トイレに壁掛け暖房を導入するメリット
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トイレの暖房というと、床に置くパネルヒーターをイメージするかもしれませんが、この記事では床ではなく、壁に掛けるタイプの暖房をご紹介します。
もちろん、床置きする暖房でも寒さ対策はできますが、壁掛けにすることで次のようなメリットを得られます。
- ヒートショックを回避できる
- 壁掛けなので邪魔にならない
- 他の暖房と比べて安全性が高い
- すぐに暖かくなる
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
ヒートショックを回避できる
そもそもトイレに暖房を設置するのは、冬場のトイレが冷えるからです。短い時間だからガマンをすればいい、と思っている方もいるかもしれませんが、それまでいた空間とトイレの気温差が5℃以上あると、ヒートショックを起こして倒れてしまう可能性があります。
トイレに暖房があれば気温差を和らげることができますので、ヒートショックを回避できるというわけです。ヒートショックを回避するには、暖房便座を使うなどの方法もありますが、壁掛け暖房を組み合わせることで、トイレでの安全性をさらに上げることができます。
壁掛けなので邪魔にならない
床置きタイプのヒーターは薄くて邪魔にならないように思えますが、それはトイレに空間に余裕がある場合です。0.75坪サイズよりもトイレが広いであれば、パネルヒーターを床に置いてもさほど問題ではありませんが、0.4坪や0.5坪となると床にヒーターがあると出入りの邪魔になります。さらにコンセントが必要になるため、電源ケーブルを足に引っ掛けてしまう可能性もあります。
ところが壁掛け暖房では、頭上の空いているスペースを有効活用しますので、空間を圧迫感を軽減できます。商品によっては電源ケーブルも表に出さない仕様になっていますので、ケーブルが邪魔になることもありません。今まで通りにトイレ空間を使うことができるのが、壁掛け暖房の大きな特徴のひとつです。
他の暖房と比べて安全性が高い
壁掛け暖房は、他の暖房と比べると安全性が高いというメリットがあります。一般的な暖房器具の危険性について見ていきましょう。
パネルヒーター:ケーブルに引っ掛かる
ハロゲンヒーター:表面が高音になる
オイルヒーター:表面が高音になる
石油ストーブ:危険なガスが排出される・火災リスクがある
石油ファンヒーター:危険なガスが排出される
壁掛け暖房の場合にはケーブルを隠すことができますし、高い場所にあるので暖房中に触れることもありません。石油ではなく電気で温めますので、空気が汚れることもなく、あらゆる面から安全性が高いというのが壁掛け暖房のメリットです。
すぐに暖かくなる
暖房器具には、電源を入れてすぐに暖かくなる商品と、時間をかけてゆっくりと暖かくなる商品の2種類があります。壁掛け暖房のほとんどが前者で、トイレに入るとすぐに暖かさを感じることができます。
空間を暖めるのに時間がかかる商品では、トイレに設置すると四六時中電源を入れておく必要があり、電気代がかかってしまいます。必要なときだけ稼働する壁掛け暖房なら、電気代を抑えられるというメリットもあります。
トイレの壁掛け暖房には種類がある
床置きタイプの暖房に様々な種類がありますように、トイレの壁掛け暖房にもいくつかの種類があります。その中でも主流となっているのが下記の2種類です。
- 温風ヒーター
- 赤外線ヒーター
それぞれに個性がありますので、どのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。
温風ヒーター
- すぐに暖まる
- 価格が安い
温風ヒーターの壁掛け暖房は、セラミックファンヒーターを壁掛けできるようにしたもので、見た目はコンパクトなエアコンとぃったところでしょうか。スイッチを入れると送風口から暖かい空気が排出されるため、トイレがすぐに暖まります。
構造がシンプルで価格が安いというのも温風ヒーターの特徴です。2万円以下で販売されている商品が多く、自分で取付けることもできるため工事費用も抑えられます。
赤外線ヒーター
- ファンと組み合わせることですぐに暖まる
- 機能が多い
- 価格が高い
赤外線ヒーターは単体ですと即暖性が高いものの、暖めることができる範囲が狭いという欠点があります。このため赤外線ヒーター型の壁掛け暖房は、赤外線ヒーターとファンを組み合わせることでトイレをすぐに暖めるようになります。
ヒーターとファンという2つの機能を持たせていますので、どうしても価格が高くなりがちですが、様々な機能を持たせることで、付加価値の高めているため快適さという面では温風ヒーターよりも分があります。
トイレの壁掛け暖房を選ぶポイント
壁掛け暖房は「トイレ用」として売られているわけではなく、脱衣場や浴室などでも使えるアイテムとしてラインナップされています。このため、何も考えずに選んでしまうとトイレに適さない商品を購入してしまうかもしれません。
そこで、ここでは壁掛け暖房を選ぶときのポイントをご紹介します。
サイズ
床置きする暖房ほどではありませんが、壁掛け暖房もサイズをよく考えて選ばなくてはいけません。あまりにも大きすぎる商品を選ぶと、トイレ空間を圧迫してしまいますし、スタイリッシュな印象が損なわれてしまいます。
特に赤外線ヒーターの場合は幅が広いものが多いため、設置する場所が限られてしまいます。トイレの寸法を計測して、無理なくレイアウトできる商品を選びましょう。
即暖性
トイレ用の壁掛け暖房として最も重要なのが「すぐに暖まる」ことです。すでにお伝えしましたように、トイレは滞在時間が短く、暖まるのに時間がかかるようですと、トイレを出るころにようやく暖まり始めるなんてこともあります。
市販されている壁掛け暖房の多くが即暖性を売りにしていますので、大手メーカーの商品を選んでおけば間違いありませんが、価格を抑えるために即暖性を持たせていない商品もあります。必ず「温風」や「送風」機能がある壁掛け暖房を選んでください。
必要な機能
壁掛け暖房には下記のような機能があります。
- 人感センサー
- 温度センサー
- リモコン操作
- 送風
すべての機能が必要というわけではありませんが、人感センサーはできるだけ付けておきたいところです。人感センサーがあることで、自分でスイッチを入れる必要がありません。毎回自分で操作するというのは思った以上にストレスですので、自動でオンオフできる機能を持った壁掛け暖房を選ぶとよいでしょう。
温度センサーやリモコン操作に関しては、必要に応じて選んでください。温度センサーがあると最適な温度に保ってくれますが、トイレの滞在時間を考えるとそれほど重要ではありません。リモコン操作も自動でオンオフできれば、なくてもあまり困りません。
送風機能は夏場に冷風を送ってくれるので、夏にトイレが暑くなるご家庭はつけておきましょう。即暖性のある壁掛け暖房を選べば、ほとんどの商品で送風機能がついていますので、購入する際に確認することをおすすめします。
トイレに壁掛け暖房を設置するときの費用
温風型(本体):約1〜3万円
赤外線ヒーター型(本体):3万~5万円
赤外線ヒーター型(本体+工事費):4万~9万円
コンセント追加工事:約1.6万円
トイレに壁掛け暖房を設置する場合にかかる費用相場は、上記のようになっています。コンセントタイプならDIYで設置できますので、温風型も赤外線ヒーター型も本体費用しかかかりません。赤外線ヒーターを業者に依頼する場合は4万~8万円かかります。
また、業者に依頼するときに本体を設置だけなら1〜2万円程度ですが、配線を隠すような工事をする場合は追加で2万円程度かかります。トイレにコンセントがないときは、コンセントを増設で約1.6万円程度が必要になります。
電気工事は、資格を持った業者に依頼しなくてはいけません。トイレは湿度も高く、電気を使うにはあまり適した場所ではありません。安全に壁掛け暖房を使うためにも、電気工事士の資格を持った業者に依頼しましょう。
トイレの壁掛け暖房におすすめのメーカー
ここまでの説明で、トイレの壁掛け暖房についての基本的な知識は身についたかと思いますので、最後におすすめのメーカーと商品を簡単にご紹介します。
山善
出典:山善
山善の「脱衣所温風ヒーター DFX-RJ12」は温風ヒーター型の壁掛け暖房です。ややパワー不足という評判がありますが、0.4~0.5坪程度のトイレであれば、ヒートショック対策としては十分な効果を得られる商品です。
タイマーやオートオフなど、必要最低限の機能がありますので、コストパフォーマンスに優れた1台として人気があります。DIYでの設置が可能で価格も安いため、低予算でトイレに暖房をつけたいという人におすすめです。
タイプ:温風ヒーター
消費電力:温風 1150W/600W・送風 24W/14W/8W・ドライヤー 1200W/1150W
サイズ:幅490×高さ310×105mm
重量:4.7kg
高須産業株式会社
出典:高須産業株式会社
高須産業の「涼風暖房機 SDG-1200GSM」はグラファイトヒーターを採用した壁掛け暖房です。一般的なカーボンヒーターよりも立ち上がりが早く、さらに送風機能を持たせてあるため、電源を入れてから1~2秒で暖かさを感じることができます。
機能としては人感センサーやタイマー運転など、トイレの壁掛け暖房に必要な機能が揃っています。電源はコンセントから取ることができますので、電気工事の必要がありません。取付けもドライバー1本でできるため、誰でも簡単に設置できるのも魅力的な商品です。
タイプ:グラファイトヒーター
消費電力:暖房 1200W/600W・涼風 22W/15W
サイズ:幅525×高さ204×130mm
重量:3.5kg
コロナ
出典:コロナ
コロナの壁掛け暖房「ウォールヒート CHK-C126A」はカーボンヒーター型で、赤熱輻射と温風を組み合わせることで即暖性を高めた商品です。人感センサーをONにすれば、人がいるときだけ自動運転することができます。ecoオート運転機能があり、電気代の無駄なくトイレをずっと暖めるということもできます。
ウォールヒートにはクリーニングランプがあり、クリーニングが必要になると点灯してお知らせしてもらえます。さらにフィルターを本体側面に設置することにより、簡単にフィルターの着脱ができるため、手間なくお手入れが可能です。
タイプ:カーボンヒーター
消費電力:暖房 1200W/600W・涼風 22W/15W
サイズ:幅525×高さ204×178mm
重量:4.5kg
まとめ
トイレのヒートショック対策として期待されている壁掛け暖房ですが、温風ヒーターをDIYで設置するなら、かなり低予算で取付けできます。即暖性にこだわるなら、価格は高くても「赤外線ヒーター+送風」がおすすめです。
いずれにしても床置きタイプの暖房よりも安全性がとても高く、トイレ空間を圧迫することもありません。人感センサー付きの商品を選べば、暖房のスイッチを入れ忘れたり、消し忘れたりといったストレスからも開放されます。
DIYで設置できるものも多いですが、配線を隠してすっきりと見せたいのであれば業者に依頼してください。本体は4~5kgありますので、無理にご自分で取付けるのではなく、業者にお願いして安全に取付けてもらいましょう。
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