2018年6月19日

大規模修繕で起こりやすいトラブルと予防策

大規模修繕は施工期間が長いため、何かとトラブルが起きやすいもの。しかし、事前にトラブルに備えることはできます。施工前・施工中・施工後と段階ごとのトラブル内容や、予防する方法をご紹介します。

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大規模修繕施工前のトラブル

大規模修繕
大規模修繕は工事の期間が長いためトラブルが発生しやすく、施工前の計画段階から円滑に進まないことが多々あります。まずは、施工前のトラブルの内容や予防策をご紹介します。

修繕委員会の結成が上手くいかない

修繕委員会の人数は特に決められているわけではありませんが、多すぎても少なすぎても施工計画に影響を及ぼすことがあります。

たとえば、修繕委員の人数が集まらないと、世代や性別が偏り幅広い意見を集めるのが難しくなります。そこで管理会社に任せっきりになってしまうケースがありますが、そうなると、管理会社は工事費用の値引き交渉などを行ってくれないため、修繕費用が高くなるといった問題が起こりやすくなります。

かといって、委員の人数を多くすればよいというわけでもありません。、世代によって修繕に期待することが異なるため、人数が多過ぎると意見がまとまるまでに時間がかかるからです。よって、修正委員会の人数は5人程度が理想とされています。

居住者への説明は丁寧に

大規模修繕は、居住者の積立金で行うものですので、居住者にはきちんと工事内容を説明し、了承を得てから実施しましょう。了解を得ずに実行してしまうとその後の人間関係の悪化が懸念されます。

たとえば、ベランダの修繕には私物の撤去が必要になる場合がありますが、事前に説明を怠ってしまうと、「私物の置き場がない」などと反対されて工事自体が止まってしまうなどのトラブルが起こりえます。長引くと余計な費用や労力がかかってしまいますので、工事前の段階で理解してもらえるまで丁寧に説明するなど誠意ある対応をしましょう。

大規模修繕施工中のトラブル

施工前にトラブルがなくても、施工が始まって起こる問題もあります。次は、施工中に対策すべき問題をご紹介しましょう。

騒音・臭い・ホコリ・振動のクレーム

近年は低騒音型の機材や臭いの少ない水性塗料などもありますが、工事が始まると騒音や臭いが全くないわけではありません。また、ホコリや振動も発生します。

これらがいつまで続くか分からないと居住者のストレスになります。あらかじめ騒音や振動などが発生する時間をお知らせしておきましょう。そうすれば、居住者はいつまで我慢すれば良いのか分かるため、ストレスの緩和につながります。また、工事の時間帯は外出するなどの対策もとりやすくなります。

騒音などのクレームも、工事のお知らせが不十分であることがほとんどです。大規模修繕が始まるとエントランスに工事日程が貼られますが、これを居住者全員が目を通すとは限りません。我慢を強いることになりそうなときは、確実に工事の日時と内容を知らせるため、全ての部屋宛てにポスティングをする必要があります。

プライバシーの侵害

大規模修繕工事は、足場を組んで工事が行われることがあります。このような工事では作業員が室内をのぞくことがなくても、ベランダに人がいるというだけで居住者は気が休まりません。

工事説明会の際には、作業員がいるときはカーテンを閉めるようアナウンスされますが、通達が行き渡らないと苦情が寄せられる恐れがあります。作業員が外にいる際は自由に洗濯物を干せないなど、入居者にはたださえ不便を強いることになりますので、事前に作業員がベランダ側で作業する日時もしっかりと伝えておきましょう。

その他、古いマンションでは専有部分に給排水管があり、更新のために室内に立ち入る場合があります。入居者の不在時に立ち入るときは許可を得ることは当然として、在宅時にインターホンも押さずに入室してしまうと驚かせてしまいますので、作業員のマナーの徹底も重要になります。

空き巣の心配

工事で足場が組まれると、地上の外から足場を伝って室内に侵入されるリスクがあります。施工業者が1階の足場入口を施錠することになりますが、居住者の視点で考えるとそれだけでは安心できないでしょう。安全対策にも費用がかかりますが、できる限り対策をすることをおすすめします。

安全対策にはいくつかありますが、たとえば施工業者に補助錠の貸し出しを依頼するという方法があります。

また、人感センサータイプのサーチライトの設置もおすすめです。足場や死角になる箇所に設置することで、人が近づくと自然にライトが点灯するため侵入盗の抑制につながります。

さらに警備カメラの設置も有効です。大規模修繕専門のカメラを扱う業者もありますし、様々な種類から選択可能です。機能や設置台数によって価格は異なりますので、防犯対策の費用との兼ね合いを考えながら決めていきます。カメラを設置したら、足場の外に張られたネットの見える箇所に「警備カメラ作動中」の表示を貼り付けておくと、さらに侵入抑止効果が高まります。

工事が始まると多くの人が出入りするようになるため、作業員と不審者の区別がつきにくくなります。作業員には腕章を身につけてもらうなど、工事関係者だとひと目でわかる方法についても業者と相談して決めましょう。

近隣住民からのクレーム

大規模修繕の開始前は居住者に工事内容や日程を細かく知らせることが重要ですが、近隣住民にも同じくらい詳細なお知らせをしましょう。大規模修繕を行っても特にメリットのない近隣住民にとって、工事中の騒音や振動、洗濯物を干せなかったりマンションの下にトラックが止まっていて通行に支障がでることはストレスでしかないため、クレームにつながる可能性があるからです。

よって、近隣への配慮も非常に重要です。ただし、工事日時をお知らせしても時間外の工事をしてしまっては、近隣住民からもマンションの住民からも苦情が寄せられてしまいます。事前に通達していない限りは、時間厳守は必須です。

大規模修繕施工後のトラブル

無事に大規模修繕が終わっても、費用や施工内容によってはトラブルが生じます。施工後に起こり得るトラブル内容と原因、対処法をご紹介します。

工期が短いことによる不具合

施工期間が長くなると居住者のストレスや費用が大きくなるため、修繕はできる限り短い期間で終わらせたいと思うかもしれません。しかし、無理に期間を短くすると必要な工事を省かれてしまうといったリスクもありますので、注意が必要です。

たとえば、外壁の下地補修などは素人では不具合が分からない箇所ですが、ひび割れや雨漏りが発生したら不具合が生じているサインです。大規模修繕後1~2年でこれらの症状が現れた場合は施工不良を疑いましょう。

こうしたトラブルを避けるには、工期を適正に設定するほか、工事内容が適切かなどの確認を管理会社に徹底してもらうことです。

また、工事前から業者のアフターケアの範囲を確認しておくと安心です。定期点検を実施する業者なら、大きなトラブルにつながる前に不具合を直してもらえたり、計画的に修繕予定を立てることができるでしょう。

修繕積立金不足による施工不能

初めての大規模修繕では、修繕が必要な場所が分かりにくく、修繕費を具体的に求めることが難しいため費用が不足することがあります。

次回の修繕に回してしまうと大きなトラブルが見込まれるのであれば、一時的に別の資金から補って工事費を支払い、修繕積立金(管理費)の値上げで対応することになります。ただし、管理費の値上げは居住者の毎月の支払い額を上げることになるため、反対されることが予想されます。

毎月の負担を変えないためには、費用がかかると判明した段階で修繕費として追加分を徴収する方法もあります。しかし、工事内容と追加で修繕費を支払ってもらう旨の説明を早めに行わなければ、工事の続行に反対する方も出てくるでしょう。

居住者の理解が得られなければ最低限の修繕にとどめ、次回の修繕に回すことになります。工事を後回しにした分、次回修繕を行う際は不具合が大きくなり、修繕費がかさむ可能性も心に留めておきましょう。

まとめ

大規模修繕のトラブルとその予防策について、施工前・施工中・施工後に分けてご紹介しました。大規模修繕は修繕委員会の結成が円滑に進まないなど、施工前からトラブルが発生する可能性のある工事です。

施工が始まってからも、居住者や近隣住民から騒音や振動に対するクレームが寄せられたり、施工不良や修繕費が不足するなどの問題が起こるケースも多々あるため、予防するには前もって丁寧な説明や確認を行うことが重要になってきます。

起きてしまったトラブルも迅速かつ丁寧に対応し、大規模修繕の安全性を高めましょう。

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