用年数

アクリル

1400〜1600円

5〜8年

ウレタン

1700〜2200円

7〜10年

シリコン

2300〜3000円

10〜15年

フッ素

3800〜4800円

15〜20年

光触媒系

3800〜4800円

15〜20年

ハイブリッド塗料

3800〜4800円

15〜20年

サイディングの塗装工事の方法

1.足場設置、飛散防止シートの設置、養生
家全体に足場を設置し、その周りから飛散防止シートをかけます。周りに車などがある場合はシートをかぶせて塗料が飛ばないようにします。

2.高圧洗浄と下地処理
ひび割れがある部分などを補修したり、汚れを徹底的に落としたりします。古いサイディングボードだとこの高圧洗浄に耐えられない場合があります。そこまで老朽化してしまった場合は、サイディングボードごと交換する事も選択しに入れましょう。

3.下塗りと上塗り
モルタルと同様に、下塗りを1回、上塗りを2回の合計3回塗りが基本です。
上塗りは2回行いますが、塗料の定着率を高めるために下塗りを行い、上から強度を高めるために2回の上塗りを行います。

サイディングの反り修理

サイディングの大きな割れや反りの修理には、サイディングそのものを新しくする工事で補修を行います。方法は2種類あります。
サイディングを既存のもの上から張る重ね張り(カバー)工事、既存のサイディングを撤去して張り替えてしまう張り替え工事です。

ひび割れなどの場合は重ね張り(カバー)工事で安く対応可能ですが、反ってしまっている場合には張り替え工事しか選択肢がありません
日々のメンテナンスをしっかりとし、この段階になる前に補修しておきたいところです。

サイディングの反り修理の費用相場

  • 重ね張り工事場合、150万〜200万

カバー工事のメリットは、張り替え工事と違い、既存の外壁材を解体撤去する必要がないため、工事の費用と施工期間を抑えられることです。
撤去費用や人件費を抑えることができます。

  • 張り替え工事の場合、200万〜300万

張り替え工事なら、既存の外壁材を撤去して新しい外壁材を設置するため、重量増加が起こらず、耐震性を維持したままリフォームを行うことができます。 また、使用する外壁材(サイディングボード)をある程度自由に選ぶことができるというのもメリットです。

重ね張り(カバー)工事

費用(延床面積120㎡の場合)

150万〜200万円

工期

2週間程度

耐用年数

30年以上

サイディング補修はDIYでできる?

シーリングやサイディングのひび割れなど、細かい補修であれば、DIYで費用を抑えることは可能です

しかし、補修箇所が複数ある場合や、高所にある場合には、専門業者への依頼を強くオススメします。
複数となると素人がひとりでやるには時間がかかりすぎる上、高所の作業ともなると非常に危険だからです。サイディングは種類ごとに塗料と相性があり、特定の塗料が使用できないなど細かい制約があります。

DIYに必要な用具

サイディングのひび割れ補修をDIYで行うときは、概ね以下の道具があればよいでしょう。

コーキング剤


出典:セメダイン

サイディングの目地や割れ目に流し込む樹脂です。コーキングガンと呼ばれる専用の機械に取り付けて使われるのが一般的です。
価格は500円〜1500円程度で、変成シリコンという素材が最も用途が広く、むき出しになる外壁にも適しています。
普通のシリコン素材では、上からの塗装に不向きなので注意しましょう。

コーキングガン

容器にはいったコーキング材を押し出すための器具です。
価格帯は200円〜10000円と様々で、高いものになると電動式であったり、360度の回転機能が付いているなど、作業効率が高まりますが、DIYの場合は安いもので十分です。

パテ


出典:モノタロウ

パテは市販されている手軽な補修剤で、500円〜1000円程度で購入可能です。
細かいひび割れを補修するのは可能ですが、あくまで応急措置程度で、1年〜2年程度ですぐに剥がれてしまうケースが多いです。
DIYで補修した結果、外壁塗装を頼んだ際に補修剤が塗料と合わず、撤去するのに余計に費用がかかったというパターンもあるので、注意が必要です。

マスキングテープ(養生テープ)

出典:カインズ

マスキングテープは長さや幅によって値段が違ってきますが、1本150~250円程度です。

DIYをする際の注意点

DIYは費用を抑えられる反面、多くのデメリットがあることは頭にいれておく必要があります。

「養生が不適切だったために、他の部分にまでコーキングが付着してしまいやり直すことになった。」
「使用したコーキング剤と外壁材の相性が悪く、却って耐久性を落としてしまった。」

などのリスクがあります。以上を踏まえると、ひび割れの補修であっても、DIYではなく、業者に依頼して補修してもらることをおすすめします。

サイディング補修の業者選びのポイント

最後に気になるのは、やはり業者選びですよね。 いい業者に出会えれば、適正な価格できちんとした工事を行ってくれます。

サイディングの補修ができる業者だからといって、どんな業者でも良いわけではありません。 中には悪徳な補修業者も混ざっているので、以下のポイントに注意して選びましょう。

サイディングの補修事例が多い業者を選ぶ

サイディングには様々な種類が存在していて、それぞれのサイディングで合う施工方法などが存在しています。

使用する外壁塗料とサイディング材の相性によって耐用年数が変わることもあり、サイディングの知識がなくてはいけません。
サイディングの補修事例が多い業者を選ぶことで、安心して工事を任せられます。

複数社の見積りをとって費用を比較する

複数社の見積りをとって費用を比較する相見積もりは、費用を抑えるひとつの手段です。有名な会社だからといって、適切な見積もり金額を出してくれるとは限りません。

家の状態によって必要な工事は異なるため、業者が勧める工事内容や提示する費用も変わります。複数の業者で見積もりを取ることで、サイディング補修の適正な価格が分かるので、必ず相見積もりを行うようにしましょう。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。