2018年6月20日

システムキッチンの種類と使い勝手

システムキッチンはメーカーも種類も多く、キッチンのリフォームを検討する際に頭を悩ませる方が多くいらっしゃいます。基本的な種類とその使い勝手について把握しているだけで、かなり理想のキッチンは絞られてきますので、前もって知識を付けておきましょう。ここでは、これからシステムキッチンを選ばれる方のために、システムキッチンの考え方からその種類と使い勝手についてご紹介します。

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システムキッチンとは

システムキッチン

出典:photoAC

システムキッチンという言葉が日本で使われるようになったのは1973年です。当時はドイツのビルトインキッチンが輸入販売されている時代で、一般家庭ではセクショナルキッチンが主流でした。セクショナルキッチンとはコンロ台、調理台、シンクがそれぞれユニット単位で独立したもので、それらを組み合わせてキッチンを形成します。

これに対して、システムキッチンは、各ユニットを1枚の天板で連結したものです。
これまでは、ユニット間に隙間ができてしまうため、どうしてもそこに汚れが溜まりメンテナンスも大変でした。天板を使って一体化することで隙間や段差がなくなり、お手入れが楽になると共にデザイン性も向上し、あっという間に日本全国に普及していきました。

現在では、新築でもリフォームでもほとんどシステムキッチンが採用されています。各メーカーで個性的なデザインや機能を取り入れたシステムキッチンがいくつもありますので、選ぶのも一苦労するほど。価格帯も幅広く、低予算でも導入することができることもシステムキッチンの魅力のひとつです。

システムキッチンの種類と特徴

システムキッチンを選ぶうえで知っておくべき種類とその特徴を見ていきましょう。
以下の2点でキッチンのレイアウトは大きく変わってきます。

・どちらを向いて調理をするのか
・システムキッチンの形状

対面キッチンと壁付キッチン

「どちらを向いて調理するのか」という視点で分類すると、対面キッチンと壁付キッチンの2種類に分類できます。
対面キッチンは最近の流行りのスタイルで、ダイニングやリビングに向かって調理を行います。壁付キッチンは従来からあるスタイルで、壁面を向いて調理を行います。

対面キッチンは作業中に家族の姿を確認でき、会話なども楽しむことができます。このため、家族とのコミュニケーションをとりやすいという特徴があります。小さなお子さんを持つご家庭では、調理中もお子さんの行動から目が離せませんので安心して調理ができることは大きなメリットです。
対面キッチンの場合は空間を物理的に分断することになるため、LDKがそれほど広くない場合には、キッチンがせり出すことでリビングを窮屈にしてしまうことがあります。

一方、壁付キッチンでは壁面に向かって作業を行いますので、調理に集中できるというメリットがあります。また、部屋の壁側に寄せてキッチンを設置するため、ダイニングやリビングを広く使うこともできます。
しかしリビングに背を向けることになりますので、家族とのコミュニケーションは取りづらく、キッチンもリビングに向かって解放されるためはっきり見えてしまいます。

どちらにもメリットとデメリットがありますが、キッチンに何を望むのかを考え、ご家庭に適したスタイルを選ぶようにしましょう。

システムキッチンの形状による分類

対面キッチンか壁付キッチンのいずれにするかを決めたら、次はどのような形状のキッチンを選ぶのかを決めましょう。
一般的なキッチンは、以下4種類に分類されます。

・I型キッチン
・L型キッチン
・アイランドキッチン
・ペニンシュラキッチン

この他にもⅡ型キッチンやU型キッチンなどもありますが、ここでは基本の形となるこの4種類について解説していきます。

I型キッチン

適応タイプ:対面、壁付

I型キッチンは従来からありますが、現在でも最も一般的なスタイルのシステムキッチンです。各メーカーの売れ筋ですので、デザインやグレードが豊富で、好みの商品を見つけやすいという特徴があります。
間口サイズも幅広くラインナップされているため、リフォームにも最適で工事費用も抑えることができます。

I型キッチンの場合動線が一本しかないため、2人以上での作業には向きません。数人でキッチンに立つ際は動線が重なり作業がしづらくなりますので、気を付けましょう。
また、キッチンを広く取ると幅が広がり、移動距離が長くなります。キッチンとしての面積を広く取れる場合はかえって不向きとなり、作業効率が落ちてしまいます。

L型キッチン

適応タイプ:対面、壁付

I型の次に人気が高いのがL型です。L字にコンロとシンクを配置したスタイルが特徴的なシステムキッチンです。通常はキッチンの角部を利用してレイアウトします。最近はペニンシュラキッチンのように、対面キッチンとして利用するケースも多いです。
作業スペースが広く確保でき、動線もスムーズですので、効率的に調理を行うことができます。ペニンシュラのように配置すると、セミオープンキッチンとなり、対面でありながら見せたくない部分は程よく目隠しができる点でも人気です。

一方で、間取りによっては空きスペースの確保が難しく、冷蔵庫や食器棚の配置で悩むことになりがちです。コーナー部の収納は広いものの使いづらいため、メーカーごとに様々な工夫が見られます。
また、面積を広く取るため、本体価格もリフォーム費用も高くなります。

アイランドキッチン

適応タイプ:対面

アイランドキッチンは、キッチンの中心部に島のように独立させて配置するスタイルのシステムキッチンです。4面のどこからでも調理台にアクセスできますので、数人で作業をする場合も動きやすく、料理教室などで多く用いられています。
とても開放感があり、デザイン性も優れていますが、設置のためには大きな空間が必要です。また、リビング・ダイニングと一体となりますが目隠しができず、普段から清掃・整頓を心がけなくては生活感が丸出しになり、かえって見栄えを損ねる可能性もあります。

アイランドキッチンの場合、換気扇もキッチンと同じく独立させる必要があるため、家の構造によっては取りつけができないことがあります。特にマンションのリフォームなどでは、換気扇を大きく動かすことが難しい場合が多いです。
一派的なキッチンから場所を移動させてアイランドキッチンを設ける場合、配管などを動かさなくてはいけないため、リフォーム費用が高いことも導入のためのネックです。

ペニンシュラキッチン

適応タイプ:対面

ペニンシュラというのは「半島」という意味があります。その名前の通り、システムキッチンの端一方が壁に接してレイアウトされます。一方を壁に接して設けたI型の対面キッチンなどもペニンシュラと呼ばれ、対面キッチンの典型的なスタイルのひとつです。

ペニンシュラの場合、吊戸棚やカウンターを設けてセミオープンスタイルにすることもできるので、対面でありながら見せたくない部分は隠すことができます。 開放感がある一方で、設置のためにはキッチンスペースをそれなりに確保する必要がありますので、面積との兼ね合いも考える必要があります。

ミニキッチンとは

メーカーカタログを見ているとミニキッチンというジャンルに気づくかもしれません。価格がとても安いので、キッチンにこだわりのない方は検討される場合もあるでしょう。ミニキッチンとはどのようなものが当てはまるのでしょうか。

ミニキッチンはどんなところに使われる?

ミニキッチンには特に定義があるわけではなく、最小限の機能だけのコンパクトなキッチンを指します。
通常はワンルームマンションやアパートなど限られた空間でキッチンを設置しなくてはならない場合や、高齢者向け住宅など、余計な機能が必要なくシンプルで小型のものが好まれるような場合に設置されます。メーカーによっては「コンパクトキッチン」と呼ぶこともあります。

低価格で設置できるため、セカンドキッチンとして利用されることも多いです。例えば2階建ての住宅で既存のキッチンが1階にあるものの、住空間は2階をメインとしている場合など、「2階でもお湯を沸かしたい」「簡単な調理ができれば便利」というような住宅で用いられることがあります。

ミニキッチンの魅力

「低価格」と「デザイン性の高さ」そして「ミニマムな機能」これがミニキッチンの魅力です。最近は新たな機能がどんどん開発されシステムキッチンにも取り入れられていますが、使わなければ無駄になりますし、必要ない分を取り払うことで費用が抑えられるようであればそうしたいと考えられる方も多いです。
特別な機能は必要ない、シンプルかつコンパクトで使い勝手の良いキッチンが欲しいという方に好まれます。

注目されるような機能はもたないものの、商品によってはデザイン性も高く、価格も安いため根強く需要があります。

使い勝手を考える

システムキッチンを選ぶときの決め手は人それぞれ違いますが、重要となることは使い勝手の良さです。毎日使われるからこそ、どんなにオシャレなキッチンでも、使いづらいと小さなストレスが溜まっていきます。
それではどのようなキッチンが使い勝手が良いと言えるのでしょうか?

キッチンに何を望むのかを明確にする

使い勝手を考えるときには、まずキッチンに何を望むのかをはっきりさせます。
家族団らんの場所にしたいのか、調理を手際よくスムーズに行いたいのか、最新の機能で利便性を追求したいのかなど、ご家庭によって優先順位は違います。

また、レイアウトによって見た目も大きく変わりますので、キッチンを見せるのか、それとも隠したいのかも大きな違いです。

キッチンの動線を考える

調理をするときの使い勝手を考えるときには、調理中実際にどう動くのかを考えます。コンロとシンク、そして冷蔵庫の距離がポイントです。ストレスとならない距離には目安がありますので以下で確認しておきましょう。

シンクとコンロの距離:120~180cm
シンクと冷蔵庫の距離:120~210cm
冷蔵庫とコンロの距離:120~270cm

または、それぞれの距離の合計が、660cm以下になるようにしましょう。
大きなキッチンというのはとても魅力的に感じるかもしれませんが、その広さがあだとなる場合があります。一般家庭での使い勝手の良さには、程よいコンパクトさが求められます。キッチンを程よい広さに抑え、その分リビングやダイニングを広く取った方が結果的には見栄えも使い勝手も良くなりますので、全体のバランスも考えましょう。

まとめ

システムキッチンを選ぶ際は、まずは対面か壁付かを決め、その次にキッチンの形状を決めれば迷うことなく選ぶことができるはずです。
選ぶときに重要なのは使い勝手です。デザインや機能ばかり気になってしまいますが、使い勝手のよさ、キッチンでの動線を考えて種類を選ぶようにしましょう。

また、ミニマムなキッチンやセカンドキッチンを望む人にはミニキッチンという選択肢もあります。最新のキッチンとは対称的な商品ですが、調理だけできればいいという方には最適です。
最新のモデルだけに目を向けるのではなく、ご家庭にとって優先したい部分から考え、適切な商品選びを行いましょう。

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