クラックの種類
クラックとは、外壁にできてしまうひび割れのことを指します。 どんな建物にもメンテナンスは年月の経過とともに必ず必要になってくるもので、重要なメンテナンスのひとつに外壁があります。
外壁には外気や雨風等から建物の内部を守るという大きな役割があり、内部を守るということが建物自体を守るということにつながっています。 外壁にできてしまうクラックには、「ヘアクラック」「乾燥クラック」「構造クラック」「縁切れクラック」の4種類に分けることができ、それぞれの特徴が異なります。
ヘアクラック
ヘアクラックは、髪の毛のように細くて長いひび割れです。 ヘアクラックは経年劣化が原因のものが多く、すぐに外壁材や住宅内部に影響を及ぼす可能性はあまりありませんが、長い間放置してしまうとひび割れが広がり、雨漏りや内部が腐食してしまう原因にもなります。
また、シロアリの発生要因にもなりかねないので、補修が必要になります。
乾燥クラック
乾燥クラックは、外壁にモルタル・コンクリートを使った場合に起こるクラックで、水分の蒸発によって収縮し起こります。 モルタル・コンクリート外壁は、壁材と水を混ぜ合わせて塗装するため、下地が完全に乾燥する前に塗装をしてしまうとひび割れを起こしてしまいます。
構造クラック
構造クラックは、建物自体の構造的な問題や、凍結と誘拐の繰り返しによって建物が歪むことによってできてしまう大きなヒビのことです。 地震などによっても発生しやすく、放置してしまうと外壁内部にまで雨水が入り込み腐食につながる可能性があるため、早めの補修を検討しなければなりません。
また、構造クラックができてしまうと、建物の強度が低くなり支えられなくなって倒壊してしまう恐れもあります。
縁切れクラック
縁切れクラックは、外壁を2度に分けて塗装した時に、新しい塗装面と古い塗装面の間に生じるひび割れです。 塗装を2度に分けることにより、つなぎ目部分が収縮して、ひび割れが起きてしまうため、外壁塗装を一度で済ませると縁切れクラックは起こりづらくなります。
クラックが起こる原因
外壁にクラックができてしまう主な原因は以下の4つです。
経年劣化
地震
乾燥
施工不良
経年劣化
外壁は、毎日外からの日光や紫外線を浴びているため、塗膜が劣化し素地が膨張や収縮に耐えられなくなってしまいひび割れを起こしてしまいます。 外壁の耐用年数は約10 ~20年なので、定期的にメンテナンスを行いクラックの発生を確認した場合は補修を行いましょう。
地震
日本は地震が頻繁に発生する国です。 地震の振動により住宅に力が加わり建物自体が歪み、ひび割れの発生につながることもあります。 地震や地盤沈下によるひび割れは他の原因に比べて深刻なクラックになる可能性が高いため、見つけたらすぐに補修する必要があります。
また、ヒビの長さや深さによっては、建物の崩壊にもつながる危険性もあるため、注意しましょう。
乾燥
モルタルやコンクリートなど、水を混ぜて作るタイプの外壁材を使用している場合、水分だけが蒸発して乾燥するときに収縮しひび割れができてしまいます。 乾燥によるクラックを防ぐためには、外壁材が完全に乾いてから塗装を行うなどの注意が必要です。
施工不良
建物の基礎施工に問題があったり、外壁材を塗るときの技術が不十分の場合にもクラックがおこってしまう可能性があります。 この場合は、完全に業者による施工不良のため、施工を依頼した業者に連絡しましょう。
クラックを補修せずに放置するとどうなる?
クラックの補修をしないと、建物にどのような影響がでてきてしまうのでしょうか。
外壁には建物の内部を守るという大きな役割があるため、外壁に劣化が現れると外壁の性能が落ちてしまい、本来の外壁の機能が十分に発揮されない状態になってしまいます。 すると、建物そのものが外気や雨風の影響を直接受けてしまい、さまざまな症状が起こってしまいます。
主な症状
外壁素材自体が劣化していく
建物内部の構造が腐食してしまう
建物内部の腐食による雨漏りの発生
雨漏りによるカビの発生
このようにクラックの補修をせずに放置してしまうと、建物に多大な影響を及ぼしてしまいます。 建物を守り建物の寿命を延ばすためにも、建物の状態を定期的に確認し把握し、ひび割れなどの劣化が発生した場合にはすぐに対応することが重要です。
クラックの補修方法
外壁には外気や雨風等から建物の内部を守るという大きな役割があります。
内部を守るということが建物自体を守るということにつながり、建物の寿命を延ばすためにはとても重要なものになっているため、外壁にひび割れができてしまった場合はなるべく早く補修することをオススメします。
外壁は外壁下地の上に外壁材そしてその上には塗料が塗ってあり、塗料は表面の塗膜を形成しています。
補修が必要かどうかはひび割れの幅で異なり、ひび割れの幅が大きくなるほど補修の必要性は高くなってきます。 外壁にできるヒビは、幅の広さによって3段階に分けられそれぞれの最適な補修方法があります。
0.3㎜未満のクラック
幅が0.3㎜以下のクラックは、すぐに補修する緊急性はありませんが、見た目が気になったり広がるのが不安な方は、補修してもよいでしょう。 0.3㎜未満のヒビは、一般的にヘアクラックである可能性が高く、ヘアクラックの場合塗膜層部分のみにひび割れがおきているので、外壁材そのものは無害のことがほとんどです。
しかし、どうしても気になるという方は、ひび割れがおきている部分にエポキシ樹脂を注入する「シール充填工法」が最適です。
0.3~1.0㎜未満のクラック
幅が 0.3〜1.0㎜未満のクラックは、なるべく早く補修することをオススメします。 構造自体に欠陥があることにより発生している可能性もありますので、外壁表面だけではなく専門業者に構造部分もチェックをしてもらっておくと安心です。
また、長い間放置してしまうと外壁の内部に雨水が入り込み、雨漏りにつながる恐れがあります。 幅が 0.3〜1.0㎜未満のクラックは、ひび割れをおこしている部分に沿って座金を取り付け、そのあとに樹脂を注入する「樹脂注入加工法」が最適な補修法です。
1㎜以上のクラック
幅が1㎜以上のひび割れは、すぐに補修した方が良いでしょう。 補修をせずに放置してしまうと、雨漏り・爆裂減少・シロアリの侵入など家の致命的な劣化につながってしまうため今すぐにでも補修しなければなりません。
幅が1㎜以上のクラックの場合は、ひび割れをおこしている部分に溝を作り、その部分に樹脂を注入する「カットシーリング工法」で補修をすることをオススメします。
クラック補修の費用相場
「クラックを補修したい!」と思っても費用相場が分からないとなかなか業者にも依頼しづらいですよね。 クラックの補修にかかる費用相場は、補修を行う部分の面積によって費用が大きく異なりますが、約2~20万円が相場になっています。(材料費+工事費用です。)
クラック補修の費用を抑えるコツ
業者に依頼する
「業者に依頼するくらいなら、DIYでひび割れの補修をして費用を抑えよう。」と思っている方もいるかと思いますが、長期的な面でみるとDIYで補修をするよりも業者に依頼したほうが安く済む場合がほとんどです。
クラックの補修をする際には、コーキングガン・シリンダー・ディスクグラインダーなどさまざまな工具が必要になります。 全ての工具を調達して、注入材も購入するとなると費用もかなり膨らんでしまいます。
また、DIY経験のない方がクラックの補修を行ってしまうと、しっかりと補修しきれず結局業者に依頼することになったら二度手間で、費用も無駄にかかってしまうため、初めから業者に依頼することをオススメします。
火災保険を使う
クラックの補修そのものに火災保険が適用される可能性は低いですが、場合によっては別の工事と合わせて施工してもらうことで火災保険が適用される場合もあります。
火災保険は、火災による補修工事だけでなく自然災害による損害の復旧工事にも適用することができます。 あくまでも原状復帰を目的としているため、リフォームする際には使うことができません。
例えば、台風の影響で屋根が飛んでしまい復旧工事を火災保険で依頼した際に、高いところにあるひび割れをついでに補修してもらえば足場代は火災保険で補うことができます。
火災保険の申請は、被災から3年以内にする必要があるため早めに申請しましょう。
相見積もりをとる
このポイントは、どのリフォームでもいえることですが、業者に見積もりを依頼する際は、2~3社から見積もりをもらうようにしましょう。 同じひび割れ補修の工事でも、材料費・工事費用・諸経費が違うため、業者によって提示額が異なります。 3社から見積もりをもらうことによって、適正価格が分かりやすくなります。
また、多くの会社から見積もりをもらうことによって、1社だけでは見抜けなかった問題点に気づく可能性もあります。 複数の会社に見積もりを依頼する際は、工事内容と使う材料を統一してください。 工事内容や使う材料によって、値段の差があるので、統一しなければ複数社に見積もりを依頼する意味がなくなってしまいます。
ただし、業者を選ぶ際には、値段だけにこだわらないようにしましょう。 納得のいく理想の外構に仕上げるためには、自分たちのイメージにあった工事をしてくれる業者なのか、というポイントも忘れずに業者選びをしましょう。
クラック補修の施工事例
【事例1】外壁 クラック補修
埼玉県鳩山町 外壁・屋根塗装 クラック補修
- BEFORE
- AFTER
【事例2】外壁 ひび割れ補修
大阪府×外壁ひび割れ補修×目立たず強度アップ
- BEFORE
- AFTER
まとめ
外壁にクラックがあるのを見つけたら、「ただのひび割れ」と放置せずになるべく早く補修するようにしましょう。 クラックは、建物が劣化し始めているサインなので、無視し続けると建物の耐久性にも関わってきます。 ご自宅に気になるヒビを見つけたら、業者に相談して適切な補修方法を提案してもらい、施工してもらいましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
まずは相談から
クラック補修のお役立ちコラム
Q.クラックはすぐに補修する必要がありますか?
クラックの深さにより、補修しなければならないタイミングが異なるため、まずは業者に相談し補修が必要なタイプのひび割れなのか確認しましょう。
Q.クラックを見つけた時にどんな応急処置をしたらいいですか?
ひび割れの部分のほこりや汚れをきれいに落として、ホームセンターなどで購入できる「充填材」をひびの部分に隙間なく埋め込むことで一時的に処置することができます。
Q.クラックの応急処置をする場合は、どんな充填材を買えばいいですか?
ホームセンターなどで購入できる外壁用充填材の種類にはコンクリート・モルタル外壁用などさまざまな種類のものがありますが、できるだけ外壁に合わせた色を選んでおくとよいでしょう。
Q. シール充填工法の手順を教えてください。
「シール充填工法」でクラックの補修を行う場合の手順は以下の通りです。
【ステップ1】電動工具(ディスクグラインダー)を使用しひび割れに沿って外壁をカット
【ステップ2】カットした溝を清掃し、密着度を高めるプライマーを塗布
【ステップ3】プライマーの乾燥を確認し、シーリング材の充填
【ステップ4】シーリング材が硬化した後に外壁を復元して完成
Q.樹脂注入加工法の手順を教えてください。
「樹脂注入加工法」でクラックの補修を行う場合の手順は以下の通りです。
【ステップ1】ひび割れに沿い、汚れを撤去し、座金を取り付ける
【ステップ2】コーキングガンを使いシール材で覆い、ひび割れ部分から注入樹脂が流出しないようにする
【ステップ3】シール材が硬化したら、シリンダーを使いエポキシ樹脂を注入
【ステップ4】注入樹脂が硬化したら、シリンダーやシール材を撤去
【ステップ5】表面を平らに整えて完成
「樹脂注入加工法」で補修をする場合、シーリング材と樹脂が硬化するのを待たなければいけないため、最低でも3日は必要です。
Q.カットシーリング工法の手順を教えてください。
「カットシーリング工法」でクラックの補修を行う手順は以下の通りです。
【ステップ1】ひび割れに沿って溝を掘る
【ステップ2】溝をキレイにし、プライマーを塗る
【ステップ3】溝の中にシーリング材を充填し、乾燥させる
【ステップ4】シーリングの上にポリマーセメントを塗り表面をヘラで平らにする
【ステップ5】乾燥させた後に、外壁と同じ色で塗装して完成
渡邊 一伸(ナベさん)