2017年10月25日

蝶番の不具合とメンテナンスの注意点

蝶番交換は、ドアや棚など開閉が必要な場所では欠かせないリフォームです。 しかし正しい手順や方法を知らないまま、DIYでメンテナンスを行うと思わぬ失敗を招く恐れがあります。 ここでは蝶番交換が必要となる不具合と、その際の注意点をご紹介します。

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扉の不具合は蝶番交換で対応しましょう


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蝶番の役割

蝶番とは、身の回りの開閉が必要な場所に必ず使われている金具です。
扉だけでなくノートパソコンやトイレの便座など、わたしたちの身近で幅広く使われています。
蝶番に不具合が起これば、開閉動作に大きな支障をきたしてしまいます。

扉に起こる不具合とは

玄関の扉は人の出入りが激しいため、開閉を繰り返すことで徐々に不具合が起こるのは仕方のないことです。
建て付けが悪く扉が閉まらない、開閉時にギーギーと音がするなどは、典型的な不具合といえます。

また、使用中の違和感をはじめ、見た目からも劣化は確認できる場合があり、蝶番に黒い粉が付着する「金属疲労」等がその例です。

ドアに起こる不具合の原因

上記の不具合の原因は、主に扉についている蝶番のネジが緩むことで起こります。
扉を何度も開閉するのはもちろん、乱暴に開け閉めすると更にネジの緩みが早まります。
ネジの緩みは固定されていた扉の位置もずらすので、扉が閉まらない、ギーギーと音がする原因になります。

蝶番交換は費用が安い

上記のような不具合であれば、蝶番の位置を調整し、ネジを締め直すことで解決します。
蝶番のネジを締め直しても解決しない場合は、蝶番自体が折れ曲がったり、割れているなどの破損が生じている可能性があります。

不具合が起こると、扉自体に原因があると判断し、扉の交換を検討する方もいますが、扉自体を交換するとなると、新調する扉の料金、リフォーム業者の作業代と費用は多くかかってきます。

実際は蝶番が原因であることがほとんどですので、扉自体の交換を検討する前に、蝶番のメンテナンスを行いましょう。

蝶番にも適性や機能性がある

蝶番は場所や用途によって、使用する種類を選定する必要があります。
メーカーはもちろん、どのような用途と目的で使いたいかで考えましょう。

以下で、用途別に蝶番の適性や機能性をご紹介していきます。

玄関や間仕切りなどの重い扉

重量のある玄関や間仕切りの扉であれば、重量制限をクリアした蝶番で、かつ取り付けを安全に行える「抜き差し蝶番」を選びます。

抜き差し蝶番は蝶番を扉に取りつけた後でも、蝶番の真ん中にあるピンを外すことで、扉を取り外しすることができます。

抜き差し蝶番以外を使用した場合、扉から蝶番を取り外す際には重い扉を支えながらの作業になるので、作業に人数が必要になります。


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食器棚、シンクなどキッチン周りの扉

食器棚の扉であれば、開閉の角度を固定できる「スライド蝶番」が一般的に使用されます。
キッチン周りのあらゆる収納扉を見てみると、スライド蝶番が使用されていることが確認できるでしょう。

食器棚などは、扉の開閉が不安定だと食器を取りだす際に危険な場合があり、安全面が考慮されています。

見た目にこだわりたい扉

蝶番は扉の内側に固定するのが一般的ですが、閉まっている状態でも取り付け部分がわずかに見えてしまいます。
そこで見た目やデザイン性を重視したい場所には「隠し蝶番」を使用します。

隠し蝶番は、扉が閉まっている状態だと取り付け部分がまったく見えなくなります。
ただし取り付けの技術が高度ですので、取り付けはDIYでなく専門業者へ依頼することをお勧めします。

蝶番の交換手順

蝶番交換はお手ごろな修繕リフォームですが、実際どんな手順で交換していくのでしょうか。
蝶番交換は以下の手順で行われます。

  • 蝶番の種類を確認
  • 建具と蝶番の取り外し
  • 蝶番の微調整と取り付け

上記3つの手順を解説していきます。

蝶番の種類を確認

同じ型の蝶番を用意できればいいのですが、昔から長く使用されている家具の蝶番は型が古い場合が多く、現在は製造されていないこともあります。

どうしても同じ型を使用したい場合は特注品として製造を依頼することもできますが、費用が必要以上にかかってきます。
同じ型がなくてもサイズの近い蝶番を用意できれば、建具側を加工し直すことで問題は解決します。

建具から蝶番を取り外す

まずは建具から蝶番を取り外します。
取り外す建具が玄関のような重い扉の場合、扉を固定して安全を確保してから取り外します。
蝶番のほとんどはネジで固定されているので、ドライバーを用いて外していきます。

蝶番の微調整と取り付け

同じ型の蝶番が見つからず、新しく別の型の物を取り付ける場合は建具に加工を施す必要があります。
電動ルーターなど木材を削る工具を使用し、新しい蝶番に合うよう形を微調整をしていきます。
最後に、新しい蝶番を建具に取り付けて完成です。

同じ蝶番が用意できれば、一見すると単純な工程のためDIYを検討する方も多くいらっしゃいます。
自分で手軽に行えるDIYは、人件費もかからない分費用も格安に抑えられます。

しかし同じ型の蝶番が見つからなかったときは特に、技術がなければ扉自体を使えないものにしてしまう可能性もあります。

蝶番を交換したのに新たな不具合が出てきた、建具の加工がうまくいかず扉自体の交換が必要になったなどトラブルもありますので、確実に修理するためには、専門業者に依頼しましょう。

蝶番の交換では済まない不具合


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扉の蝶番に問題がなくても、不具合が起こる場合があります。
例えばネズミやシロアリにより扉を収めるための枠組みに変形が生じていれば、もちろん蝶番交換では解決できません。
その際は大掛かりなリフォームが必要になります。

DIYが招く失敗

費用を抑えるためDIYを試みた結果、取り付けに失敗したという例も多いのが事実です。
蝶番交換において、DIYで失敗しやすいポイントは以下の3つがあります。

  • ネジ穴が合わない
  • 建具を損傷させた
  • 建て付けが合わない

上記の原因を解説していきましょう。

ネジ穴が合わない

蝶番の取り付けにはネジを取り付けますが、ネジ穴を合わせることが重要です。
交換で同じ蝶番を取り付ける場合は、穴が同じ位置にありますので問題ありません。

新しく取り付ける場合、建具への取り付け位置が決まっても、ネジ穴を開ける工程で失敗すると肝心の蝶番が取り付けられなくなります。

蝶番用の穴キリを用いて穴を開けますが、非常に繊細な作業が求められます。

建具を損傷させた

同じ型の蝶番が見つからなかった場合、蝶番に合うよう建具を修正する作業が必要になります。
電動ルーターを使用すれば簡単に建具を削ることが可能ですが、少しでも削り方を誤れば蝶番が不安定になります。

修正には細かい技術が必要となりますので、結果的に建具を損傷させ、建具自体の交換をしなければならない事態に陥る可能性があります。

蝶番交換のみで費用を抑えられたところ、更に費用が重なりかねませんので、同じ型の蝶番が見つからなかった際は業者に相談しましょう。

建て付けが合わない

蝶番交換は上手くいったのに、いざ建具を取り付けてみると立て付けが合わないことがあります。
原因としては、建具と枠組みの蝶番の取り付け位置がずれている事が考えられます。

蝶番は繊細なもので、建具と枠組みの位置が少しでもずれていると建てつけに不具合が生じますので、細かな採寸と調整が必要です。

DIYに慣れている方であれば費用も抑えられ手軽にできますが、失敗すると結果的にリフォーム規模が大きくなり、余計な出費に繋がります。

蝶番交換は欠かせないメンテナンス


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蝶番は、開閉動作の必要な場所には決して欠かせない重要な役割を持ちます。
扉やキャビネットの不具合が続くとストレスになるものです。
不具合が重症化する前に、しっかりとメンテナンスをしていきましょう。

いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。