オストメイトでトイレの時間を快適に!
駅や商業施設の多機能トイレに上の写真のような設備がついているのを見たことがある人も多いかと思いますし、オストメイトの方はよく利用されていることでしょう。
オストメイトとは膀胱がんや直腸がんなどの病気や事故などにより消化管や尿管が損なわれたため、腹部などにストーマという人工肛門や人工膀胱をもっている方を指す呼び名です。
ストーマは腹部に開いた穴のようなもので、ここからストーマ装具(パウチ)に排泄物を溜める仕組みになっています。現在、オストメイトは日本に約20万人いるといわれているので、ご自身がオストメイトの方、ご家族やご友人がオストメイトであるという方も多くいらっしゃるでしょう。
家の外に設置されいるオストメイト対応の多機能トイレには、下のようなマークが貼られているので、オストメイトの方はマークを気にされながら外出されいるかと思います。
出典:内閣府「障害者に関係するマークの一例」
ストーマ装具は粘着部分を体に貼り付けて使用し、数日おきに新しいパウチに交換します。ストーマはお腹の位置にあるため、オストメイトの方は普通の便器ではストーマの部分と高さが合わずとても苦労されていることでしょう。また、パウチを交換する際は、新しいパウチを装着する前に水で洗いしっかりとストーマの周囲を清拭するのがなかなか面倒です。それ作業を基本的にはトイレの中で行うため、オストメイトにはその悩みに対応したトイレが求められるです。
具体的にどんなトイレなの?
具体的にどんなトイレなのかなかなか想像がつきずらい方もいらっしゃると思います。横浜市オストミー協会はオストメイト対応トイレとして下のような設備や機能を求めています。
◎オストメイトにとって望ましいパブリックトイレの機能・設備 ① 「オストメイトが使える」旨の表示やマークがある ② 便や尿を流せる大便器や汚物流浄台がある ③ ストーマ部位を洗浄できる温水シャワー(温度調節器付)がある ④ 補装具や附属品を置く小さな棚が洗浄台周りにある ⑤ 換気設備、手洗い器、手の乾燥器がある ⑥ 使用済の補助具を捨てる汚物入れがある ⑦ 充分な量のトイレットペーパーがある ⑧ 手荷用物置台や壁掛けフック (棚の脇、バック掛、コート掛)がある ⑨ 補助具の装着に必要な姿見用鏡がある ⑩ 身長にあわせて上下移動する踏み台がある 横浜市オストミー協会「オストメイト対応トイレ」より
この10項目は公共トイレにもとめる設備なので、①でオストメイト・マークの表示を求めていますが、それ以外の9項目は、基本的に家庭に設置するオストメイト対応トイレにも適応されます。
一番重要になってくるのがオストメイトと同じ高さに設置する大便器や汚物流浄台です。先ほども書いた通り、パウチを中腰の態勢で便器や床を汚さないように普通のトイレで交換しようとすると、中腰の態勢になってしまうので、オストメイトと同じ位置に大便器や汚物の流し台を設置すると普通の便器よりスムーズにパウチを交換できます。
また、ストーマ部分の洗浄も新しいパウチを清潔な状態でつけるうえで非常に重要になってきます。ですので、温水シャワーがあるとトイレ内だけですべてを完結させることができ便利です。
そして、意外に重要なのがカウンターやフックなどストーマ装具や清拭用のタオルを入れたバックのようなものを置く、またはかける場所です。いくら家のトイレといっても直にそのようなバッグを置くのは気が引けますよね。
このような設備をそろえたものがオストメイト対応トイレになります。
オストメイト対応トイレを家に設置するには?
家庭に設置できるオストメイト対応トイレには大きく分けて簡易型と機能型の二種類があります。それぞれご紹介します。
簡易型のリフォーム
①オストメイト対応便座への交換
出典:ZA FREE
便座を交換するだけなので一番手軽な方法です。上の写真でもわかるように、便座に座ったままでもパウチの処理がし易い前広形状の便座になっています。
②洗浄水栓付背もたれの設置
出典:TOTO
便器の後ろにパウチ・しびん洗浄水栓が一体化した背もたれを取り付けます。ストーマ装具や尿瓶を両手で支えて洗浄ができるタイプです。もし、便器が対応していない場合は便器の交換も必要です。
機能型のリフォーム
もし、今のトイレを拡張できるだけのスペースがある場合は、新しく汚物流浄台やシャワーを設置することをおすすめします。簡易型に比べて費用は掛かりますが、日常のトイレがかなり楽になります!
③洗浄流しの設置
汚物を流しして、パウチをすすいで取替える作業が立ったまま行える流しを取り付けるリフォームです。公共の多機能トイレに設置してあるのと同じようなタイプです。
④シャワーを設置
ストーマや汚れた腹部洗う流すことができる温水シャワーを設置するリフォームです。
トイレをオストメイト対応にする費用相場
費用相場の目安 | |
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オストメイト対応便座への交換 | 10万円 |
洗浄水栓付背もたれの設置 | 15万円 |
洗浄流しの設置 | 20〜100万円 |
オストメイト対応トイレ・ジャワメイトの設置 | 30〜90万円 |
簡易型のリフォームの場合は10~15万円ほどでリフォームが可能なので、費用を極力抑えたいという方にはこちらをおすすめします。機能型のリフォームになると、場合によってはトイレ自体の拡張や、排水管など水道設備の新設工事を行わなくていけないので、かなりの費用がかかる場合もあります。
オストメイト対応へのリフォームはプロにお任せください!
簡易型のリフォーム、特にオストメイト対応便座への交換はDIYに慣れている方には容易な作業なのでご自身でも作業可能です。
ですが、洗浄流しやシャワーを設置する場合は、水道設備を新設してつなげる必要があるので、プロの業者にお願いしてやってもらうことを強くおすすめします。
オストメイト対応へのリフォームをプロにお願いする場合は、業者を選ぶにはポイントがありますので、ご紹介いたします。
①実績がある
水道工事というのは知識と経験が必要な工事です。このため、依頼するときには実績を重視してください。ホームページを確認して、いつから水道工事を始めているのかを確認しましょう。できれば20年以上続いている業者が理想ですが、10年程度でも安定して仕事を請けているようなら問題ありません。
②対応が丁寧である
相談をしたときの対応についてもチェックしてください。できるだけ専門用語を使わずに、わかりやすい言葉で丁寧に説明してくれる業者を選んでください。高圧的な態度だったり、「この人は苦手だな」と感じるような対応をされた業者は、避けたほうが無難です。
③しっかりした見積書を出してくれる
業者によっては、見積もりの依頼を受けた際に「水道工事一式」として、工事内容が分からない見積書を出してくるところがあります。これでは、見積金額が適正な金額なのか分かりらないですし、工事内容に問題がないのかも確認もできません。、詳細な見積書を書かれている業者に依頼したほうが安心です。工事内容と使用部材が書かれているかを必ず確認してください。
④自分が住んでいる場所がすぐに対応できる地域である
水道工事業者は、指定を受けた地域でないと工事できないため、依頼するときは対応可能な地域であるのかを確認しましょう。業者によっては、遠方でも工事ができることもありますが、その場合には出張費が発生しますので、工事費用が割高になってしまいます。
また、遠方の業者になりますと、工事後にトラブルが発生したときに、迅速な対応ができないことも考えられます。そのような点からも、できるだけご自身の近くに営業拠点がある業者を選ぶようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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渡邊 一伸(ナベさん)