2018年11月21日

外壁はタイルがいい?モルタルやサイディングと比較したメリットとは

家の外壁を決める際に、素材の選択肢が沢山あって迷いますよね。主流はやはりサイディングですが、タイルはメンテナンス費用がかなり抑えられ、デザイン性も他にはない魅力があります。この記事では、サイディングやモルタルと比較しながら、外壁をタイルにする様々なメリットについてお伝えします。

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お家を新しく建てる際や、古くなった外壁をリフォームしたいと考えている際に気になるのが、どんな外壁材を使うのがいいのかという点ですよね。

現在の国内の外壁材のシェアは上記のようになっています。
実は、タイルの全外壁材に占める割合は、たった3%なんです。
ただしこれは、タイルが外壁材として劣っているという意味では決してありません。
例えばタイルは、サイディングと比べて耐久性が極めて高く、メンテナンスはほとんど不要です。見た目のグレード高級感の観点からも、他の素材にない魅力があります。
タイル素材の外壁の建物が少ない今、逆にタイルを取り入れることは他との差別化にもなるでしょう。

ちなみに、今主流の外壁材といえば、サイディングです。
サイディングは、金属やセラミック、セメントなどの素材を使って作られた外壁材で、耐熱性や耐震性が高く、コストパフォーマンスに優れています
また、レンガ調や木材調、タイル調など、既存の外壁を真似たデザインが豊富です。 多くの住宅に採用されており、全外壁材シェアの8割を占めています。

サイディングを外壁に使うメリットや費用についてはこちらで詳しく解説しています↓
外壁サイディングの種類と価格は?メンテナンスやリフォームの注意点を解説

では、サイディングやモルタルといった様々な選択肢があるなか、タイルを外壁材にするメリットとはなんでしょうか。
この記事を読めば、「家をタイル外壁にしてみようかな」という気持ちが起こるはずです。
サイディングやモルタルといった他の外壁材と比較して、外壁材としてのタイルの魅力やおすすめのメーカー、メンテナンスのノウハウなどをご紹介していきます。

外壁材をあえてタイルにする3つのメリットとは

高級感がある

外壁タイルの一番の魅力は、高級感でしょう。
高温で焼き固めたタイルは、素朴な味わいのものから、凝ったデザインまで様々で、外壁として設置した時の風情は格別です。
特にタイルを模した安価なサイディングと、本物のタイルとでは重厚感や高級感が違います。
外壁を検討している方は、ぜひ、様々な住宅展示場や見学会などで、サイディングと外壁タイルを見比べてみてください。

デザイン性が高い豊富なラインナップ

タイルを外壁に選ぶのメリットとして、ラインナップが豊富という点があります。
レンガ調ひとつとっても、高級感のあるダークブラウンから、ヨーロッパの街並みを連想させるようなブラウン、青空に生えるようなホワイトなど、実現したいコンセプトによって様々です。
タイルは汚れが付きにくいという美点もあるので、普通は汚れが目立つ色も思い切って選べます。

せっかくなら一生ものの外壁を選びたい!そんな方のために、おすすめのメーカーと特徴をまとめています。

おすすめのメーカー3選

INAX


出典:LIXIL

ベルパーチシリーズは種類も色もとても豊富で、表情豊かです。価格帯も1平方メートル5000円〜とリーズナブルです。詳しくはホームページのウェブカタログからチェックすることができます。とにかく豊富なラインナップからいろんなものを見ながら選びたい、という人にはぴったりです。

キャンエンタープライゼズ

出典:キャンエンタープライゼズ

「タイルと言えば重厚感、高級感が欲しい」という方は、キャンエンタープライゼズを見てましょう。まるでアンティークのレンガのような、素朴だけれど気品あふれるデザインのキャンブリックがお勧めです。こちらは特注品の注文も可能なので、あなたのこだわりを追求することができます。カタログはPDFでダウンロード可能ですので、ぜひチェックして見てください。

平田タイル


出典平田タイル

セラミック性にこだわりを持つのは平田タイルです。国内外のこだわりの逸品を集めたコレクション「ハイセラミックス」は、新しいタイル文化の先駆けと言われるほどです。カラーやデザインに工夫が凝らされた商品を提供しています。ホームページからはデジタルカタログを見ることができますし、取り寄せも可能です。東京、大阪にショールームがあるので、実物を見て決めるのもよいでしょう。

耐久性が高くメンテナンスコストが安い

タイル素材を使った外壁はメンテナンスフリーという表現をよく見かけますが、本当はタイルもメンテナンスは必要です。 ただ、メンテナンスが必要なスパンが長く、メンテナンスコストもかなり抑えられるのが、タイルの最大のメリットです。

タイルは、鉱物や金属、ガラス等と同じ天然資源から作られた無機質材料であり、劣化しないのが最大の特徴です。
しかし、タイル以外の下地や目地などは劣化してしまうため、その部分のメンテナンスが必要というわけです。 

タイルのメンテナンスは、一般的にサイディングの半額で済むと言われています。

同じ家に何十年も住み続けると、何度もメンテナンスを繰り返すことになりますので、タイルの方がトータルコストの面では安く済むと言えるでしょう。

外壁をタイルにするデメリットとは

外壁材をタイルにすることは良いことだらけに見えますが、もちろんデメリットもあります。

職人の腕に左右されやすい

施工した職人の腕が悪いと、浮きや剥がれが発生することもあります。 優れた耐久性を発揮するには、しっかりした施工が必要になりますので、優良業社であるかを見極める必要があります。
見積もりの際には必ず、過去の施工実績や完成図などを見せてもらい、信頼できる業者かを確かめるようにしましょう。

初期費用が高くなる

外壁をタイルにした場合、その素材性ゆえに他の手法に比べて初期費用が高くなる場合が多いです。

新築時は、平均的なタイルを採用しても、1物件あたり約300万円以上の費用がかかります。
一般的なサイディングを採用すると150万円程度ですので、サイディングと比べると初期費用は2倍近くかかります。

ただ、先ほど述べたように、ランニングコストという長期的な目線で考えるなら、初期費用については多少目をつぶってもいいでしょう。

では、サイディングやモルタルなど、他の外壁材の特徴はどうなっているのでしょうか。次でそれぞれについて詳しく解説します。

タイルをサイディング、モルタル(塗り壁)と比較!

サイディングの特徴

冒頭でお話ししたように、サイディングは、金属やセラミック、セメントなどの素材を使って作られた外壁材で、全外壁材シェアの8割を占めています。
レンガ調や木材調、タイル調など、既存の外壁を真似たデザインが豊富です。 家の外側から、外壁材を貼り付けていく工法で施工していきます。

メリット

  • 初期費用が安い

サイディングのメリットは、初期費用の安さです。
外壁材を大量生産できますので、素材のコストが安く抑えられます。 また、外壁材を外側から貼り付けていく形になりますので、施工する職人さんも他の工法に比べれば作業が簡単です。 登場した頃は、外壁材のバリエーションも少なく、デザイン性に乏しかったのですが、近年はデザインの種類も豊富で、住宅のイメージに合わせて選ぶことができるようになっています。

デメリット

  • メンテナンスコストが高い

サイディングの一番のデメリットは、メンテナンスコストが高くなる点です。
サイディングは、外壁材そのものがダメージを受けやすく、繋ぎ目に施したコーキングも数年で劣化してしまいます。
これらの劣化を放置しておくと、雨水が染み込み、家そのものにも大きなダメージを与える結果となります。

サイディングは、10年程度で大掛かりなメンテナンスが必要です。
上から塗装し直す工事が一般的ですが、劣化具合によっては、傷んだ外壁材を交換したり、コーキングをし直したりする必要があります。 費用はサイディングの種類や家の大きさにもよりますが、その度に100万円〜200万円ほどかかります。 タイルの目安が30万〜50万円なのに比べると、その差は歴然です。

モルタル壁の特徴

モルタル壁はは、日本の伝統的な工法で、土などの素材を下地に塗りあげて作る壁のことです。 文字通り、左官職人さんの手仕事で出来上がります。デザインが均一なサイディングと違い、手仕事ならではの質感を好む人も多く、旧来の和風建築はもちろん新築の住居にも採用されています。

メリット

  • 手仕事による味や個性がでる

塗り壁にする一番のメリットは、左官職人さんの職人技を堪能できる点にあるでしょう。 基本的に、すべて手作業ですので、仕上がり具合に職人さんの個性が出ます。 もちろん、完全にオーダーメイドで、デザインのバリエーションは非常に豊富です。 手仕事の持つ魅力的な仕上がりは、他の外壁にはない特徴でしょう。

デメリット

  • ひび割れを起こしやすい

モルタル外壁の一番のデメリットは、ひび割れを起こしやすいことです。
ひび割れが起こると、そこから雨水やホコリなどが侵入してしまうことになるため、劣化しやすくなってしまいます。 大規模な塗装となるとやはりサイディング同様100万円以上の費用はかかってしまいます。
費用を抑えるためには、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。細かいひびを見つけたら、早く補修することが重要です。

外壁材比較のまとめ

外壁材の比較まとめ

素材名

初期費用

メンテナンスコスト

タイル

13000円〜/㎡

30万〜50万円

サイディング

2000円〜/㎡

100万円〜

モルタル

5000円〜/㎡

100万円〜

タイルの症状別メンテナンス方法

耐久性の高いタイルですが、経年によって浮きや剥がれといった症状が出てきてしまいます。
日々のメンテナンスや補修にはどんなものがあって、かかる費用どれくらいなのでしょうか。

タイル洗浄

  • 高圧洗浄2万〜5万円

タイルの汚れが目立ってきたら、水洗いをするようにしましょう。年に1回程度で十分です。
外壁に水をかけ、洗車用などの柔らかいブラシやスポンジで汚れを落とします。水をかける際は、窓を閉めて室内に水が浸入しないように気をつけましょう。

もし汚れが落ちにくく全面的に洗浄したい場合や、危険な高所の作業が必要の場合は、業者に委託することをおすすめします。
高圧洗浄のみ費用は2〜5万円程度です。  洗浄作業の際には近隣の住宅に汚れが飛散することを防ぐための養生が必要となります。建物によっては施工のための足場も必要となります。 養生と足場が必要の場合、約20〜30万円程度の費用を予定しておきましょう。

タイルの浮き補修

  • 約500~900円/1箇所あたり

タイルが浮いている箇所は、ピンニング工法で補修が行われます。 数か所で浮きが起きている時は、タイル内部に表面から樹脂を注入し、上から押さえて固定する工事が行われます。 タイルとタイルの目地にドリルで穴を開け、内部に樹脂を注入することで、タイル内部の浮きを解消する工事です。

専門的な技術と経験が必要ですので、実績のある業者を見つけるようにしましょう。

タイルの交換工事

  • 約500円/1枚あたり

欠け・ひび割れ・剥がれが起きているタイルは、部分的に新しいタイルに交換します。 古いタイルを金属性のヘラを使っていったん剥がし、モルタル接着剤とタイルが密着しやすい下地を作ります。 その後、剥がしていたタイルをモルタル接着剤で再び貼りつけ、目地部分にもモルタルを詰めて、見た目を整えて完了です。

シーリング充填工事

  • 700〜1200円/㎡あたり

タイルには、外壁に加わる衝撃を吸収して被害を最小限にする、伸縮目地と呼ばれる部分に、コーキングが充填されています。 この目地部分に詰められているコーキングは紫外線で劣化しやすく、塗装よりも早く劣化するため、5~8年で点検が必要です。

まとめ

タイルはシェアこそ少ないですが、サイディングやモルタルにはないデザイン性と耐久力を備えた外壁材です。
初期費用が高くかかってしまいますが、トータルコストはタイルの方が安くなる場合が多いです。

ただ業者の工事によっては、浮きや剥がれが生じてしまい、せっかくの耐久性が台無しになってしまう可能性もあります。
信頼できる業者を探すために、必ず施工実績や事例写真を提出してもらうようにしましょう。

また、適正な価格を把握するために、いくつかの業者に見積りをとってもらう相見積もりも行うようにしましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。