2018年8月1日

騒音に悩まされている方へ 解決するための防音対策

マンションやアパートで暮らしていると、上の階の足音や近隣のピアノの音などに悩まされることがありますよね。反対に、ご自身の生活音が他の方の迷惑になってないか気になる方も多いと思います。ここでは周囲の騒音に対して、どのような対処をすればいいのか、また防音対策についても分かりやすくまとめました。

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どんな音だと騒音になるの?

防音

出典:photoAC

まず、人はどのような音が騒音と感じるのか、その基準について知っておきましょう。自分ではうるさいと思っていなくても、他の人には騒音に感じてしまうとトラブルの原因になってしまいます。感じ方は人それぞれとはいっても、騒音その基準を知っておくことが不可欠です。

騒音のレベルはデジベルという値で示されています。
一般的な騒音値と音の感じ方は下記のようになっています。

感じ方騒音値(デジベル)
我慢できない80~90
うるさい60~70
普通40~50
静か20~30

この表から人は50デジベルを超えたくらいから、「うるさい」と感じるようになるのが分かります。ちなみに60デジベルは、掃除機やトイレ、テレビなどの音ですので一般的な生活音ですら、人によってはうるさく感じることがあります。

騒音になる基準は、それぞれの自治体の条例で定められています。住宅地の場合、日中は50~55デジベル以上、夜間は40~45デジベル以上が騒音と定義されていますので、これ以上の音を出さないようにしなくてはいけません。

「掃除機も使えないじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、音は空気を伝わっていきます。そのため、家の窓をすべて閉じることで音が外に漏れにくくなります。窓が空いていても騒音源から離れていれば、漏れる音が小さくなりますので騒音レベルは下がります。

ちなみに、子どもの足音は約50~60デジベルと言われていますので、マンションなどで子どもが走る場合には、しっかりとした防音対策がされていないと、室内で走り回ったときに下の階の人が騒音に感じることがあります。

ピアノなどは80~90デジベルもありますので、しっかりと防音対策を行っていないと、近所迷惑になってしまいます。騒音の原因がご自身の家という場合もあれば、近隣の家ということもあります。いずれにしても近所の人たちとトラブルにならないために、防音対策はしっかりと行いたいところです。

それではどのような対策をすればいいのか、その方法について次章以降で詳しくご紹介します。

騒音の原因を突き止める

騒音の種類によって対策の方法が違います。防音対策をするときは、騒音の原因を突き止める必要があります。
騒音の原因としては下記のようなものが挙げられます。

  • 人の会話
  • 上の階の走る音
  • ペットの鳴き声
  • いびき
  • パソコンや家電の音
  • エアコンの室外機
  • ピアノなどの楽器の音
  • ドアや窓を開ける音
  • 電車や車、飛行機などの音
  • 水道の音

軽く挙げただけでもこれだけの騒音源が考えられます。重要なのは、これらの騒音がどのようにして伝わってくるのかということです。人の会話やペットの鳴き声などは、空気の振動で伝わってきます。このため、防音壁や窓に防音対策することで騒音を防ぐことができます。

部屋を走り回る音や水道の音、エアコンの室外機などは空気ではなく、個体が振動することによって伝わってきます。この場合は窓を二重サッシなどにしても効果はなく、空間全体が振動を起こさないような防音対策が必須です。

電車や飛行機、トラックなどの騒音は空気からも個体の振動からも騒音が伝わってきます。これが最も厄介で、完全に防ぎ切るのがとても難しい騒音といわれています。場合によっては建物全体のリフォームを行うケースもあります。

このように、騒音の種類によって取るべき対策が変わってきます。
まずはご自身が何に対してうるさいと感じているのかを、リストアップすることから始めましょう。自分だけでなく、家族や友人にも確認しておくと、騒音に対してより効果的な対策をとることができます。

騒音の発生を防ぐには?

ここからは、具体的に騒音をどう防けばいいのかみていきましょう。
最初に、ご自身の家が発生源になっているときは、なるべく騒音を発生させない方法についてご紹介します。

自分が騒音を出さないようにする

基本的には、騒音を出さないようにするという姿勢が重要です。当たり前のことですが、大声を出さないと分かっていても小さなお子さんのいる家庭では、なかなか守れませんよね。

  • 集合住宅では走り回らないようにする
  • テレビやステレオの音量はできるだけ下げる
  • 椅子を引くときに音が鳴らないようにする
  • 玄関のドアや部屋の窓の開け閉めはゆっくりと行う

上記すべてに気を遣うのは大変ですが、ある程度は気をつけないとご自身の生活音が他の人の迷惑になっている可能性があります。慌ただしく行動するのはできるだけ避け、生活の中で出る騒音を減らすように意識しましょう。

電化製品を止める

生活の騒音として代表的なのが、洗濯機掃除機といったモーターを使った家電です。使用すると、洗濯機は60~70デジベル、掃除機は40~65デジベルの騒音が出ます。日中に使うのであれば構いませんが、集合住宅では夜遅くの使用はトラブルにつながります。

特に洗濯機は振動による騒音も発生しますので、深夜帯の使用は絶対に避けたいところです。仕事の帰りがいつも遅いという方は、どうしても深夜帯に洗濯を行うしかないかもしれませんが、その場合は騒音の出にくい製品に買い替えるなど、近隣の方に気を配りましょう。

家電でトラブルになるときは、古い洗濯機や掃除機、激安家電がほとんどといわれています。最新の洗濯機の中には、騒音レベルが40デジベル以下というものもあります。推奨はできませんが、これくらいならば深夜帯に使用しても迷惑にならないといえます。

家電製品の多くは、騒音レベルについての表記があります。自分で調べても分からない際は、店員さんに「騒音レベルが低いものを教えてください」と伝えれば、該当する商品を教えてもらえます。

防音の工夫する

大きな音を出さないように意識したり、家電を買い換えても騒音が絶対に発生しないわけではありません。しかし、わずかな工夫で騒音レベルを下げることができます。
騒音の発生を少しでも減らしたい方は、次のような工夫を行ってみましょう。

  • 洗濯機やエアコンの室外機の下に防振ゴムを敷く
  • テレビやパソコンの音はイヤホンかヘッドホンで聞く
  • 床に防音効果のあるカーペットやマットを敷く
  • スリッパを履く
  • 消音機能のついた楽器を使う

一般的な家庭では、このあたりのことをするだけで騒音に対する苦情をだいぶ防げます。家電を最新のものに変えられないのであれば、防振ゴムを活用することで騒音レベルは大幅に減らせます。

音を出さなければ騒音にはならないため、イヤホンヘットフォンはかなり有効な手段です。家族でテレビを見るときは使用できませんが、1人暮らしのアパートでテレビや音楽を楽しみたいのであれば、必須のアイテムといえます。

また、下の階の人に迷惑をかけないための工夫も重要です。フローリングの床は気持ちいいかもしれませんが、乾いた木材は音を伝えやすいというデメリットがあります。小さなお子さんやペットがいる場合は、部屋の一部分だけでも防音マットを敷くようにしてください。

ピアノなどの楽器の練習をしたいときは、消音機能を利用しましょう。楽器は思った以上に騒音レベルが高いため近所迷惑になりやすいといっても過言ではありません。「小さな音ではでは練習にならない」、という方もいるとは思いますが大きな音で演奏したいのであれば、ヘットフォンをするか消音機能のついた楽器がおすすめです。

近隣からの騒音を防ぐ

ご自身が騒音を発生させないよう努力しても、外部から騒音が入ってくることがあります。集合住宅では、隣の人がうるさいときは管理会社か大家さんに言うしかありませんが、角が立つかもと黙ってストレスを溜めている方もいるのではないでしょうか。

そのような外部からの騒音を防ぐ方法をご紹介します。

防音カーテン

「カーテンなんかで防音できるの?」、と思っている方もいるかもしれませんが、布は音を吸収するため外部からの騒音を小さくしてくれる効果が期待できます。防音カーテンは電子音を半分以下に、飛行機などの騒音は80%近くも減音できる商品もあります。設置するときには、窓がすっぽりと覆われるサイズのものを選びましょう。

防音壁・防音シート

防音壁といっても壁全体を取り替えるのではなく、自室の壁に上から貼るだけで防音できるため、お手軽に導入することができます。同じようなアイテムで防音シートというものがありますが、防音シートは防音壁と組み合わせることでより高い効果を発揮してくれます。

通気口

音は空気を伝わってくるため、通気口(換気口)や換気扇がある場合は、そこから音がダイレクトに入ってきます。かといって、換気のためにも閉じてしまうわけにいきませんので、そのようなときは防音パイプなどを使用しましょう。通気性も維持しながら、音を最小限に抑えることができます。

窓を二重サッシにする

窓というのは思った以上に音を通します。窓自体が振動するというのもありますが、決して密閉性が高いわけではありませんので、ちょっとした隙間から音が部屋の中に入ってきます。

これを防ぐ方法が二重サッシです。窓を二重にすることで、気密性を上げるだけでなく遮音効果も高くなります。窓の形状にもよりますが既存のものに後付けできますし、種類も豊富なためご自身に合ったものを選んでください。

防音対策を行うと必要になる費用

防音対策はDIYで出来るものもありますが、しっかりと防音したいのであれば、専門の業者にお任せするのがおすすめです。そのとき気になるのが費用のことですよね。
ここでは、業者に防音対策を依頼した際にかかる費用についてご紹介します。

種類費用相場
クッションフロアにする3万~6万円/6畳
防音壁を追加する0.3万円~2万円/㎡
防音シート・遮音シート13万~20万円/6畳
防音・遮音カーテン1万~1.5万円
防音ガラスに交換4万~10万円
内窓の追加(二重サッシ)5万~15万円
防音通気口にする2万~5万円
防音機能付ドアに交換16万~30万円

周囲の騒音レベルによって費用は違ってきますが、近所の人の会話やペットの鳴き声を防ぎたい程度でしたら、窓や壁に防音機能を追加するので10万~20万円くらいかかります。

スピーカーで音楽やDVDを楽しみたいのであれば、外に音が漏れないようにするため窓を二重サッシにするなど、20万~25万円前後がリフォーム費用の目安です。

意外とお金がかかるのが子供の足音対策です。防音カーペットを床に敷くだけでしたら、5万円もあればできますが、床材の下に吸音性のある素材を敷くと30万~80万円ほどかかってしまいます。電車や車の音を防ぎたいという場合は85万~90万円程度かかります。

部屋の広さにもよりますが、意外と高額になるのが防音リフォームです。
どの程度まで騒音を減らしたいのかを明確にして、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。予算をあらかじめ伝えると、できる範囲でリフォーム内容などを提案してもらえます。

防音工事で助成金が出ることがある

騒音の原因が高速道路、空港や基地というときは、国や自治体の助成金で防音工事をできることがあります。

例えば東京都では、環状七号線、環状八号線、中原街道、笹目通りの付近に家があり、騒音値が指定するデシベル以上のときに限り、東京都の審査した工事額の3/4を助成金として給付してもらえます。

この他にも全国各地で助成金のでるケースがあります。高速道路や基地・空港などが新たにできたことで、騒音が発生するようになった場合のみ適用されます。そして、条例ができる前に建てられた家であること、自治体が指定する区域内に入っていることが最低条件です。

自治体ごとに条件が違いますので、ホームページなどで助成金の有無について確認しておきましょう。リフォームを依頼する業者に確認するという方法もあります。条件に当てはまる方は多くないかもしれませんが、助成金があるということだけ覚えておきましょう。

まとめ

騒音に悩まされている方、自分の生活音が周りに迷惑をかけていないか気になっている方は決して少なくないはずです。騒音の感じ方には個人差があるため、どこまで防げばいいのか難しいところですが、少なくとも50デジベルを超える音を出さないよう心がけましょう。

家電や楽器などの大きな音が出るものに関しては、夜中に使用しないようにしたり、床に防音カーペットを敷いて騒音源にならないように、気をつけることが大切です。周囲からの音がうるさいときは、窓を二重サッシにしたり防音カーテンにするなどして、外部からの音が極力入ってこないようにしてください。

ご自身は騒音を発生させないよう気を配り、周りからの騒音は入ってこないように遮断しましょう。騒音は聞こえるだけでストレスとなり、人によっては精神的にまいってしまうこともあります。そうなる前に、防音対策をきちんと行うことをおすすめします。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。