2018年6月29日

マンションの大規模修繕発注前に知っておくべき3つの方式

マンションは至って頑丈な構造をしていますが、それでも時間の経過とともにゆっくりと劣化していきます。一般的に10年くらい経過するとその劣化が目につき始めます。このため、国土交通省は12年ごとにマンションの大規模修繕を推奨しています。大規模修繕を進めるのはマンションの管理組合ということが多いのですが、修繕の知識がまったくないのに役員になってしまって困っているという人もいますよね。ここではそんな方のために、大規模修繕の発注前に知っておくべき3つの方式についてご紹介します。

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大規模修繕をするときは主に3つの方式が存在する

出典:photoAC

大規模修繕には大きく分けて3つの発注方式があります。

  • 設計監理方式
  • 責任施工方式
  • コンストラクション・マネジメント方式

管理組合ではまずどの方式で発注するかを決めなくてはいけません。それぞれにメリットとデメリットがありますので、その特徴をしっかり把握した上で決定しましょう。

発注方式1.設計監理方式

設計監理方式とは、工事の調査や設計、管理、監修を行う設計会社と、実際の工事を行う施工業者に分ける方式のことです。 設計と施工が別の会社のため、費用が高くなるなるといわれていますが、工事を入札にすることで費用を抑えられます。これにより、設計監理方式のほうが安くなることもあります。

設計:設計会社
工事:工事施工会社

メリット

  • 設計と工事が別々のため費用が明確になる
  • 癒着が起こりにくいので組合員が納得しやすい
  • 設計会社が監理することで手抜き作業が少なくなる

設計と工事が違う業者が行うことにより、設計会社は管理組合と施工会社の間で第三者の役割を果たします。 それにより、お金の流れがはっきりすることが設計監理方式の大きなメリットです。

さらに施工会社を入札で選べるため、修繕費用を抑えることも可能です。管理組合と業者の癒着が防げるので、組合員の理解を得やすいという特徴もあります。

設計会社と工事施工会社は独立していますので、設計会社は自社の責任でしっかりと監理してくれます。工事施工会社が手抜きをしないように厳しい目でチェックしてくれるため、工事の質を高く保つことが期待できます。

デメリット

  • 別途コンサルタント費用が必要になる

設計監理方式は工事会社への支払いとは工事会社とは別に、建築士や設計施工会社へコンサルタント料が発生します。 そのため当然費用が高くなってしまいます。

発注方式2.責任施工方式

設計監理方式は設計と工事を別業者が受け持ちますが、責任施工方式は工事施工会社にすべて任せる形で修繕を行います。マンションの管理会社はこちらの方式を勧めることが多いです。

設計:工事施工会社
工事:工事施工会社

メリット

  • 窓口が一本化される
  • 施工性に無理のない工事計画が立てられる

まずメリットとして挙げられるのが、管理組合の作業が減るため管理が楽になるということです。管理組合の担当者も忙しく、修繕のための打ち合わせなどになかなか時間を割けないケースがあります。そういう場合、話をする相手が1社だけで済むのは大きなメリットです。

設計監理方式は、施工性まで考慮されないことがあります。その場合、スケジュールに無理が出たり、工事に時間がかかるため、費用が高くなってしまいます。 一方でこちらの責任施工方式は設計と工事が同じ会社ですので、施工技術に合わせた設計をしてもらえます。

デメリット

  • 工事施工会社選びに手間と時間がかかる
  • 手抜き工事が発生しても見抜けない

責任施工方式の場合、質の高い修繕をしてもらうためには工事施工会社選びが重要になります。相見積もりの形にすれば費用も抑えられます。 しかし、専門の知識のない人には業者の比較が難しく、結果的に低価格低品質な会社を選んでしまう可能性があります。

管理者がおらず第三者視点からのチェックが入らないため、施工会社による手抜き工事や施工不良が起きてしまった場合に見抜くことが困難です。 見た目はすごくきれいに仕上がっていても、手抜き工事をされると数年でまた劣化してしまいます。そうなっては、本来の修繕周期よりも早いタイミングでの修繕が必要となるので注意しましょう。

発注方式3.コンストラクション・マネジメント方式(CM方式)

コンストラクション・マネジメント方式(CM方式)は日本ではあまり定着していませんが、アメリカなどでは一般的な発注方式として採用されています。コンストラクションマネージャー(CMR)が管理組合のパートナーとなり、修繕を包括的にマネジメントしてくれます。

設計:設計会社
工事:工事施工会社
サポート:コンストラクション・マネジメント会社

管理組合の担当者は修繕に関しては詳しくない方もいますので、設計会社や工事施工会社を選ぶときに正しい判断が難しいという問題があります。CMRは業者選びのアドバイスや、提出された見積もりの妥当性、設計は正しいかなど細かくサポートしてくれるので安心です。

設計監理方式では設計会社が監理はしても、工事そのものは担当範囲外ですので、細かく口出しすることができません。CM方式ならCMRが管理組合の代行者として、各工事に最適な業者を選択してくれます。

しかし、大規模修繕に関わる業者の数が増えると、アフター保証に関してどこが担当するのあやふやになることがあるので注意しましょう。

まとめ

初めてマンションの大規模修繕に関わるという方は、分からないことだらけで自分の意見を出すことも難しいかと思います。 しかし、組合員に工事の概要を説明することや、手抜き工事などを防ぐための管理体制を構築すること不可欠です。

まずは、どのような方式で大規模修繕を行うのか議論しなくてはいけません。 その議論をするにしても知識がなければできないので、3つの発注方式をきちんと理解しておきましょう。

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