トイレの寿命はどれくらい?
ほとんどのトイレが陶器で作られていますが、陶器はとても寿命が長く、100年以上使い続けることも可能です。ただ、トイレが100年間使えるかというと、そうではありません。便器そのものが100年使えても、配管を接続するパッキンやその他の樹脂部品・ゴム部品などが先に寿命を迎えます。
このため、トイレの寿命は10~20年といわれています。また、人気の高いウォシュレットなどは、熱を使用することもあり10〜15年程度で壊れることがあります。ただし、トイレ掃除を毎日して清潔にしていると、20~30年ほど利用できることもあります。このように、同じトイレであってもメンテナンスの頻度によって、寿命が大きく変わってきます。
トイレの交換時期については、次章で詳しくご紹介していきます。ここではまず、15年程度がひとつの目安になることだけ覚えておいてください。
トイレの交換時期の目安をご紹介
トイレの寿命は20年前後とお伝えしましたが、実際の寿命は使い方によって大きく変わってきます。ここでは、トイレを交換すべき目安について詳しくご紹介していきます。
寿命(耐用年数)を過ぎている
便器や便座にヒビが入っていたり、いくらトイレ掃除をしても落とせない汚れが目立つようになってきたら、トイレとしての寿命を迎えていると考えましょう。今は問題なく利用できていたとしても、いずれ水漏れなどのトラブルを引き起こす可能性があります。
汚れが目立つだけならば、トイレ専門のクリーニング業者にお手入れしてもらうことで新品同様の状態に戻すことも可能ですが、見えない部分のパッキンなどは劣化が進んでいきます。15年以上使って、見た目も悪くなってきたらそこを寿命と考えて、交換を検討しましょう。
トイレで度々不具合が起こる
配管の接続部で水漏れが発生したり、詰まりが発生したりというのが頻繁に起こるようでしたら、それも交換時期と考えてください。汚れなどで水の流れが悪くなっている、またはパッキンが劣化している可能性も考えられます。
水漏れならパッキンを交換すればいい、詰まりも都度解消すればいいと思うかもしれませんが、トイレが老朽化していると、そのようなトラブルが度々発生します。直してもすぐに別の場所が悪くなりますので、不具合の発生する回数が増えてきたら、そこを交換時期の目安と考えましょう。
バリアフリーに対応したものにする
バリアフリーのためのトイレリフォームを行うのであれば、そのタイミングで交換するのもひとつの方法です。もちろん、トイレがそれなりに古いということが前提になりますが、温水便座やリモコン、手すり付き便器などの機能を導入することで、高齢者のトイレでの負担を減らすことができます。
和式トイレを洋式トイレにする場合など、工事内容によっては国や自治体から補助金が出ることもあります。バリアフリーリフォームは、より使いやすいトイレに交換する絶好の機会ですので、このタイミングで最新のトイレを導入しましょう。
古いトイレを最新のトイレに交換したい
最新のトイレには次のようなメリットがあります。
- トイレの水の量が1/2~1/5にまで減る
- 清潔でお手入れが簡単
- タンクレスでコンパクト
- 除菌機能
1975年以前のトイレと最新のトイレでは、年間の水道代に5倍程度の違いがあり、金額にして1万円以上の差額が発生します。トイレはいずれ交換することになるものですので、古いトイレはできるだけ早く交換して、水道代を抑えるようにしましょう。
また、最新のトイレは清潔を維持しやすくなっています。水ハネしない工夫や自動洗浄機能などもあり、トイレ掃除の回数を減らすことができます。古いトイレは「汚い」というイメージが強くなってしまいますが、これを最新のトイレに交換するだけで、トイレがリラックス空間に変わります。
上記のようなメリットを得たい方は、新しいトイレにリフォームすることをおすすめします。
トイレを交換するときの費用相場
工事内容
同じタイプのトイレに交換
100,000~300,000円
タンクレストイレに交換する
200,000~400,000円
和式トイレを洋式トイレに交換する
150,000~570,000円
トイレを交換するときの費用は、トイレ本体の価格と工事費用によって決まります。既存のトイレと同タイプのトイレへの交換は、本体を置き換えるだけで済むケースもあり、費用を抑えることにつながります。
タンクレストイレは配管位置の変更が必要になりますし、手洗い器などを追加で付けると高額な費用が発生します。ただし、リフォーム対応トイレでアタッチメントを利用すると工事工程が減るので、低予算で交換できるかもしれません。
和式トイレを洋式トイレにする場合は床を取り壊す必要があり、工事が大掛かりなものになってしまうため、どうしても費用が高くなりがちです。ただし、交換することでトイレの快適さが劇的にアップしますので、費用対効果の大きなリフォームでもあります。
最新のトイレでおすすめの機能をご紹介
最新のトイレは節水効果や機能性も高いとお伝えしましたが、実際にどのような機能があるのか、メーカーごとにご紹介していきます。
TOTO
TOTOのトイレは独自技術の「きれい除菌水」を使用しているため、いつでも清潔な状態を維持できます。デザイン性の高さとお手入れのしやすさを両立させており、価格帯もお手頃なものから高級品まで幅広くラインナップしています。
- ネオレストNX
TOTOのハイグレードモデルで、トイレをリラックスできる場所にするために、美しさにこだわって作られたモデルです。デザイン性を重視しつつも、最先端の技術も導入されています。便器は自動で開閉し、便器から立つと自動洗浄されるなど、人の動きに合わせて作動するため、面倒な動作をすべて自動で行ってくれます。
価格:57万円
- ネオレストAH・RH
TOTOのスタンダードモデルで、美しさとテクノロジーが融合されたバランスのいいトイレです。お手入れのしやすさはもちろんのこと、自動で除菌をしたり、汚れが付着しないような表面加工が行われたりするなど、トイレがいつでも清潔であるための工夫が詰め込まれています。
価格:29.9万~38.9万円
- GG・GG-800
GGとGG-800はコンパクトなタンク式のトイレで、通常のタンク式よりも約70mmも奥行きが短くなっています。手洗いありのモデルがGG-800で、小さなお子さんでも無理なく手洗いできるよう、通常のタンク式よりも低い位置に手洗いが付けられています。低価格でお求めやすい、魅力的なモデルです。
価格:23万~29万円
- レストパルF・レストパル
レストパルFとレストパルは収納と組み合わせたシステムトイレで、トイレットペーパーや掃除道具などを目に見えない場所に収納できるため、トイレ全体がすっきりとした印象になります。小物が出しっぱなしになることがありませんので、来客が多い方におすすめのモデルです。
価格:27.8万~50万円
- ピュアレストEX
ピュアレストEXはスタンダードなタンク式トイレで、お手入れのことを考えて丸みを帯びたタンク形状だったり、凹凸をなくすためにサイドカバーを設置するなどの工夫が施されています。低価格モデルですが、汚れが付着しにくいセフィオンテクト加工やフチなし形状を採用するなど、トップモデルと変わらない機能も備えた1台です。
価格:18.5万~29.3万円
LIXIL
LIXILのトイレは新素材のアクアセラミックを採用しており、新品同様の白さと輝きが100年以上維持できるという特徴があります。アクアセラミックを採用した便器は、トイレの汚れがツルンと落ち、水アカによる黒ずみも発生しません。このような独自技術をベースに下記の商品をラインナップしています。
- サティス
サティスは美しさと快適さを兼ね備えたトイレで、これまでのトイレを変えていくというコンセプトのもと開発されたモデルです。シンプルで無駄のないデザインでありながら、アクアセラミックやエアシールド脱臭、鉢内除菌などの機能により、いつでも清潔な状態を維持できる1台です。
価格:25.4万~56万円
- プレアス
プレアスはタンク付きモデルですが、コンパクトになるようにデザインされているため、タンクレストイレのようにトイレ空間を広く使えます。もちろんアクアセラミックを採用しているため汚れにくく、プラズマクラスターによって鉢内はいつもキレイな状態をキープしています。
価格:23万~47万円
- リフォレ
リフォレはタンク付きトイレですが、タンクがキャビネット内に隠れているため、タンクレストイレのようにすっきりとしたトイレ空間を作れます。キャビネットは収納になりますので、トイレットペーパーや掃除道具などを隠すことができ、凹凸がなくなるためトイレのお手入れも楽になります。
価格:25万~55万円
Panasonic
Panasonicのトイレは陶器ではなく、有機ガラス系のスゴピカ素材を採用しています。割れやヒビに強いだけでなく、細かい傷が付きにくいので傷にも強いという特徴があります。さらに、陶器では難しいミリレベルの生産が可能で、段差やスキマをなくすことでお手入れしやすくなっています。
- アラウーノ L150シリーズ
アラウーノ L150シリーズはPanasonicのハイエンドモデルで、泡と水流で便器内をしっかりと洗浄し、除菌や消臭も自動で行ってくれる高機能トイレです。リフォームにも対応しているため、便器の取替工事だけなら数時間で完了します。さらに「アラウーノ専用手洗い」と組み合わせることで、新たな給排水工事なしで手洗いを取付けることもできます。
価格:30万円~
- アラウーノSⅡ
アラウーノSⅡはPanasonicのスタンダードモデルです。 L150シリーズのような自動での除菌・消臭効果はありませんが、泡洗浄できる激落ちバブルとパワフル水流を備えています。汚れが入り込むスキマもなく、お手入れをしやすいトイレを希望する人におすすめの1台です。
価格:19.6万円~
- New アラウーノV
アラウーノVは便座を選ぶことができるタイプの低価格トイレです。上位モデルのように機能が詰め込まれているわけではありませんが、スゴピカ素材を採用し、洗浄力と節水を両立した3Dツイスター水流を採用することで、トイレ掃除の手間を最小限に抑えることができます。
価格:15.4万円~
トイレの交換にかかる時間は?
洋式トイレから洋式トイレへのリフォームは、1.5~2時間程度で交換作業が完了します。ただし、手洗いを別に設置したり、床や壁の張替えも同時に行ったりするのであれば、1日程度かかります。
和式トイレを洋式トイレにリフォームする場合は、床面のリフォームも行いますので、2日以上必要になります。トイレの工事を行っている間は、家のトイレを使えなくなりますので、交換にかかる時間が数日となる場合には、簡易トイレを設置してもらうか、自分で家以外のトイレを確保しておきましょう。
コンセントがないトイレでシャワートイレを設置する場合などは、コンセントを増設する電気工事を行わなくてはいけません。この電気工事には1日かかり、1万円程度ですが追加費用も発生しますので、頭に入れておきましょう。
トイレの交換はどんな業者に依頼すべきか
トイレの交換をするときには業者に依頼しなくてはいけませんが、どの業者に依頼するのかがとても重要になります。業者を選ぶ時には、下記の5点を意識して選定しましょう。
- トイレのリフォームを得意としている
- 施工に必要な資格を持っている
- 自社で施工している
- アフターサービスがしっかりとしている
- 見積もりが分かりやすく丁寧に説明してくれる
いずれも重要な項目ですので、個別にチェックするポイントを説明していきます。
トイレのリフォームを得意としている
リフォーム業者といっても技術や経験に違いがあり、工事内容に関しても得意不得意があります。業者を選ぶ時は、トイレの交換リフォームを得意としている業者を選んでください。ホームページやブログをチェックし、過去の実績などでトイレ交換の事例が含まれている業者に絞って依頼しましょう。
施工に必要な資格を持っている
トイレの交換そのものに資格は必要ありませんが、手洗い器を追加で設置するようなケースでは給排水工事が必要になることもあります。すでにお伝えしましたように、コンセントがないトイレでは別途電気工事を行い、コンセントを追加しなくてはいけません。
どのようなトイレにリフォームをするかにもよりますが、下記の資格を有しているかどうかを確認しておきましょう。
- 給水装置工事主任技術者
- 排水設備責任技術者
- 電気工事士
トイレを交換するだけであれば資格がなくても問題ありませんが、電気工事をともなうときは、必ず電気工事士が作業するように手配してください。
自社で施工している
大手リフォーム会社でよくあるのが、下請け業者に丸投げしているというケースです。下請け業者だから作業が雑になるというわけではありませんが、中間マージンを取られていますので、工事費用はどうしても高くなってしまいます。営業担当と下請け業者との間で十分なコミュニケーションを取れておらず、施工時に揉めることもあります。
そうならないためにも、営業や調査、提案、施工をすべて自社内で行っている業者を選びましょう。そうすることで、無駄なトラブルを回避してトイレ交換を行えます。
アフターサービスがしっかりとしている
トイレは水を使う設備ですので、ちょっとした施工ミスで水漏れなどのトラブルが発生します。そうした際に、すぐに駆けつけてくれるのかを確認しておきましょう。そのときに次の項目もチェックしておいてください。
- 無償で対応してくれる期間
- 無償で対応してくれる作業範囲
- どのようなトラブルだと有償になるのか
これらを確認せずに、見積金額が安いという理由だけで業者を選んだら、水漏れなどのトラブルに全く対応してくれなかった、ということも起きています。業者を選ぶときは、必ず一定期間の無償修理に対応し、保障期間が過ぎてもすぐに対応してくれることが大切です。
見積もりが分かりやすく丁寧に説明してくれる
見積もりが出てきたら、その内容をチェックしましょう。「トイレ工事1式:◯◯万円」となっていたら要注意です。仮に他社よりも安かったとしても、工事内容が分かりませんので、後から「追加工事が必要になりました」と追加費用を支払わされる可能性があります。
このため「トイレ工事1式」で見積金額を出してくる業者には明細書を出してもらい、それを渋るようでしたら選定から外すようにしましょう。明細書がない場合は、どんなトイレや部材を使うのが分かりません。何にいくらかかるのかを、明確に伝えてくれる業者の中から選んでください。
また、説明が丁寧であることも重要です。専門用語を並べるのではなく、わかりやすい言葉で噛み砕いて説明してくれる業者を選びましょう。
まとめ
トイレは長く使うことができるため、交換時期が分かりにくい設備です。きちんとお手入れをしていれば20年~30年使うことも可能ですが、トイレは年々進化しているため、最新のトイレに交換することで節水効果があり、さらにはお手入れも楽になります。
便器が寿命になったときはもちろんのこと、バリアフリー工事をするタイミングや、不具合が続けて発生するようでしたら、思い切って最新のトイレに交換しましょう。さらに、トイレ工事の作業はそれほど難しくありませんが、それに付随して給排水工事や電気工事が必要になることもあります。業者選定では資格の有無をきちんと確認して、トイレ交換の実績がある業者に依頼しましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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渡邊 一伸(ナベさん)