ウォシュレットを後付けする前に確認すること
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ウォッシュレットを後付けするときは、DIYで取付けるにしても業者に依頼するにしても、まずは設置できるかの確認をしなくてはいけません。ほとんどのトイレで問題なく後付けできますが、古いトイレや狭いトイレでは追加で工事が必要になったり、取付けられないことがあります。
まずは、ウォッシュレットを後付けする前に、確認しておくべきことをご紹介していきます。
トイレ内のコンセントの有無
最初に確認しなくてはいけないのが、トイレ内にコンセントがあるかどうかということです。ウォッシュレットは電気で水を温めたり、動作させたりしますので、コンセントがないとただの便座になってしまいます。そのためトイレにコンセントがあるかが重要になります。
コンセントがあっても、アース線を繋げない仕様になっている場合はNGです。DIYでウォッシュレットを取付けている方の中には、漏電遮断器で十分としていることもありますが、アース線の接続は義務となっていますので真似しないでください。
もちろんコンセントがない、アース線を接続できない場合でも対処方法はあります。ウォッシュレットを設置するための対処法については、次項で詳しく説明します。
コンセントがない場合の対処法
ウォッシュレットを後付けしたいのにトイレにコンセントがない、コンセントがあってもアース線が接続できないときは、新規でコンセントを取付けます。コンセントを取り付ける方法は2つあります。
- 照明のソケットから分岐
- 新規にコンセントを設置
コストが安いのは照明のソケットから分岐させる方法です。コンセントの付いた分岐ソケットは、ホームセンターやネットショップなどで売られていますので、こちらを照明のソケットと照明の間に入れることでコンセントを増設できます。
ただし、天井にコンセントがあるので配線の見た目が気になるのと、分岐ソケットではアース線を繋ぐことができません。しかも、ウォッシュレットは常に通電させておく必要があるため、トイレの電気を常時つけておく必要ががあります。そういう点から考えると、分岐ソケットの使用はあまりおすすめできません。
確実なのは、アース線を接続できるコンセントを新たに設置する方法です。コンセントの増設をするには資格が必要ですので、DIYでウォッシュレットを付けるという方も、コンセントだけは資格を持った業者にお願いしてください。
ウォッシュレットは消費電力も小さいため、既存のコンセントからの分岐するだけで済むため、1万円程度の費用で増設してもらえます。トイレにコンセントがないときは安全面も考えて、業者にアース付きコンセントを増設してもらいましょう。
トイレのサイズ
トイレの幅が狭い場合は、ウォッシュレットが設置できないことがあります。便座の幅は既存のものとそれほど変わらないので問題ありませんが、ほとんどのウォッシュレットにはコントローラが付いているため、その幅だけの空間が必要です。
ウォッシュレットの種類によって取付けに必要な寸法が決まっていますので、事前にウォッシュレットを取付けるのに必要な寸法を事前に調べておき、サイズに問題がないことを確認した上で購入しましょう。
トイレタンクの種類
一般的なトイレタンクは便器の背面に設置されていますが、古いトイレでは隅付タイプといって、トイレの隅にタンクが取付けられていることがあります。この場合、ウォッシュレットを設置できないケースがあります。
必要な寸法はウォッシュレットのカタログに掲載されていますので、隅付タイプのタンクを使っている場合には、タンクとの距離が十分にあることを確認しておきます。
また、メーカーによってワンピース便器やハイタンク便器、デザイン便器には取付けられないこともありますので、ご自宅のトイレがそれらに該当するようであれば、事前に後付けできるか確認しておきましょう。
DIYでウォシュレットの後付けを設置するときに必要な道具
DIYでウォッシュレットの後付けを行う場合は、先に工具を揃えなくてはいけません。下記の工具が必要ですので、持っていないときはホームセンターなどで購入しておきます。
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- スパナ
- モンキーレンチ
- ボックスレンチ
- パイプカッター
必要になるのは、プラスドライバーとマイナスドライバーです。スパナ・モンキーレンチ・ボックスレンチはいずれか1つあればいいのですが、汎用性の高いモンキーレンチが1本あると便利です。モンキーレンチとウォッシュレットに付属のレンチで、問題なく取付けできます。
また、トイレタンクへの配管に既存の管を再利用するケースでは、パイプカッターが必須です。一方、フレキシブルパイプや樹脂ホースで接続するのであれば、パイプカッターは不要ですので状況に合わせて準備してください。
DIYでウォシュレットの後付けをするときの施工の流れ
ウォッシュレットの取り付け方法はメーカーごとに違います。詳細は施工説明書を参照してもらう必要がありますが、ここでは一般的な施工の流れについて、簡単にご紹介していきます。
- 止水栓を閉める
- タンク内の水を抜く
- 既存の給水管を取り外す
- 分岐金具を取り付ける
- 既存便座の取り外す
- 新しいウォッシュレットを取り付ける
- 給水ホース・給水管を接続する
- 電源を接続する
全体の流れはこのようになっています。それぞれの工程についてもう少し詳しく説明します。
1 止水栓を閉める
まずはトイレへの給水を止めます。トイレ内に止水栓がある場合は、止水栓の先端をマイナスドライバーで右側に回すことで給水が止まります。最終的に元に戻すことになりますので、回す前に元の位置がどこだったか分かるようにマーキングをしておきましょう。
トイレ内に止水栓がない場合は水道の元栓を閉めます。水道メーター近くに止水栓がありますので、そちらで給水を止めてください。ただし、元栓を閉めるとキッチンやお風呂、洗濯機など全ての水が止まりますので注意が必要です。
2 タンク内の水を抜く
必ずタンク内の水を抜く必要はありませんが、作業中に誤作動で濡れてしまう可能性もありますので、最初に抜いておくと安心です。普段どおりにレバーを使って抜いておきましょう。すべて抜く必要はなく、レバー操作で抜ける範囲内で問題ありません。
3 既存の給水管を取り外す
基本的に止水栓とタンクは給水管で繋がっていますが、これを分岐してウォッシュレットにも給水しなくてはいけません。このため、既存の給水管を取り外します。給水管の端についているナットを回せば簡単に取り外せます。
給水管に水が残っていることがありますので、床にバケツを置くか雑巾などを敷いておきましょう。
4 分岐金具を取り付ける
給水管を取り除いたら、ウォッシュレットに付属の分岐金具を取付けてください。止水栓と分岐金具の間にパッキンを挟みますが、分岐金具のナットを締めすぎると、パッキンが切れてしまう可能性がありますので、力任せに締めないように気をつけましょう。
5 既存便座の取り外す
既存便器のナットをモンキーレンチなどで緩めて取り外します。ナットは便器の裏側にありますが、ナットが見えにくい場所にあるときは、鏡などで確認します。
6 新しいウォッシュレットを取り付ける
ウォッシュレットはベースプレートを設置して、そこに本体をはめ込むタイプと、便器にそのまま固定するタイプの2種類があります。ウォッシュレットの種類やメーカーによって違いますので、施工説明書で確認して取付けてください。
気をつけたいのは、ウォッシュレットの蓋を開けたときに、蓋がタンクに当たらないようにするということです。当たるようでしたら、本体を前方にスライドさせて取付けましょう。
7 給水ホース・給水管を接続する
分岐金具とウォッシュレット本体の準備が整ったら、給水ホースと給水管の接続をしましょう。タンクとの接続に既存の給水管を再利用する場合は、パイプカッターで短くカットしておいてください。
メーカーによっては、ウォッシュレット本体を便器に取付ける前に、給水ホースを接続するように記載していることもありますので、その場合には施工説明書の指示に従って、正しい手順で接続してください。
8 電源を接続する
すべての準備が整ったら、ウォッシュレットの電源をコンセントに、アース線をアース端子に接続します。これで取付作業は完了ですが、いきなり使うのではなく、まずは試運転をしてください。各機能の確認と給水ホースなどの接続部から、水漏れしていないかを確認しましょう。
水漏れはすぐには見つからないこともありますので、設置してから数日間は止水栓の下にバケツを置くか雑巾を敷いて対策を行い、水漏れがないかチェックします。水漏れを発見したときは、ナットを増し締めすると止まりますが、止まらないときは業者に見てもらうと確実です。
DIYでウォシュレットの後付けを行う際に失敗しないポイント
DIY慣れしている方ならば、ウォッシュレットの後付けは難しい作業ではありませんが、思わぬところで失敗することもあります。ここでは、DIYを行うときに注意すべきポイントをご紹介します。
水道の元栓は必ず締める
ウォッシュレットの後付けでよくあるトラブルが、止水栓の閉め忘れです。止水栓を閉めずに作業をしてトイレが水浸しになるケースが多々あります。止水栓は閉まっているかどうかが分かりにくいため、閉めたつもりになって給水管を取り外してしまいます。
これを防ぐために、面倒でも水道の元栓も合わせて閉めておきましょう。元栓と止水栓の両方を閉めておくと漏水の可能性は大幅に低下します。もちろん接続が完了したら両方を開けるのを忘れないようにしてください。止水栓を開けたのに元栓は閉まったままなので、水が流れないと慌てないように両方閉めて両方開けると覚えておきましょう。
既存の部品を無理に外さない
古いトイレの場合は、ナットが錆びていたり、タンクや便器が老朽化していたりするので、部品をうまく取り外せないことがあります。このようなケースで、強引に取り外そうとすると止水栓や便器、タンクが壊れてしまうことがあります。
そうなると、トイレ本体を交換することになります。DIYで後付けして安く済ますつもりが、高額な出費となってしまったのでは意味がないですよね。既存の部品は無理に取り外さないようにしてください。
作業が不安なときは業者に依頼
既存の部品を自分で取り外せない場合など、作業が難しいと感じたときは業者に依頼しましょう。業者は作業慣れしまいますので、力の掛け具合も知っていますし、特殊な工具を持っているため、部品を壊すことなく後付けしてもらえます。
壊してから業者に依頼するよりも、壊れる前に依頼したほうが当然費用を安く抑えることができます。作業に自信がない方は、最初から業者にお願いして、ウォッシュレットを後付けしてもらったほうが確実です。
DIYと業者でそれぞれにかかる費用を比較
ウォッシュレットの後付けをDIYで行うのが不安という方は、業者に依頼するのが1番ですが、そうなると費用が気になりますよね。ここではDIYで行った場合と、業者に依頼した場合でどれくらい費用に差が出るのかをご紹介します。
ウォッシュレットの後付けにかかる費用は、「工事費+本体費用」になります。ウォッシュレットの本体は1万~10万円と幅広く、工事費用は1万円以下というのが相場です。このため、DIYと業者での費用は次のようになります。
DIYでかかる費用:1万~10万円
業者に依頼してかかる費用:2万~11万円
見て分かりますように、両者にはほとんど費用の違いがありません。ただし、DIYではネットショップなどで最安値のウォッシュレットを購入できますので、業者に任せるよりも数千~1万円ほど安く買えることもあります。
とはいえ、業者に依頼すれば施工をミスするリスクも低く、設置時間も短時間で済みます。業者によっては、ネットショップなどで購入したウォッシュレットでも後付けしてくれることもあります。見積もりまでは無料なところがほとんどですので、一度相談してみるのがおすすめです。
賃貸でウォシュレットを後付けするときの注意点
ここまでは、戸建てや分譲マンションなどでの後付け前提でお話してきましたが、もちろん賃貸物件でもウォッシュレットの後付けは可能です。ただし、賃貸物件は所有権が大家さんにあるので、後付けするのに2点ほど注意点があります。
- 大家さんの許可をもらう
- 原状回復を前提に後付けをする
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
大家さんの許可をもらう
まず、大事なのは大家さんや管理会社の許可をもらうということです。バレなければいいと思って黙って後付けする方もいますが、これは絶対にNGです。取付工事には水漏れのリスクがありますし、きちんと施工されていないと漏電する危険性もあります。
とはいえ、トイレにアース付きのコンセントがある場合は、ウォッシュレットを設置することを想定しています。入居者負担で取付ける際は、ほとんどのケースで許可をもらえますので、それほど心配する必要はありません。
いずれにしても、トラブルを回避するためにも必ず大家さんや管理会社に相談し、許可をもらった上で後付けしましょう。
原状回復を前提に後付をする
賃貸物件は退去するときに、原則として原状回復しなくてはいけません。このため、ウォッシュレットを後付けする場合は、下記の点に気をつけましょう。
- 取り外した便座と部品は保管しておく
- 給水管をカットして使わない
- コンセントを増設する場合には原状回復範囲を確認しておく
まず、元に戻せることが重要ですので、便器や部品は捨てずにとっておきましょう。ウォッシュレットを残していくならいいじゃないかと思うかもしれませんが、契約上では入居時の状態に戻す必要がありますので、勝手に判断して捨てないようにしてください。
さらに、分岐金具をつけるときは、タンクに繋げる給水管をカットしてしまうと原状回復ができなくなります。この場合もカットせずに給水ホースやフレキブルパイプを使って、分岐金具とタンクの接続を行ってください。
コンセントを増設する場合では、大家さんや管理会社にどこまで原状回復すべきかを確認しておきましょう。退去時にコンセントの撤去をする前提で、増設の許可をもらえるケースもあります。そのケースでは、退去時に原状回復工事が必要になるので注意してください。
まとめ
一般世帯でのウォシュレットの普及率は80%を超え、職場や公衆トイレでもあたり前のように設置されています。そうなると、自宅のトイレもウォシュレットを後付けしたくなりますよね。ウォシュレットはDIYでの後付けも可能ですし、低価格なものであれば2万円程度で設置できます。
ただし、DIYに慣れていない方が自分で後付けしようとすると、水漏れを起こす可能性がありますし、部品が壊れてしまうかもしれません。業者に依頼しても1万円前後の工事費で対応してもらえますので、自分で作業するのが難しい場合は業者に依頼しましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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